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part[5/-?]

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title #3
"Welcome, Mr. Another World!OYOYO ”

part[5/-?]


「で、どうする?」
このまま適正検査を続けるか、帰るなら三沢から嘉手納基地行きの貨物機の貨物枠ならロハで帰れるらしい。防音してないから風切り音にエンジン音がうるさいし、与圧はろくにしてないので寒いし、椅子は緊急用で固いのでおすすめ出来ないと言うが、ロハには勝てないと、そのときはお願いしますと頼んでおく。
「記憶はどうなりますか?」
「青森にはねぶた祭を見に行って、ニンニク唐揚げを食べて、お土産に県特産ニンニクを持って帰って大満足で楽しかった。って事でどう?」
学生時代の良い思い出としてはそれが記憶に残る。どうしてか写真を撮らなかったんだろうって不審がるかもしれないけど、うっかりだと思うから大丈夫よねって言われた。
「それ大丈夫って言うんですか?」
「気は心 病は気から 思い過ごしも恋のウチってね」
日記には書いておこうじゃなくて、日記には書かないでおこうって気軽さだ。
「いつまで決めればいいんですか?」
「3日。まあ~おたくの保護者がどうやらあれなんで、伸ばしたいなら一週間までは保護名目でコッチの判断でいけるかな。上に聞かんと確約は出来ないけど」
プレハブ街にある女子でも安心出来て眠れる安宿の場所を知らせる。
「宿代ありませんので、空き地ありますか。水場が近くてトイレ風上で」
リックからワンタッチテントと寝袋が覗き見る。それに寝ると本当に戦争難民みたくなるからと、ここでいいなら庇は貸すという。
「研修お試し期間って事にすれば庁舎滞在の許可は出るかな?。勿論なんかあったときの為に何枚かサインはいるからめんどいけど」
HQにハンコを貰いに行くのが憂鬱だと言う表情で、彼女にとってはそこは敷居が高いらしい。
「お願いしていいですか」
心労おかけしますと頭を下げる。
「ほい、了解」
「あの」
「な~に」
「ツノが」
「あ~、光ってる?何色」
「橙(だいだい)です」
「正直過ぎるんだよな。お蔭で社会が狭い」
「なんですか」
「これもあとのお楽しみって事で ニヒヒ」
「?アブサン先輩秘密主義者ですか」
「別にそうは・・・・・・アブサン先輩?」
「視聴覚教室の金髪白衣の女医さんが、そう呼べば喜ぶって。あの、なんかお気に触りましたか」
「あいつか。あいつは、いいや・・」
どんな場所で言われて、周りの誰かに聞かれていたかと聞くと皆がいる教室で他の講習生もいたと言う。
「なんか講習生は分からなかったみたいですけど、他の係員とかはすわ一大事だって騒がしくなってましたよ」
「まあ、今日でもいいか。あ~今日はもうやることは無いから、裏にある倉庫にある仮眠室キレイなのが一つぐらいあるだろうからそこ使って」
シーツとマクラはどっかにクリーニング済みが転がってると。
「先輩ここに住んでいるんですか?」
庁舎に入る時に裏側に女性らしい洗濯物があった。洗濯物は人の住んでいるあかしなので、見つけた時はまるで大草原の小さな家状態だと思ったもんだ。
「仮眠2号室には入らないように」
何があるのかと思ったが、聞ける雰囲気では無かった。

「秘密主義者じゃないから、少し修正を入れるか。ちょっと酒席であのセンセイと年代物の90%アブサンの飲み比べしてて流石にしこたま酔ってやり合っちゃったのよ。それでちょっと被害が出たんで・・・・・まあ当然あたしが勝ったんだけど、プレハブ倒壊五棟分の請求書をアイツに払わせたら恨みを買ってね、流石に不死鳥憑きなだけにしぶとくてしつこいのよ」
「すいません。なんか情報量が多すぎてちょっと整理を・・・・・・不死鳥憑きってフェニックスですよね。だからあの女医さんは金髪に羽冠みたいなものがあったんですか」
「不死鳥は炎を浴びて蘇るって言うけど、あいつが浴びるのは炎じゃないけどね」
不死鳥は不死鳥でも、蘇るのはベッドの上だとの事だ。
「近頃の男は根性が足らないって文句言っていたけど、そりゃプロレスリングの雑巾がけじゃないんだから、プロレスラーみたく搾り取られたらたまらんって」
「つまり」
「アイツの男はタマらんって事よ」
腎虚するって逃げた男が言っていた。
「あ はい わかりました」
「ん?アイツ他に何か言っていた」
講習会で他の者が聞いてる状態で。
「そ それが その あの・・」
「?」


