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第二章 王立学院中等部一年生
57 衝動暴発④
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Side:アシェル12歳 夏
タオルで手を拭き応接間に戻ると、少し気まずそうなアークエイドが服装を整えて座っていた。
その隣に何事もなかったのようにアシェルは腰を降ろし、果実水を満たしたコップを傾ける。
「……すまない。」
ぼそりと謝るアークエイドにアシェルはきょとんとする。
「ん?何か謝るようなことあったっけ?……あぁ、手に出したこと??アレは僕がいいよっていったんだから気にしなくていいよ。手近なところにティッシュもなかったし。」
「っ!いや、それは……そうじゃなくて……。」
アークエイドが珍しく困った顔でブツブツ言っている。
「さっきも言ったけど。今日みたいにキスシーンとか見たりでムラムラしたからって、そこら辺の女の子と遊んじゃだめだよ?素人相手にするくらいなら娼館にでも行った方が……。いや、それで病気とか、騙されて子供作られたりはどうなんだろ?」
その道のプロ相手だと安心かなと思ったが、この世界は性病とかあるのだろうか?
特効薬がどうのという話を聞いたことがないし、ないのかもしれないが安心はできない。
それにアークエイドが王子様、ではなく例え貴族だったとしても、子供が出来たら玉の輿と考える娼婦もいるかもしれない。
「……うん。とりあえず婚約者とイチャイチャできるようになるまでは、ムラムラして一人でどうしようもないって時は、僕が抜いてあげるから。ちょっと物足りないかもだけど、そこは我慢してね?」
一人で勝手に納得して話を進めるアシェルに、アークエイドが何とも言えない表情をした。
「あ、もしかして嫌だった?うわ、ごめんね。先走っちゃってアークが逃げれないようにしちゃったから————。」
「嫌じゃない!」
「あ、そう?それならいいんだけど、やっぱり男同士でヤるには恥ずかしかったかな?」
「いや、そうじゃないんだが……。」
言葉を探すようなアークエイドを急かすようなことはせず、アシェルはゆっくり果実水を飲む。
衝動もまだあるが、その水分を求める具合に、ようやくかなり回復してきたなと感じることができた。
「アシェは……嫌じゃないのか?」
「僕??嫌だったらまたシてあげるなんて言わないし、無理やりだとどうなるか知ってるでしょ?」
「……そうだな。その、手慣れてるようだが……他の——。」
「待った。」
アシェルの止める声に、ぴたっとアークエイドの口が閉じられる。
「誤解がないように言っておくけど。ファーストキスはリリィの回復相手だし、次はアークとのあの事件だし、その次が今日のデュークとアークだからね?もちろん家族にはキスするけど、唇にしたことはないから。そんでもって、僕が抜いてあげたのはアークだけ。いい?それだけなの。分かった??皆して僕のこと遊び人みたいにいうけど、違うからね??レディにはちゃんと紳士的に対応してるからね??」
早口で捲し立てられる言葉に、アークエイドはコクコクと頷いた。
「男なんだし年頃なんだから、どこがイイかなんでわかるでしょ。まぁ普通はそんな話しないけど、この歳で自分のどこがイイとかの知識を持ってない男なんて男じゃないと思う。」
少なくとも前世の中学男子だった頃の友人はそう言っていた——偏見かもしれないが、当たらずも遠からずだろう。
アシェルの言葉にアークエイドが複雑そうな表情をしたのには気づかない。
「王族ってもう閨教育してたりするの?」
「まぁ、一応な。」
「そっか。アークは顔も血筋もいいから、さっきみたいにいきなり押し倒しても、誘いに乗ってくれる女の子がいると思うけど。まぁ、やっぱりそれをするなら婚約者相手かな。ちゃんと未来の保証してあげてないのに子供が出来たりしたら不幸だもん、子供の方が。」
親の愛情を貰えなかったり、捨てられる子供が出来るかもしれないと思うと心が痛む。
「さっきも言ったが、適当に女を引っかけて遊ぼうなんて思ってないからな。」
「うんうん。あ、もし一目惚れした女の子がいたら教えてね、協力するから。学院にはあちこちの貴族令嬢が集まってるから、運命の相手に出会える可能性あるかもしれないし。あ、でもそうなるとシャーロット先輩が……悩ましい問題だね。」
また一人ブツブツ言って自問自答しているアシェルの横で、アークエイドは溜め息を吐いた。
アークエイドの一目惚れ相手は目の前に居るというのに、その本人から良いご令嬢がいたら協力すると言われても。目の前に居るのは令息の恰好をした令嬢なのだがどうしたらいいのだろうか。
しかも前途多難なことに、どうすれば男装をやめてもらえるかも解らない上に、心の関係よりも身体の関係の方が先に来たものだ。
余談だがシャーロット・デイライトはアークエイドの婚約者候補だが、二人の間ではお互い婚約を結ばないことで話がついている。
婚約者候補なので定例茶会は行うのだが、それ以外で手紙をやりとりすることも会うこともない。
アシェルに一目惚れした時点で、シャーロットとの夫婦生活は思い描けなかった。
シャーロットはシャーロットで女の子が好きなのだ。男を毛嫌いするほどではないが、それでも将来は神官になりシスターを愛でながら余生を過ごすのだと言って憚らない。
ちなみにアシェルが女だとは言っていない。知られてシャーロットに狙われでもしたら面倒だ。
まぁ、そんな二人の内情は誰も知らないのだが。
「うん、それはその時に考えることにしよう。仮にアークが一目惚れしてアタックしても、靡いてくれない可能性もあるもんね。あーそれよりノアだよねぇ。ん?でもアル兄様に好きな人が居ないなら、卒業パーティーの相手はアビー様にしてもらった方がいいか。絶対アル兄様の相手は争奪戦が起きるよね。あ、でもノアなら婚約しててもアビー様をその日だけ貸して、って言ったら貸してくれるかな?ねぇ、アーク、どう思う?」
地味にアークエイドを傷つけていることに気が付かないアシェルは、アルフォードとアビゲイル、ノアールのことまで思考が派生し、アークエイドに意見を求めた。
「まぁ、事情を話せば大丈夫だとは思うが。この二年間で決着がつくかどうかの方が問題だな。」
「んーそうだよね。結構アル兄様と一緒に居るから、アル兄様引き離せば二人っきりになりやすいのかな?でもそれってお節介だよなぁ。三年後のアビー様の卒業式までにどっちかハッキリしますよーにっと。」
そういってコップの果実水を飲み干した。
もう衝動は落ち着いたので問題なさそうだ。
時計を見るともう夕飯時になっている。
「よし。もう衝動は落ち着いて、ちょっと身体が怠いだけになったよ。ありがと、アーク。夕飯はどうする?食べるならなんか作るけど。って言っても、一人だとサンドイッチで済ませちゃうから、夕飯と呼ぶにはだけど。それか食堂行ってみる?」
「サンドイッチを貰う。何か手伝うか?それと……仮に外に出るなら、シャツのボタンは留めたほうがいいと思うぞ。」
そう言われ胸元に目を落としたアシェルは、慌ててシャツのボタンを閉めた。
はだけた白い肌には沢山の所有印がついていたからだ。
月曜日までには消えないであろうソレに、イザベルに何て言おうかとアシェルは頭を悩ませながら夕食の用意をしたのだった。
========
Side:アークエイド12歳 夏
アシェルに自分の欲をぶつけてしまった翌日の土曜日。
アークエイドは自室にデュークを呼び出していた。
応接間ではなく寝室の隣の書斎に入り、人払いもした上で詠唱して『防音』の魔法をかける。
「こんなに厳重にしないといけない話って何なわけ?」
その念の入れようにデュークが眉を顰める。
デュークを椅子に座らせ、書き物机に腰掛けたアークエイドは言いにくそうに口を開いた。
病み上がりにどうかとも思ったのだが、アシェルが女であることも、僅かな前世の記憶持ちであることも、そしてアークエイドがアシェルに片思いしていることも知っているデューク以外に適任はいなかったのだ。
「相談……なんだが、他言しないでほしい。」
「うん、まぁここまでしてるし。わざわざ言いふらしたりしないけど。」
「昨日。アシェを襲ってしまった。」
「……は?」
「アシェを押し倒してキスした。」
「……付き合ってたっけ?」
「いや。」
「待て待て、なんでそんなことになってるの?」
アークエイドが5歳の時から長すぎる片思いをしていることは知っているが、それに全くアシェルが気づいていないことも知っている。
デュークは突拍子もない話の内容に混乱した。
「ただでさえアークは言葉が足りないんだから、しっかり順番に何があったか話して。」
「あぁ。昨日の救助活動で潜在消費して衝動のでたアシェを、部屋に連れていって一緒に過ごしてたんだ。心配で。」
「うん。」
「話の流れで、アシェのことが好きだと言ったら流された。」
「あーうん。アシェならありえそうだね。」
「それで少し意識してほしくて、前に巻き込まれた事件のことについて話した。」
「事件?」
疑問符を浮かべるデュークに、どこまで話そうかと悩む。
一応情報規制されてるからだ。
「……俺狙いで媚薬の香を焚かれた部屋にアシェと二人で閉じ込められた。その時襲いかけた。結局治療だといってキスまでしたんだが、事件のあと。媚薬が効きすぎたアシェに……。」
頬を染めながら言い淀むアークエイドを見て、デュークは逆に襲われたのだろうかと思った。
手慣れていたアシェルなら襲ってもおかしくない。
「指を舐められて、吸われた。」
「……。」
思ったよりも控えめな行為に。だがそれでも想い人にされるという意味深な行為に、友人のことを気の毒に思いながらもデュークは返す言葉が見つからない。
「結局医師に診せて、睡眠薬でアシェが寝落ちるまで、指を咥えられたまま抱き締めてた。その時に好きだと何度も言ったが、それは覚えてないみたいだった。」
「まぁ、睡眠薬の影響もあるだろうし。」
「その事件の時、アシェを襲おうとした男達は薬で撃退されてるが、俺ではなくアシェの身体を大事にしてほしいと言ったんだ。もしかしたらアシェは男どもに襲われてたかもしれない。……そしたら同じ状況になったら同じことをすると言われた上に、アシェの中で俺はアシェを襲ってないことになってた。押し倒して首筋や胸元に所有印までつけたのに。」
「それは……。」
「それで治療なら襲ったことにならないのかと。昨日もデュークに口移しでマナポーションを飲ませてただろう?」
「すまない。」
「いや、意識が朦朧としていただろうし、自分で飲んでこぼしたりするよりましだ。だが、少し……いや、かなり、嫉妬した。それもあって、押し倒して水分を口移しで与えた上でキスしたんだ。」
「待て、なんで急にそうなる。」
「治療だから大丈夫だろって聞いたんだ。普通嫌がるし、事件のときみたいに薬を使われてたわけでもない。なのにアシェは頷いたんだ。その口移しのキスも治療だと。」
視界の端でデュークが頭を抱えたのが見える。
「それでカッとなって襲った。別に身体強化も使ってないし、アシェが嫌がればすぐにでも止めるつもりだったのに、拒絶しないんだ。いつだって。」
そう。今まで腰を引き寄せたり抱き締めたりと色々してきたが、一切アシェルからは抵抗がない。
それはアークエイドにとって嬉しいことのはずなのに、あまりにも受け入れられすぎて、アシェルは誰が相手でもいいのだと思ってしまう。
