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"You're an elf, aren't you?"
"Wrong person]
[episode Part 2/6]
「なんで?」
「だから・・アニヲタが姉さんに見とれて手元が滑ったって事よ」
あの店員はアニメヲタクとか。そんな店員がアニメまんまみたいな姉さんを見たらそりゃポーっとなってアイスだって落とすと言う。
「そうだったの?じゃあ言ってよ、ニットキャップとメガネするから」
後ろ指刺されるような事はしてないし、蒸れるのが嫌いでつけたくないが、新作アイスの為なら背に腹とばかり、長い金髪も耳先も押し込めば海外留学生に見えない事もない。
銀瞳を隠すのならカラコンがいいのだろうが、体に入れ込むモノは聞いた覚えがないがなんかの教義に反する事もあり怖いので伊達メガネを本場鯖江で土産ってきた。ウルトラセブンみたいに ジュワ 変身って心の中で思いながらかける。
(マハリク・・・・じゃないな。ピピルマ でもない、テクマク ラミパス かっぱっぱー ・・・違うな。最後は特に)
子供の時に見ていた日曜朝の魔法少女みたく、派手な変身は出来ない。と言うより、逆にひどく地味になった。
「そんなのダメですお姉様。お姉様のその穂先耳は森人エルフの象徴なんですから、隠すなんてとんでもないです」
お嬢様らしく無く、感情を表立て意見具申する。
確かに彼女の耳はその特徴を有していたが・・・。
「え~っと、何度同じことを言わないと駄目なんだろうね。お嬢はドッカの約束も国際協定も倫理も守らない特亜呆国みたいな鳥頭なの?」
あたしは人間で森人なんて種族じゃない。そう言うと、自分の事は案外分かってないってのが世の常らしいと、姫が背中で笑っている。
「コ こいつの戯言はいいとして」
こいつみたく冗談で言うならスルーできるが、お嬢は本息も入ってるので困る。
嘘だと知っていても大きな声で何度でも言い続ければ嘘だった物がいずれ真実になるって言っていた中世のちょび髭おじさんみたく、冗談だと知っていたのに何度も繰り返す内にお嬢が一番信じるようになっていた。
「確かになんか似てるって評判だけど違うし・・・・・多分。あたしヒト種だし」
似てる?らしいが、本物知らないので断定出来ないが多分違う。
これでも五代揃って江戸生まれの江戸っ子だ。
言っておくが時流の江戸前じゃないぞ。江戸前ってのは江戸の前の海のことだ。江戸前産まれなんて言うと、人魚も混じっているのかとややこしくなる。
時節柄虎製バターで焼いたホットケーキを死ぬほど食わされる事になっても太って困るし、ベッカンコーって魔法も無論使えない。森人ならまだしも、ジャングル人なんて言われたら親が泣く。
「親父もお袋も純日本人だ」
本人らの自称だが。
「母方・父方婆ちゃんのじいちゃん揃って、関東大震災も首都大空襲も生き延びてきたってのが自慢だ。明暦の大火とか安政の大地震とかは聞かなかったが。今度聞こう」
先祖は石松三十石船で寿司を奢られてもいいぐらいだ。
「それで幼少から苦労したって話、しただろう」
幼少の時から特定趣味嗜好のヤツから異世界から来たと思われて『お母さんいる』とか『160歳さんも昔はこうだったのかな』とか、あらぬ想像をするのが非常にうざく、どっかの声優17歳さんみたいに言うな張り倒した。
大きくなってからは『あの直情馬鹿とは別れたの。じゃあ今度は俺と幸せになろう』とか言われもしたので、お陰で家の隣にある七拳星道場で鍛えた拳がよく役に立った。
「そんなにイメージ通りなんだろうかな?160歳さんと似てないと思うけど」
「どう考えてもあの盗撮写真サイトの開いたコンテストの所為だろう」
「まあ、あれね。やっぱ」
時折現れていた森人萌えのそのヲタの仲間ツテだか知らんが、ネタに困った?YouTuberが勝手に初めた、街で見かけたあのアニメキャラ似の女の子って、ワケのわからん盗撮?コンテストサイトの森人部門で、彼女の一枚がネット投票で有効投票数の半数は取ってしまった。
「鬼籍の・・・・・じゃない。奇跡の一枚ね」
原因を作ったチューバーへの希望末路で誤字る。
「そうですね。あれでおかしなファンが一気に増えましたものね」
