"Welcome, Another World Traveler!”

part[8/-？]

title #3
"Welcome, Mr. Another World!OYOYO ”

part[8/-？]



「みんなも悩んでいたのね。知らなかった」
不在のセンパイに言われた通りに、きっとクラスの皆も同じことで悩んでいる。だから三人よればで文殊の知恵だと、クラスの皆に相談してみた。ついでに今まで身体的事情［静電気体質でPC触れない］でネットで漁れない抜けていた情報と知恵の補填もしようと聞きまくる事した。
あまり人にモノを聞くのは乗り気では無いが、センパイから言われているので後輩としてうやまないと　って言い訳も出来たし。
普段はあまり話には出ないが、気にしていないのでは無く、どうやらその話題は言い出すのを躊躇っていたというのが正しいらしく、気にしてはいないわけではなかったらしい。知ったかぶりじゃ先に進めないんだな。

「クラスの皆も何かを得れば失うモノとの天秤を測りにかけていたんだな。確かに最適化したら100メートル走で女子でもほぼ全員12秒切るから、全国陸上大会の上位全部が特定高校独占じゃ問題だわな」
男子にいたってはほぼ全員10秒を切る。陸上経験ナシでこれじゃ、そりゃ一般人はやっていられないだろう。
超人的身体能力を得たが、これで国体［国民体育大会］には出場機会は失った。まあ出たいと思ったこと無いからわたしは気にしないが、一つは失った事に間違いない。

皆も人間じゃなくなることに恐れはあるが、それより選ばれし者の恍惚と不安共に我にありとばかりに、悩める事は恵まれていると考え、どっかの元大物野球選手が監督への要請・打診を受けた時に選手時代の看板に傷をつけてまでなるべきかどうか悩んでいたら彼の奥さんから『悩んでいる時は行きたい時』って送り出してもらい、後の偉業を達成した時に墓前の奥さんに感謝と報告をしたらしい。感動的ではあるが、それを自分たちの引き合いにだすか？。
「みんな自己評価が高すぎじゃない？」
言っちゃ悪いがわたしたちは単なる高校生で、イタコ体質で憑きやすいってだけだ。才能と努力と辛酸舐めた名選手と名監督と言われた人と、今はないがオカルト番組で『ここで白いワンピースの女性をみました』っていうぐらいしか能がないスキルがあるだけの若輩と比べるのはどうなの？と思った。
「これが厨ニ病ってやつかな。それは違うような気がするけど…。まあ自己評価が高いって誤解と錯覚は若さの特権だと言うけど、もう義務教育終ったんだから夢から覚めたほうがいいと思うけど、自意識過剰はバカ者の特権だから詮無い事言うまい」
言ってるじゃんと、自分たちが厨二病じゃないかと言われることには少し怒っているように女子からツッコミが入る。青春の苦悩をしているあたし、とか悲劇のヒロインぶりっ子がもしかして気に入っていたのかな？

