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人物・設定紹介(第四章終了時点)

辺境伯爵家(アスノーム・シルコット・フレイム・ウェンディー)(ヒューナイト王国)

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《アスノーム辺境伯爵家》(土)豊穣の女神

明るいシトリン(黄水晶)色の瞳が直系の身体的特徴。

加護持ちは回復のために魔素をたっぷり含んだ食べ物が必要となる。そのため、最初にストレージの魔法を覚えることが多い。
アスノーム一家はストレージの中に、生で食べられる野菜や果物を備蓄している。
他の土地で採れたものより、可能な限りマーモン大海の大魔素溜まりの近くで採れた実りのほうが回復力が高い。
加護の影響か、瘦せの大喰らいが多い一族。
潜在消費の衝動は耐え難い飢餓感。人畜無害なタイプの衝動である。

土いじりが好きな者が多く、触ることで土の状態を知ることができる。(休ませた方が良いとか肥料が必要だとか。)
魔法の中でも土系魔法に特に親和性が高い。

大地と海の恵みにあふれるアスノーム地方で国境を守っており、陸と海の対処が必要になるため防衛の大変な地域でもある。

アスノーム家の家紋にはアルメリア(同情、思いやり、共感)と錨が用いられている。
アルメリアはアスノーム領の海岸に自生している。
各地の農業ギルドで働く親族が多い。また漁師になる親族も多い。



ノートン・アスノーム 43歳  174cm
(父)加護持ち

栗色髪シトリン目。
広大な農地と港をもつ領地を治めている。アスノーム領特有の漁師ギルドの長は弟。

物語では海鮮類を送ってくれている表記しか出てきていない。

妻のサマンサとは学友だったニクスを通して知り合った。



サマンサ・アスノーム 41歳 155cm
(母)

深緑髪青緑目。
背が低くおっとりした顔立ち。髪はしっかり結い上げられており、肌は少し日焼けしている。
日焼けの理由は、度々漁師たちと一緒に海に出るからである。おっとりしている外見とは裏腹に、実は戦闘民族。

シルコット地方の侯爵家出身でシルコット辺境伯爵家に嫁いだフィアフィーとは幼馴染。
お互い双子を出産したこともあり、よく手紙のやり取りをしている。

結婚してからは海で魔物討伐に精を出していたため妊娠が遅かった。

アンジェラ達とは王立学院で出会った学友。

年に一度の王宮主催夜会に参加する時だけ子供たちを連れて王都に行き、非公式お茶会に参加していた。

アベルの大切なモノの一つ。



ノアール・アスノーム 15歳 172cm
(長男、第一子)ノア 加護持ち

栗色髪シトリン目。

双子の兄。
弟に嫡男の役目を押し付けて、のんびり農家になりたいと思っている。
だがエトワールの希望は漁師なので、いかに領主として港町を守りつつ畑いじりをするか考えるのに余念がない。

おだやかで真面目。めったなことでは怒らないが怒ると怖い。
基本的にはエトワールのお目付け役。

読書が好き。
読みかけの本を放置するのが嫌で、アシェル・アークエイドと共に読みかけの本があると大体小脇に抱えていて、時間が出来れば読み進めている。
またアシェル同様、一旦本を読みだすと基本的には読み終わるか声を掛けられるまで読書に集中している。

頭もよく、入学当初から順位変動のないTop10入りをしていて、常に3位を保っている。
アシェル曰く正答率は90%。どうやって正答率を導き出したのかは不明である。

いつかは政略結婚すると思っていたが、たまたま年に一度の非公式お茶会で顔を合わせたアビゲイル王女から猛アタックされる。
アビゲイルに好意を抱きつつも、辺境のアスノーム地方という王都から最も遠く、大海の大魔素溜まりという内陸とは違う脅威があるため、なかなか受け入れることができなかった。

王立学院在学中にも猛アタックされ、とあるきっかけでアビゲイルへのプロポーズを決意。
アビゲイルが在学中に婚約した。

得物は長柄のもので、陸ではロングスピア、海ではトライデントを使っているが肉弾戦は苦手。
魔法の方が得意で、野外実習では槍代わりに使えるスタッフ(長い両手杖)を使っていた。

