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第八章
131 強化2
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―――面白い。ここまで強くなるのか…さっきとはまた違うな。
クラウディアもいつもと違う感覚に、「これならいける」と感じ、何度も仕掛ける。
―――楽しい、楽しい、楽しい!
強化しているとはいえ、ここまで気兼ねなく動けることが嬉しく、クラウディアは積極的に攻撃した。
しかし、テオドールはそれくらいではびくともしない。その代わりにニヤッとして一言ポツリ「いいね」と言った。
いつもなら数分で終わるだろう対戦も、その倍ほどの時間が経過していた。しかし、そうなると身体強化をしているクラウディアの体力が持たなくなり、少しずつ押され始める。
「そろそろ限界か?」
「まだ…!」
何度か剣がぶつかる音がし、長かった対戦が終わりを告げた。
「ディー、これで終わりだ」
テオドールの力が入った一撃が入り、クラウディアは剣で受けるものの、体ごと数メートル弾き飛ばされ仰向きに倒れこんだ。
◇
「魔術陣展開……身体強化…」
彼女が手のひらを頭上に向けて掲げると、そこに円形の繊細な魔術陣が描かれ光るとともに、輝く魔術陣が体を包み込むよう、クラウディアの足元へと降りてきた。
―――なんだ…あれは。あんな使い方は見たことない…
ニコラスはクラウディアの展開した魔術陣の精巧さにそして、その魔術陣の使い方に驚きを隠せなかった。
「ねえ、ニック?あれ、ニックもできるの?」
サラは自身に魔力がないためにそう言ったのだが、ニコラスは言葉に詰まりながらも正直に答えた。
「いや……俺も始めて見た…」
「そうなの?」
「ああ…さっきの剣への付与もそうだが、魔術陣をあんな風に使うなんて、考えたこともない」
ニコラスは目の前で起こっていることを見逃さないようにしっかりと脳裏に焼き付ける。
通常、魔術陣は足元に陣を敷き、その陣の中のものを守ったり浄化したりすることに使われるのが普通だが、クラウディアは頭上に陣を展開した。そしてそれを足元へ下ろして体に纏わせるようにしている。
こんな使い方は今までに一度も見たことがない。
―――ディアの速度が速い。受ける力も。あのテオが本気でやろうとしているなんて、いったいどうなっている?
考えても答えは出ないのはわかっているが、どうしても考えずにはいられなかった。
テオドールとの対戦をとても楽しんでいる彼女の笑顔がとても眩しく輝いているのを見て心が痛む。
―――いつも加減をしていたからか…しかし、ディアのあれは体に負担がかかっているだろう。もつのか?
自問自答している間に、テオドールの最後の一撃で決着がついた。
「ディア 、これで終わりだ」
力が入った一撃が入り、クラウディアは剣で受けるものの、体ごと数メートル弾き飛ばされ仰向きに倒れこんだ。
「ああぁん!負けたぁぁ」
「悪い、ディア、大丈夫か?」
すぐにテオドールが駆け寄り、クラウディアに手を差し出し、その手を取って立ち上がろうとしたが、身体強化の影響か体に力が入らずその場に崩れるように座り込んだ。
「あ……」
クラウディアの考えていた以上の負担が体にかかったらしく、力が全く入らなかった。
「ディア!凄かったわ」
サラが抱きついてきたが、力が入らずに倒れてしまう。魔力はさほど減っていないが、体力の減りは激しかった。
「サラ…楽しかったよ。思いっきりやると、こんなに気持ちいいんだね」
そう言った後、クラウディアの意識はぷっつりと途切れた。
「ディア?」
「おい、ディア?」
呼ばれてる?…そう思いながら、クラウディアは眠りの深い沼にどっぷりとはまっていった。
「……寝てるわね」
「ああ…寝てるな」
「幸せそうな顔してるね…」
「やはりか…ベイリーから聞いてはいたが、相当無理がかかるようだな。サラ、部屋を用意させろ。あれだけ無理をしたから、しばらく起きないだろう」
ジークフリートの言葉で「すぐに準備させる」と言い残し、サラは屋敷へと向かった。その瞬間に、さっとテオドールがクラウディアを抱き上げる。
「俺の家だからな。俺が連れて行く」
