勝の道 〜喧嘩甲子園編〜

オラフ

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第二勝 初陣

初めてのショッピングモール

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 待ち合わせ時間前に駅に着くと天羽が先にいた。



 これってまだ時間じゃないけど話しかけに行った方が良いのか?



 そんなことを考えていると僕が来たことに気付いた天羽が寄ってきてくれた。



「おはよ~」



「お、おはよ。まだ待ち合わせ時間じゃないよね」



「楽しみだから早く来ちゃった、行こっか」



 天羽がそう言って駅の中に歩いていったが僕は楽しみと言われ頭の中がフリーズしていた。



 そうして僕たちは電車に乗り、数分で隣の駅に着いた。



 電車を降り、改札を出る。



「で、でっか」



「でかいでしょ、鬼ちゃん初めてなの」



「一回も来たことないよ」



「映画館もあるんだよ、後で行こっ」



 僕と天羽はショッピングモールの中に入って行った。



 ん、ちょっと待てよ。



 それって映画デートじゃねえか。



「どうしたの顔赤いけど」



「外暑かったからでなんでもないよ」



「なら良いけど。あ、ここだ」



 危ね~~。



 天羽が歩くのを止めたお店はお目当ての水着屋だった。



ピッ ピッ



 水着屋の前に着いた瞬間、腕時計が鳴った。



 誰かがこのショッピングモールに来ているのか。



 あったら喧嘩になるかもな。



 腕時計を見ると僕の左側に選手がいるらしい。



 左を向くと二人の女性と歩いている男が見えた。



 こいつが選手だな。



 坊主で切長の目を持っていて金髪だ。



 どっかで見たことがあるような。



「あっ」



「あっ」



僕と目の前にいる男虎 剛は同時に声を出した。



「久しぶりだな、勝。優勝候補になったらしいじゃねえか」



「剛はもう喧嘩したのかよ? 女の子二人と楽しくショッピングしていて余裕だな」



「そう言う勝だって彼女とデートじゃねえか」



 僕と天羽は顔を赤くした。



「それにこの子達に逆ナンされただけな。俺は孤塚 紅を探しに来ただけだ」



「孤塚 紅ってめちゃくちゃ強いって聞いたけど? 」



「気をつけろよ、孤塚だけは会っても喧嘩は売らない方が良いからな。勝は俺が倒すんだからさ」



 そう言って剛は歩き始めた。



「ねえ鬼ちゃん、あの人誰? 」



「え、覚えてないの? あの時の……」



「俺のこと覚えてないのかい? 」



 急に剛が割って入ってきた。



 天羽はわからないと頷いたのを見て剛は落ち込んだ。



 剛はイケメンだから女子に忘れられるということは初めてなのだろう。



「鬼ちゃん、水着選びにいこ」



「そうだね。じゃあな剛」



「そうだ、俺も水着買いに来たんだった。忘れてたわ」



 そう言って剛と女子二人も水着屋に入ってきた。



 剛も海に行くのだろうか?



「勝はどんな水着買う予定なんだ? 」



「別に決めてないけど」



「じゃあ俺が選んでやるよ、どんなのが良い? 」



「ダメだよ、私が選ぶんだから。ねぇ鬼ちゃん」



 男の水着なんて全部一緒だと思うけどな。



「ダメだ、俺が選ぶんだ」



「そこまで言うならどっちが良い水着を選べるか勝負してあげても良いけど」



「上等だよ」



 そうして、天羽と剛の勝負が始まった。

 

 なに、むきになってんだか。
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