「やっぱ良い人みたいでよかった」
プレハブ事務所の裏手にある倉庫に設えられた四畳ほどの仮眠室をあてがわれた。狭いけど勘弁と言われたが、故郷じゃエゲレスの魔法使い少年みたく階段下の物置みたいな場所だったので、人間が住むように作られた部屋は久しぶりなので天国みたいだった。
「うふふ。洗いたてのシーツだ」
クリーニング済みと書かれていたシーツにくるまって、青春18だったので数日間鈍行の直角シートと待ち時間はホームのベンチ寝だったので今日は良く眠れそうだ。
「先輩街に行くっていたけど・・・・」
あの女医さんにちょっとナシをつけに行ってくると言っていたけど、まあ大丈夫だろう。
自分から話を聞く時に、怒らないから正直に言ってと約束してくれたんだから、穏便な話合いの筈だ。

ドドーン バリバリバリ ドガシャーン
時折遠くの丘向こうから大地を伝わって重低音が響く。
ソッとカーテンの隙間から外を覗くと、プレハブ街の方は見たこと無いけど雷銀座らしいカタトゥンボ平原みたく稲光が光り、雷光に浮かぶ稜線の向こうには火の七日間が始まっていた。
『後輩に歪んだイメージを植え付けるな、この巨神兵女』
『うるさいわね。あなたのどこが良い先輩だっての、このうわばみキングギドラ』
声しか聞こえないが、二人が何をやってるのかよっくわかった。
(あの二人、そんな二つ名だったんだ)
触らぬ神に祟りなしだから、本当に神クラスみたいなので一切触らないことにした。
(あの二人声大きいし 通るな~ )
やってる事はともかく性格は良いらしいので、いい先輩ら恵まれた事に感謝してもう眠る事にした。
(あれっ?でもなんで聞こえるんだ?。丘で音は殆どジャミングされてるのに・・・・)




「せんぱ わっ!」
おはよう御座いますと庁舎に入ると愁嘆場であった。
「先輩はわかる でもこの女医さんがなんでいるの」
板敷きの床に二人が酒瓶を枕にでもしていたのかそこいら中に氾濫したなかを二人がひっくり返って熟睡していた。
「長年の離婚裁判が終結して清々したって旦那が飲み友達とお茶屋借り切って飲めや歌えのどんちゃん騒ぎをした次の日の朝に市場から仕込みの材料を配達した時に光景にみたような」
取り敢えず抱いてる酒瓶はほっといて、他の酒瓶とつき出しの袋と残骸を捨てる。
「この仕事が宿泊費の代わりかな?」
ならばと二人に毛布をかけてポットのお湯と珈琲を入れる。
合切のゴミを捨て戻ると女医さんがいなくなっていて、先輩だけがソファーに移って死んでいた。
「おはようございます先輩・・・・・・・なんかありましたか」
どう見ても二日酔いで死んでいる。死んでいたが、今日からの予定を書かれたコピー用紙を渡されて「タダ働き期間が半年伸びた」とボソボソいいながら事務所裏の仮眠室に消えていく。
渡されたメモによると言わなくていいような、注意書きが書かれてあった。
そして自分は今日午後大江戸屋でバイトなので何かあったらソッチにくるようにとあった。
「性格“は”いい人」
素行はしらん。


その日の身体検査の時に居合わせた診療室で見ていた目撃者によると
北海の大決闘は真龍対不死鳥の戦いだったらしい。
ベッドで半死半生でうめいている犠牲者、多分外人 は、怪獣大進撃のマーチが三途の向こうから聞こえたらしい。
しかしおかしなことに気がつく。
周りに医療関係者からは同情の気持ちが薄い。
単なるトランスファ候補生が根掘り葉掘り聞いても心証が悪くなると聞かなかったが耳には入ってきた。
どうやらトランスファに応募したらしいが、トランス体質では無いと適正不足でハネられたらしい。
それで帰る所だったら同情もされたらしいが、トランスファの女性をタラしてヒモになろうとこの頃なんか母国に伝手を悪用して居座っていたらしい。
先輩とセンセイは二人して最強種である “龍種” と “不死鳥種” であったのでお上手く取り入ってどちらかを口説こうとしていたんだろう。
偶然の流れ弾で半死半生の犠牲者が出たらしい。
犠牲者を調べると身分証明証などは全部偽物。
国家の情報部?によると多分どこかの国がトランスファ女性をスパイか工作員にするためのロミオ要員だったらしく、起きたら即刻黒服の男たちに引っ張られていった。