「流石に最後までは駄目だと思ったんだが、アシェの顔を見たら……。そんな表情されると、これ以上は止まれなくなるって言ったんだ。最後の警告のつもりで。」
「流石に止められただろ?」
そういうデュークの声は、あまり自分の言葉に自信があるようには聞こえない。
「そんな表情してないって言われた。」
「……。」
「行為を止めるわけではないのかと、襲おうとしたら『下は駄目。』って言われたんだ。あぁ、ようやく止める気になったのかと思った。そしたら『僕からするのはいいけど、されるのは駄目。』って。流石に耳を疑った。」
「……で、そこで止めたのか?」
「アシェが『男同士で襲われる趣味はない。』『僕がシてあげる。』と。その上で他の女と遊ばないようにと。」
「他の女と……絶対に嫉妬とかじゃないよな、それ。」
呆れたようなデュークの声に頷く。
「どうも、リリィとデュークのキスをみてあてられた俺が、性欲の捌け口にアシェを選んだと思われたらしい。」
「それはまた……。」
「そんな話をした後に、口移しで水を求められたからしてやれば。……妙に慣れた手つきで下を触られた。」
「そ、それは……ほら、前世の記憶が少しあるとか言ってたし、そのせいじゃないか?流石に、今のアシェが男と遊んでるようには思えない。」
フォローにならないフォローをデュークからもらう。
「あぁ。それはそうだろうな。でもな、あれは……。」
アシェルの声を思い出し耳が赤くなるのを感じる。
「どう考えても俺の反応を見て楽しんでた。しかもその状況を口にするんだ、笑いながら。その上で焦らしもおねだりもしてくる。完全にアシェのペースで俺だけされた。……なんなんだ、あれは。小悪魔にもほどがある。またムラムラしたら抜いてやるって言われたんだぞ?男同士ならリスクないだろう、みたいなこと言われて。好きだって言っても伝わらないのに、一方的な身体の関係だけは持ってやると言われた俺はどうしたらいいんだ?いつでも触れることができるのに心が手に入らないんだぞ。普通、そこまでされたら例え同性でも気があるとは思わないのか?他の男が相手でも同じことをするのか??それとも試されてるのか?」
いつになく饒舌に早口で言葉を吐き出し続けるアークエイドに、デュークは今回の話の主旨はこれだったのだと思った。
付き合ってもいない上に、好きだという言葉も伝わらない。
それなのに一度きりではなく、これからも身体の快楽だけは与えるという、普通の貴族令嬢では決して辿り着かない発想。
先に手を出したアークエイドが悪いのだが、それでもそんなアークエイドが不憫に思えてくる。
「とりあえず、アシェが理解するまで好きだって言い続けるしかないんじゃないのか?」
「そう……だよな。参考までに聞きたいんだが、リリィとは加護の影響が先で婚約者になったんだろ。二人はどうしてる?」
ピキリとデュークの表情が固まる。
「そうだよ。小さい時から、なんなら今も加護のせいで一緒の寝台で寝るハメになってるし、ずっと一緒に居るけど。リリィとキスするのは潜在消費した時だけだし、それ以外で婚約者らしいことはしたことないよ。衝動の影響で押し倒されてキスするだけ。」
「……デュークはリリィのこと好きなんだよな?恋愛対象として。」
「好きじゃなかったら、加護の相手だからって婚約者にまでならないよ。兄妹だからっていう人もいるけど、物心ついた時から“授け子”は兄妹であってそうじゃないから、婚姻相手になる可能性もあるって言われてたんだ。でも……リリィにとっては、僕はただの弟で加護の相手ってだけで、恋愛対象とかそういうのじゃないのかも。」
二人して前途多難な相手に恋をしていることに、ずーんと空気が重くなる。
アークエイドがどう声をかけたものかと考えている間に、デュークが口を開く。
