上 下
124 / 152
あやかしと神様の妊娠危機!?

3☆同じ時期に

しおりを挟む
 葛葉子は保健の先生と緊急で病院で診察してもらって赤ちゃんは無事だという事に改めて安心した。
 二、三日は学校をおやすみにする予定だ。
「お腹の赤ちゃん大丈夫でよかったわね」
「はい。ほんっと、良かったです。安心しました。」
 菊は「大丈夫と言うに……」とため息を吐いていたが、専門の先生にも見てもらえてほっとする。
「夫の瑠香君にも、安心させてあげなきゃね。彼の方があなたより心配してるみたいだったから」
 瑠香は子供より葛葉子の方をまず心配していた事に、嬉しさもある。
 この頃、子供のことばかり考えて居るようだったから……いや、子供の心配ももちろんしているけど……
「じゃ、担任の先生に連絡して瑠香君にいち早く伝えるように言ってくわね」
 と言い、公衆電話の場所に向かう。
 葛葉子はその後ろ姿を見送り、ほっと一息ついたら、
『よかったわね……』
 後ろから突然両肩を後ろから掴まれて地を這うような言葉とは真逆な響きを耳元で囁かれてゾッとする。

 振り向くと今日休みだった同じクラスの瀬古亜里香さこありかだった。
「瀬古さん病院きてたんだ。だから休みだったんだね……」
 と葛葉子はゾッとした表情を改めて微笑みそう言った。
 ここは総合病院だ。
 婦人科以外で通う人もいる。
「まぁね…赤ちゃん無事でほんとよかったわね…」
 ふっと、顔を歪ませてそう呟くように答えた。
 葛葉子は瀬古の態度に困惑するしかない。
 さらに、どうして休みだった瀬古が葛葉子がこの病院に来た理由が分かるのか疑問に思うが……
 保健の先生はすぐに帰ってきて、
「あら、瀬古さん、あなたも病院に?体を大事にしなきゃダメよ」
「……はい……」
 やはり暗い応え方だった。
 そんなにくらいイメージはなかった。
 久美曰く、「彼氏自慢するいけ好かない子よね!彼氏を自慢するように見せつけられたことがあったわ!男を取っかえ引っ変えしてる噂もあるわよね!」
 と言っていた。
 男友達に囲まれて女子達と話すタイプじゃないイメージだった。
 瀬古さんは一礼してすぐさまその場を離れた。
「あの子もねー、あなたと同じで妊娠してるのよね……」
「エッ!?そうなのですか!?」
 葛葉子はビックリする。
 自分だけが学生で妊娠していると思っていたが、瀬古もとは思ってもみなかった。
 保健の先生は、少し考えてはっと口元を押さえる。
 「この事は内緒ね?一週間前、あの子の妊娠発覚したの体調悪くて保健室来た時分かったのよ」
 ちょうど葛葉子もその頃つわりがあった時だ。
 修学旅行の時の子だと瑠香入ったけど、自分たち以外にもそういう行為を同じ時期にしていたのか……と思う。
 保健の先生は、優しく葛葉子の背中を摩って、
「葛葉子ちゃんはちゃんと元気な赤ちゃん産みなさいね」
 と励まされた。
「はい、ありがとうございます。赤ちゃん出来たらすぐ見せに行きますね!」
 葛葉子はお腹を擦りながらそういった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

【R18】もう一度セックスに溺れて

ちゅー
恋愛
-------------------------------------- 「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」 過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。 -------------------------------------- 結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。

【R-18】クリしつけ

蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。

これ以上ヤったら●っちゃう!

ヘロディア
恋愛
彼氏が変態である主人公。 いつも自分の部屋に呼んで戯れていたが、とうとう彼の部屋に呼ばれてしまい…

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

処理中です...