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あやかしと神様の嫁修業
8☆葛葉子ついに粗相をする
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日曜日になって学校はなく、春陽が自宅でくつろぎ、瑠香は香道の勉強のため本家に来ていた。
宮中で謹慎処分で働けないなら師範代まで取れと父や叔父たちに進められた。
姉の真陽は香道の跡取り娘として習ってきたのに瑠香に横取りされた気分でふてくされてお休みらしい。
陰陽寮長の父いわく、来週くらいに何事もなく通うことだろうと言っていた。
それに真陽は、香道よりも香水やハーブの匂いのほうが好きならばと、真陽に甘い陰陽寮長はそちらの学校にも通わせるつもりらしい。
父としてなかなかそばにいられない分やりたい事はやらせる方針だという。
葛葉子も、もう家の嫁で娘も同然なので好きなことやりたいことがあったら遠慮なく言ってくれと言ってくれた。
瑠香の家族は優しいと思う。
早く、本家の香茂の家に認めてもらわなくちゃ!と張り切る。
今日は瑠香が本家にいると思うと俄然やる気が出てきてさらに掃除を頑張るぞっ!と張り切って嬉しくて、はばたきをいつもよりパシパシとホコリ叩いていた手から、スポっ!と滑らせてちょうど高そうな壺に垂直あたって
ガシャーン!
と言う音を確認して青ざめる。
その音を聞いた兼頼は嬉々とした雰囲気で素早くかけてきて、床の間の障子をあけると、掛け軸の下にバランス良くおいてあった壺の一部に割れていた。
「ご、ごめんなさいっ…!直しますから…っ!」
直せるような代物ではないとわかるがそう青くなって謝る。
「一千万円分どうしてくれるんだ!」
「か、体で払います!」
(なんとか接着剤で直してそれでダメなら…お金で解決するなら一生懸命仕事しなきゃ…生きているうちに返せるかな……)
葛葉子は冷静にそう考えながら謝る。
「なっ!やはり阿倍野狐でもあってメギツネだな…」
簡単に体で払うとは……やはり女狐だと思う。
だが可愛い甥がこんなメギツネのものになるならば…
自分自ら、可愛い甥から引き剥がせばいいのだ…
葛葉子を呆れながらも、壺の破片を一生懸命見つめて直せるかどうか見ている、青ざめて涙ぐむ葛葉子の肩を優しく撫でて、
「いい度胸ではないか……体で払うとは…」
葛葉子を自分の方に向かせる。
少し亡くなった妻に似てると思う…
そう思えば、憎い黒御足の血筋を忘れる。
戸惑う葛葉子の顎に手を当てた瞬間。
廊下をかける足音がしてバンッと障子を開け放ち、
「おーじぃーさぁーん…
葛葉子を愛人にするつもりかっ⁉」
香道の勉強に来ていた瑠香は真っ黒な荒御魂のオーラを背負って、そう言い香の具現化する能力で縄状にして叔父の首を締めた。
葛葉子の中に眠る眷属の菊がテレパシーで瑠香に知らせて急いで駆けつけてきたのだった。
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