106 / 152
あやかしと神様と男子校
7☆核心
しおりを挟む
ルカの神の異界を繋げる力で閉じた異界を開き、瑠香、東殿下、臣の三人は葛葉子を救いに急ぐ。
「この紅葉のあやかしは、東殿下の前世の恋人のしわざなんですか?」
臣は東殿下に遠慮なく尋ねる。
「まぁね…でも、肉体関係持ってないよ。彼とはね。」
東殿下は苦笑する。
彼ではない稚児を恋人にした事を思い出した。
この紅葉の異界を通りだんだん前世のことを思い出して来たようだ。
「彼は僕に惚れてたみたいだけどね。プラトニックラブを貫いたよ」
「旅の修行僧してたときは、今も昔も変わらず女の子のほうが好きだったし、オカルト探しをしてたね」
その当時は旅の修行僧を装った生臭坊主だった。
「あまりにも迫ってくるから、互いに立派な僧侶になった暁には、思いを受け入れるって約束して置いていくように逃げたんだよね。」
前世の自分と今の自分とは違う人生だと客観視しているために当時の本心を遠慮なく語る。
「彼を引き取った責任もあるし、寺の住職に勧めちゃって、自分はオカルト探しに夢中になっちゃって、いろんな力試しとか人々を救ってたらスカウトされて阿闍梨になったんだよね。」
それで、八尾比丘尼にも会えなくなって、また会おうって約束も果たせなくて、転生して今に至るんだよね。」
若い時の前世の自分は約束をまともに守る事を理解してなかった……
反省するように東殿下は苦笑する。
「昔っから東殿下は東殿下だったんですね…」
臣は素直な、感想を口にしてしまった。
前世と今世は違うとしても、やはり似ているところはあるし、分けることは難しいなと、苦笑いする。
「ごめんね、僕のために葛葉子にも迷惑かけて」
とりあえず東殿下は瑠香に謝る。
「いえ、葛葉子のあやかしに捕われる体質なのが原因なので…」
ブラックオーラはそのままに笑顔でそういった。
葛葉子は巫女でもあり最強のあやかしであった天狐の九尾の狐の菊を魂に持つ稀なる存在。
人の魂や血肉を好むあやかしには、魅力的に感じるようだ。
狐といいカッパといい吸血鬼といい…今後も狙われる恐れがあると思うと気が気ではない。
更に自分の不注意に憤りのブラックオーラでもある。
「葛葉子さんってあやかしに好かれるよなぁ…」
「あやかしだけじゃなくて、みんな葛葉子のこと可愛くおもっちゃうよね。素直でいい子だもん。」
東殿下は深い意味もなく素直にそういう。
「お褒めに預かり光栄です。」
やはりブラックオーラはそのままに笑顔が怖い瑠香だ。
あやかしだけじゃなくて、一般人にも注意をはらわねば…と更に瑠香は決意する。
東殿下はそんな独占欲の強い瑠香の背中をポンポンと叩いて、
「葛葉子は子供作って家庭にいたほうが良いかもね」
東殿下はものの核心をつく。
それはやはり前世の影響で悟りを開いた者の意見だと思う。
瑠香の望みは子供たちと愛しい妻と、ゆっくりとした幸せな時間を過ごしたい。
できれば共に歳とり人生がおわるまで……と瑠香は切実に思いため息を吐き葛葉子を早く救いたいと決意し、前に進むのだった。
「この紅葉のあやかしは、東殿下の前世の恋人のしわざなんですか?」
臣は東殿下に遠慮なく尋ねる。
「まぁね…でも、肉体関係持ってないよ。彼とはね。」
東殿下は苦笑する。
彼ではない稚児を恋人にした事を思い出した。
この紅葉の異界を通りだんだん前世のことを思い出して来たようだ。
「彼は僕に惚れてたみたいだけどね。プラトニックラブを貫いたよ」
「旅の修行僧してたときは、今も昔も変わらず女の子のほうが好きだったし、オカルト探しをしてたね」
その当時は旅の修行僧を装った生臭坊主だった。
「あまりにも迫ってくるから、互いに立派な僧侶になった暁には、思いを受け入れるって約束して置いていくように逃げたんだよね。」
前世の自分と今の自分とは違う人生だと客観視しているために当時の本心を遠慮なく語る。
「彼を引き取った責任もあるし、寺の住職に勧めちゃって、自分はオカルト探しに夢中になっちゃって、いろんな力試しとか人々を救ってたらスカウトされて阿闍梨になったんだよね。」
それで、八尾比丘尼にも会えなくなって、また会おうって約束も果たせなくて、転生して今に至るんだよね。」
若い時の前世の自分は約束をまともに守る事を理解してなかった……
反省するように東殿下は苦笑する。
「昔っから東殿下は東殿下だったんですね…」
臣は素直な、感想を口にしてしまった。
前世と今世は違うとしても、やはり似ているところはあるし、分けることは難しいなと、苦笑いする。
「ごめんね、僕のために葛葉子にも迷惑かけて」
とりあえず東殿下は瑠香に謝る。
「いえ、葛葉子のあやかしに捕われる体質なのが原因なので…」
ブラックオーラはそのままに笑顔でそういった。
葛葉子は巫女でもあり最強のあやかしであった天狐の九尾の狐の菊を魂に持つ稀なる存在。
人の魂や血肉を好むあやかしには、魅力的に感じるようだ。
狐といいカッパといい吸血鬼といい…今後も狙われる恐れがあると思うと気が気ではない。
更に自分の不注意に憤りのブラックオーラでもある。
「葛葉子さんってあやかしに好かれるよなぁ…」
「あやかしだけじゃなくて、みんな葛葉子のこと可愛くおもっちゃうよね。素直でいい子だもん。」
東殿下は深い意味もなく素直にそういう。
「お褒めに預かり光栄です。」
やはりブラックオーラはそのままに笑顔が怖い瑠香だ。
あやかしだけじゃなくて、一般人にも注意をはらわねば…と更に瑠香は決意する。
東殿下はそんな独占欲の強い瑠香の背中をポンポンと叩いて、
「葛葉子は子供作って家庭にいたほうが良いかもね」
東殿下はものの核心をつく。
それはやはり前世の影響で悟りを開いた者の意見だと思う。
瑠香の望みは子供たちと愛しい妻と、ゆっくりとした幸せな時間を過ごしたい。
できれば共に歳とり人生がおわるまで……と瑠香は切実に思いため息を吐き葛葉子を早く救いたいと決意し、前に進むのだった。
0
お気に入りに追加
53
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
【R-18】クリしつけ
蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
【R18】もう一度セックスに溺れて
ちゅー
恋愛
--------------------------------------
「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」
過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。
--------------------------------------
結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。
完結【R―18】様々な情事 短編集
秋刀魚妹子
恋愛
本作品は、過度な性的描写が有ります。 というか、性的描写しか有りません。
タイトルのお品書きにて、シチュエーションとジャンルが分かります。
好みで無いシチュエーションやジャンルを踏まないようご注意下さい。
基本的に、短編集なので登場人物やストーリーは繋がっておりません。
同じ名前、同じ容姿でも関係無い場合があります。
※ このキャラの情事が読みたいと要望の感想を頂いた場合は、同じキャラが登場する可能性があります。
※ 更新は不定期です。
それでは、楽しんで頂けたら幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる