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5☆大人と高校生
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プレゼントは赤いリボンのモチーフの真ん中にジルコニアが、あしらわれ、白い毛玉がチェリーのようで可愛らしいネックレスが流行りらしくそれを買いに百貨店で予約をしていた。
季節にピッタリで可愛くて特別の日の、プレゼントとして人気で、さらに真陽姉が師匠と崇めているファッションデザイナーの特別な作品らしい。
もふもふ好きの真陽姉が似合うもの……そして大人らしいプレゼントだと女子から雑誌を借りて見て予約をしていた。
ついに当日、春陽はプレゼントを買い髪も整えて、服もクリスマスカラーの小洒落た感じの服を選ぶ。
一旦家に帰って着替えてから真陽の家に向かう予定だ。
ワクワクしながら家に帰る途中、クリスマスのおしゃれな雰囲気を、演出したカフェを見て
(ここでクリスマスを真陽姉と過ごすのもオシャレでいいなぁ……)
眺めていたら、真陽がカフェで、男の人と話しているのを発見した。
気になって春陽もそのカフェに入って案内されたところがちょうど二人の様子が見れてこちらには気づかれない所だった。
見たところ三十代でスタイリッシュで背の高いラテン系の濃い顔をしたハーフのような男性であごひげがオシャレに整っていた。
男の色気を傍目からも感じる。
そんな男の心を見なくても分かるが、しばらく閉ざしていたテレパシーの能力を開く。
更に男の心をテレパシーで集中して聴くとやっぱり下心がある。
《今夜は俺が真陽を女にしてやるか……》
という上から目線の下心にキレそうになったのを抑えて、男を睨む。
男は真陽の後ろにまわって髪の毛をいやらしく触る。
それだけでも理性が飛びそうだけど、瑠香兄に「お前はすぐカッとなると見境なく噛み付く癖があるからとりあえず一旦冷静に事態を見極めろ!」と言われたことを思い出す。
(すかさず葛葉子に「瑠香も頑張ろうね」って言われてたけど……)
男が真陽姉の首に掛けたのは春陽がプレゼント予定のネックレスだった。
真陽の細くて長い首筋と美しい鎖骨の間にリボンモチーフの真ん中のジルコニアが輝く。
大人っぽさに可愛らしさが引き立てる。
「真陽を、イメージして作った甲斐があったよ……とても似合ってる」
わざと耳元で低い声で色っぽく囁く。
「あ、ありがとうございます……」
真陽は顔を赤らめて照れて口ごもるように言った。
そんな真陽に男は子供にするようにポンポンと頭を遠慮なく撫で微笑む。
真陽はポーっと顔を赤らめて男を見つめていた。
(真陽姉は何を考えてるんだろう……)
と思った瞬間考えが流れ込む。
春陽はテレパシーの思念を遮断することがまだ苦手だった。
(先生はとても大人で落ち着いていて、優しくて……大人の包容力っていいかも……)
はっ!と真陽は正気に戻って
真陽も無意識ながらドキドキしてしまうが、
(私には春陽くんがいるんだから、なびいてはダメよ!大人の男性が素敵にみえるからって……)
ズキリと春陽の胸にその思考はささる。
嫉妬心まで打ち砕かれて胸に風穴が吹く。
春陽はふと思い出す。
真陽の初恋の人は晶という年上の従兄弟のお兄さんだった。
(真陽姉は本来は年上が好みなのかも知れない……)
男は真剣な顔になって真陽と向かい肘で上半身を支え両手を組む。
「真陽は恋人いるってホントかい?」
「ホントですよ」
「その彼と結婚の予定とかあるの?」
真陽は気にしている所を突かれた。
友達みんな結婚しちゃって焦ってしまう気持ちは確かにあるからだ。
「ある事はありますけどぉ……」
真陽は口ごもる。
(みんなには彼氏はいるとは公言はしているけど……彼氏を問いつめられて高校生とか言うとドン引きされてしまうから言えないのよね……仕事のインタビューで書かれたりすると厄介だし……)
春陽の心にまたもやグサグサっとまた心に矢が突き刺さる。
(結婚もお互いに考えてるし誓いあってるのに自分が高校生……年下ということで宣言も出来ないなんて……さらに仕事の邪魔になっちゃう可能性もあるの?)
