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バージンロード

ジジ様、孫のバージンロードのために若返る☆5☆エンド☆

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 ほろ酔い気分になって自宅に帰ってきた頃には元の子泣き爺の姿になっていた。
「もう、ジジ様!心配したんだからねっ!」
「連絡先はちゃんといってください」
 二人はわしのことが心配で待っていてくれたらしい。
「うわ、酒臭い…
「らいじょうぶじゃ、ウカ様のお酒じゃから子供には悪い影響ないじゃて…ひっく…」
「ジジ様が大丈夫じゃないよ。お布団用意してあるから寝ようね」
 瑠香くんはわしを抱き抱えてくれた。
 葛葉子は甲斐甲斐しく布団を用意して世話をしてくれて、このチンチクリンな姿も悪くないと改めて思う。

 用意された布団に仰向けになり、ルカの神に感謝をする。
 一日中とても晴れやかで楽しかった事を……
 するとルカの神が降りてきて、

《十年分の寿命費やしちゃったけどね。》
 と、ルカの神はいつも事後報告……
 わかりきったことじゃが……
 ……もし明日、命が尽きようとも、後悔はないほど幸せだ……
「まぁ………良いわ。みんな喜んでくれて威津那の代わりに父としてバージンロード歩いて、葛葉子のクラスメイトに素敵パパって言われて箔がついたわい……楽しかったのぉ……」
 そう言って夢の中に落ちていった。

☆☆☆
 威津那はため息を吐いた。
『闇堕ちしなければ僕が葛葉子のバージンロード歩けたのかなー……』
 威津那は見た未来通りに行動して死ぬ間際に橘と会えて、魂から橘と一緒にいることは幸せなことだ。
 威津那と橘は鳥居から二人の結婚式の様子を見ていた。
 威津那はもう一つ、あっただろう未来をジジ様に重ねる。
『そうねぇ…でも、一番みんなを見送ってきたお父様が幸せで何よりよ』
 橘は威津那に寄り添って娘の結婚式を祝福しながら言う。
『うん、そうだね、お義父さんはほんと辛かったと思う……その分、余生は幸せになってほしいね…』
 葛葉子の結婚式がとても盛大なのもとても素晴らしいことだったが義父の晴綛もとても幸せなら阿倍野家は安泰だと微笑む橘と威津那だった。
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