あやかしと神様の円満成就（R）

あやかしと神様の妊娠危機!?

6☆後悔と愛しさ

　瑠香はその場で悲しみのオーラを放ちくらい影を落とし反省する。
　昼休み中の生徒は瑠香の半径五mに近づこうとはしなかった。
｢はぁ……っ｣
　と瑠香は落ち込みため息を吐く。
　葛葉子の事はなんでも理解しているつもりでいた……
　葛葉子は裏表のない性格なので心を覗くことをこの頃はしていなかった。
　少しのすれ違いがあるような時は覗いていたが、今回は突然の爆発だった。
　突拍子もないことを言ったりやったりすることはあったけれど……わがままをした事は無い……
｢わがまま……か……｣
　自分の吐いた言霊を後悔する。
　葛葉子は出会ってから頑張っていると思う……恋人として、伴侶として瑠香に、遠慮ないけれど、甘えられる両親のいない悲しみと不安は押し込んだままで、子供のようなわがままなんて言ったことはない。
　葛葉子は寿命が短いと知り尚更自分の望みを叶える事をただ一生懸命実行しているに過ぎないのに……
　葛葉子は親のことをあまり言わない事は甘えを禁じていたのと同じなんだ……と瑠香は思うと、夫として不甲斐ないと思うのと、
（もっともっと葛葉子を理解したいし愛したい……）
　後悔するほど葛葉子を愛おしいと強く思うのだった。
　だが、いつもベッタリよりも、一人になりたい時だってあるなら一人にさせてあげた方がいいな……と思い東殿下の元に戻ると、東殿下は不振な目をわざとなされて、
｢葛葉子は？｣
｢一人になりたいみたいなので葛葉子の好きにさせることにしました……｣
　その声は暗く淡々だった。
｢葛葉子は生霊にねらわれてるのに尚更離れちゃダメだよ！生霊は人との縁を離れさせちゃうって前に言ったよね？｣
　いつものお優しい東殿下と違い厳しく仰られる。
　あまりのショックでその事を忘れていた。
｢いつもの強気でストーカーの如く生霊に負けないくらい葛葉子のそばに居なきゃダメだよ！葛葉子だけの体じゃないんだから！｣
　瑠香が葛葉子に吐いた言葉に似たことを態と仰ることは東殿下はこっそり二人の様子を見ていたらしい。
　臣も一緒だったと察するのは臣が後ろを向いて苦笑していた。
　瑠香には生霊や霊の類は見ることは出来ないが、前世が阿闍梨の東殿下の見立て正しいだろう。
｢はっ！今から葛葉子の元に言って参ります！失礼します！｣
　瑠香は猛スピードで葛葉子が向かった屋上に走っていった。

（やっぱり傍から離れる物じゃない！）
　と思い直し、
（わがままをしたいなら思う存分させてやる！）
　と決意し葛葉子をさらにさらに強く愛おしく思うのだった。