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第四章 王立学院中等部三年生

218 プロポーズ大作戦②

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Side:サルビア20歳 春



壁際に控えていた侍女に付き添われ、アシェルとイザベルの姿が食堂から消える。

その姿を見送ったサルビアは、この現状に溜息を吐いた。
この場からアシェルを連れ出したイザベルの方が、ずっと大人な対応だ。

「ねぇ、オーレン。自分が何を言ったのか、ちゃんと理解しているの?いくら無礼講とはいえ子供じゃないんだから、言って良いことと悪いことの区別くらいつくわよね?」

「だって……わたくしはお母様が居なくても我慢したのに、アシェル様が幸せそうなのが許せなかったんだもの。何も知らないまま幸せそうに笑ってるなんて、不公平だわ。」

少しだけ気まずそうに、それでもオーレンはプイっとそっぽを向いてしまう。

「アシェル様にだって、幸せになる権利はあるわ。それに、アンもアルも。お母様だって頑張ったからこそ、アシェル様はああやって笑っていてくださるのに。まぁ、オーレンは覚えていなくても仕方ないことかしら。あの時の二人がどれだけ心を痛めて、どれだけアシェル様に尽くしたのかなんて。それよりもサロンに移動したら、ちゃんとアシェル様に謝りなさい。」

「わたくしは事実を言っただけよ。」

「それでもよ。貴女だってアンとアルの幼馴染なんだから。二人が怒ってるのに気づいてないなんて言わないわよね?それがオーレンから見た事実だって知ってるから、何もされてないだけよ。オーレンだって、言ってはいけないことを口にしたのは分かっているでしょう。」

サルビアの指摘に、オーレンはハッとしてアシェルの兄達を見た。
そしてその笑みが、いつもの柔らかいものではなく怒りを含んだものだと気付いたようだ。

メイディーの笑顔には種類がある。メイディーを良く知るものほど、メイディーの人の好さそうな笑顔に注意を払うだろう。

「サルビア。別に僕らのことは気にしなくて良いよ。何もするつもりは無いし。でもね、オーレン。アシェがサーニャを盗ったと言うなら、それは僕らも同罪だからね。いや、サルビアたちからサーニャを引き離してるって自覚してるぶん、僕らの方が罪は大きいかもね。」

「でも、アシェにはサーニャが必要だったし、サーニャが居てくれなきゃ俺らは、アシェのお世話は何一つ出来なかっただろうしな。またあの時に戻って、オーレン嬢にサーニャを返してくれって言われても。良いとは言ってやれないな。」

「皆してアシェル様、アシェル様って……。」

頭では分かっているはずなのに大人になりきれない妹に、サルビアはため息を吐くことしか出来ない。

サーニャはずっと、いくらシェリーが良いと言ってくれていても、本来ならこうやって一緒に過ごすことは出来ないのだと、幼いサルビアとリュートに言い聞かせていた。
もちろん小さかったオーレンにも。

事実。
使用人の子供と雇い主の子供が同じような時期に産まれたからと、わざわざ同じ部屋で育てさせることも、もう自分で歩けるようになった使用人の子供を、子育てをしている部屋に連れて来ていいという雇い主はまずいないだろう。
それもシェリー自身身体が弱く、子育て部屋というよりも、療養して生活するための部屋だったのだから。

でもシェリーはいつもシェリーの為に尽くしてくれるサーニャに、体調が悪い時の子供達の世話や、子供達が寂しくないように同じ年ごろの子供が居てくれた方が良いと言った。
サーニャがそもそもサルビアを妊娠したのは、身体の弱いシェリーに何かあっても、最悪乳離れするまではシェリーの子供の乳母になれるようにだった。
リュートとイザベルがメイディーの子供達と同じ年齢で産まれたのは、流石に偶然だったらしいが。

オーレンの時は流石に通いだったが、サルビアとリュートはシェリーの部屋で寝起きして、アレリオンやアルフォードと同じようにお世話をしてもらった。
リオネルが通いでメイディー邸にやってきて、使用人室に家族で寝泊まりしていたくらいなのだ。それすらも、宮廷医務官であるリオネルには夜勤があったので、毎日という訳ではなかったが。

