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あやかしと神様の嫁修業

10☆プライドと未来のこと

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「もう、知らないわけ無いだろ!」
 瑠香は踵を返して、葛葉子を抱きしめてそのまま畳に押し倒す。
 手を檻のように握りこまれる。
 掌から愛しさが伝わる…

「二人の気持ちさえ繋がってればいい…オレ達家族には認められてるだけでいいじゃないか…」
 さらに指を強くして握る。
 でも、葛葉子は握り返さない…瑠香の意見と違うから…

「それじゃダメなんだよ…それじゃ父様は嫌われたままだし……
 阿倍野は滅びないもん…
 瑠香の家族の血縁がバラバラになるのもやだ……」 
 葛葉子は涙声で訴える。
 一応跡取りとしてのプライドらしいものはある…

 葛葉子は心の底で阿倍野を残したい…と強く思っている。

 それは、千年以上も前の縁から続く宿命だと思うから…
 香茂と阿倍野が千年後でも続けばまた魂から巡り会えると思う。

 また、生まれ変わったら、

瑠香と巡り会いたい…

恋をしたい…
求め合いたい…
どうしても…

 と思うと更に切なくて涙が出てきた。
 テレパシーを使わなくても葛葉子の強い思いが瑠香に伝わった。
 それは眷属だからご主人に伝わる切実な思いなのか、魂からの叫びなのか……
 思いが伝わると葛葉子と同じように切ない…胸が苦しい…締め付けられる…

「今が幸せならいいんだけどな…
来世なんて、明日のことすら正直わからないのに…」

いや、葛葉子の寿命はわかる

 そう思うとぎゅっと締め付けられる悲しみが胸のあたりを襲う。
 すごく胸が苦しくて切なくて、焦燥感に駆られる。
 葛葉子はしゃくりあげながらなおも思っていることを告白する。

「瑠香と一緒にいて、いいこと認めてもらいたいし、本家と分家が仲悪くなって春陽と真陽姉さんにとも将来ギスギスした関係してもらいたくないし……っ」

 そう言って本心を口にしていたら涙もポロポロと溢れて止まらない、

「だからだから…うーっ…」

 瑠香は、葛葉子のその思いに心打たれる。
 握っていた手を離して、左腕を着き体をさらに近寄せる。
 右手で溢れる涙を拭う。

「それは、葛葉子一人で抱えることじゃないだろ…」

 前髪を何度かなでて、困ったように微笑み、おでこにキスをして唇であふれる涙も何度も何度も拭いてくれて、優しくて尚さら泣いてしまう。

 今度は悲しくてじゃなくて嬉しくて、分かってくれた、一人だけで悶々しなくて良くて、瑠香を好き過ぎて……
 瑠香は更に背中に手を回して抱きしめてくれる。
「わかった…葛葉子の好きなようにしていいよ。オレにも全力でサポートさせて…」

 葛葉子一人だけで解決できるものでもない。
 葛葉子をとても愛している自分も家について考えなくてはいけないと改めて思った。

「ありがとう、瑠香……好きだよ…」
 やっと、葛葉子は瑠香の背中に回した腕で体全体でぎゅっと抱きしめる。
 更にそのままキスをすると止まらなくなった…
 キスより先に進みたい、繋がりたい、心だけじゃなく、体も繋がりたい…

「葛葉子は煽るのうまい…」
「ん?何が…んっ、ちょっ!」
 背中で縛ってあるエプロンを外されて、襟元を開けさせて胸元にキスをする。
 裾の分け目に脚を入れて、瑠香の手が葛葉子の曲げる膝のほうから内太ももをゆっくり撫でて行き、葛葉子の柔らかな付け根に、掌を持っきてショーツ越しに触られた。
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