アシェルの大切なモノの一つ。



エトワール・アスノーム 15歳 172cm
(次男、第二子)トワ

栗色髪シトリン目。

双子の弟。
漁師になって食べるのが大好きな魚に囲まれつつ、マーモン大海の安全を守りたいと思っている。
漁師とは魚介系の魔物を狩る人たちの総称である。(日本と同じ名前の魚でも、魔魚と呼ばれる存在で狂暴。サイズも日本産より大きいことが多い。)

双子ではあるものの、弟だから領主にはならないと宣言して憚らない。
勉強は苦手。

活動的で能天気。ノアールに止めてもらわないと、気の向くままにあちこちふらふらする傾向がある。

恋愛に関してはロマンチストで、ファーストキスは絶対に好きになった子か婚約者とと心に決めている。

得物は長柄のもので、陸ではロングスピア、海ではトライデントを使っている。
野外実習では森の中での取り回しを考えて短槍を使っていた。

アシェルの大切なモノの一つ。





《シルコット辺境伯爵家》(風)慈愛の女神

澄んだエメラルドグリーン色の瞳が直系の身体的特徴。

加護持ちの回復方法は相性のいい相手の体液。潜在消費の衝動は抑えられない性欲。
相性の良さは魔力枯渇後に相手からどれだけ甘い香りが立ち昇っているか。匂いの強さそのものは変わらないが、潜在消費量が多いほど耐えがたいほど魅力的な匂いに感じる。

必ず親からその香りがすることはなく、身体の相性がいいほどいい香りがする可能性がある。
また兄弟からは薄い匂いがするものの、伴侶とするべき濃い香りの者に出会った後は、兄弟からは香りがしなくなる。
匂いが薄い者からでは十分な回復ができないので、魔力を使いすぎている場合は複数人使い潰すこともある。この加護のせいか子沢山なことが多い家系。

加護持ちが判明した後は、伴侶とともに必ずピンク色のスライムが入った小瓶を持ち歩くように指導される。
(理由や効果については一般的に知られていないので、ディオールの説明で記述。)

シルコットの直系たちは、度々魔力を使いすぎて(基本的に魔力の配分が大雑把)王立学院在学中に潜在消費を起こす。
そのためシルコットの加護と衝動だけは貴族全員が知っていると言っても過言ではないし、王立学院はシルコット加護持ちの入学にはかなり神経を使っている。

魔法の中でも風系魔法に特に親和性が高い。
耳が良いためエルマン大森林での活動と索敵に向いている。

エルマン大森林の大魔素溜まりに面した領地で、木材や魔物素材が主な領地収入となる。

シルコット家の家紋にはコスモス(乙女の真心、愛情)と大樹が用いられている。

大抵は領地に戻って、エルマン大森林のどこかしらで討伐任務をしていることが多い。
就職する場合は魔法庁でスタンピードや魔物の研究をしたり、宮廷魔法使いになるものが多い。



ディーン・シルコット 41歳 180cm
(父)加護持ち

薄緑髪エメラルドグリーン目。

短髪で長身のがっしりとした体格。吊り目。

王立学院の野外実習で潜在消費してしまい、同パーティーのフィアフィーを襲った。

元々フィアフィーを気に入っていたため、実習終わり間際で魔力枯渇ギリギリでとめて匂いを確認するつもりでいた。
しかし実習対象のニの森の魔物ではなく、三の森からの魔物が乱入してきたため魔力を使いすぎてしまったため強い衝動に捕らわれた。(本来は森同士を魔物が行き来することは無いので、実はNMだった。スタンピードは起きていない。)

フィアフィーのはじめてを野外で無理やり奪ったことを後悔しつつも、好いた相手が加護の認める伴侶だったため運命を感じた。

一度潜在消費の衝動を我慢し続けた結果、学院内で衝動暴発を起こし、一クラス丸ごと一日再起不能に追い込んだ。(授業でバンバン魔法を使い過ぎたせいである。)

コンラート騎士団長と張り合える強さで、領土防衛の際は先陣を切って私兵とともに魔獣退治をしている。得物はクレイモア。

暴れすぎてしょっちゅう潜在消費してしまうので、フィアフィーを抱き潰すことが多い。
普段から愛妻家で、子供たちの前でも平然といちゃいちゃする。

アベルの大切なモノの一つ。



フィアフィー・シルコット 41歳 162cm
(母)フィフィ

浅緑髪青緑目。
肩までの前下がりボブで女性の中では背が高く、豊満な体つき。
リリアーデ曰く、ボンキュッボンのうらやまけしからん体型。

元はロングヘアだったが、ディーンに抱き潰される時に邪魔で仕方が無いとバッサリいった。
本来貴族令嬢ではあり得ないのだが、煩わしいので伸ばさないと断言している。

王立学院でディーンと出会う。
気のあるそぶりを見せられるも、シルコット直系で加護持ちであり、好きなだけでは結婚まで至らないことを知っていたため適当にあしらっていた。