「これでも僕も、好きだとか大切だとか。割と言ってるからね?それでもちゃんと伝わってる気はしない。その上、どう考えてもアシェはリリィと同じか近い感覚を持ってるみたいだから、本当に気を付けたほうがいいと思う。」
「気を付ける?」
「二人とも、この国で同性婚ができることを知らないんだ。そのせいかアシェは男に対するガードが甘いだろ?まぁリリィも微妙なんだが、それでも貴族令嬢として振舞ってる分アシェよりマシだ。貴族には見た目が綺麗ならそれでいいってやつも多いから、気を付けないと他の奴に喰われるぞ。」
それは常々アークエイドも思っていたことだった。
女性に対しては口先巧みに喜ばせながらも、一定以上は踏み込まないようにしているように感じる。
誰にでも平等に優しい言葉をかけ、誰にでも口説いているのかと思うような甘いセリフを吐くことが当たり前で、女性達も下心の全くないそれを、ただ楽しんでいるだけのように見える。
それはアシェルが女性であり、女性との恋愛・結婚はないと思っているからというのもあるのだろう。
だが男性相手だと、少し距離が近くてもボディタッチがあっても全く気にした様子はない。
相手に下心があろうとなかろうとだ。
アシェルに前提として男同士の恋愛という知識がないせいなのか、いつでも襲ってくれと言わんばかりに無防備なのだ。
今年の授業は必ず幼馴染の誰かと一緒だからまだ安心できるし、あまり皆の傍を離れようとはしないが、移動の時に女子生徒だけでなく男子生徒も声をかける機会を伺っているのを感じている。
「なるべくアシェを一人にしないようにはしてるんだが。」
「それがいいと思う。生物の授業は、アシェがとらなければ僕もとるところだった。」
「それには俺も同感だ。」
生物は人体の構造から治癒魔法、魔法に頼らない治療まで、どちらかというと医療系の分野になる。
医師を目指すアシェルも、元看護師で魔法をメインに使うリリアーデも即決で受講を決めたが、医療系を目指すか、領地で回復魔法が必要で、という生徒以外には縁のない授業だとも言える。
「まぁ、嫌がられてないんなら、とりあえずは良いんじゃないか?少なくとも僕の生殺しより、遥かにマシなようで羨ましいよ。」
デュークはアシェルが前世で、恋人がいなかったはずなのにテクニックについては経験豊富だ、という悲しい情報は個人情報になるので言えないまま、自虐を含んだ慰めになるのかわからない慰めを口にした。
「……お互い苦労するな。」
「本当にね。」
こうして、なかなか報われない恋をする幼馴染二人の密談は終了した。
——月曜日の夜。
アシェルにつけられた所有印の経緯を知ったイザベルの突撃にあい、洗いざらい心の内を吐き出すよう脅迫されたのはココだけの話だ。
普段の侍女として振舞っているイザベルとは全く違う印象で押しかけてきた彼女は、アークエイドの気持ちを聞いて、落ち着いた後は報われない片思いにエールを送って帰っていった。婚約するまでは一線を越えるなという忠告も残して。
タオルで手を拭き応接間に戻ると、少し気まずそうなアークエイドが服装を整えて座っていた。
その隣に何事もなかったのようにアシェルは腰を降ろし、果実水を満たしたコップを傾ける。
「……すまない。」
ぼそりと謝るアークエイドにアシェルはきょとんとする。
「ん?何か謝るようなことあったっけ?……あぁ、手に出したこと??アレは僕がいいよっていったんだから気にしなくていいよ。手近なところにティッシュもなかったし。」
「っ!いや、それは……そうじゃなくて……。」
アークエイドが珍しく困った顔でブツブツ言っている。
「さっきも言ったけど。今日みたいにキスシーンとか見たりでムラムラしたからって、そこら辺の女の子と遊んじゃだめだよ?素人相手にするくらいなら娼館にでも行った方が……。いや、それで病気とか、騙されて子供作られたりはどうなんだろ?」
その道のプロ相手だと安心かなと思ったが、この世界は性病とかあるのだろうか?