「気をつけてね。トランスファで超人化して、残り香が残ってる人間はどこの国にとっても喉から手が出るほど欲しいコマだから、女性タラシも男性タラシも上手いが入り込んでるからね」
「スパイですよね?工作員って言うのかな。捕まえられないんですか」
「スパイ防止法が出来ないと無理ね」
仲良くなったおばさん清掃員さんなんかが、なんか機嫌がいい。ワケを聞くとトランスファ女性を金づるだと思って何人か母国に連れ帰れたら組織 多分軍か諜報関連での出世頭になると吹聴していたらしい。あんな男のクズがいなくなってよかったんだと機嫌がいい。元乙女としては憎かったのではなかろうか。
「先輩。もしかしてですけど、あの女医さんとの昨夜の事は」
「ん~」
振り返りニヤッと笑い。
「君のように勘のいい女の子は持てなくてもいいのにモテるから気をつけようね」
何も気が付かない馬鹿の方が毒蛇は興味を引かないと言われた。
「はい」
ボソッとつぶやく。
「狸を燻り出す、仕掛け人もバイトかな?」
派手なロイド・ヨル夫妻だなと思った。



検査と体力測定に政治的かつ社会的身体検査って取り調べを受けていたが数周後庁舎の掃除をしていると先輩が戻ってきた。
「おめでとう。合格よ。これで何も無くてもニ年間は滞在許可出るし、ログインボーナスぐらいの給料出るよ。安いけど。行きたいならコッチの高校に編入しても学費出るよ」
「じゃあお願い出来ますか」
山の中腹にトランスファ生徒の公立専用学校がある。要はお国のための人員を育てる施設であるようだ。
「ほ~い了解。一般高校って言ってるけど殆どウチの候補生らだから気は楽でしょう」
全員同じ穴のムジナだ。
「それ厄介払いの隔離施設みたいですよ」
それは合ってると笑う。トランスファー要員をスカウトしにくる非政府要員から守るのが主な役目らしい。
「普通の人がいると具合が悪いんですか?」
「人間やめる希望って普通に考えれば危ない思想持ちなんだからね。一般人からすれば妖怪人間みたいなもんじゃないの?」
そうすると聞かれて、本採用が無い時の為に高卒はほしいので編入を頼む。記憶は無くなるかも知れないが、学歴だけは残るからな。


「じゃ、これ届いたんでわたしとく(はあっ)一応オメデトウ」
渡されたA4コピー紙の通信簿(ステータス表)。

知能  戊
瞬発力 戊
視力  戊
体力  丁
生命力 丁
聴覚  丁
精神力 乙
味覚  乙
触覚  甲
嗅覚  甲
甘味  甲
耐久力 甲



「なんで甲乙丙丁なんですか?普通異世界妄想だろう物なら SSS~A~Fとかクラシックコンサートの席料みたいな区分じゃ無いんですか」
「ここ日本だから」
「そりゃそうですけど。尋常小学校か旧制中学ですか。それとも戦中野球ですか」
鬼畜米英の英語禁止で、使ったら憲兵や特高警察が来るんですかと突っ込む。
「全くの 正球!(ストライク)」
「知りませんが 悪球(ボール)です」