「ふ～ん。いざ終わったら案ずるより産むが易しになるんだ」
すでに猫型獣人に最適化したクラスの女子によると、以前悩んでいたのが馬鹿らしいほど今は異世界イタコ業が楽しいらしい。
彼女が獣化して初めて登校してきたときに思わず。
「今度冬に知り合いがおまねこの薄い本作るそうなんでポーズの写真撮らせてよ。そそるようなヤツ」
嫌がっていたが、センパイとの記念写真を三枚撮らせるって条件でオッケーを貰った。なんか“あの”センパイはどうやら獣人の最上位クラス？らしいので一部マイノリティには人気らしい。確か聞いた話じゃセンパイのクライアントは神龍じゃなかったかなと思ったが、センパイ神様信じてないからいいか。それはともかく、人前に出るのが苦手なセンパイをどうやって言いくるめようかと企む。
「つまり初叡智みたいなもんなのかな？発破かボーリングで一度開通済んだら、後はなし崩しに通行量増えるて特別感なくなって、うさぎの交尾みたいにありきたりなモンになるとか？あいつらバコバコやってポコポコ子供産むもんな。人間も覚えたてが楽しいらしいし、若いからお互いソソり勃ってパコパコ　　……　えっ、もう少し言葉選べって。分かったあ」
絶対あんた分かってないでしょうとツッコミはいいとして、自分の体のコントロールを放棄して体を明け渡すだけで世界中旅行出来るし、美味しいものは食べれて、絶景を見れて本当に楽しいらしい。流石に学生で男女のお付き合い未経験なんで夜の方は遠慮してくれているので助かっているとか。
「あなた、まだ…」
最適化すると体が恐ろしく丈夫になって常人なら全治一ヶ月でも２～３日ですっかり傷跡一つ残さず治るとか聞いた。『イプシロンも驚く異能頑健体キリコみたい』まあ流石に破れたアレは無理だろうから嘘ってワケじゃなさそうだと口に出す。
「あなたのことだからテッキリ金魚すくいのポイみたいに…」
金魚すくいのポイは幾ら大事にしていても結局は金魚に破かれるので、膜が“金”魚で破かれるって事から乙女の………通る道の比喩。
「ガイジンはフニャだけど大きいと聞くから、大穴開くとか聞いたけど、アッチはどう……」
女握り［fig sign］をしようとするが、察したのか。
バキッ　ガキッ　ゴキッ
キジも鳴かずば、やや内角をねらい、えぐりこむようにして、打つべし!打つべし!打つべし!　と本当のねこパンチで吹っ飛ぶ後輩ちゃんであった。

「いてててて。確かに花のパリ　霧のロンドン　ソーセージのドイツまでファーストに三つ星シャラトンホテルに三つ星ミシュランじゃ一般人じゃ無理だわ。その点は羨ましいかな。ドイツがざっくりしてるって？だってあそこソーセージしかないでしょう。後はシャ　…えっ？　あんたの事だから何言うか分かるけど、それ以上は止めろって。わかった」
一般人が自費でいけば将来OLであくせく働いて貯めた数年分の貯金が吹っ飛ぶが、雇い主に平身低頭　面従腹背していたらロハで体験出来る。
まあ某戦争映画や某STGゲーム設定みたく四枝切断したパイロット・兵士の日常生活パートみたく自分の意志は行動に介在出来ないけど、それはちょっとの時間違和感あるが、それも数日だけの事であって、慣れたら自分じゃ動けないがオンブに抱っこの赤ちゃん時代みたいなものらしく、イタコスキル持っていて良かったと思うとか。
「だろう系小説マスト展開の神様が恵んでくれたギフトかスキルかレガシーを貰った気分？炉端にカンカン置いてるだけで恩寵を貰えて　ありがたや　ありがたやってのどこの乞食かな　………　え？ダメ　言うなって　それは分かってるんだから言わなくてもいい」
お口が過ぎる、言が過ぎと隣席の女子に窘められた。どうやら努力なしに得た力なので、チート［卑怯・インチキ］を享受してイキってる情けないラノベ主人公みたく、情けない事だとは皆承知なので口にするなと訴えられた。
異世界イタコなんてワケ分からん怪しげな事だけど、なんか美味しい目にあえるかもとスケベ根性で片足突っ込むようなおかしな妄想を見てるようなイカれた連中だけど、単にお馬鹿じゃ自分たちの依り代として相応しくないって馬鹿はハネっれるのでここにいるのは頭お花畑だけじゃ無く、それなり察しがいいので、なんか今の境遇には思うことあるらしい。股拡げるから金くれだと分かっちゃいるが、実際本当の事なので口にしたらいけない事もあると怒られた。
「まあ乞食と信者は3日やったら止められないってこういうことなのね。共に意志持たぬゾンビか奴隷って身を落とし、やつれば、迷える子羊は羊飼いの言う通りにしとけば自分で余計な事考えないで済むからこんな楽な事は無いって言うしね。働いてないけどナマポ貰ってパチ屋に行ってるダメ人間みたいで情けないけど、まあ誘惑と怠惰にはやらしいのが人間だものって、みつを先生みたいに自己弁護しましょう。自室に引きこもって薄い本と妄想を抱いてマス死しとけってヤツかな？」
教室がシーンと静まり返り、今度は相当厳しい目で見られた。どうやらコップの端を超える怒りをついでしまったらしい。
ガシッ　ガシッ
「ちょ　ちょっと待って。なんで人外パワーの獣人二人が絶対離さないって意志のこもった両手であたしを囚われた宇宙人状態で外に連れ出そうとしてるの……　何その、鉄の悪魔を叩いて砕くって星飛雄馬みたいに燃える瞳のバンク使用は。ま　まて　話せば分かる　あたしの話も聞いて　ハンド・イン・ハンド　遅くはないさ。だから話し合おうよ。ちなみにあたしはサライの方が好きよ。あの悪代官みたいな毒蜜金悪アナが好きそうな山吹色のTシャツは着ないけど、まあ山吹色のモンはあの24時間テレビじゃ飛び交っているようだけど。まあそれはいいとして暴力反対　話せば分かるんだって」
ズル　ズル　ズル
「ドナドナドーナー♪って誰よ、歌ってるの」
あたしは猫養首相かと悲劇的歴史は繰り返してはならない、過ちは二度と繰り返しませんって、ダイエットと明るい家族計画の標語にもあるでしょう。話せば分かるといったが、特高か憲兵かいきり立った青年将校みたいに怖い面相の皆から、階段下で問答無用と粛清の嵐が飛んできた。