演習中に三の森の強い魔獣(本当はNM)と対峙することになり、パーティーで力をあわせ撃退に成功する。が、その直後ディーンに襲われた。
襲われてすぐはまだディーンの瞳に僅かに理性の色があったが、少なからず好意を抱いていたので拒絶も撃退もせず受け入れた。
この時は加護的な伴侶の相手だとは思っておらず、単純に自分が一番匂いが濃かったのだと思っていた。

パーティーを組んでいたアンジェラとキルルは助けてくれず、周囲の警戒と見張り役に。
アンジェラの防音・認識阻害の結界付、キルルの最大限の警戒という至れり尽くせり?な野外での初体験となった。

婚姻後、加護持ちかどうかを調べる魔道具があると知る。
それで魔力枯渇させて確認してくれれば、色気もムードもない野外で初めてを散らさなくてよかったのでは?と思い至るが、そこまで頭が回ってないのもディーンらしいと思っている。なんだかんだでディーンが大好き。

友人たちの誰よりも早く肉体関係を持ち結婚したにも関わらず、子宝に恵まれなかったため、生命の神に子宝を祈った。
今は7人の子持ちで、リリアーデに勧められ避妊薬を内服している。

サマンサと同じ時期の妊娠出産でお互い双子育児のため、しょっちゅう手紙のやり取りをして近況を報告しあっている。

ディーンが愛妾を持つことは許可していないが、フィアフィーの次に匂いが濃いという私兵団員のギルバート(男)であれば情を交える許可を出している。

シルコット地方侯爵家出身で、アスノーム辺境伯爵家に嫁いだサマンサとは幼馴染。
アンジェラたちとは学友。

アベルの大切なモノの一つ。



リリアーデ・シルコット 15歳 158cm
(長女、第一子)リリィ 加護持ち

薄緑髪エメラルドグリーン目。
前世も現世も、好んで腰丈の姫カットにしている。目元も前世と同じ吊り目だけど、今世のほうがファンタジー補正入っていて美人。(本人談)
アシェルがキリっとした吊り目なら、リリアーデは猫目っぽい吊り目。
グラマラスなフィアフィーの遺伝子のお陰か、今世も巨乳に分類される身体つき。本人は前世より腰回りが細いのに、胸の肉が落ちなくて良かったと思っている。

授け子として前世の記憶をそのままに転生した。
前世の名前は百合(ゆり)でゲームや読書が好きなオタクで看護師をしていた。
手に職つけるかーでなった看護師なため、医療チートな知識があるわけではない。
20代後半で精神病にかかり、看護職をリタイア。

病気に理解のある旦那と結婚まで至ったものの、体調が優れない日が多く自宅療養中、立ち眩みで転倒、打ち所が悪く30年の人生の幕を閉じた。

転生するにあたって、生命の神と対話している。
その際希望を聞かれたため“もう精神病にはかかりたくない”と訴えたことで、ゆるぎない精神を手に入れる。
その加護のおかげか、大魔素溜まりから発生する魔物討伐最前線で血みどろな光景をみても、忌避感もなく失神することもなく受け入れることができた。

憧れのファンタジー世界のため魔法を積極的に習得した。
しかし元来のめんどくさがりのせいか、それともシルコットの血のせいか。
アシェルが気にするほど魔力の配分が大雑把で、過剰に魔力を籠めていることも多々ある。
そのせいで潜在消費を起こしやすい。

得物はスタッフ(長い両手杖)で、ショートソードも身に着けているが、とっさの時はスタッフの重量と長さを生かして殴打している。
剣術も習っているのだが、得物を持ち替えるより身体強化を使って殴った方が早いと考えている。
【エアリアル】所属。

前世も双子の弟(優弥)がいたため、今世の弟は寂しくないようにと神様からの贈り物だと思っている。(実際は同じ頃合いに偶然仕込まれただけである。)

