主婦と神様の恋愛事情

花咲蝶ちょ

文字の大きさ
上 下
95 / 95
スケバンの恋の行方

11☆親友と歓談☆エンド☆

しおりを挟む
「その後、色々協力したり恋の相談してもらったりして親友としてお付き合いしてるのよね」
 雪は懐かしい思い出を語り終えて嬉しそうに微笑む。
「今日も恋する旦那様の自慢話に花を咲かせる予定よ」
 ねーっ!と、女子高生のようなノリで仲良しの現代の二人に高校生の息子たちは少し引く。
「へぇーそうだっんだ。羨ましいなぁ…母さん同士で繋がりがあるなんて」
 だが薫は微笑ましく思う。
「それと、さっき、て単語が引っかかったんだけど…俺の一族のことかな?」
「君は香茂家の者なのか?」
「香茂薫ていうんだ。阿部野家の血筋の方が俺は濃いけどね。あと、おばさんの新しい旦那のハル様とは従兄弟だよ」
 そう言ってキツネ耳と尻尾をだした。
「もしかして…お腹の子供もキツネ耳生えるかしら?」
「妊娠するためにおばさんからハル様を襲ったんじゃなければ大丈夫だよ」
 晴房は阿部野血筋を超越して皇室を守る神の化身として生まれ変わったのであやかしの子供が授かるかわからないけれどと密かに薫は思う。
「薫…そういうことは口に出さないでくれ……」
 潔癖な李流は母の代わりに顔を真っ赤にして憤る。
「すまん。三子なら俺に似た半妖になるか心配なのかと思って」
(母の情事に関わることを言われるのちょっとやだ……)
 李流は心で薫に伝える。
《すまん!デリカシーとプライベート気遣うの出来なかった!》
 薫はテレパシーで伝えて謝ってくれた。
「君は本当に阿部野一族のものなんだな…。私は阿部野殿とは会ったことはないが噂はかねがね聞いているぞ。」
 緒丹子は感心した。
「じゃ今度、祖父に鬼女将の温泉の事聞いてみようかな?それにその噂の鬼女将の温泉に行ってみたいな。な?二人とも」
「伝統衛士の仕事が三人お休みになった日帰りでもいってみたいな」
 李流は友達と温泉旅行に楽しみを感じる。
「僕は毎年の行ってますよ。香茂家の伝手じゃなくても招待しますよ。」
 篁は威張る。
 香茂家の使役のような伝手で行くのは癪だと思ってた。
「ま、どちらでもいいけど、楽しみだよなっ!」
 といい、篁の肩と李流の肩を薫は叩く。
 悪意のない、意趣返しをしない薫の態度に篁はマウントを取ろうとした事に恥ずかしくなる。
「息子よ、色々、人と付き合い成長しろ。母のようにな。」
「はい…」
「緒丹子は少し変わりすぎだけどね、雰囲気とか口調とか」
「もう、それをいうなら雪もでしょー?」
「そうかしら?私変わってないと思うけど」
 親友二人は女子高生のノリに戻る。
「そう言えば李流を妊娠した時同じ産婦人科で仲良くなった若いママさんの苗字が『香茂』さん…だったわね。」
 雪は不意に思い出してそう言った。
 後ろに様子を見にきた幽霊の母の葛葉子が、噂に引き寄せられて来たようだ。
「定期検診にあった時しか会わなかったし、ちょっとした事件もあったのよ?」
「え!オレ初耳!ほんと?」
 幽霊の母の方に尋ねる。
 葛葉子は思い出したように手鼓を打つ。
「なーんだ!俺!生まれる前から李流とは運命が繋がってたのかもなー!」
「そんなのずるいですーーー!」
「篁はすぐ羨ましがるな!」
 緒丹子は息子の額にデコピンをした。
「二人ともそろそろオレの部屋に行こう」
「温泉の計画もたてようぜ!」
「もう温泉行く事決定なんですね……」
「李流と二人だけでもいいんだけどな」
「ずるい!僕も行きます!」
「じゃ、緒丹子さん、ごゆっくり」
 李流は緒丹子一礼して二人を部屋に招いた。
「相変わらず李流くんはよく出来た息子だな。」
「そうなのよ。そのため母離れ早くて宮中住まいでなかなか帰ってこないのがさみしいけどね」
「まぁ、赤子が生まれたらそうも言ってられまい」
「そうなのよね。忙しくなる前に緒丹子とも積もる話をしておきたいわ」
「ふふ、あたいもだ。」

