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あやかしと神様のドキドキ同居

父の許しの理由

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「なんで、孫つくれって許してくれるんだ?」

 とても疑問に思ったので瑠香は父に尋ねる。
 瑠香そっくりの釣り上がった眉と父特有の、鋭い目つきで瑠香を見て
「最低でも十月十日とつきとうか
お前のことだから身を清くするだろ?」

 愛しい葛葉子が妊娠中は大人しく欲情しないと言いたいらしい。

「それとも、葛葉子以外に女を作る気か?」

 妻が妊娠中に浮気をする男もいる。
 そんな男ども一緒にされては困る。

「とんでもない!オレは葛葉子以外の女は女じゃないとおもってるし!」

 葛葉子を好きになってから瑠香は少し変わってしまったと思う。

 前はこんなに落ち着きがなかったわけではない。
 普通に楚々としていたのに、葛葉子と出会ってから落ち着かなくなったのも事実だった。
 はっきり言って心に余裕がない。
 葛葉子に近づく男は全て敵とすら思ってしまう。

「なら、孫作って大人しくしてろ。」
 ということらしかった。
「跡取りもできて安泰だし。
 憎しみに囚われてる阿倍野殿の気も変わるかもしれない。
 だから、子供作って落ち着けバカ息子。」
 父は現実を先を見ている。
 そんな父を素直に尊敬する。
 だから、父の本心を覗かなかった。
 陰陽寮長は葛葉子の母を知っているからこそ、
(花の命は短いからな……好きなら最後まで愛でてみろ……)
 と、息子がそんなに葛葉子を、愛するなら責任を取らせようとも思っていた……



 
 
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