「その基準だけど、よく最高はSSSだって言うけど、オペラとか歌劇だったその上にボックスシートあるし、その更に上にロイヤルシートあるし、本当の最高位は舞台袖だ、楽屋だって言う人だっているわよ。まあ更に上には主役のベッドって・・・・・まあいいけど。まあ妄想だろう系に出てくるギルド会員証で楽屋とか舞台袖って書くわけにはいかないから仕方ないか」
「SSSランクの上は花束とか電気・掃除の出入り業者かベッドメイキングさんですか」
「出入り業者怒らせたら舞台なんか開けないから、例えSSSの見料払っていても客より大事よ」
「なんかSランクとか言ったらありがたいもんだって思ってるけど、全然そうじゃないんですね」
「所詮順位をつけられる立場よ。会社で一番偉い人間は自分で役職を付ける。役職どころか給料も経費も交際費まで好き勝手に落とせる」
給料増やすと税金を持っていかれるだけで、それなら給料抑えて経費や交際費で遊べば個人からの税金じゃないと懐は傷まないからソッチのほうがほしいと羨ましがる。
「順位をつけられるのは所詮使いっぱしり。SだSSだって勲章みたいな小さいことで争わせる事で経費かけずに尻を叩く立場にいるものよ」
あまり参考にはならんが、エジソンさんだってテスラさんだって田中角栄さんだって学校の成績順なら下から数えたほうが早いが、誰が付けたかわからん順位に一喜一憂してるのが大成をなしたって無論いるだろうけど、あまりは聞かん。まあそれじゃ盛り上がる話にならんからもあるが。

「まあ本気半分の冗談はさておき、これは引く手あまたよ」
「なんでですか?」
「アッチの連中はここに何をしにくると思う」
「さあ、異世界の住人の好みは」
「あなたも友達も旅行するときの楽しみってなんだっていってる」
「現地の名物料理と観光ですかね。まだナンパで美男美女 ボインやイケメンとしっぽりは流石にまだ早いですし」
「そんな時感度の悪いユニットより鋭敏なセンサーがほしいんじゃない。何食べても美味いしかわからないような貧乏舌だと旅行の甲斐が無い」
「確かにハンバーグとカレーと辛いもの甘ったるいモノしか食べてない舌でグルメ旅行は嫌ですね」
料理自慢のホテルに止まってカップ麺食ってるようなもんだ。
「料理を食べるなら繊細な味を味わえる舌で食べたいでしょう。富井副部長より海原 雄山の舌で食べた方が旨味は味わえるだろう」
「う~ん、ドッチも嫌ですけど、まだあの頑固親父のほうがモジャ頭よりいいですね」
「だから食事を、特に甘味を食べたいと思ってるならあなたを自分好みの依り代にほしいでしょうね」

「じゃあこんだけステータスが良いと先輩みたいに龍種になれますかね」
渡された成績表を「ステータスオープン」と言ってかざす。
シーン
掲げたA4のコピー用紙があるだけだ。
透明液晶モニターが現れて、今どき無いニキシー管みたく光文字は浮かび上がらない。
「あはっ あれは現実にいると馬鹿みたいだとわかった」
力なく笑った。少しは笑わないと乗った後輩ちゃんがミジメすぎるからな。
「ですね。あの連中恥ずかしくないんでしょうか?成績表を見せびらかすなんてどこのスネ夫ですか」
そんな事でマウントを取ろうと、あんな事をするなら0点を隠す卑屈なのび太の方がマシだ。
「人生時には馬鹿になることが必要よ。葉っぱ咥えた悪球打ち男は馬鹿すぎるんで、ここまで馬鹿だと人生は楽しめるって言われていた」
たまにはねとせせらう。


「ん。まあ~、これなら引く手数多だろうし、龍種になるだけの頑丈さもありそうだから自分の依り代にしようと思う龍さんもいるかもしれない。現代の普通のマスプロ規格のエンジンとかだったらボーリングしてオーバーサイズピストンいれたらクラッシュテストみたいになるでしょうけど、これだけオーバークオリティなら860どころか1052ccまでボアアップしてハイカムいれて加給かけても大丈夫だって買ってくれるかもね」
普通種(人間)の体に龍の魂は規格が違いすぎる。
軽自動車にF-1のエンジン乗っけるようなもんで、何も補強いれないとフレームは曲がって折れて、ミッションはナメて二度と動けないで、何とか繋いで走ってもタイヤは直ぐにベロンベロンで直線でも暴れまくり横転して一発廃車状態。おまけに極悪燃費の為にガソリンも沢山積むだろうから火が出たら燃え尽きるまで消火も不可能かも知れないので、修理するより産廃行きで新しいのを買ったほうがいい。
「だから龍種クラス向けにあたし達の最適化は大変なのよ」
「どれぐらいですか?」
「軽自動車の車体にイージスのガスタービン積んで、鈴鹿で二分切れってぐらいかな」
「よくわかりませんが、無理って事ですね」
「そのペースで走ると第一コーナーですっ飛んで観客席に突っ込んで死者累々だろうな。無論ボディのあなたもね」
「どこの特攻ですか。今はドローンですよ」


