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あやかしと神様の仲違い

7☆仲違い

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「もう、狐のままでいい!」
 狐の葛葉子は毛を逆立てて、瑠香に威嚇する。
「人間になって瑠香に、変なことされるのヤダ!」

 そのまま、闇に消えていった。


「オレはっ…何、発情してるんだっ…!」

 理性をなくしたとはいえ葛葉子の気持ちも考えないで……
 いや、今まで考えてなかった。
 考えを覗くことはあっても…
 思いやりがなかった……
 これから葛葉子にどう接すれば許してくれる?
 許してくれないかもしれない…
 自己嫌悪と絶望感。
 プールサイドに膝を抱え反省していたら、河童に肩を叩かれて慰められて、己自身の怒りの向けどころを河童の皿を拳で、割りまくった。
 仲間を消された怒りに大量の河童が現れるが、瑠香はやるせなさと苛立ちを神の力を拳に込めて見つけしたい容赦無く河童を死滅させたことは、その場におののいたあやかしのたちだけの秘密だ。

 好かれることはあっても本気で嫌われることは無いと思ってた……



 陰陽寮に帰ると、葛葉子は巫女姿をしていた。
 正座をして後ろを向いたまま瑠香を見ない。

「葛葉子…ごめん……」
 ほんとに申し訳ない思いで謝るが、
「………」
 返事をしない。こちらを見ない。
 近寄れない雰囲気が葛葉子から発せられている。
 拒絶するオーラで近づけない、空気を読まされる。
 心を読もうとするけど心を読むのが怖くてやめた…もう出来ない。これ以上嫌われたら怖いし辛い……
 ただ、今は近くにいたいと思う。
 嫌われたとしても………
 だから、隣の部屋でおとなしく瑠香は布団に入ると、葛葉子はそれを待っていたように外に出て行く。
 瑠香の部屋を通らないと外に出られない。
 宮中見回りの仕事だ。
 葛葉子は涙が止まらない。
 瑠香に謝られてなおさら涙が出てきた。
 瑠香にその涙が頬に降って、葛葉子を傷つけたことをさらに、後悔するのだった。



 怖かった……!
 あんなことされるなんて…
 いつも、意地悪をしてるだけだった……それでも優しかった。
 だから、触れられても嫌じゃなかった…からかってると思ってたから…
 なのに、あんなことを本気でするなんて!

 肌に触れられたところが熱い。
 まだ感覚が残ってる。
 恥ずかしいし、怖かった。
 もう、あんなことされるのやだ。
 でも、瑠香を嫌いじゃない………
 嫌いになれないから、分からない……
 これから、どう瑠香と接すればいいんだ!

 そう思うと涙が止まらない。
 四神の仲間が集まって、泣く葛葉子を慰めた。
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