なお盗撮であったので直ぐに削除させたが、単なる運営の規約上の条項に抵触しての削除だったが、それが国家か何か知らんが陰謀だなんだのだと馬鹿が騒いで問題が大きくなった。
普段は信じていないくせに、ネットで出ているなら真実だって、彼らにとって都合の良い事だけは信じるって手前勝手な恒常性バイアス ・・・・・ この場合は“好情性売遊”全開で、彼女は森の人 そうに違いない、だから国が動いて彼女を護った。そうに決まってたって半ば つうか穿ち強引にそう決まってしまった。
その時一応『なんでやねん』と突っ込んではおいた。
真実より、欲望の充足が最優先される衆愚投票(暴民政治)またの名を魔女狩りって怖い。
「似てるか?本人いるのかどうかもわからんから、知らんが」
確かにパツキンで色白で銀瞳で高頭身で、しかも何故か耳はバルカン人型のより付け根が太くて長い穂先型。まあ控えめに言って、定石な森人イメージピッタリだ。
「なんで純国産のオタクがそうなったかの原因分からなかったんだろう?」
「婆ちゃんらも取替っ子(欧州や日本の旧家・異世界モノにたまにある、本家以外の血筋を本家の子として育てる)は知らんって言ってるから覚醒遺伝って訳でも無いと思うけど」
黒髪黒目の羨ましい母ちゃんはちゃんとお腹を痛めた子だって言ってくれてるし、昔話を話してくれる婆ちゃんたちからも先祖が異世界から来たって話も聞かないからそうなんだろう。
なんか変に笑ってるような気がしたが、まあそうって事で。
「幼児の時だからあたしは覚えてないけど、ちゃんとIUC(国際大学)医学部でDNA検査して90%人間だってお墨付き貰ってる」
ついでに親父の遺伝子もちゃんと受けてるって聞いた時に親父が、ふか~く安堵のため息をついていたってのが笑ったけど・・・・笑えないよね、婿入りしたのがカッコウの巣じゃたまらんだろうな。
確定できない10%が心配だったが、裁判なんか後でごたついた時の関係で100は無いらしい。あたしの人生模擬テストの合格判定か。
「普通、あたし人間ですかって遺伝子検査受けるヤツいないと思うけど」
「あたしが調べたわけじゃないんだけど、まあ家族の平穏の為よ」
「まあ普通DNA検査なんて不審死の遺骸か、子供が托卵の疑いのある旦那さんじゃないと調べない」
「どっから漏れたか知らんが、それが陰謀論者に知られたのは痛かったな」
「調べたって既成事実化するのは何かを隠したがっている証拠だとまた騒いでいたな。」
調べないと何かまずいことがあると勘ぐられ、調べたら調べたで証拠能力は無いとか言い出す。NASAがUFO信者からの問い合わせをガン無視する気持ちがよく分かる。話せば分かるは本当の馬鹿には通じない。馬鹿は死ななきゃ治らないのだと。
「こっちは心労だってのに、何お前らは笑ってるんだ」
「回りは流れ弾が飛んでこない限りは話が大きくなった方が面白いから騒げればいいんじゃない」
「都会は喧しいから、離れて森にでも籠もった世捨て人になりたいよ。弓にはこれでも自信あるし」
何故か子供の時から弓を使うのが上手いので将来はジビエ料理の食材を探すハンターも悪くないと思っていた。
まあ、この国じゃ弓猟って禁止らしいが、射殺した後矢の銃創もサバいてしまえば大丈夫だって弓を背負っていたのでマタギの爺さんも言っていたので大丈夫だろう。
「そんなことばかり言ってるから森人って言われるんじゃないですか」
「確かに将来の夢が森で動物を弓で狩るって普通の女子の展望じゃないよな」
だから森人なんてウワサが立ち消えにならんと言う。
「し しまった」
そんな言動がウワサの後押しをしていると、今気がついたらしい。
「おせえよ」
結構今頃悩む姿に呆れる二人であった。
「空いたみたいです」
コンビニ前のイートインスペースに三人分の席が空いた。
座ってスプーンですくうと、アイスクリーム頭痛で仲良く三人頭を抱える。
「そう言えばあのコンビニ店員例のゲートに行ったんですって」
頭を叩いて落ち着くと思い出したようにお嬢がいい出した。
「ゲート?パドックの。よくあんな所に行くな」
アニメ好きなら、馬ガールの聖地巡礼かな、と想像する。馬糞の落ちてる所って破傷風菌が生きてる事もあるんで下手に怪我すると大事なので自分は行きたくないが。
「どっかの山にあるって言う異世界行きのゲートです」
「ああ、あれか」
近頃アニメ板かオカルト板で話題になっていたミステリーゾーンらしい。