特効薬がどうのという話を聞いたことがないし、ないのかもしれないが安心はできない。
それにアークエイドが王子様、ではなく例え貴族だったとしても、子供が出来たら玉の輿と考える娼婦もいるかもしれない。
「……うん。とりあえず婚約者とイチャイチャできるようになるまでは、ムラムラして一人でどうしようもないって時は、僕が抜いてあげるから。ちょっと物足りないかもだけど、そこは我慢してね?」
一人で勝手に納得して話を進めるアシェルに、アークエイドが何とも言えない表情をした。
「あ、もしかして嫌だった?うわ、ごめんね。先走っちゃってアークが逃げれないようにしちゃったから————。」
「嫌じゃない!」
「あ、そう?それならいいんだけど、やっぱり男同士でヤるには恥ずかしかったかな?」
「いや、そうじゃないんだが……。」
言葉を探すようなアークエイドを急かすようなことはせず、アシェルはゆっくり果実水を飲む。
衝動もまだあるが、その水分を求める具合に、ようやくかなり回復してきたなと感じることができた。
「アシェは……嫌じゃないのか?」
「僕??嫌だったらまたシてあげるなんて言わないし、無理やりだとどうなるか知ってるでしょ?」
「……そうだな。その、手慣れてるようだが……他の——。」
「待った。」
アシェルの止める声に、ぴたっとアークエイドの口が閉じられる。
「誤解がないように言っておくけど。ファーストキスはリリィの回復相手だし、次はアークとのあの事件だし、その次が今日のデュークとアークだからね?もちろん家族にはキスするけど、唇にしたことはないから。そんでもって、僕が抜いてあげたのはアークだけ。いい?それだけなの。分かった??皆して僕のこと遊び人みたいにいうけど、違うからね??レディにはちゃんと紳士的に対応してるからね??」
早口で捲し立てられる言葉に、アークエイドはコクコクと頷いた。
「男なんだし年頃なんだから、どこがイイかなんでわかるでしょ。まぁ普通はそんな話しないけど、この歳で自分のどこがイイとかの知識を持ってない男なんて男じゃないと思う。」
少なくとも前世の中学男子だった頃の友人はそう言っていた——偏見かもしれないが、当たらずも遠からずだろう。
アシェルの言葉にアークエイドが複雑そうな表情をしたのには気づかない。
「王族ってもう閨教育してたりするの?」
「まぁ、一応な。」
「そっか。アークは顔も血筋もいいから、さっきみたいにいきなり押し倒しても、誘いに乗ってくれる女の子がいると思うけど。まぁ、やっぱりそれをするなら婚約者相手かな。ちゃんと未来の保証してあげてないのに子供が出来たりしたら不幸だもん、子供の方が。」
親の愛情を貰えなかったり、捨てられる子供が出来るかもしれないと思うと心が痛む。
「さっきも言ったが、適当に女を引っかけて遊ぼうなんて思ってないからな。」
「うんうん。あ、もし一目惚れした女の子がいたら教えてね、協力するから。学院にはあちこちの貴族令嬢が集まってるから、運命の相手に出会える可能性あるかもしれないし。あ、でもそうなるとシャーロット先輩が……悩ましい問題だね。」
また一人ブツブツ言って自問自答しているアシェルの横で、アークエイドは溜め息を吐いた。
アークエイドの一目惚れ相手は目の前に居るというのに、その本人から良いご令嬢がいたら協力すると言われても。目の前に居るのは令息の恰好をした令嬢なのだがどうしたらいいのだろうか。
しかも前途多難なことに、どうすれば男装をやめてもらえるかも解らない上に、心の関係よりも身体の関係の方が先に来たものだ。
余談だがシャーロット・デイライトはアークエイドの婚約者候補だが、二人の間ではお互い婚約を結ばないことで話がついている。
婚約者候補なので定例茶会は行うのだが、それ以外で手紙をやりとりすることも会うこともない。
アシェルに一目惚れした時点で、シャーロットとの夫婦生活は思い描けなかった。
シャーロットはシャーロットで女の子が好きなのだ。男を毛嫌いするほどではないが、それでも将来は神官になりシスターを愛でながら余生を過ごすのだと言って憚らない。
ちなみにアシェルが女だとは言っていない。知られてシャーロットに狙われでもしたら面倒だ。
まぁ、そんな二人の内情は誰も知らないのだが。