弟の世話をやきたいのに、デュークの精神的成長が早すぎたためあまりお世話させてもらえなかった。
前世も今世もブラコンであることに変わりはない。

シルコット家に伝わる加護と衝動については仕方ないと諦めつつも、なぜデュークではなく授け子の自分にでてしまったのか、なぜ相手が自分の弟なのかと悩んでいる。
前世の意識で見れば異性だと認識することも出来るが、実の弟と結婚するのは外聞も良くないし、デュークも姉と結婚は嫌なのではないかと思っている。

デュークは家のためだと我慢するかもしれないが、もしデュークに好きな人ができたら、加護の相性は関係なく好きな人と結婚してほしいと思っていた。
そのため加護の衝動に捕らわれつつも、デュークが責任を感じずに済むよう最後の一線だけは超えないように意識していた。

のだが、アシェルがNMに襲われて遭難した際、限界まで潜在消費をしたため、デュークと身体を重ねることを決意。
キスよりも相手の体内、もしくは自分の体内に体液を取り込むのが一番効果が高いからである。(血液が一番効力が高く、精液、唾液の順だと言われている。これらは魔力の含有量による違いだと言われている。)

※授け子は家系内で結婚させることが多く、遺伝的なものは相手によって最適に変化するらしい。入った家の血筋を可能な限り残すための遺伝的働きをするというファンタジー仕様。
そのため近親婚に見えるが、法律的には全く問題ないどころか推奨されている。

加護持ちと判明してすぐは、遠慮しすぎて領内で2度も衝動暴発させ、周囲の人間・空間から根こそぎ魔力を吸い取った経験あり。
それからディープキスは治療と割り切ることにしている。

前世の記憶があるため、婚前交渉への忌避感はない。
心配していたのは、単純にデュークが嫌なのではないかという一点のみだった。

子宝に恵まれずに“授け子”になったはずなのに、三歳年下の妹のあと、立て続けに弟達が産まれ、自分は不要だったのでは?と少し思ったとかなんとか。

アシェルの大切なモノの一つ。



デューク・シルコット 15歳 174cm
(長男、第二子)

薄緑髪エメラルドグリーン目。
顎先までの長さの前下がりボブ、吊り目。
幼少期はリリアーデと背丈は変わらなかったが、王立学院入学ころから背が伸び始めた。
着痩せするタイプで細身に見えるが、筋肉はついている細マッチョ。
リリアーデの趣味を聞いて、筋肉が付きすぎないように調整しながら筋トレをしている結果である。

頭は良いほうで、入学当初から順位変動のないTop10入りをしていて、常に6位を保っている。

リリアーデの双子の弟だが、授け子という特殊な姉なため、幼少期より授け子についても学んできた。
そのためリリアーデのことは自身の半身であり、守護するべき存在であると認識している。
もちろん加護の具合によるが授け子と婚姻する可能性が高いことも伝えられており、デュークは姉でありながら異性の女性としてリリアーデのことを見ていた。

初めて潜在消費を起こしたリリアーデに襲われた時には驚いたが、下手な相手がリリアーデの回復相手になるよりも良いと思い直す。
授け子の場合兄弟や叔父叔母など、近い血縁者と結婚もあり得ると聞いていたのでキスに抵抗はなかった。
むしろメイディー家に引けをとらないほどの重度のシスコン(リリアーデに限る)なため、加護的に伴侶であることが判明し、他人にリリアーデを盗られなくてよかったとすら思っている。

リリアーデの潜在消費の回復行動が濃厚なキスだけ(恐らく発覚した年齢が早すぎたのだと考えている)で終わるので、年頃を迎えてからは常に生殺し。

貴族令嬢の婚前交渉は醜聞になると理解している上に、加護的な伴侶だと発覚してすぐに契約魔法でデュークから情交を持ちかけることは禁止されていた。一度でもリリアーデからのお誘いがあれば消える契約魔法である。

しかしこの契約魔法は情交そのものの禁止ではなく、口頭で誘ってはいけない、実際に挿入するに至ってはいけないという部分が明記されていた。
そのためキスをしようと思えば唇を奪えるし、身体にだって触ろうと思えばいくらでも触ることが出来る中途半端なモノであった。