「行けたのかな?で、出戻り」
見直すと別段プレートアーマーは着てないし、聖剣やバトルシールドは持っていないと言うと、なんでそんなもんがコンビニ制服になってるんだと呆れる。
「どうやら気がついたら所轄の警察病院にいたんですって」
「逮捕?」
「確か山での遭難で衰弱して人事不省の所を保護されたとか」
親が身元引受で取り調べだけで、そのまま釈放なんで人事不省で徘徊じゃないかとって話。
なんでもそこいらは昔から狐が化かすとか、お化け 幽霊 悪霊 もののけ 魑魅魍魎 が出るので人事不省に神隠し、発狂狂死には事欠かない異界だとか。そんな事情があったので近年は追加で異世界がどうたらこうたらってのもラインナップの入ったので、その手の話が好きな現実逃避が趣味?な連中のメッカになりつつあるとか。
「なんか一緒いったヲタ連中がどっかで入院してるらしいけど、なんか記憶が無いらしいわよ」
「やだ、怖い とらちゃんは可愛いけど、他は会いたくないです」
わざとらしく、お姉様怖いと腕にすがりついてくるお嬢。
「あんね、何度目かもう思い出せないでしょうけど、もう一度いわないと駄目」
「もしかして『あんたあたしより年上でしょう』ってのだったでしょうか」
「そう。あたしは中3であんたらは高2」
なにかやんごとない事情があればだが、特に3人共諸事情は無い。
森人の歳はわからない。若そうに見えても160歳って事も有るのでお嬢と姫が初めて話しかけた時に年長を敬うモードであった。
「あんたら二人と初めて会った時、前の学校のセーラーだったわよ」
セーラー服の160歳がいてたまるか。
まあ40でバンドやってる娘のJK制服を来てる母親も、二十歳超えて声優やってる実の娘がいるのに17歳と1万数千日?とかって言ってるのもいるから、ない話では無いが、あれらは特別だ。
直ぐに年下だと分かっても何が気に入ったか今度は年長をお慕いモードでやってくるようになった。
「だってお背が高かったから」
「お嬢はそんとき幾つ。ああ、胸じゃねえぞ」
「あら、胸は誰かさんと違って当時から重かったわね」
女特有のマウントを取るお嬢。
「べ 別に悔しい訳でもないぞ」
確かにお嬢に比べて二人は控えめだ。それもかなり。まあ森人は元からイメージ的に小さいので誰も何も言わんが、人間種な姫は腐れ縁のお嬢だけが大きのに思うところがあるらしい。
「姫。わたしを巻き込んで自爆はやめ」
「誰も揉んでくれないなら言って下さい。わたしおばさまから按摩がうまいと追われてますのよ」
言うが早いか、立ち上がって座った姫の膨らみをくすぐる。
「ぎゃはははっはは。そ それは按摩じゃねえ。クスグリだ」
悲鳴か嬌声かわからん姫の声が木霊する。
「・・・ここは天下の往来だぞ」
違うが、目の前で乳繰り合いが始まって見ていた目が死ぬ。
「結婚式には・・・・呼ばないでね」
変な友人までいるって事になると面倒臭いので出欠にバツをつけておく。
「その時から代わりありません」
156だと、殿方にはちょうど良い身長だとトランジスタグラマーな胸を張る。
「オタクは?」
「そんとき160ちょい、今は170に少し足らんぐらいじゃなかったかな」
「相変わらずキッチリしてたり、ズボラだったりわけわかんないわよね」
JC/JKにとってバストと体重と身長は三種の神器なみに重要なのに、全く頓着無い。それでいて普通の女子にとってどうでもいい数字などにこだわっていたりする。
「まあ大体5センチか。じゃお姉様認定もしゃああんめい」
「どこの言葉かしらんけど、一応 何故って突っ込んどく。レス不要」
バレーの日本代表の下部リーグにも年下がゴロゴロだから高いのはいくらでもいるぞとも言っておく。
「えっと、なんか・・・・・何の話だったっけ?お化けの話だっけ?」
「怖い話じゃありませんでしたっけ」
「そうだったっけ?アイス食べていたから、ダイエットの話だったかも」
小さくても結構栄養満点だ。
「確かにそりゃ怖い話だ」
誰か体重計の上で絶叫したのかと顔を見渡すが三人ともにキョトンとしていた。
「あ あの。お嬢様」
「ん?どうしたの」
後ろの黒服がいよいよ我慢ができなくなって口を開いた。
「異世界ゲートの話だったのね」
「そうだったか」
「ああ、だったな」
ダイエットに比べると花の乙女には大した話では無いので興味も失せる。
「で、その場所何があるって?」