それにもう大きかったサルビアは知っている。
大切な主人の忘れ形見であるアシェルの傍を離れることを決めたサーニャが、ずっとそのことを後悔していることを。

そもそもあの時サーニャとイザベルは、わざわざトラスト家の領地に戻る必要はなかったのだ。
それにようやく一歳になったばかりのイザベルは、何が起こるのか分からない長旅には向かない。連れていくデメリットの方が大きすぎた。

だからリオネルもサーニャも、リオネルがサルビアとリュート、オーレンだけを連れて領地に戻る予定だった。領地にはタウンハウスとは別に使用人たちが居るし、普段の運営をしてくれている親族たちもいる。
それが嫌だとオーレンが駄々をこねて、アベルの許可を貰って、急遽領地へ一緒に帰ることになったのだ。
——きっとオーレンは覚えていないのだろうけど。

あの頃のアレリオンとアルフォード、それにサーニャも、見ているこちらが辛くなるくらい心を痛めて、必死に心を閉ざしてしまった妹のために奔走していた。
サルビアも何か力になってあげれたら良かったのだが、幼馴染たちが苦しんでいるのに何もしてあげれなかったのだ。

「オーレン。わたくしがメイディー邸に仕えているのが、そんなに不服かしら?それに、もう物事が分からない子供でも、駄々をこねる年でもないでしょう。」

サルビアが当時を思い出して痛む心をギュッと抑えていると、サーニャの声がした。
一緒に食卓を囲んでいるので大人達に聞こえていないはずはないのに、今まで大人しく話を聞くだけに留めていたらしい。

「別に駄々をこねてなんて……。それにお母様がメイディー公爵家に仕えているのが嫌なわけではないわ。お父様と出会う前からだって聞いているもの。」

「えぇ、そうよ。わたくしはこの邸に仕えさせていただいていることに、誇りと教示があるわ。そして、ただの使用人でしかないわたくしに良くしてくださった、旦那様とシェリー奥様への御恩も。きっとオーレンには、わたくしがどんな気持ちでアシェル様の傍を離れたのか。理解することは出来ないのでしょうけどね。」

「サーニャ……それは言っても仕方ないことだよ。多分私が、アシェル嬢の部屋で口を滑らせたのが原因だしね。」

「でも……いくらアシェル様が良いと言ってくださっても、わたくしはお傍を離れるべきじゃなかったわ。そうすれば、きっと坊ちゃまがたも、あんな苦労をされる必要はなかったんですから。」

「ちょっと、お父様もお母様も何の話をしているの??」

オーレンは首を傾げているが、細かい経緯迄は分からないまでも、サルビアもリュートもサーニャの後悔を知っている。

もちろんアレリオンとアルフォードも、そしてメルティーやメアリーまで悲し気な表情を浮かべることに、オーレンは混乱していた。

「リオネル、サーニャ。オーレン嬢が困惑してしまっているよ。うちの家族は全員、あの時のことを知っているけれど……そちらはそうじゃないみたいだね。」

「申し訳ない、アベル殿。」

「別に責めてるわけではないよ。私だって、アンが気付かなければ何も知らなかったんだ。許可を出したのは私だしね。まぁ、アシェがどうやってサーニャに許可を出したのかは気になるけどね。もしかして、あんなに渋っていたのに急遽領地に帰ったのは、アシェが良いと言ったからかい?」

アベルの問いにサーニャは頷いた。
そして静かに話し出す。
——この時のアシェルの反応は、実際にそれを見ていたサーニャとリオネルしか知らないことだ。

「貴女が3歳、ベルが1歳になった頃の話よ。……そもそも。オーレンがどれだけわたくしと離れたくないと駄々をこねたとしても、わたくしは邸に残ってアシェル様のお世話をするつもりでしたし、それがわたくしの仕事ですから。旦那様は許可をくれていましたけど、長旅は行きも帰りもベルの身体に負担になりますしね。でも出立前にリオネル様がきて、付いてくるのが無理でも、泣いているオーレンに会ってやってくれって。……その時、ずっと反応が無かったアシェル様が、会話に興味を示したんです。わたくしの手を掴んで。今思えば、話さなければ良かったのですけど。わたくしの話を聞いて、頷いたり首を振ったりしながら、アシェル様の為に残るのではなく、領地に戻るように促されました。アシェル様のお世話を誰がするのかと言ったら、当時の侍女達を見ましたしね。あれだけ状況を理解していたアシェルお嬢様が、その侍女たちからお世話をされることがどんなことか分かっていなかったはずはないのに。わたくしは何も知らなかったから、アシェルお嬢様のいう通り、領地に戻ったんです。」