「ゲホ　ゲホ　ゲホ　血だ　は出てないが死にそう」
わざとらしく咳をして、机に埋めた顔を上げて皆をうらめしそうに見る。誰も助け舟の一つも出してくれなかった。
孤独だ。人間が一番孤独を感じるのは群衆の中だって本当なんだ。
「あんた馬鹿じゃないのって？って馬鹿なのよ。腹にタメておけないのよ。自称人権派弁護士はいないの？児相の係官はどうした。こんな怪我したJK入院させないで放置って、ここはどこのネルフよ」
初登場時の何とかレイみたいに全身包帯だらけの情けない姿で机に突っ伏していると担任がHRを初めた。チラと一瞥で見なかったことにしやがった。
「先生。皆がいじめるんですけど………　殺されないように注意しとけって、あんたはフィールドオブドリームのやる気の無い主審か。夜の生活もやる気が無いとか評判ですよ。だから嫁さんが子供連れて実家にかえ　………　HRが終わったら生活指導室に来い？何、どっからメリケンサックを出して装備してるんですか。ああ、あたし今日棚卸しで体を使うバイトで…　はい」
コイツは駄目だ、誰かコイツをなんとかしないとって空気が教室に流れた。
「誰だ。今いっそひと思いにって言わなかった。こらっ、みんなで目を逸らすんじゃない！」

そして次の日。あんだけみんなに袋で凹凹にされたのにもう復活したって、あんたもタフだと呆れる女子ら。モップの柄で突くな。
「ありがとう。えっ、褒めてない。まあいいや。実はセンパイが、あんたそのうちお口が過ぎて殺されるからってポーション置いて言ってくれたのよ。殺された時に飲めって」
相変わらずあのヒトは色々突っ込む事ありそうだけど今はいいや。
「見せてって。はい　はい」
龍のポーションは凄いって言うから持ってるなら見せてくれと言われたのでホイホイと取り出すと皆が驚く。
「えっと、右からラストレッドエリクサーブルにモンスターフルポーションにリポーショタンレベル8に世界樹皇帝液とリキポーショングリーンに強力ポーションPに冷やしポーションアメにネーポーションにみっくちゅポーション　はちみつポーションドリンク　熱血ポーション　燃焼系ポーション　サスケポーション　テキサスからやってきたでお馴染みドクターポーション。死んでる以外は快癒らしいですけど、ただ元気に生きてても二本以上一緒に飲むと灰かロストだから服用は一日二本までって言われたな。なんかあるのかな？」
これも色々突っ込む所ありそあうだが、ザワって教室が震える。なんか一本売れば田園調布に家が立つらしい。
「おっとまだ残っていた。ほい、ラピュタポーション。……　しらない？なんかメーカーがトチ狂ったか間違って出したらしいけど、案の定売れなくて、あっという間に販売中止。今じゃアニヲタも知ってるのが少ないって幻のドリンク。キャッチコピーは『すごいぞ　ラピュタは本当にあったんだ』だったんだけど、天空の城よりお前が本当にあったのか？売っていたのかって謎ドリンク」
流石にこりたのか？ソフトドリンクとのコラボ辞めたらしい。
「換金しないのかって？これ貰い物だから勝手に売ったら角が立つでしょう。くれたセンパイ？なんか今バイトの時給が50円上がるからってマネージャー研修に張り切って行ってるけど…　センパイ税金の申告が面倒だって売るのは嫌らしいみたい。ポケットマネーってことにして使途不明金で出してくれたら、お車代とか栄養代で受け取って、社会常識の範疇だと思ってましたってって、ちょっと許容限度を超えた節税［脱税］すればいいんじゃないと思うけど、マルサの女見てから税務署怖いんだって。住民税に固定資産税とかも計算しなくて済むように税務処理全部やってくれるって今のバイト先選んだみたいで、全部丸投げ出来る会社らしいから正社員で就職したいってるぐらいだし」
あの有名センパイさん変わってると染み染み言う女子らには返す言葉もありません。あのひと黙ってれば……なんだけど、相当残念なのだ。