「なんか聞いたとことによると自衛隊の特殊な訓練施設があるとか聞きました」
「レンジャーか特戦群かな?」
そりゃ人事不省になる。つうかよく帰ってこれたと言う。
「これも又聞きなんで分かりませんけど、隊員は殆ど女性なんですって」
「時代に即してマタハリか峰不二子養成所?」
「女スパイがそれって古い」
「今誰だろう?霊呆かヨルさんかな」
「人前で裸でケツ振っていたって共通点から片方はあってるような気がしますけど、片方のあのひとスパイだったかな?」
似てるからまあいいやってことにした。
「で、そのコンビニ店員はさっきから何やってるんだ?」
チラチラとコチラを見ながら大型タブレットを忙しなく操作している。在庫管理をしているようにみたいだが、アニメキャラの萌えステッカーがベタベタで店舗備品の在庫管理には見えなく、どう見ても就業中に趣味の充足に勤しんでいるようだ。
まるでどっかの第三亜国の車両製造ラインの不真面目な従業員みたいな態度で、大丈夫かこの店と心配になる。
「アイツが今までどんなアニメと女性キャラの趣味だったか知らんが、どうやら現物?にあって森人萌えになったのかもよ。ネット検索でオタクの画像検索をしてるんじゃない」
「・・・・・・また」
顔は確かに盗撮された自分だが、した覚えが無い水着やらセクシー画像が自分の検索タグで出てくる。いわゆるお世話サイトにズラッと揃っていたのを見て、今までAI絵師って言葉に何も感じていなかったが、今じゃすっかり滅びろ 絵師だけに壊死しろ、なんてくだらないダジャレを思うようになった。
「姫は鋭いですね」
お嬢が当たってると笑ってる。
「お嬢何見てるの?」
同じ様に大型タブレットをいじっている。
「鋭いって、どゆことだ?」
スッ
タブレットを見せると、言う通りの叡智なAI絵が次々に出てきた。操作しないのに次々に新しい写真が出てきていた。チャックボックスにマークを入れた写真が彼のパソコンに次々に送られているようだ。DLコンテンツだらしく結構な金額になりそうで、幾ら文句を言ってもサイトをクローズ&オープンのイタチごっこで無くならないはずだ。
「日本のネットセキュリティってザルなんですよ」
「この画面はアイツが見ているものか」
「コピー画面です」
「エシュロンかな?」
だいたいそんなものの民間監視用らしい。ネットに匿名性なんて幻想だと笑う。
「スパイ防止法案いるな」
「いるね」
Tor(逆探阻害システム)って売ってるのかなと思う二人であった。
「大丈夫です。あの店員の持ってるタブレットはフランチャイズHDの貸出備品です」
「つうことは」
「ウチの所有ですから、スーパーバイザー以上なら閲覧が許されてます」
「お嬢の所の系列だったのか。どんだけ中川家・三千院家なんだ」
それほどの金持ちだと、知っていたが驚いて見せる。
「まあ、今日からアイツのマル秘フォルダ入りだな。おめでとうとは言えんが」
「なんだ、そりゃ」
「独り身の一人遊び用のフォルダだよ。寂しい夜・・・・限定じゃないけど、まあそういう映像が入ってるフォルダ。後はティッシュとシリコン製品とローションがあれば、なお結構って作業」
「あっ・・・・・ああ」
独身の男女なら高確率で存在している?秘密のタグをつけられた深層の深淵に隠された画像フォルダ入り。
「下品ですよ、姫」
まるでリバースした酔っ払いを見てような演技をして笑いを取る。
「一人遊び用って言っただけだ。自慰用とかオナペット用とかオカズ用とかシコる用とか白濁液射出用とか言ってないぞ」
「今言ったじゃないかって、お約束に突っ込ませるな。あたしその手の話は苦手で乗り気じゃないんだから、昼間からY談なんて、面識無い知らんやつだったら裏に連れ込んで可愛がるぞ(凹る)」
変なヲタクに幼少から絡まれて下卑た言葉をかけられたこともあって、その手の話は生理的に苦手になった。苦手で避けると更に嫌になり、下手するとJS程度の免疫ぐらいしか持てない無菌状態に困っていた。
「“裏で可愛がる”って、オタクをお慕いしてる学園の乙女らがずっと待ってそうなお言葉だな。ボイレコ(音声録音機能)で録音しとけば寂しい独り寝用に高く売れたのに」
ピリッ
「・・・・・・・まあ、止めとけよ」
今まであった浮ついたモノが成りを潜めて諭すような口調だったので、空気を察して冗談を連呼する。