「私も物凄く驚いたよ。大人しいお嬢様だとは思っていたけど、サーニャの言葉を理解して、首を振って答えていたから。それでもサーニャが残ると言った時は少し悩んだ末に、ベルが嫌々と泣いている時の動きを真似していたんだと思うよ。物凄くゆっくりとした動きだったけど。」

「……待った、リオネル。私はそんな話聞いてないぞ。」

「言ってないからね。いくらアベル殿がアシェル嬢を可愛がっていても、私にはベルの方が可愛いんだから。散々惚気に付き合うこっちの身にもなってくれ。アベル殿のことだから、その時の会話内容からアシェル嬢の動きまで、事細かに聞いてくるだろ?」

「それはお互い様だろう。」

アベルとリオネルはお互いに子煩悩で、子供達の話を延々としながら酒を酌み交わしたこともあった。お互い忙しいので子供にべったりという訳にはいかないのだが、それでも我が子は可愛いし自慢したいのだ。
一緒に夜勤になって暇な時に話すのも、基本的には我が子自慢だ。

「まぁ、リオネル様や旦那様のことは置いておいて……。そうやってアシェルお嬢様に送り出されて戻ってきたわたくしが見たのは、泣きも笑いもしない、何一つ反応も返してくれないアシェルお嬢様でしたわ。アレリオン坊ちゃまとアルフォード坊ちゃまが居なかったら、もしかしたらアシェルお嬢様は餓死でもしていたかもしれないわね。あの時の決断は、後悔してもしきれないわ。」

「え、え、今の話からなんでそうなるの??餓死って……お母様以外にも、お世話係が居たんでしょう??」

サーニャの口から出た衝撃的な言葉に、トラスト家の子供達が息を呑む。
サルビアもリュートも、そこまで酷いとは聞いていなかったのだ。

「うん、居たよ。侍女が三人。でも別に彼女たちは、アシェのお世話をしてくれていたわけじゃなかったから。周囲の状況を理解しているのに、自分では動くことも声を出して訴えることも出来なくて、誰かにお世話してもらえないと生きていけないのに、お世話の放棄どころか体罰まで与えられて……。まだまだ大人の庇護下にある状態なのに、周りの人間を信用できなくなっても仕方ないよね。」

「辛うじて俺やアン兄の下手くそなお世話は受けてくれてたけど、他の侍女に変えても駄目だったんだ。俺達以外が部屋に入るだけで全身の筋肉を強張らせて、息を殺して、小さい身体を更に小さくするんだ。大人に見つからないように、嫌なことをされないために。戻ってきたサーニャにはそういう拒絶反応を示さなかったから、正直なところホッとしたくらいだ。母上に付いていた信用できる侍女達に、なるべく俺達でもどうにかお世話が出来るように色々教えて貰ってたけど、子供の力じゃ限界があったしな。その頃の父上は他にもやらなきゃいけないことがあって、それどころじゃなかったし。」

「だからアシェのお世話係は名目上居たけど、実際には居ないより酷い目にあってたんだよね。アシェが反応を示してくれるようになるまでにも時間がかかったし、笑ってくれるようになるまでは本当に長かったよ。だから皆には悪いなと思っても、サーニャをアシェから引き離すわけにはいかなかったんだ。といっても、オーレンには関係の無い話だけどね。」

「まぁ、これがサーニャをアシェの傍に置いておきたいうちの事情。サルビア嬢とリュートは、一応簡単な事情は覚えてたみたいだけどな。」

「それに、僕らも最近分かったことで、今アシェは全部思い出していて覚えているけど……。少しだけ僕らに反応してくれるようになった頃、まだ体内魔力の知覚訓練すらしてなかったのに、ソレは生きていくのに必要のない記憶だからって、魔力を使って無理やり記憶を封印してたんだよね。高熱を出したアシェを診た父上曰く、魔力枯渇を起こしていたらしいし、かなり力技でどうにかしたんだと思うけど。それからだよ。ようやくアシェが普通に笑ってくれるようになったのは。」