それに龍種に成れたら成れたで大変。そんなエンジンがJCモードで収まるような燃費なんてもんじゃない。
デカい戦艦大和なら出航の為の暖気運転の燃料分で、小型のレジャーボートなら日本のぐるっと海道三万キロ走れるだろう。
「あたしのエンゲル係数知ってるでしょう」
「ポテチ自作してるとき油切らずに背脂の塊をトッピングしてましたね」
それでこのパリコレでは危うく出場停止レベルのBMIだ。
「給糧艦の間宮を一人で食いつぶすみたいにやってますもんね」
大和に食料補給に行ったら途中で食料庫がカラになりそうだと笑う。


「で、この通知表(ステータス表)提出していい?」
アッチのバイヤー組織に流して良いのかと聞いていた。
「出すとどうなります」
「並行宇宙 並行次元を含めたパラレル宇宙全てで競争入札が始まる。いわゆる奴隷競りね」
今なら間に合うが提出することにしたら売られる事を了承したって後戻りは不能になる。
それは人間をやめること。
「あたしは牛馬ですか」
「家畜と奴隷かの差がどこにあるか知らないけど、多分女子?には特にモテモテよ」
「甘味が甲だからですか」
「多分金持ってる女子が競り落とすんじゃないかな」
異世界のレストランに来てるエルフ皇女とかビーフシチュー女王様が来るやもしれんと笑う。
「先輩みたいに龍種だといいな」
「どうして」
「一番強いんでしすよね」
「それは知らないけど、あたしの知ってる範囲じゃ・・・・・あんまり好きな言葉じゃないけど、いわゆる“最強”種の一端であることは間違いないと・・・・・・・・思う。人類なんてどこまで言っても井の中の蛙だから信じないように」
「なんか・・・・それは ・・・ 龍種は乗り気じゃないような勘受けますけど」
「死亡率高すぎるのよね」
飼い主が、つまり憑依する存在がより憑きやすいように体は最適化される、先のように無茶な魔改造が前提だ。テストでエンジンふかしただけで王立宇宙軍みたく吹っ飛ぶ。それは死だ。
あまり改造されないほうが苦しくないし、残火というか魔法とか強靭な生命力が消えて人間に戻りやすいらしい。
「龍種と人間種だと離れすぎてる。生き残れる確率も小さいし、元に戻れる可能性も薄い」
「先輩がそう言うなら、じゃあ初心者マークのイージーモードでお願いします」
人間種が近そうなのはエルフ ドワーフ ホビット ハーフリング がいい。
耳が長くなったり ガタイがゴツくなったり 小さくなるぐらいなら人間界で暮らしていくには種族的特徴が現れても不具合が無いだろう。
オーガーとか マーマン ケンタウロス 獣人 インセクター とかいわゆるモンスター系は特徴が現われ、体色が緑とか青とか黒とか透明になったり、全身体毛や鱗やツノが生えてきたり首筋にエラが開いたり、複眼になったり触覚が出来たりハネが生えたら、ここではいいらしいが(プレハブ街には普通にいた)一般街にいけば相当注目を浴びる(基本外出禁止)。
「知り合いにケモナーがいるんで、統計的に好かれそうだから獣人なんかがいいかも。まあ抜け毛が出るんで銭湯にいけなさそうだし、自宅風呂であっても毎回お湯変えると水道代大変だし追い焚きのパイプや排水孔が詰まるとパイプマン買わないと駄目になる」
だから出来ればエルフがかハーフリング希望。
「言っててなんだけど無理。コッチに選択権無し。野球のドラフト会議みたいな奴隷の意志は無視。奴隷解放前の昔の飼い主みたいに、奴隷は物言う牛馬だと思ってる」
「最適化はチェンジは出来ないんですか?」
「ホテトル嬢じゃないんだから無理よ」
「チェンジ料払っても駄目ですか」
「なんでJKが違法の風俗にえらく詳しいのよってツッコミは野暮なんで言わないけど、初競りでトランスファされた種族に固定される」
車のミッションやターボかNA,車体色みたいなもんで、権利は初めてのオーナーにあるらしいので自分が都合の良い自分用に最適化するらしい。
「ヤマゾンみたくクレーム返品対応しますってカスタマーセンターすらないわよ」
「そうですか。じゃあ折角だから一番頑丈そうな先輩みたいな龍種がやっぱ折角なるならいいかな」
「先輩として言うけど、シナ国の不動産業者の後悔グループの社債や株を今買う以上にバクチよ。年利100%貰っても割に合わないよ」
「金ドブですか」
「サービスが予告無しのタメ無しで突然終わる事で悪名なスマホゲー会社の課金ゲームを始めるようなもんよ」
「ドブ直行なんだ」
「それに龍種は借りてが少ないのよね」
「借り手って、買い手のご主人様だけの子飼いになるんじゃないんですか?」
「ずっと旅行するなんてどこの道楽者よ。してるかどうかはわからんけど仕事も家庭もあるでしょう。よっぽど地球が気に入らないなら、週末旅行の時のレンタカーみたい現地で借りて、母国?に帰る時に返す事になるみたいよ」
「じゃあずっと奉公明けまで独占契約ってわけじゃないんですか」
週休5日で高給取りなんて夢のようだとバラ色の将来に思いをめぐらす。
「悪夢じゃない?」