「持ってる方がそれ目当てで殺されるって？そうかな。じゃあ返そう。命有っての物種で、死んだら生きられない　あれっ、なんかおかしいな　生きてたら死なない　ドッチだ？同じかな　違うかな　まあいいや　考えるの面倒くさいから返そう」
「……」
クラスの皆分かった。
コイツ馬鹿だ。
売れば税金払っても100億は確実に残るし、それでガードマンを死ぬほど死ぬまで雇えるなんて考慮の埒外らしい。
頭の回転は早いがアッチコッチ散漫に見てるばかりで、大局を見渡して深いこと何も考えて無いんだと。
以降何を言っても怒られる事は無くなり、自分のしっぽを追い回して目を回してヒックリコケるバカ犬を見るような生暖かい目で見られる事になった。

「他のアイテム？」
こんだけポーションだけでよりどりみどりなんだから、武器とか防具とかロストテクノロジー的なモノとかあるのかと聞かれた。
「五芒魔陣［ペンタグラム？］で異世界の倉庫［アイテムボックス？］から幾らでもゲット出来たんで試しに取り寄せたら、置く場所が無くて邪魔だから困ったって言ってたな」
預けていた異空間貸金庫の継続契約を忘れていたので金庫がすっかかんになったのを幸いに、サービスしていた会社が業務縮小したかったらしく、これ幸いと解約されてしまい、返却もできなくなった。
「なんかアイテムボックス犯罪に使われまくっていたんだって」
どうせ時間停止で例え生物入れても焼き立てのパンや弁当・熱々のラーメン入れても鮮度落ちないで熱々で腐らないから、自分が死ぬまで入れておいても大丈夫だって何でもいれるわ、表に出たらまずいモノも何でも投げ入れてるバカばかりらしい。部屋が広いほどゴミ屋敷化するのは本当のようだ。
中に何が入っていたか持ち主以外は知りようが無かったが、持ち主が死んで遺族が弁護士とアイテムボックス会社立会で開けたら色んなもんが４トントラック数十台分違法・近所迷惑なモノが出てきたとか。
生ゴミとか密輸するつもりだったのかワシントン条約取引禁止の野生動物に麻薬　金塊に宝飾品　誰のだってぐらいの大漁の印鑑に裏帳簿　愛人とかとのムフフ写真に高校時代の交換日記とか自作のポエム。交換日記と自作ポエムはいいと思うが……。
危ないウイルス持ってそうな猿やコーモリやアナグマ等の野生動物は出てくるわ、出自が不明な隠し資産は税金の二重取りが出来ないんで、いくら追徴したらいいんだって税務署は頭を抱えるわ、幾ら追徴が遺産から差っ引かれるんだって分からずもしマイナスなら期限まで遺産放棄したほうがいいのか、ごみ処理業者にはいくら払えばいいんだって悩む遺族とか迷惑この上ないので、こんな迷惑が他にもいるのはマズイって検察庁とか国税局とかが騒いで廃止にしろって事になった。
それの草案が出ると【IB廃止は悪法】【個人のプライバシーを守れ】【個人情報保護法案に抵触する】っていかにも面倒くさそうな怪しい連中が永田町に押しかけたらしい。
「一応異星界との接触は部外秘ってガイドラインはどうしてるんだろう。また黒メガネ軍団が記憶消しまくってるのかな」
疑問に思ったが、なんか世間に伝わらないなんかがあるらしい。