契約魔法が中途半端なせいで、実家でもタウンハウスでもリリアーデとデュークは同じベッドで寝ているので、加護も契約魔法も関係なく常に理性を試されていた。

さすがに王立学院では部屋が分かれていると思っていたら、両親も放り込まれた寝室はカーテンで間仕切りすることができるかなり広い寮室に押し込まれた。
※潜在消費の衝動で他者を襲わないように、なるべく近くにいて香りが分かるように、歴代のシルコット家加護持ちとその伴侶が押し込まれる部屋。
しかも両親が寝台は一つで良いよねと言ったために、カーテンは取り払われ、結局リリアーデと同じ寝台で夜を過ごすことになる。

なおかつ歴代の直系や父ディーンが衝動暴発を学院でやらかしていたため、学院もピリピリしている。
せめてもの道連れに、リリアーデの衝動と相性のいいアシェルを向かい部屋に推薦した。(学院側も加護的に相性のいいメイディーの者が近くにいることに賛成したため、すんなり希望が通った。)
アシェルが一人で巨大な部屋に住むことになったのは、デュークのせいである。

NMの件でようやくリリアーデから情交のお誘いがあり、それからはちょくちょく閨のお誘いをかけている。
というよりも、初回の交わりの後リリアーデが罪悪感で凹んでしまい、今まで手を出されていなかった=恋愛的に好かれていると思っていなかった。というのを知って、自分の欲を満たすためとリリアーデがこれで安心するならという想いもあってお誘いをかけている。

得物はブロードソードを使うことが多いが、大剣であるバスターソードを使うこともある。
いずれはバスターソードを片手で使いこなせるようになりたいと思っている。
【エアリアル】所属。

アシェルの大切なモノの一つ。



シルフィード・シルコット 12歳 154cm
(次女、第三子)シル

浅緑髪エメラルドグリーン目。
母親譲りの兄姉より少し濃い緑の髪の毛は胸の長さで切り揃えていて、ぱっちりとした目。小柄で童顔なため、年齢より幼く見られがち。
髪の長さは貴族令嬢なら長いほうが良いのだが、フィアフィーの影響が強いと社交界では言われている。

リリアーデが“姫さん”と呼ばれているので、私兵たちからは“お嬢”と呼ばれている。

リリアーデの加護発覚が早かったため、シルコット家の加護についての説明を兄姉とともに受けた。
個別に母親から貴族としてのものと、リリアーデから授け子の情報としての閨教育も施された耳年魔。

血みどろスプラッターと治療・治癒過程がたまらなく好きな変人。
リリアーデ曰くサイコパス。

回復魔法をいかに魔力消費が少なく的確に治療するかに重きを置いており、魔力に頼るだけではなく、医術方面にも力をいれて勉強している。
傷の洗浄・消毒から縫合まで一通りのことはできるので、シルコット私兵団の医務室に張り込んで治療を手伝っていた。

得物はワンドで魔法行使の補助として使用している。
あるとないとでは一日に対応できる症例数が変わるとかなんとか。

双子が参加している非公式お茶会と夜会のため、両親たちとたまたま一緒に王都へ行った際。高級商業エリアでグレイニール第一王子と出会い熱烈な求婚を受ける。
当時シルフィードは8歳。グレイニールは17歳である。

道端からカフェに移動し、結婚そのものは貴族なので政略結婚を覚悟していたため問題ないこと。双子と違い近場でのガーデンパーティーにも参加していたので、最低限の社交は問題ないと思うこと。
しかし王妃教育を受けるとなると王都に住まなくてはならなくなり、自領のスプラッター治療環境から離れるのが嫌なのでお断りしますと素直に伝えた。

その後自領に戻ったのだが、毎月のように分厚い手紙で愛を綴られることになる。

最終的にどうしてもシルフィードと婚約したいグレイニールが折れて、年に一度必ず行われる王宮主催夜会のあとの魔物討伐遠征(瘴気の多い一~三の森)に医療班として随行してもいいこと。他の予定がなければ週に一度は王立病院の手伝いに行ってもいいこと。
但しそのどちらも奉仕活動としてであり、報酬は支払われないことを交換条件として出され、かなり譲歩してくれた事が分かったため首を縦に振った。

了承の返事を出した後9歳の秋に王都のタウンハウスに移り住み、それからはずっと王都で暮らしている。



スティール・シルコット 11歳
(次男、第四子)