「それでも、覚えてなかったはずなのに、アシェはサーニャ以外のお世話を嫌がってな。命の危険があったんだから、当たり前なんだけど。まぁ、それまでと違ってサーニャが近くに居れば、そこまで物凄く嫌がったりしないのが救いだったかな。ようやくサーニャを通いに戻してやれたのは、その頃だったな。だからこっちの事情に巻き込んじまったオーレン嬢にも、サルビア嬢やリュートにも悪いことをしたなって思ってるんだ。」

「そうなってしまったのは、気付くのが遅すぎた僕らの責任だから。責めるなら僕らに言って。アシェに非があるわけじゃないし、アシェにはどうにもできなかったことなんだから。本当はシェリー母上がしていたように、皆を呼べたら良かったんだけど……未熟児だったアシェはとても身体が弱かったから、それも出来なかったしね。」

アレリオンとアルフォードが代わる代わるした説明に、サルビアは表面的な物しか見ていなかったし、自分が見ようとしていなかったのだと気付いた。
まとめて全貌を聞いたのは初めてだが、確かにアレリオンもアルフォードもトラスト邸を訪れる度にサーニャのことで謝罪をしてきていた。事情も少しだけ話してくれていた。

「アシェル様に、謝罪するわ。わたくしが言ってはいけないお門違いなことを言ったのだもの。……もしかしてベルが早くからお邸で勤め始めたのも、アシェル様にべったりなのも、今の話を知っているから?」

「かもしれないわね。アシェル様はベルには懐いてくれていたから、事情はちゃんと説明していたから。わたくしもあんなに早くから使用人になるとは思っていなかったけれど、ベルが危惧した通り。王立学院へは誰も使用人を連れて行かないなんて言いだしたから。ベルがアシェル様の専属侍女になっていて、本当に良かったと思ったわ。」

「……貴族令嬢が、使用人を連れて行かないって言ったの?それも公爵令嬢が??」

オーレンも全寮制である王立学院に使用人を伴わないのは、子爵家や男爵家、それ以上の家格でも資金繰りに困っているような家のものだけだと知っている。
どこの世界に公爵家という高位貴族でありながら使用人を拒否する貴族がいるのかと思うくらいには、使用人を伴って王立学院に通うのは当たり前のことだ。

「それくらい、アシェル様は他人のお世話を嫌がるのよ。……オーレンをもっと早くにアシェル様に会わせなくて正解だったわ。もしさっきみたいなことを幼いアシェル様に言っていれば、間違いなくアシェル様はわたくしのお世話も拒否していたでしょうからね。もう自分で出来るから必要ないって。」

「ふふっ、確かにアシェなら間違いなく言うだろうね。でも、甘えん坊なオーレンが近くに居てくれたら、アシェはもっと僕らに甘えてくれたかな?そう考えると惜しい気もするよね。」

「なっ、わたくしは甘えん坊じゃありませんわっ。」

冗談めかしたアレリオンの言葉に、それまで緊張感のあった場が和んだ。
同時に、オーレンの頬が真っ赤に染まる。

あとはアシェル次第だが、この場でのこの話は終了ということだ。
オーレンのせいで変な空気になってしまったが、本来今日は両家の友好を深めるためと、リュートとアルフォードの就職祝いなのだ。
本来和やかに進むべき晩餐会だ。

「母親が恋しくて嫌味を言うなんて、甘えん坊じゃなかったらなんだって言うの?年下のベルが大人しく寝てるのに、お母様が夜勤の時は、寂しくて眠れないからって——。」

「サルビア姉様っ、そんな恥ずかしいこと、人様の家で暴露しようとしないで下さいませっ。」

「ふふっ、そうね。オーレンはもう子供じゃないものね。」

「……分かっていますわ、念を押さなくても。」

早くサロンに移動したほうが良いのではないかと伝えたのだが、アベルにそれは却下された。
時間が経てばアシェルも落ち着くから、しっかりデザートまでこちらで食べていくようにと。

イザベルとアシェルが居ないのは少し気がかりだったが、残りの食事の時間は二人へのお祝いも述べられ、まったりとした時間だった。
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