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あやかしと神様の補足事項
官能小説
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文化祭の準備の頃の話。
「瑠香くんの部屋ってエロ本とかないの?」
と、友達とカフェに行ったとき聞かれた。
「うちのお兄ちゃんなんてちょとようがあって部屋に入ったら
『男の部屋にむやみに入るなぁぁ!』とか顔を真っ赤にして言ってエロ本隠してたのよ。乙女かよ!って思ったわ。
本だけじゃなくてビデオとか床に落ちててドン引きしたわ。優しいお兄ちゃんでも一般の男と変わらないんだと絶望したわ」
久美は最近あったショックなことを愚痴りたかったみたいだ。
「でも、あの瑠香君がエロ本持ってるなんて想像したくなーい!」
と、友達は言う。
「瑠香は官能小説はもってたけど、エロ本雑誌は見たことないよ」
と、葛葉子は言った。
「瑠香くんがおとなしく本を読んでる中身はそれなの…?」
「うん」
葛葉子は正直に頷いた。瑠香はその本の作者をとても、気に入っているようだ。
ドスケベな瑠香の事だからそういうのを読むのは普通だと思ったけれど、エロ本のイメージは無い。
むしろ、瑠香よりも、東殿下が持っていたら……と想像なんてしたくないし真実なんて知りたくないと思う。
「臣くんは普通に持ってそう」
「臣くんは人間のエロ本よりイラストの方がいいって他の男友達に力説してたの見たよ…」
「てか、女子高生がエロ本ネタで盛り上がるのもなんだかね!キャハハ!」
と、色々話が盛り上がって楽しいひとときを過ごして、葛葉子は香茂の家に帰った。
エロ本持ってるのが普通の男子と言う事が気になって、リビングにいた真陽に聞くことにした。
瑠香は東殿下を送りに行ってからまだ帰ってきていない。
「あ~。たしかにあいつエロ本は持ってないわね。官能小説のエロい表紙だって本屋のカバーつけたまんまだし……私に買わせるし…」
苦虫を噛む。
瑠香は流石に恥ずかしいのか自分で買わさせず姉に頼む。
瑠香の好むものは女性でも読める官能小説なので真陽が先に読むから別にいいけど…
「瑠香は女の写真に興味ないのかな?」
「なになに?葛葉子ちゃんは興味あってほしいの?」
「普通の男子は持ってるものだって言ってたから気になっただけで、見てないならそれはそれで良いことだよね!」
「まあね。でもお勉強はしておいてほしいかな…春陽くんは瑠香以上に潔癖だからなぁ…そこが可愛いところだけどね」
年下の彼氏が、エロ本持っている想像をして少し複雑な表情になる真陽だった。
☆
「瑠香はエロ本って、買ったことないの?」
葛葉子は直接聞いてみた。
「ない。」
瑠香は断言した。
「官能小説は買ってるのに?」
「あれは脳内妄想だから良いんだよ。それに…」
葛葉子のお風呂あがりのパジャマ姿をじーっと見て、
「どの女よりもエロい体の持ち主が目の前にいるのに必要ないだろ!必要ないだろ!」
「えっ!私って、エロいの?」
葛葉子は狐耳を出してびっくりする。
「………エロくないとでも…?」
瑠香は苦笑した。
同じクラスの男子がいつも葛葉子をエロい目で見て妄想している事が瑠香は許せない。
「普通だと思ってた。エロいっていうのは八百比丘尼ぽい婀娜っぽさがある大人の女のことじゃないの?私まだまだ子供っぽいもん!」
と、ムキになって言うところが子供っぽい。
瑠香はポカンとして黙ってしまった。そして凛々しい顔を歪めて、
「ブッハハハ!」
瑠香は大笑いした。
「なんで笑うの?」
「確かに、子供っぽいけど、幼い頃の写真とあんまり変わんないけどなっ!」
「そ、そんなに子供じゃないよ!失礼な!」
葛葉子はむぅーとして狐耳を、伏せる。
「背も伸びてるしこんなに胸大きくなったし、ほら!ほら!」
わざと自分の胸を持ち上げて主張する。
(パジャマ姿の葛葉子の胸の谷間と布越しの突起がエロい……)
体は大人なのに…やる事がやっぱり子供っぽい……そこが可愛いんだけども…
瑠香はつい鼻が伸びる。
「目の前に好きな女がいるのにエロ本なんか必要ないだろ……」
ハッとして葛葉子はこだわってたことがアホに思えて、
「だ、だよね!えへへ。」
頭をかいて苦笑いするところも可愛い。
そんな葛葉子のおでこにキスをして後ろから抱きしめる。
こうしているだけでも幸せなのに…
「初夜まであと二日だな。これ復習で読んておいて」
少女漫画のような表紙の小説を瑠香は取り出し葛葉子に渡す。
「官能小説だけど、姉貴もお気に入りの女性向けのやつだから……」
こんなのを渡すのもおかしいが、いざというとき怖がられるのは勘弁だと思う。
「ありがと…参考にするよ」
ついに初夜が近づくとどうすればいいのか、母親がいない、姉もいない葛葉子は少し戸惑っていた。
義母や義姉に聞くのも恥ずかしかった。
「瑠香に身を任せればいいんだよね…?」
夏休みに自分から迫ってみたけどキスや胸を触られる以上のことなんて全く想像もしてなかった。
途中まではわかると思う……ほんとに途中までだけど……恥ずかしすぎてビビっている事も確かだ。
でも、これを読めばその時の事がわかるかもしれない!
