あやかしと神様の円満成就（R）

あやかしと神様の補足事項

言葉の変化

「葛葉子はいつのまにか女の子らしい喋り方になったな。」
　瑠香は気付いたことを言った。
「えへへ。そうかな。｣
　葛葉子は照れて頭をかく。
「やっぱり、言葉が乱暴だったのは白狐と融合したせいか？｣
 　言葉遣いが乱暴なのは、白狐のあやかしゆへかとは思っていた。
「……それもあるけど、瑠香の態度が意地悪だから反抗してた……好きになっちゃいけないと思ってたし……｣
　あの時の気持ちを思い出して複雑な表情をして言った。
「でも、瑠香を好きになってから、女の子らしくしたほうが、いいかなぁ……とか思ったから女の子らしい喋り方になったのかな？｣
　たしかにまだぎごちなさがある。
(そこも可愛いところだが……）
「ぶりっ子みたいで…いや？｣
　葛葉子は上目遣いで少し困った感じて言ってきた。
「ぶりっ子？どこが？むしろ可愛いし｣

「巫女のとき言葉遣いがぶりっ子って言われたこと思い出したょ……｣
　葛葉子のその時の記憶を覗けば、意地悪そうな先輩巫女が二、三人あつまって言葉遣いが「悪い｣やら、「かわいこぶりっこよ！｣とかいじめられている記憶が映像で見えた。
　それは姐巫女の桔梗がやらせていた事だったが……明らかに葛葉子が可愛いのを妬んでのいじめだ。

「その巫女穢してやろうか………｣

　荒御魂オーラ全開で口から変な炎を吐きそうなドスの効いた声が瑠香から漏れる。

「だ、だめだよ！浮気はっ！｣
「浮気じゃなくて、男が近づいただけで穢になるなら、女装して体触りまくって………でも葛葉子以外の女に触るなんて自分が穢れるか……｣
　瑠香はしばらく考えて、
「犬のふん尿を式神で送りつけるか……」
　瑠香は本気で計画する。
「それ、宮中穢れて大変になるからダメだよ！それにもう、春子殿下が制裁してくれたからもう大丈夫だだからねっ！｣
「……そうか……」
　といって、オーラを収めて、葛葉子を抱きしめる。
　今は自分のもどかしさや、あの時のことを思い出す葛葉子を慰めるためにギュッっと抱きしめる。

「どんな喋り方だって葛葉子は葛葉子だよ。好きだよ｣
　そしておでこにキスをする。
「うん。ありがとう……瑠香｣
　葛葉子はいいことを思い出したように、狐耳を立てて
「じゃ、また、あかちゃん言葉ごっこしよう！｣
「えっ……それは……」
　瑠香は顔を真っ赤にして恥ずかしくなる……自分の知らない世界を引き出された感じで恥ずかしい。
　初めは瑠香がジャンケンして負けたら赤ちゃん言葉やってみるゲームを瑠香が提案してルールをつくってやってみた。
　ぶりっこどころじゃない、葛葉子の言葉を赤ちゃん言葉で聞いてみたかった。もっと、可愛い葛葉子を見たかった。
　そんな言葉で恥ずかしがる葛葉子を見たかったのに……
　瑠香は負け続け「だぉ！｣とか、「バブっ｣と逆に言わされた。
　誓約まで交わしていたからやらざるえなかった……
(勝ったらどんなエロい事の命令をきく、負けたら赤ちゃん言葉しかも本気で強制的にさせられた。それを限界で破ったら一週間一人寢)という軽い遊びだが身も蓋もない誓約だった。
　そして、葛葉子は意外とジャンケンが強すぎる……負けなしだった。
 　菊がわざとそうさせているのだろうか?と苦々しく思う。
「う、誓約は無しにしよう……」
　強制的になるのをやめさせる。

「いいけど、私、瑠香の恥ずかしがる顔が好き！可愛いし！萌えるんだもん！私が唯一瑠香をいじわる出来るゲームだしね！｣
　恍惚とした表情をして笑う表情は葛葉子なのか菊のものなのか……
「……葛葉子って意外とSだよな……｣
　と苦笑する瑠香だった。