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第一章
35話
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最近はとても平和だ。例の悪夢の大イベント(建国記念日の挨拶)の後は特に何事もなく、今私が待っているのはカイ様の弟さんもしくは妹さんの誕生のみ。忙しくてできていなかった散歩も出来るようになった。体力もどんどん付いてきて正直ランニングも始めてみたいなんて思っているけれど、それとなく呟いたらラナに鬼の形相で止められたので踏み切れないでいる。でも実際ランニング用のシューズもジャージもあるわけではないのでいざやろうとしてもできないのも事実。では自分の体力の限界をどうやって測れば良いのだろうか。最近の悩みはそんなことだったりする。うーん……どうしよう。
「ジェイくんはどう思う?」
ラナは侍女長に呼ばれていていないので隣でお花の手入れをしているジェイくんに聞いてみる。
「いや何がだよ」
「もっと体力のギリギリまで動きたいの!」
「っそんなのダメに決まってんだろ!」
「えー」
「倒れでもしたらどうすんだよ」
「ジェイくんったらラナと同じこと言うのね。私はもうそんなに軟弱じゃないって言ってるのに!」
そう!問題は私の周りが私の体力を見縊っていることなのだ!それに最近ジェイくんは本当に言うことがラナに似てきている。それはもうまるで双子のように。まぁ、元々の性格が似てるからそうなってもおかしくはないけれど。
「うーん……。あ!」
「?どうかしたのか?」
「剣術なんてどうかしら?」
「いや……お前には無理だろ」
「え?どうして?」
「見てればわかる」
その発言の意味をジェイくんに何度も問い詰めたけれどその度に躱されて結局わからないままだった。もう気にしないことにしよう。それよりも剣術だったら相談するのにとっておきの人がいる。そう、カイ様だ。日々剣の稽古に勤しんでいる彼ならばきっと最善の答えを出してくれるだろう。今は赤ちゃんのことでお家も忙しいだろうし、赤ちゃんが生まれて落ち着いてからカイ様にお手紙を出すことにしよう。
******************
それから数日後。
「お嬢様、お手紙が来ております」
「ありがとう。どなたからかしら?」
渡されてすぐに差出人を確認するとカイ様からのお手紙だった。一つ一つ止めがしっかりした筆圧強めの字がなんともカイ様らしい。そう思って少し微笑ましい気持ちになりながら内容を確認する。
「あら!」
「どうかなさったのですか?」
「産まれたんですって!赤ちゃん!」
「それはおめでたいですね!」
「ええ!女の子ですって!早く会いたいわ……」
ラナと話しながらまだ見ぬその子に心を躍らせる。お名前はレイチェルちゃんになったらしい。結構大人しめの子だそうで、もう会いに行っても大丈夫なのでこの手紙をくださったらしい。待っていてね、レイチェルちゃん。すぐに会いにいくから!
「早くお返事を書かなくちゃね!」
あ、そういえば剣術のことも合わせて書くのを忘れないようにしなくては。あぁ、本当に楽しみ……。そうやって心を弾ませながら書いたお手紙は我ながらいつもよりも達筆に見えた。
「ジェイくんはどう思う?」
ラナは侍女長に呼ばれていていないので隣でお花の手入れをしているジェイくんに聞いてみる。
「いや何がだよ」
「もっと体力のギリギリまで動きたいの!」
「っそんなのダメに決まってんだろ!」
「えー」
「倒れでもしたらどうすんだよ」
「ジェイくんったらラナと同じこと言うのね。私はもうそんなに軟弱じゃないって言ってるのに!」
そう!問題は私の周りが私の体力を見縊っていることなのだ!それに最近ジェイくんは本当に言うことがラナに似てきている。それはもうまるで双子のように。まぁ、元々の性格が似てるからそうなってもおかしくはないけれど。
「うーん……。あ!」
「?どうかしたのか?」
「剣術なんてどうかしら?」
「いや……お前には無理だろ」
「え?どうして?」
「見てればわかる」
その発言の意味をジェイくんに何度も問い詰めたけれどその度に躱されて結局わからないままだった。もう気にしないことにしよう。それよりも剣術だったら相談するのにとっておきの人がいる。そう、カイ様だ。日々剣の稽古に勤しんでいる彼ならばきっと最善の答えを出してくれるだろう。今は赤ちゃんのことでお家も忙しいだろうし、赤ちゃんが生まれて落ち着いてからカイ様にお手紙を出すことにしよう。
******************
それから数日後。
「お嬢様、お手紙が来ております」
「ありがとう。どなたからかしら?」
渡されてすぐに差出人を確認するとカイ様からのお手紙だった。一つ一つ止めがしっかりした筆圧強めの字がなんともカイ様らしい。そう思って少し微笑ましい気持ちになりながら内容を確認する。
「あら!」
「どうかなさったのですか?」
「産まれたんですって!赤ちゃん!」
「それはおめでたいですね!」
「ええ!女の子ですって!早く会いたいわ……」
ラナと話しながらまだ見ぬその子に心を躍らせる。お名前はレイチェルちゃんになったらしい。結構大人しめの子だそうで、もう会いに行っても大丈夫なのでこの手紙をくださったらしい。待っていてね、レイチェルちゃん。すぐに会いにいくから!
「早くお返事を書かなくちゃね!」
あ、そういえば剣術のことも合わせて書くのを忘れないようにしなくては。あぁ、本当に楽しみ……。そうやって心を弾ませながら書いたお手紙は我ながらいつもよりも達筆に見えた。
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