「奉公開けまでは基本オーナー権利者専用になると聞きましたけど、期間中でも他の人が借りる事とかあるんですね」
「奉公期間開けまで優先使用権は飼い主にあるからご主人さまが俺のだと言えば断れるし、こっちも飼い主以外へのレンタは断れる。双方が受ければリース契約ね」
「リースですか」
「飼い主以外からレンタ依頼が来たらあたしたちは受ければレンタ会社から利ざやの何割かはコッチも回ってくる。飼い主にも、自分の愛車をレンタル会社に預けて借り手が居れば貸してレンタル料が入るんで貸したがる奴も多い。まあ投機的な意味合いで買う奴もいるわね」
保険も入ってるんで無茶の代償でトランスファの仕事継続が不可能になった奴がいたけど、奥単位の保険金で一生左うちわで死なない程度の怪我をしたいってヤツ結構いるらしい。土方とか工作機械工でワザと指を飛ばして社会保障とナマポを受けるようなもんらしい。
「だけど龍種となると借り手いないのよ」
「そういえば言ってましたね」
「前に言ったように性能高すぎると乗り手を選ぶのよね」
軽やファミリーカーなら誰でも乗れるし借賃も安いし燃費もいいし車両保険も安くて誰でも借りるから回転率がいいから単価は安くとも薄利多売方式で儲かるが、乗り手を選ぶGT-RとかLFAとかなら借賃は高価い燃費は悪い車両保険はバカ高で免許はゴールドで技量も見られて、なんかあったら修理代も天井知らずなんで回転率は悪くなる。
「龍種がそうだと」
「GTーRやLFAはどっかの成金姉妹だって乗れるから、龍種はシルエットのポルシュ935みたいなもんかな?」
「車は好きですけど、それはわかりません」
「ドライバーが作った奴に「お前らちょっとそこに座れ」って、俺を殺す気かって小一時間説教したとかって都市伝説のあるじゃじゃ馬」
「つまり・・」
「メニューにない辛さ感度3000倍カレーみたいなもん。素人は色んな意味でお断りなの」
「裏メニューですか」
「頼んだら店員が止めるレベル」
「それは問題ですね」
「お蔭であたしを借りるヤツいない」
お蔭でずっと干され状態で、仕方無しに職員もファーストフードの店員も子守もやって日銭を稼いでいるらしい。それでも食費が精々だ。
「他人に体を勝手に使われるより気楽じゃないですか」
使われてナンボだ・・・いやバイト・・・・いや、ナンボ(幾ら)で有ってた。
「元々奉公開けてるし依頼有っても断れるからいいんだけど、こんだけお願い無いと干物だ。蜘蛛の巣だって聞いてくる馬鹿鳥がいるのでなんとなしに腹が立つ」
お蔭で“最強”にして“最強貧乏”との二つ名を持ってると嘆く。
「とんだ二つ名よ」
「ん?勘違いしてないと思いますけど、悪名二つ持ってるからで二つ名じゃないですよ」
それもあるだろうが、普通は本名の次って事で、2つ目の名って事で二つ名だ。
「えっ?」
「えっってなんですか」
「そ そそそ そんな事あるわけ無いじゃないで おほほほほほほ」
「・・・」
(この人やっぱり・・・・・・)



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