春陽はいつもなら嫉妬全開で何もかも考えずに真陽に近づく者には噛み付くはずなのに、噛み付く前にすごくショックをうけて闘牙を抜かれた。
(真陽姉に僕はまだ不釣り合いだったなんて…………)
早くオトナになりたい……
真陽姉に見合う大人になりたかった……
春陽はショックのあまりフラフラとお店を出ていった。
真陽は自分の名前を呼んだ心を不意にキャッチしてしまった。
今は目の前にいる大人の男性の心を覗きながら話していたけれど、自分を思う強い思念を優先的に拾ってしまう……
(春陽くん…………約束を破りやがって……)
テーブルの下の手の拳をさらに握る。爪がくい込んで冷静さをなんとか保っている。
(……いくら大人の男が好みでも、下心丸出しの男って萎えるわ……やっぱり純粋に恋をしてくれる春陽君に叶う男の人はいないわ……)
と思いため息をはく。
ファッションデザインの憧れの先生の矢口は真陽の口篭り方は彼氏と上手くいってないと確信して切り出すことを決める。
「で……彼氏に内緒で今夜オレと過ごさな……い?」
「ごめんなさい、今夜は大切な人と過ごす予定なので……」
「そ、そうなのか、それは残念。」
彼は真陽の今まで見たことの無い般若の鬼の形相に、恐れを抱き誘いを断られて、心底ほっとした。
季節にピッタリで可愛くて特別の日の、プレゼントとして人気で、さらに真陽姉が師匠と崇めているファッションデザイナーの特別な作品らしい。
もふもふ好きの真陽姉が似合うもの……そして大人らしいプレゼントだと女子から雑誌を借りて見て予約をしていた。
ついに当日、春陽はプレゼントを買い髪も整えて、服もクリスマスカラーの小洒落た感じの服を選ぶ。
一旦家に帰って着替えてから真陽の家に向かう予定だ。
ワクワクしながら家に帰る途中、クリスマスのおしゃれな雰囲気を、演出したカフェを見て
(ここでクリスマスを真陽姉と過ごすのもオシャレでいいなぁ……)
眺めていたら、真陽がカフェで、男の人と話しているのを発見した。
気になって春陽もそのカフェに入って案内されたところがちょうど二人の様子が見れてこちらには気づかれない所だった。
見たところ三十代でスタイリッシュで背の高いラテン系の濃い顔をしたハーフのような男性であごひげがオシャレに整っていた。
男の色気を傍目からも感じる。
そんな男の心を見なくても分かるが、しばらく閉ざしていたテレパシーの能力を開く。
更に男の心をテレパシーで集中して聴くとやっぱり下心がある。
《今夜は俺が真陽を女にしてやるか……》
という上から目線の下心にキレそうになったのを抑えて、男を睨む。
男は真陽の後ろにまわって髪の毛をいやらしく触る。
それだけでも理性が飛びそうだけど、瑠香兄に「お前はすぐカッとなると見境なく噛み付く癖があるからとりあえず一旦冷静に事態を見極めろ!」と言われたことを思い出す。
(すかさず葛葉子に「瑠香も頑張ろうね」って言われてたけど……)
男が真陽姉の首に掛けたのは春陽がプレゼント予定のネックレスだった。
真陽の細くて長い首筋と美しい鎖骨の間にリボンモチーフの真ん中のジルコニアが輝く。
大人っぽさに可愛らしさが引き立てる。
「真陽を、イメージして作った甲斐があったよ……とても似合ってる」
わざと耳元で低い声で色っぽく囁く。
「あ、ありがとうございます……」
真陽は顔を赤らめて照れて口ごもるように言った。
そんな真陽に男は子供にするようにポンポンと頭を遠慮なく撫で微笑む。
真陽はポーっと顔を赤らめて男を見つめていた。
(真陽姉は何を考えてるんだろう……)
と思った瞬間考えが流れ込む。
春陽はテレパシーの思念を遮断することがまだ苦手だった。
(先生はとても大人で落ち着いていて、優しくて……大人の包容力っていいかも……)
はっ!と真陽は正気に戻って
真陽も無意識ながらドキドキしてしまうが、
(私には春陽くんがいるんだから、なびいてはダメよ!大人の男性が素敵にみえるからって……)
ズキリと春陽の胸にその思考はささる。
嫉妬心まで打ち砕かれて胸に風穴が吹く。
春陽はふと思い出す。
真陽の初恋の人は晶という年上の従兄弟のお兄さんだった。
(真陽姉は本来は年上が好みなのかも知れない……)
男は真剣な顔になって真陽と向かい肘で上半身を支え両手を組む。
「真陽は恋人いるってホントかい?」
「ホントですよ」
「その彼と結婚の予定とかあるの?」
真陽は気にしている所を突かれた。
友達みんな結婚しちゃって焦ってしまう気持ちは確かにあるからだ。
「ある事はありますけどぉ……」
真陽は口ごもる。
(みんなには彼氏はいるとは公言はしているけど……彼氏を問いつめられて高校生とか言うとドン引きされてしまうから言えないのよね……仕事のインタビューで書かれたりすると厄介だし……)
春陽の心にまたもやグサグサっとまた心に矢が突き刺さる。
(結婚もお互いに考えてるし誓いあってるのに自分が高校生……年下ということで宣言も出来ないなんて……さらに仕事の邪魔になっちゃう可能性もあるの?)
春陽はいつもなら嫉妬全開で何もかも考えずに真陽に近づく者には噛み付くはずなのに、噛み付く前にすごくショックをうけて闘牙を抜かれた。
(真陽姉に僕はまだ不釣り合いだったなんて…………)
早くオトナになりたい……
真陽姉に見合う大人になりたかった……
春陽はショックのあまりフラフラとお店を出ていった。
真陽は自分の名前を呼んだ心を不意にキャッチしてしまった。
今は目の前にいる大人の男性の心を覗きながら話していたけれど、自分を思う強い思念を優先的に拾ってしまう……
(春陽くん…………約束を破りやがって……)
テーブルの下の手の拳をさらに握る。爪がくい込んで冷静さをなんとか保っている。
(……いくら大人の男が好みでも、下心丸出しの男って萎えるわ……やっぱり純粋に恋をしてくれる春陽君に叶う男の人はいないわ……)
と思いため息をはく。
ファッションデザインの憧れの先生の矢口は真陽の口篭り方は彼氏と上手くいってないと確信して切り出すことを決める。
「で……彼氏に内緒で今夜オレと過ごさな……い?」
「ごめんなさい、今夜は大切な人と過ごす予定なので……」
「そ、そうなのか、それは残念。」
彼は真陽の今まで見たことの無い般若の鬼の形相に、恐れを抱き誘いを断られて、心底ほっとした。
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