「ご ごめん・・」
人間関係に損得が、特に金銭が入ると徹底的にドライになる事を知っているので、冗談でもそれを避ける。
「ま、まあ姫の冗談はいつものこととして、お姉様も大変ですね。新入生がアヤトリの時の想い人アンケートでもお姉様が一番ですって」
ミシミシとしたムードを察して矛先を自分に向ける。
「えっ?・・・・・何それ。アヤトリって夜のアッチの事だろう。なんであたしが関係あるんだ?」
アヤトリって我が校やら女子校での秘事の隠語。その行為で女子の指にナンカ?の糸を引くから(納豆かナマコかオクラ?)、女の子の指が糸を引くってことがまるでアヤトリみたいなので、いつのまにか女子の秘事は“妖”しい“酉(最後=Finish)”の言葉遊びでそう呼ばれているらしい。
何故怪しいかと言うと、若い時の女子ってのは対象がが同性である事から、世間では女子同士の“怪”しい関係だって事からもらしい。
ちなみに本当の紐で遊ぶのは主に幼い女の子なので、主に若い娘の行為を指し、大人の女性の行為は呼ばないらしい。
大人の女性の行為はなんて呼ぶかは知らん。粘っこいとろみに白濁が増えるのでトロロ摺りかな。すりこ木みたいなモノを使う女子もいるようだし。
「・・・あたし・・・・・もしかしてあの娘達のアヤトリ対象??」
いわゆるオカズって奴だと唖然とする。
「まさか気がついていなかったとか、言うなよな」
「じょ 冗談だろう?」
姫の驚嘆に驚嘆で返す。
「コッチの台詞ですけど」
二人が呆れた。お陰でピリッとした空気が相好を崩して和やかムードの再来に胸をなで下ろせたが。
「呆れたぜ」
「まあお姉様らしいですけど」
普段あれだけ状況の洞察も鋭い隻眼なのに、自分の事には関してはサッパリすぎる。
レトロアニヲタから、振り回して折った刀がいつのまにか元に戻っていても気がつかないんではないかと言われるほど自分の置かれた状況へは鈍い。
「学校の女子がそうだったかはともかく、エルフヲタ連中がそんな対象だって事まで知らんとは言わんよな」
コクッ
嫌だけど、自分に似せたあられないAI絵とかで何をやってるのかは初な乙女ではあるが無論知識じゃ知ってる。
「まあ、やってることは同じだと思えるとは思えませんが、そう思いましょう。それ以外に合理化っていうか、心の逃げ道は無いですし」
「あの子達アヤトリの為に記念写真撮っていたのかな?」
そう言えば撮る時だきついたり、手を繋いだり、中には恋人繋ぎを強要される事もある。外でなければだいしゅきホールドでもされるかと怯えたものだ。
「まあ単なるアニメ好き、異世界好きもいるだろう」
「そ そうだよね。皆がそうとは限らんよな」
光明が、ゲーテのもっと光を の絵画の様に見えてきた。あれは断末魔の絵なんだけど、溺れるものは藁をも掴む。
「じゃあ森の人だって認めた方がいいかもしれませんよ」
嘘でもと付記する。
「なんで?」
「二択。憧れのお姉様好き好きならアヤトリ対象決定。でも森の人が好きなんだろうって、似てるから興味を持たれてるなら単なるアニヲタ・異世界好きって言い訳承知の恒常性バイアス頼みで逃げれる。だから森の人だって嘘でも認めたら楽になれる。自分が好きじゃなくて、森の人が好きなんだろう って」
「自分に言い訳とは」
もう人として終わってると踏ん切りがつかない。
「自分を騙すなんて神様や宗教じゃ常套ですよ」
「ん?」
「?。なんでいきなり宗教や神様が出てくるんだ」
脈絡なく出てきた神様関係の話に、どっから出てきた話なんだと二人して顔を見合わせる。
「いつもの三段跳び論法だろう」
「ああ、いつものか」
彼女は天才気質(壊れてる天然ボケ)があるので説明不可能な論理展開があっても驚いていられないのだ。
数学で言えば説明不可能な解法で方程式を解く癖がある天才みたいなもんだ。歴位に残る天才に凡人たる教師が解法も出せと云われても本人も分かってないので問うだけ無駄だと歴史は述べている。それを知ってるので言及は避ける。あんたが大将とばかりに。
「あ あの」
黒メガネがオズオズと猫背で話してくる。
「ん、どうしました?」
何やら二人に耳打ちする。彼によると、どうやら宗教か教義か神様か知らないが、その事で会社がトラブったので、経営責任者の立場もあるようで役員会か何かの吊し上げで溜まっているらしい。
「ああ、そう。JK経営者は大変なんだ」