優しく抱き上げ、ニコラスをちらりと見たが、表情からその気持ちはうかがい知れない。『心を隠すのが上手いな…』
メイドに声をかけて、部屋と着替えの準備をさせる。そうこうしているうちに、テオドールがクラウディアを連れてきた。
「あら、兄さんなの?ニックじゃないのね」
「我が家なのに人に頼めるか…」
妹にまでそう言われるとは思っていなかったので、テオドールは少し傷ついていた。後ろから付いてきていたニコラスも思わず笑う。
クラウディアをソファーにそっと下ろし、幸せそうな表情で眠る彼女の顔を見て思わず笑みがこぼれ、四人ともホッとしていた。
「これ、取ってもいいわよね」
サラが認識阻害の魔道具を指さし外した。
確かに三人とも姿を見知っているわけだし、屋敷の使用人も信頼できる人物しか雇い入れていないのだから、正体が広まることはない。
ぼやっとしたと思ったら、そこにはまさに女神のような金の髪の少女が現れた。
「ディーって本当に美少女よね。この姿で外を歩かせられないわ」
「それで公爵も領地に留めていたのかもな」
「ディーは来年学園に入学するのに大丈夫なのかな…心配だわ」
四人は顔を見合わせて納得するように頷いた。
「俺も同じ学年だったら見ていられるんだけどな」
ローラントがぼそっと言った言葉をみんなが聞いていたが「お前は雑輩の中の一人にしかならない」と言われてしまう。
「兄さんがフェストの時に花なんて渡すから、ディーが注目されるようになったのよ」
あのフェストの後からクラウディアの存在が広まり、ウィルバート家にも様々な問い合わせがあったことを思い出す。クロスローズも同じような状況だったらしいが、ウィルバート家との違いはその事が本人の耳に入る前に処理されていたことだろう。
「まあ、過ぎたことは仕方ないからいいわ。三人共も汗を流してきたら?」
そういうサラの言葉に従い、用意された部屋へと行った。そして、三人を送り出してから、自分も汗を流しに部屋へと向かう。
―――あの様子だとしばらく起きないわね…
とりあえず執事に、父に連絡を取って、クラウディアを泊まらせる許可を取ってほしいとお願いをしておく。
「さて…今日は面白いことがあるかな」
ニコラスとテオドールの顔を思い浮かべ、サラは思わず笑みを零した。
クラウディアもいつもと違う感覚に、「これならいける」と感じ、何度も仕掛ける。
―――楽しい、楽しい、楽しい!
強化しているとはいえ、ここまで気兼ねなく動けることが嬉しく、クラウディアは積極的に攻撃した。
しかし、テオドールはそれくらいではびくともしない。その代わりにニヤッとして一言ポツリ「いいね」と言った。
いつもなら数分で終わるだろう対戦も、その倍ほどの時間が経過していた。しかし、そうなると身体強化をしているクラウディアの体力が持たなくなり、少しずつ押され始める。
「そろそろ限界か?」
「まだ…!」
何度か剣がぶつかる音がし、長かった対戦が終わりを告げた。
「ディー、これで終わりだ」
テオドールの力が入った一撃が入り、クラウディアは剣で受けるものの、体ごと数メートル弾き飛ばされ仰向きに倒れこんだ。
◇
「魔術陣展開……身体強化…」
彼女が手のひらを頭上に向けて掲げると、そこに円形の繊細な魔術陣が描かれ光るとともに、輝く魔術陣が体を包み込むよう、クラウディアの足元へと降りてきた。
―――なんだ…あれは。あんな使い方は見たことない…
ニコラスはクラウディアの展開した魔術陣の精巧さにそして、その魔術陣の使い方に驚きを隠せなかった。
「ねえ、ニック?あれ、ニックもできるの?」
サラは自身に魔力がないためにそう言ったのだが、ニコラスは言葉に詰まりながらも正直に答えた。
「いや……俺も始めて見た…」
「そうなの?」
「ああ…さっきの剣への付与もそうだが、魔術陣をあんな風に使うなんて、考えたこともない」
ニコラスは目の前で起こっていることを見逃さないようにしっかりと脳裏に焼き付ける。
通常、魔術陣は足元に陣を敷き、その陣の中のものを守ったり浄化したりすることに使われるのが普通だが、クラウディアは頭上に陣を展開した。そしてそれを足元へ下ろして体に纏わせるようにしている。
こんな使い方は今までに一度も見たことがない。
―――ディアの速度が速い。受ける力も。あのテオが本気でやろうとしているなんて、いったいどうなっている?
