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瑠香と妻の思い出
女は葛葉子一人
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「ただ一度のキスで自分自身を愛されず長い人生を送るのと、
何度も愛し合い短い人生思われて終わるのどっちがいい?」
葛葉子は瑠香に聞いた。
夫婦は愛を肌で感じるために裸で語り合う。
「愛し愛さられる長い人生をともに歩みたい。」
真剣に瑠香は答えた。
葛葉子はその表情にズキリと罪悪感が湧く…
「わがままだよ…」
「普通だろ…?」
だけど葛葉子は……
短い命とされている。
短い人生の中でどれだけ幸せをあげられるだろうか?
毎日真剣に瑠香は考えて日々幸せを重ねている。
瑠香は葛葉子を優しく抱くと覆いかぶさる。
優しく狂おしく、くちづけをする。
何度肌を重ねても愛しさが衰えることはない、毎日が時間が秒単位でも愛おしい。
「…あのね。与えられるだけじゃなくて瑠香にも幸せをあげたいの。忘れられないくらいの幸せを…」
瑠香のたくましい背中に手をまわし抱きしめる。
二人はなんどもくちづけを繰り返しながら、言葉を紡ぐ。
今が忘れられない時を刻んでる。
進めばその時がきてしまう…
このまま時が止まればいいと思うほど愛しくて切なくて…とても瞬間瞬間が大切だ…
「もっと、もっと…愛してやる忘れられない、くらい…」
瑠香の体から甘い媚薬のような香りが漂う。
その香りは悲しいことを忘れさせ快楽だけを求めるようになってしまう…
悲しい思いが強いとき瑠香は力を使って愛に誘う…
「スケベめ…」
「エロい体してるほうが悪い……」
「口が悪い……」
「その口が好きだろ……」
理性を手放される。
快感に身を取られるよりも、もっと瑠香の未来を考えてあげたいのに…
瑠香の長い人生。
私だけじゃなく、もっと人とつながって幸せになってほしい。
でも…
私を忘れないでほしいでも、
寂しいなら、恋しいなら、
誰かとこんなことしてもかまわない……
「君以外に、オレの愛し方に耐えられる女はいないよ」
確かにそうだ……
快楽に身を任せて今夜も優しく狂おしく愛しあった。
☆
「親父まだ若いんだから女作んねーの?
継母いても、かまわねぇぞ?」
父親の瑠香はまだ、四十歳になったばかりだ。
男としての色気は最高潮だと思う…
息子から見ても若いし美形だしかっこいい。
「まだまだ男盛りなんだからさっ!男を使わないでどうするんだ?」
薫はもったいないと思ってそう言ってやる。
宮中でも父を狙っている侍女や職員はいる。
ある程度仕事で用があれば親切にはするが、恋心とか懐かれると容赦なく記憶を消すし、他の男にあてがう。
瑠香は息子の心配は迷惑とばかりに鼻で笑い、
「葛葉子に、やりつくしたから飽きた。」
葛葉子だからいいのだ。
「かあさん以外に父さんの愛し方に答えられる女はいない。」
「そっか。俺には真似できないけど、それも男としてかっこいい生き方だな!」
ニカッと笑って薫はそう喜んだ。
「母さん以上に素敵な体の持ち主は絶対いないしな!」
わざと胸を揉むような手つきをして言ってやった。
その様子を見てブハッ!と薫は吹き出す。
「この、スケベ親父がっ!李流の前でやるなよ?幻滅されるから」
あけっぴろな薫だからそういう会話ができる気心もある。
長男の桂にも軽蔑されるだろう…
葛葉子以外の女は女ではない。
恋愛や愛情はありえない…
感情も愛情も欲情もすべて葛葉子がいたから…すべての情は葛葉子のみに集約されている…
今でもそうだ。
少し自分は壊れているといわれてもどうでもいい…
それほどに、オレにとっての女は葛葉子だけだから…
何度も愛し合い短い人生思われて終わるのどっちがいい?」
葛葉子は瑠香に聞いた。
夫婦は愛を肌で感じるために裸で語り合う。
「愛し愛さられる長い人生をともに歩みたい。」
真剣に瑠香は答えた。
葛葉子はその表情にズキリと罪悪感が湧く…
「わがままだよ…」
「普通だろ…?」
だけど葛葉子は……
短い命とされている。
短い人生の中でどれだけ幸せをあげられるだろうか?
毎日真剣に瑠香は考えて日々幸せを重ねている。
瑠香は葛葉子を優しく抱くと覆いかぶさる。
優しく狂おしく、くちづけをする。
何度肌を重ねても愛しさが衰えることはない、毎日が時間が秒単位でも愛おしい。
「…あのね。与えられるだけじゃなくて瑠香にも幸せをあげたいの。忘れられないくらいの幸せを…」
瑠香のたくましい背中に手をまわし抱きしめる。
二人はなんどもくちづけを繰り返しながら、言葉を紡ぐ。
今が忘れられない時を刻んでる。
進めばその時がきてしまう…
このまま時が止まればいいと思うほど愛しくて切なくて…とても瞬間瞬間が大切だ…
「もっと、もっと…愛してやる忘れられない、くらい…」
瑠香の体から甘い媚薬のような香りが漂う。
その香りは悲しいことを忘れさせ快楽だけを求めるようになってしまう…
悲しい思いが強いとき瑠香は力を使って愛に誘う…
「スケベめ…」
「エロい体してるほうが悪い……」
「口が悪い……」
「その口が好きだろ……」
理性を手放される。
快感に身を取られるよりも、もっと瑠香の未来を考えてあげたいのに…
瑠香の長い人生。
私だけじゃなく、もっと人とつながって幸せになってほしい。
でも…
私を忘れないでほしいでも、
寂しいなら、恋しいなら、
誰かとこんなことしてもかまわない……
「君以外に、オレの愛し方に耐えられる女はいないよ」
確かにそうだ……
快楽に身を任せて今夜も優しく狂おしく愛しあった。
☆
「親父まだ若いんだから女作んねーの?
継母いても、かまわねぇぞ?」
父親の瑠香はまだ、四十歳になったばかりだ。
男としての色気は最高潮だと思う…
息子から見ても若いし美形だしかっこいい。
「まだまだ男盛りなんだからさっ!男を使わないでどうするんだ?」
薫はもったいないと思ってそう言ってやる。
宮中でも父を狙っている侍女や職員はいる。
ある程度仕事で用があれば親切にはするが、恋心とか懐かれると容赦なく記憶を消すし、他の男にあてがう。
瑠香は息子の心配は迷惑とばかりに鼻で笑い、
「葛葉子に、やりつくしたから飽きた。」
葛葉子だからいいのだ。
「かあさん以外に父さんの愛し方に答えられる女はいない。」
「そっか。俺には真似できないけど、それも男としてかっこいい生き方だな!」
ニカッと笑って薫はそう喜んだ。
「母さん以上に素敵な体の持ち主は絶対いないしな!」
わざと胸を揉むような手つきをして言ってやった。
その様子を見てブハッ!と薫は吹き出す。
「この、スケベ親父がっ!李流の前でやるなよ?幻滅されるから」
あけっぴろな薫だからそういう会話ができる気心もある。
長男の桂にも軽蔑されるだろう…
葛葉子以外の女は女ではない。
恋愛や愛情はありえない…
感情も愛情も欲情もすべて葛葉子がいたから…すべての情は葛葉子のみに集約されている…
今でもそうだ。
少し自分は壊れているといわれてもどうでもいい…
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