「だからJKが会社経営との二足の草鞋なんてよせって言ったのに」
「そういや、お嬢実家の会社でなにやってるんだっけ?」
「しらん。こいつの実家手広すぎて何やってるのかサッパリワヤヤだかな」
「じゃあ知らないままでいこう。面倒臭いし、カネ貸してくれと言われても困る」
一応気をつかって二人で財布を開くと何とか津田梅子さんが一枚で、姫は野口英世さんがニ枚だ。次の小遣い配給日まで霞を食べないと駄目な額だ。
「あははっはは。カネが無いなら保証人になってくれと言われても困るしな」
鉄骨渡りは嫌だ。
「さんせ~」
単なる一般若輩者が、他人のややっこしい生業に自ずから首突っ込むほどの好事家じゃない聞かなかっことにした。
「本当は神様なんていないと分かっていても、自分よりエライ存在からのお言葉だから、神のご意思の前に自分は無力故に出来ることなど無く、何かあっても責任は無いって自分に嘘をついて物理か精神的には知りまえんが、楽に生きる為の道具にするなんて何千年も続いた処世・哲学です」
人間は上からの命令ならどんな非道も何の感情も持たずに行える。宗教戦争で虐殺が行われるのは、お偉い人のお言葉で他宗教人間は老人から赤子まで亡き者にしても構わない、というより手にかけるのが熱心な信者だって一文にあるだけで畜生にも劣る行動を正当化している」
前の大戦で民族浄化を行おうとした当事者は裁判の時に悪びれた様子は殆どなく、上からの命令に従っただけだとのほほんとしていたらしい。国の上層か、この世の上層かの違いだけだ。
「言い訳が存在してるなら人の持ってる常識なんてタガは無いも同じです。
今存在している軍の大前提規約?に “軍隊に何故は必要ない。上官の命令” で全て完結する。
だから悪逆非道であっても、悪い兵隊はいない 悪い司令官がいるだけだ っても言うし。上司が止めないのが悪いだけで、非人道だって兵士は悪くない それを律するのは軍隊じゃない。
「そう思うでしょうお二人共」
「あ!ああ」
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「そ そうですね・・・・・」
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「写真を頼まれるのはソレか?」
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「まあ全員が全員がとは思えませんから、気になされずに」
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ネットに巣食うヲタ連中がそんな事に勤しんでいる事は諦めたが、通う学校の女子がそうだとすると対処に困る。まあ困っても特に何も出来ないので知らんふりをするしか方策は無いであろうが。
「そう言えば新入生ばかりじゃないよな?」
同級生 同級生 下級生 はては教師までもそんな写真を頼まれる。それに以前この二人にも・・・・・。
「あの、つかぬことを伺いたいが」
「なんだ?」
「なんです、お姉様」
「お前 ら は・・・・・・・・・・・」
「・・・」
「・・」
止まった空気に三人 チッと汗が流れた。
「いや、なんでもない。忘れてくれ」
「そうか」
「そうですか」
ひいてはいけない引き金には指をかける事もしないほうがいいと決まってる。もう指をかけたような気もするが、某旅客機疑獄事件みたいに記憶にございませんとすることにした。
ウ~~~~ ピ~~ポ~ ピ~~ポ~~~~~~
「ん?」
なんか通り向こうからベタなサイレンが聞こえた。
なんとなくサイレンに助けられたと安堵する三人であった。
title #2
"You're an elf, aren't you?"
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[episode Part 2/6 end]
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【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
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