 夕暮れまで桜庭家は歓談に花が咲いたのだった。
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

あなたの子ですが、内緒で育てます

椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」  突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。  夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。  私は強くなることを決意する。 「この子は私が育てます!」  お腹にいる子供は王の子。  王の子だけが不思議な力を持つ。  私は育った子供を連れて王宮へ戻る。  ――そして、私を追い出したことを後悔してください。 ※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ ※他サイト様でも掲載しております。 ※hotランキング1位&エールありがとうございます!

王太子の子を孕まされてました

杏仁豆腐
恋愛
遊び人の王太子に無理やり犯され『私の子を孕んでくれ』と言われ……。しかし王太子には既に婚約者が……侍女だった私がその後執拗な虐めを受けるので、仕返しをしたいと思っています。 ※不定期更新予定です。一話完結型です。苛め、暴力表現、性描写の表現がありますのでR指定しました。宜しくお願い致します。ノリノリの場合は大量更新したいなと思っております。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

女官になるはずだった妃

夜空 筒
恋愛
女官になる。 そう聞いていたはずなのに。 あれよあれよという間に、着飾られた私は自国の皇帝の妃の一人になっていた。 しかし、皇帝のお迎えもなく 「忙しいから、もう後宮に入っていいよ」 そんなノリの言葉を彼の側近から賜って後宮入りした私。 秘書省監のならびに本の虫である父を持つ、そんな私も無類の読書好き。 朝議が始まる早朝に、私は父が働く文徳楼に通っている。 そこで好きな著者の本を借りては、殿舎に籠る毎日。 皇帝のお渡りもないし、既に皇后に一番近い妃もいる。 縁付くには程遠い私が、ある日を境に平穏だった日常を壊される羽目になる。 誰とも褥を共にしない皇帝と、女官になるつもりで入ってきた本の虫妃の話。 更新はまばらですが、完結させたいとは思っています。 多分…

妻のち愛人。

ひろか
恋愛
五つ下のエンリは、幼馴染から夫になった。 「ねーねー、ロナぁー」 甘えん坊なエンリは子供の頃から私の後をついてまわり、結婚してからも後をついてまわり、無いはずの尻尾をブンブン振るワンコのような夫。 そんな結婚生活が四ヶ月たった私の誕生日、目の前に突きつけられたのは離縁書だった。

〖完結〗私が死ねばいいのですね。

藍川みいな
恋愛
侯爵令嬢に生まれた、クレア・コール。 両親が亡くなり、叔父の養子になった。叔父のカーターは、クレアを使用人のように使い、気に入らないと殴りつける。 それでも懸命に生きていたが、ある日濡れ衣を着せられ連行される。 冤罪で地下牢に入れられたクレアを、この国を影で牛耳るデリード公爵が訪ねて来て愛人になれと言って来た。 クレアは愛するホルス王子をずっと待っていた。彼以外のものになる気はない。愛人にはならないと断ったが、デリード公爵は諦めるつもりはなかった。処刑される前日にまた来ると言い残し、デリード公爵は去って行く。 そのことを知ったカーターは、クレアに毒を渡し、死んでくれと頼んで来た。 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 全21話で完結になります。

初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話

ラララキヲ
恋愛
 長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。  初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。  しかし寝室に居た妻は……  希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──  一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……── <【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました> ◇テンプレ浮気クソ男女。 ◇軽い触れ合い表現があるのでR15に ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇ご都合展開。矛盾は察して下さい… ◇なろうにも上げてます。 ※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)

処理中です...