考えても答えは出ないのはわかっているが、どうしても考えずにはいられなかった。
テオドールとの対戦をとても楽しんでいる彼女の笑顔がとても眩しく輝いているのを見て心が痛む。
―――いつも加減をしていたからか…しかし、ディアのあれは体に負担がかかっているだろう。もつのか?
自問自答している間に、テオドールの最後の一撃で決着がついた。
「ディア 、これで終わりだ」
力が入った一撃が入り、クラウディアは剣で受けるものの、体ごと数メートル弾き飛ばされ仰向きに倒れこんだ。
「ああぁん!負けたぁぁ」
「悪い、ディア、大丈夫か?」
すぐにテオドールが駆け寄り、クラウディアに手を差し出し、その手を取って立ち上がろうとしたが、身体強化の影響か体に力が入らずその場に崩れるように座り込んだ。
「あ……」
クラウディアの考えていた以上の負担が体にかかったらしく、力が全く入らなかった。
「ディア!凄かったわ」
サラが抱きついてきたが、力が入らずに倒れてしまう。魔力はさほど減っていないが、体力の減りは激しかった。
「サラ…楽しかったよ。思いっきりやると、こんなに気持ちいいんだね」
そう言った後、クラウディアの意識はぷっつりと途切れた。
「ディア?」
「おい、ディア?」
呼ばれてる?…そう思いながら、クラウディアは眠りの深い沼にどっぷりとはまっていった。
「……寝てるわね」
「ああ…寝てるな」
「幸せそうな顔してるね…」
「やはりか…ベイリーから聞いてはいたが、相当無理がかかるようだな。サラ、部屋を用意させろ。あれだけ無理をしたから、しばらく起きないだろう」
ジークフリートの言葉で「すぐに準備させる」と言い残し、サラは屋敷へと向かった。その瞬間に、さっとテオドールがクラウディアを抱き上げる。
「俺の家だからな。俺が連れて行く」
優しく抱き上げ、ニコラスをちらりと見たが、表情からその気持ちはうかがい知れない。『心を隠すのが上手いな…』
メイドに声をかけて、部屋と着替えの準備をさせる。そうこうしているうちに、テオドールがクラウディアを連れてきた。
「あら、兄さんなの?ニックじゃないのね」
「我が家なのに人に頼めるか…」
妹にまでそう言われるとは思っていなかったので、テオドールは少し傷ついていた。後ろから付いてきていたニコラスも思わず笑う。
クラウディアをソファーにそっと下ろし、幸せそうな表情で眠る彼女の顔を見て思わず笑みがこぼれ、四人ともホッとしていた。
「これ、取ってもいいわよね」
サラが認識阻害の魔道具を指さし外した。
確かに三人とも姿を見知っているわけだし、屋敷の使用人も信頼できる人物しか雇い入れていないのだから、正体が広まることはない。
ぼやっとしたと思ったら、そこにはまさに女神のような金の髪の少女が現れた。
「ディーって本当に美少女よね。この姿で外を歩かせられないわ」
「それで公爵も領地に留めていたのかもな」
「ディーは来年学園に入学するのに大丈夫なのかな…心配だわ」
四人は顔を見合わせて納得するように頷いた。
「俺も同じ学年だったら見ていられるんだけどな」
ローラントがぼそっと言った言葉をみんなが聞いていたが「お前は雑輩の中の一人にしかならない」と言われてしまう。
「兄さんがフェストの時に花なんて渡すから、ディーが注目されるようになったのよ」
あのフェストの後からクラウディアの存在が広まり、ウィルバート家にも様々な問い合わせがあったことを思い出す。クロスローズも同じような状況だったらしいが、ウィルバート家との違いはその事が本人の耳に入る前に処理されていたことだろう。
「まあ、過ぎたことは仕方ないからいいわ。三人共も汗を流してきたら?」
そういうサラの言葉に従い、用意された部屋へと行った。そして、三人を送り出してから、自分も汗を流しに部屋へと向かう。
―――あの様子だとしばらく起きないわね…
とりあえず執事に、父に連絡を取って、クラウディアを泊まらせる許可を取ってほしいとお願いをしておく。
「さて…今日は面白いことがあるかな」
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