浅緑髪エメラルドグリーン目。
1歳上のシルフィードに感化されシルコット家医療班に入り浸ったところ、変わり者の叔母に気に入られる。

戦闘は苦手で頭を使うほうが得意だったので、医療班の中でも研究に特化した班に組み込まれる。
普段は研究をしつつ、必要時は医療班に駆り出される生活となった。

柔軟な思考の持ち主で、リリアーデが持つ医療品のいくつかは、スティールのアイディアがあって初めて出来上がったものもある。



三男 10歳



四男・五男 8歳



ディオール・シルコット 36歳 160cm
(叔母)

深緑髪エメラルドグリーン目。
オールバックにした髪の毛はポニーテールにしている。
ディーンの妹で独身。

シルコット家医療班班長であり、研究分野の管理も行っている。
ゆくゆくはスティールに跡を継がせるつもりでいる。
リリアーデ曰くマッドサイエンティスト。

リリアーデの望む医療品を作り上げている。
この世界に見合いそうなものは商業ギルドと相談し、便利なものを広げようとも思っている。

下水掃除などのために、飼い馴らして毒性を取り除いたスライムの育成・出荷をしているのもこの研究室。
加護持ちに必ず持たせる特殊なピンク色のスライムも、この研究所で開発・育成された。

ピンクスライムはフォアユウ草を飼料として与え、媚薬効果と粘液、体内の清掃を目的として飼育されている。

リリアーデとデュークは男性同士の情交で使うものだと思い込んでいるが、実際は衝動が治まるまでパートナーが苦痛を感じないように使われる場合が多い。
というよりも加護持ちは必ず使うようにと渡されているので、使わないという選択肢はない。

女性が加護持ちの場合、摩擦からデリケートな粘膜を守る役割を持ち、パートナーの男性に使えば絶倫とは言わずとも長持ちすることが判明している。
男性が加護持ちの場合、女性を摩擦から守り、尚且つ長時間抱き潰しても苦痛を感じさせないため。
男性同士であれば洗浄と潤滑剤代わりになるが、肛門括約筋を解す効果はないのであくまでも下準備や、ピンクスライムを浸してとろみをつけた水の用意に使われる。
女性同士の症例は無い。

ディオールは二人がピンクスライムを使っているものだと思っているが、実際にはリリアーデの持っていたBL知識と、ディーンとレナードの関係を知っていたために勘違いされていて、まだ使用されたことはない。
なんなら二匹とも持ち歩かれずに寮室に飾られていて、使用人達がお世話していることも知らない。



レナード 43歳 171cm
シルコット私兵団の一人。
ディーンと加護的に相性が良く、フィアフィーがディーンの相手をできないときの情交相手となる。
(フィアフィーが妊娠中や月経中、ディーン達の遠征中など。)
後方支援タイプだが乱戦で怪我をして帰ってくることもある。



セリア 25歳 155cm
(リリアーデ専属侍女)

セオドアの妹。



セオドア 25歳 172cm
(デューク専属侍従)

セリアの兄





《フレイム辺境伯爵家》(火)鍛冶の神

燃えるようなルビーの瞳が直系の身体的特徴。

過去にさかのぼると魔族との婚姻歴があり、赤銅色の肌を持っている。
フレイム地方では赤銅色や小麦色などの褐色肌の人間が多い。

特産品は武具や防具から、フライパンまで、鍛冶で製作できるもの。
素材に魔素を込めやすくなる魔高炉が各工房に置いてある。
魔素を籠めて打ち上げた製品は強度に優れている。

加護持ちの回復には魔高炉で魔素を込めた製品に触れること。
魔素が放出されきってしまうと、どんな鉱物を使っていても脆くなるので、回復に使用した製品は通常使用ができなくなってしまう。(鋳つぶして魔素を込めれば再利用できる)
そのため加護持ちのストレージには、工房の弟子が作った売り物にならない製品が大量に放り込まれている。

衝動は怒り。とはいえ、元々喜怒哀楽が激しい人が多いので、潜在消費してしまっているのか、気に障ることがあったのか判別しづらい。
魔力を使った上でイライラしたら、とりあえずフライパンを抱いている姿が見られる。真っ先に刃物や武器・防具を取り出さないのは、暴力を振るうつもりはないという意思表示である。