「とにかく面倒くさがりなんで、引き取ったけど邪魔だからって捨てるワケにもいかないって　………　まあなんか一回ゴミで出したら回収業者のパッカー車［粉砕・圧縮車］の圧縮装置が聖剣か魔剣の力か何かで逆に粉砕されて一台廃車になったんで怒られたんだって。ゴミの残骸調べると刃渡り15センチ以上の聖剣・魔剣が出てきたので銃刀法違反って事になって警察沙汰になりそうだったけど、警備のおじいちゃんが間に入って、ガスを抜き忘れたカセットガスが爆発したって事で始末書で済んだらしいけど」
どうやら燃えない粗大ゴミは１５日と３０日だって知らなかったらしい。そういう問題じゃないとは思うが。
仕方ないんで１５日に出したんだけど、不燃粗大ごみの回収チケット貼ってなかったり貼ってたのに突然の突風で吹き飛んだり、手渡しでチケット渡しても、持っていこうとした回収作業員さんが事故を起こして失神した入院先で『もう駄目だ　黄泉からの呼ぶ声が聞こえる』とか『死の翼ふれるべし』とか『たたりじゃ～～』とかいい出したんで清掃局と労働組合から、もしこのゴミ出すならこの街の回収を止めるって言われて街にゴミがナポリみたいに溢れたんで町内会に怒られて仕方なく出戻りしたとか。
仕方なく引き取る羽目になったけど、本当に邪魔だったので全部色んな博物館とかに頼み込んで預かって収まった。
「博物館とかに頼み込んで引き取って貰うなんて、殆ど死の女神像かバシーノの花瓶扱いだな」
スミソニアンじゃその為に深深度地下に保管庫を５つぐらい建てる羽目になって、引取手数料を労働で返せって言われてハンフォードで10分隣にいたら100％死ぬ線量の放射性廃棄物を封入したガラス管を猫車で地下に運ばされ、核汚染されたデーモンコアの親戚みたいなもんの崩壊熱で暑くて防護服脱いだらえらく怒られたってぼやいていた。
まあこれで終わったと安心していたら博物館の学芸員が忍者ゴッコをして？魔剣を抜いたらしく、自分は第七魔王でこの世の覇王であるとトチ狂い、騒ぎを起こして大変だったとか。
幸い街が一つ潰れたぐらいで収まったがこりゃこのまま無かった事は無理って事になって『この魔剣、潰して地金にして鍋や釜と一緒に日本軍に供出しよう。運が良ければ2式大艇ぐらいにはなれるぞ』『まってくれ、私は邪悪な剣じゃない』『魔剣はみんなそう言うんだ』『待ってくれ、善悪はそれを持ちうるものの心の中にあるって有名な巫女さんも言ってるぞ。考え直してくれ』って涙ながらに訴えられた。生まれたときが悪いのか♪って浪花節に弱いので話を聞くと、純朴な猫耳黒髪美少女が装備してくれたら大人しくするからって？黒猫獣人に最適化したトランスファーに頼み込んで学芸員になってもらったらなんか上手く収まっているとか聞いた。
　ズバ　ｷﾞｬｱｱｱｱｱ　グサッ　グワアアアアアア　
博物館のある赴任先の街じゃ夜な夜な悪党が斬り殺されているらしいが、お蔭で町の治安が良くなったので住人はメデタシメデタシ。ひったくりやレイプ程度で悪即斬な犯罪者はたまらんらしいが……。
同じ街で夜帯刀して頭から血をカブッたような獣人を見たって証言あるが、狼娘アメリカンって映画のゲリラ撮影だって事になっているらしい。翌日トラテープ［黄色/黒の警戒線テープ］が貼られて警官がせわしなく動いているが、住人達はいつごろ公開かと白々しく、無期限公開延期の決まったDゼニーやマーネイズ映画みたいに心待ちにしているとか。