葛葉子はこの本を深夜一人読んでみた。
翌日、顔を真っ赤にして、瑠香を見ると戸惑う。
「おはよ。どうだった?いい作品だっただろ?」
「うん、は、ハッピーエンドで…ヨカッタヨ…」
カタコトのように、言葉が途中で固くなる。
ストーリーは、最高に良かった。
恋愛もので葛葉子が好きなお姫様モノでいろんな障害があっても負けないし王子が守ってくれて
だけど、だけど……官能小説ならではの童話には無い単語が並んでた…
エロ本なんて写真だけで見ているだけだけで、自らの妄想でいいだろうけど、官能小説は文章だけなのに…エロかった……躍動感があった…創作なのに、生々しかった。
のめり込んで読んでしまった自分にも恥ずかしい。
(なんて言っても人の心を読める瑠香に見透かされるのも恥ずかしいし!)
官能小説を甘く見ていた葛葉子は半日、瑠香を避けたのだった。
「葛葉子は恥ずかしがりやだな…そこがかわいいんだけど……」
瑠香は終始ニヤニヤしていた。
ついに初夜の日が近づいているからだった。
「瑠香くんの部屋ってエロ本とかないの?」
と、友達とカフェに行ったとき聞かれた。
「うちのお兄ちゃんなんてちょとようがあって部屋に入ったら
『男の部屋にむやみに入るなぁぁ!』とか顔を真っ赤にして言ってエロ本隠してたのよ。乙女かよ!って思ったわ。
本だけじゃなくてビデオとか床に落ちててドン引きしたわ。優しいお兄ちゃんでも一般の男と変わらないんだと絶望したわ」
久美は最近あったショックなことを愚痴りたかったみたいだ。
「でも、あの瑠香君がエロ本持ってるなんて想像したくなーい!」
と、友達は言う。
「瑠香は官能小説はもってたけど、エロ本雑誌は見たことないよ」
と、葛葉子は言った。
「瑠香くんがおとなしく本を読んでる中身はそれなの…?」
「うん」
葛葉子は正直に頷いた。瑠香はその本の作者をとても、気に入っているようだ。
ドスケベな瑠香の事だからそういうのを読むのは普通だと思ったけれど、エロ本のイメージは無い。
むしろ、瑠香よりも、東殿下が持っていたら……と想像なんてしたくないし真実なんて知りたくないと思う。
「臣くんは普通に持ってそう」
「臣くんは人間のエロ本よりイラストの方がいいって他の男友達に力説してたの見たよ…」
「てか、女子高生がエロ本ネタで盛り上がるのもなんだかね!キャハハ!」
と、色々話が盛り上がって楽しいひとときを過ごして、葛葉子は香茂の家に帰った。
エロ本持ってるのが普通の男子と言う事が気になって、リビングにいた真陽に聞くことにした。
瑠香は東殿下を送りに行ってからまだ帰ってきていない。
「あ~。たしかにあいつエロ本は持ってないわね。官能小説のエロい表紙だって本屋のカバーつけたまんまだし……私に買わせるし…」
苦虫を噛む。
瑠香は流石に恥ずかしいのか自分で買わさせず姉に頼む。
瑠香の好むものは女性でも読める官能小説なので真陽が先に読むから別にいいけど…
「瑠香は女の写真に興味ないのかな?」
「なになに?葛葉子ちゃんは興味あってほしいの?」
「普通の男子は持ってるものだって言ってたから気になっただけで、見てないならそれはそれで良いことだよね!」
「まあね。でもお勉強はしておいてほしいかな…春陽くんは瑠香以上に潔癖だからなぁ…そこが可愛いところだけどね」
年下の彼氏が、エロ本持っている想像をして少し複雑な表情になる真陽だった。
☆
「瑠香はエロ本って、買ったことないの?」
葛葉子は直接聞いてみた。
「ない。」
瑠香は断言した。
「官能小説は買ってるのに?」