ドーマン砂漠にある魔素溜まりに面している。

冒険者ギルドを統轄しており、王都の冒険者ギルドマスターを排出している。

フレイム家の家紋はナスタチウム(愛国心、勝利、困難に打ち勝つ)とハンマーがモチーフに用いられている。



長女 20歳
(第一子)加護持ち

グレイニールの婚約者候補だった。

グレイニールがシルフィードに求婚を始めて直ぐに政略結婚候補を探し、二人の婚約式が終わってすぐに打診。婚約式を行う。
王立学院卒業後すぐに婚姻に至った。

グレイニールが嫌いだったわけではなく、彼女なりにシルフィードの退路を塞いだ結果である。

家柄で決められたことは分かっていたため特に王太子妃に執着はなかったが、婚約者候補として勉強も、隙につけ入れられないようにも頑張っていた努力家。
グレイニールの運命の相手が見つかってほっとしたとかなんとか。



ユリウス・フレイム 19歳 179cm
(長男、第二子、元生徒会長、冒険者ギルドマスター)加護持ち

白茶髪ルビーレッド瞳。
耳辺りまでの長すぎない髪の毛で、赤銅色の肌。
黒ぶち眼鏡をかけていて、生徒会長としては落ち付いた姿を見せていた。

実際はフレイム直系らしい喜怒哀楽が激しいタイプなのだが、生徒会執行部に入った時にそれではダメだと思い、頭を冷やせそうなアイテムとして眼鏡をチョイスした。
実は伊達メガネ。
お陰で?アシェルはユリウスのことを落ち着いた大人の男性だと思っているので、意識を変える効果はあったようである。

婚約者のマチルダとは幼少期からの付き合いで、既に熟年夫婦のような安定感がある。





《ウェンディー辺境伯爵家》(水)癒しの女神

深みのあるサファイアブルーの瞳が直系の身体的特徴。

肌も含め、全体的に色素が薄めの人が多い地方。

マース山岳から綺麗な雪解け水が流れてきており、酒や染色した布が特産品。

加護持ちの回復には魔素の満ちた水に浸かる必要がある。
衝動は加虐心が強くなり、親しい相手ほど痛めつけてしまう。衝動が強すぎると相手を殺してしまうこともある。
魔素溜まりに近い川や湖で対応できるが王都では対処のしようがないので、加護持ちは王都で魔力を使う職についてはいけないと家訓で決められている。

他者を傷つける可能性の高い衝動であるため、非常時は他者に魔力を分けてもらう必要がある。
対策の一つとして、魔力操作精度の高いメイディー公爵家とは、何代にも渡って懇意にしている。

マース山岳の魔素溜まりに面している。

代々宰相や文官を多く輩出している。

ウェンディー家の家紋はアマリリス(誇り、お喋り、輝くばかりの美しさ)と糸巻と布地がモチーフに用いられている。



ユーリ・ウェンディー 16歳 152cm
(長女、第三子、【シーズンズ】会員で作者)

アイスブルー髪サファイアブルー瞳。

いつも穏やかな笑みを湛えていて、お淑やか。髪の毛はゆるウェーブ。
【シーズンズ】で周囲が声を上げて盛り上がっている時でも、可愛らしく笑っていることが多いが、間違いなく興奮はしている。

アンジェラは叔母にあたり、アークエイドとは従姉弟で幼馴染。
ウェンディー辺境伯爵家はなるべく幼い戦力にならない内に、王都に滞在してメイディー直系と交流を持つ期間を設けている。
その際アークエイドと色々あり、アークエイドからは苦手意識を持たれているが、その反応すらも楽しまれている。

【シーズンズ】の作者としてアークエイドを描くこともあるが、本物は愛想が悪すぎるので、あくまでも創作物の登場人物として割り切っている。

描く内容はほとんどがハードなSMもの。
アシェルが最初に見た作品は18禁シーンや束縛する内容はあるものの、ユーリが描くものとしてはかなりライトなものだった。

SM趣味を共有できる友人が多数いるらしく、【甘いくちどけとトキメキ】イベントでのアシェルのプレイはほぼ全て筒抜けだった。

まだアシェルは読んでいないが、ユーリの新作はアークエイド×アシェルではなく、アシェル×アークエイドとアシェル×マリクのものが発行されている。
内容は言わずもがな。調教ものである。

加護持ちではないのに加虐心たっぷりの性的嗜好をもつことから、加護持ちの兄二人(セイン20歳、ギルバート17歳)に心配され、異例の二度目の加護判定を行った経緯を持つ。

ファンクラブ【シーズンズ】の作家仲間たちと、【シーズンズ】という名前で冒険者パーティーの登録をした。
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