「いるときは博物館から借りるみたい。借り出し書類が大変なんで殆ど勝手に持ち出しているんでそれで怒られているみたいだけど、懲りないな～、あのヒト」
何故そんなにいらないかと言うと。
「後々呪物と成るものは持たずってどっかの剣豪の言葉をマネ…いや、実践してるんだって。呪物って、特級かなんか知んないけど、すんごい力を持ってるアイテムって意味で“呪い［強い力］”物ってことなんだけど、モノなんて単なる道具なのに大事にしてると段々価値がインフレかデフレで乱高下して何が何やら解んなくなって、人間の為のモンなのに人間より大事ってバカが狂って言い出すんであんまり持たないほうがいいみたいだって」
モノを大事にするのは付喪神の伝統？のある日本的にはある程度褒められた事だが、度をこすとモノの方が大事になって、健康の為には死んでもいいってみたく本末転倒になるから、着ない服や使わないコスメに聞かないCDを捨てる断捨離みたく、いらん武器や防具・アイテムなんかは持たないほうが楽だと手放したいとか。
「ゲームで言えばアイテムが目当てになって社会正義とかラスボスとかどうでも良くなって他人家の坪割ったり墓荒らしをしたりして、冒険者って言うより単なる空き巣か墓泥棒になる。お前は好事家の古田織部か」
ほっとかれたラスボスの竜王さんは周り湖面に囲まれた広い広間で待っててたど、周りカリ城みたいな湖で囲まれてると広いのと合わせて寒いから暖房は灯油が大変だろう。
「待ちぼうけは寂しいよ。ドイツもこいつも竜王を横目でほっといてアイテム集めているので、きっと寂しいと思ってる。眼の前に見えてるのに焦らしプレイなんて、勇者は人の心がないのかってセンパイ怒っていた」
可哀想だと思ったらとっととやっつけてあげないと困るでしょう。
「なんかセンパイ敵側にえらく感情移入してるだって？うん。センパイ龍なんでドラクエはいつも勇者や人間側がボコラれる展開が好きみたい。それで大丈夫なのかって？わかんないけど、誰かセンパイ退治頑張ってみる。その時は言ってね。あたし南半球に逃げるから。でも南極はナントカインパクトで氷解けて波高数百メートルの津波が襲うっていうから大丈夫かな？あれっ、そういえば、そのときはあたしも龍種になってるかな？」
センパイが時折龍種なんぞのなるもんじゃないって言っていたのを思い出す。そりゃ性能ピーキー過ぎて仕事依頼こないんだもん止めるわ。お蔭でセンパイ、日々バイトバイトで食いつなぐ赤貧、蟹工船状態だ。干された芸能人が落ちぶれるってああいうのを言うのかなと思った。
「でもなんか、そんな龍種への道筋感じるんだけど、なんでだ？」
バイト先のお姉様らから漏れ聞いた話じゃあれは財布の中身はともかく、選出されるのが奇蹟なスーパーエリートらしいので、自分がなれるとは思わず、お大尽様やお貴族様の持ちしモノの不幸自慢・貧乏自慢かと思ったが、今にして思えばあれは自分への言葉であったのかな。
でも成りたいって言ってもなれるもんじゃない。龍種が自分の依り代にと買われないと駄目だよな。
もう裏で青田買いか、江川の空白の一日みたく裏取引で決まってるのかな？
（まあそれこそ案ずるよりだ。なんかあったらそのうち分かるだろう）

その事を思い出し、自分も龍になってるとしたら、コイツら敵だから、自分もコイツラと戦うのかなとボンヤリ思った。
「その時は　あなたも　あなたも　あなたも　クラス全員　私達の為に死んでね」
ニッコリ
猜疑に歪んだ暗い瞳がせせら笑った。
ゾ～～～～～～
クラス中の心が［一人をのぞいて］一つになった。
本当にコイツはなんとかしなければ　と。




title #3
"Welcome, Mr. Another World!OYOYO ”

part[8/-？]
end