「あれは脳内妄想だから良いんだよ。それに…」
葛葉子のお風呂あがりのパジャマ姿をじーっと見て、
「どの女よりもエロい体の持ち主が目の前にいるのに必要ないだろ!必要ないだろ!」
「えっ!私って、エロいの?」
葛葉子は狐耳を出してびっくりする。
「………エロくないとでも…?」
瑠香は苦笑した。
同じクラスの男子がいつも葛葉子をエロい目で見て妄想している事が瑠香は許せない。
「普通だと思ってた。エロいっていうのは八百比丘尼ぽい婀娜っぽさがある大人の女のことじゃないの?私まだまだ子供っぽいもん!」
と、ムキになって言うところが子供っぽい。
瑠香はポカンとして黙ってしまった。そして凛々しい顔を歪めて、
「ブッハハハ!」
瑠香は大笑いした。
「なんで笑うの?」
「確かに、子供っぽいけど、幼い頃の写真とあんまり変わんないけどなっ!」
「そ、そんなに子供じゃないよ!失礼な!」
葛葉子はむぅーとして狐耳を、伏せる。
「背も伸びてるしこんなに胸大きくなったし、ほら!ほら!」
わざと自分の胸を持ち上げて主張する。
(パジャマ姿の葛葉子の胸の谷間と布越しの突起がエロい……)
体は大人なのに…やる事がやっぱり子供っぽい……そこが可愛いんだけども…
瑠香はつい鼻が伸びる。
「目の前に好きな女がいるのにエロ本なんか必要ないだろ……」
ハッとして葛葉子はこだわってたことがアホに思えて、
「だ、だよね!えへへ。」
頭をかいて苦笑いするところも可愛い。
そんな葛葉子のおでこにキスをして後ろから抱きしめる。
こうしているだけでも幸せなのに…
「初夜まであと二日だな。これ復習で読んておいて」
少女漫画のような表紙の小説を瑠香は取り出し葛葉子に渡す。
「官能小説だけど、姉貴もお気に入りの女性向けのやつだから……」
こんなのを渡すのもおかしいが、いざというとき怖がられるのは勘弁だと思う。
「ありがと…参考にするよ」
ついに初夜が近づくとどうすればいいのか、母親がいない、姉もいない葛葉子は少し戸惑っていた。
義母や義姉に聞くのも恥ずかしかった。
「瑠香に身を任せればいいんだよね…?」
夏休みに自分から迫ってみたけどキスや胸を触られる以上のことなんて全く想像もしてなかった。
途中まではわかると思う……ほんとに途中までだけど……恥ずかしすぎてビビっている事も確かだ。
でも、これを読めばその時の事がわかるかもしれない!
葛葉子はこの本を深夜一人読んでみた。
翌日、顔を真っ赤にして、瑠香を見ると戸惑う。
「おはよ。どうだった?いい作品だっただろ?」
「うん、は、ハッピーエンドで…ヨカッタヨ…」
カタコトのように、言葉が途中で固くなる。
ストーリーは、最高に良かった。
恋愛もので葛葉子が好きなお姫様モノでいろんな障害があっても負けないし王子が守ってくれて
だけど、だけど……官能小説ならではの童話には無い単語が並んでた…
エロ本なんて写真だけで見ているだけだけで、自らの妄想でいいだろうけど、官能小説は文章だけなのに…エロかった……躍動感があった…創作なのに、生々しかった。
のめり込んで読んでしまった自分にも恥ずかしい。
(なんて言っても人の心を読める瑠香に見透かされるのも恥ずかしいし!)
官能小説を甘く見ていた葛葉子は半日、瑠香を避けたのだった。
「葛葉子は恥ずかしがりやだな…そこがかわいいんだけど……」
瑠香は終始ニヤニヤしていた。
ついに初夜の日が近づいているからだった。
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