「うん、それはその時に考えることにしよう。仮にアークが一目惚れしてアタックしても、靡いてくれない可能性もあるもんね。あーそれよりノアだよねぇ。ん?でもアル兄様に好きな人が居ないなら、卒業パーティーの相手はアビー様にしてもらった方がいいか。絶対アル兄様の相手は争奪戦が起きるよね。あ、でもノアなら婚約しててもアビー様をその日だけ貸して、って言ったら貸してくれるかな?ねぇ、アーク、どう思う?」
地味にアークエイドを傷つけていることに気が付かないアシェルは、アルフォードとアビゲイル、ノアールのことまで思考が派生し、アークエイドに意見を求めた。
「まぁ、事情を話せば大丈夫だとは思うが。この二年間で決着がつくかどうかの方が問題だな。」
「んーそうだよね。結構アル兄様と一緒に居るから、アル兄様引き離せば二人っきりになりやすいのかな?でもそれってお節介だよなぁ。三年後のアビー様の卒業式までにどっちかハッキリしますよーにっと。」
そういってコップの果実水を飲み干した。
もう衝動は落ち着いたので問題なさそうだ。
時計を見るともう夕飯時になっている。
「よし。もう衝動は落ち着いて、ちょっと身体が怠いだけになったよ。ありがと、アーク。夕飯はどうする?食べるならなんか作るけど。って言っても、一人だとサンドイッチで済ませちゃうから、夕飯と呼ぶにはだけど。それか食堂行ってみる?」
「サンドイッチを貰う。何か手伝うか?それと……仮に外に出るなら、シャツのボタンは留めたほうがいいと思うぞ。」
そう言われ胸元に目を落としたアシェルは、慌ててシャツのボタンを閉めた。
はだけた白い肌には沢山の所有印がついていたからだ。
月曜日までには消えないであろうソレに、イザベルに何て言おうかとアシェルは頭を悩ませながら夕食の用意をしたのだった。
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Side:アークエイド12歳 夏
アシェルに自分の欲をぶつけてしまった翌日の土曜日。
アークエイドは自室にデュークを呼び出していた。
応接間ではなく寝室の隣の書斎に入り、人払いもした上で詠唱して『防音』の魔法をかける。
「こんなに厳重にしないといけない話って何なわけ?」
その念の入れようにデュークが眉を顰める。
デュークを椅子に座らせ、書き物机に腰掛けたアークエイドは言いにくそうに口を開いた。
病み上がりにどうかとも思ったのだが、アシェルが女であることも、僅かな前世の記憶持ちであることも、そしてアークエイドがアシェルに片思いしていることも知っているデューク以外に適任はいなかったのだ。
「相談……なんだが、他言しないでほしい。」
「うん、まぁここまでしてるし。わざわざ言いふらしたりしないけど。」
「昨日。アシェを襲ってしまった。」
「……は?」
「アシェを押し倒してキスした。」
「……付き合ってたっけ?」
「いや。」
「待て待て、なんでそんなことになってるの?」
アークエイドが5歳の時から長すぎる片思いをしていることは知っているが、それに全くアシェルが気づいていないことも知っている。
デュークは突拍子もない話の内容に混乱した。
「ただでさえアークは言葉が足りないんだから、しっかり順番に何があったか話して。」
「あぁ。昨日の救助活動で潜在消費して衝動のでたアシェを、部屋に連れていって一緒に過ごしてたんだ。心配で。」
「うん。」
「話の流れで、アシェのことが好きだと言ったら流された。」
「あーうん。アシェならありえそうだね。」
「それで少し意識してほしくて、前に巻き込まれた事件のことについて話した。」
「事件?」
疑問符を浮かべるデュークに、どこまで話そうかと悩む。
一応情報規制されてるからだ。
「……俺狙いで媚薬の香を焚かれた部屋にアシェと二人で閉じ込められた。その時襲いかけた。結局治療だといってキスまでしたんだが、事件のあと。媚薬が効きすぎたアシェに……。」
頬を染めながら言い淀むアークエイドを見て、デュークは逆に襲われたのだろうかと思った。
手慣れていたアシェルなら襲ってもおかしくない。
「指を舐められて、吸われた。」
「……。」
思ったよりも控えめな行為に。だがそれでも想い人にされるという意味深な行為に、友人のことを気の毒に思いながらもデュークは返す言葉が見つからない。
「結局医師に診せて、睡眠薬でアシェが寝落ちるまで、指を咥えられたまま抱き締めてた。その時に好きだと何度も言ったが、それは覚えてないみたいだった。」
「まぁ、睡眠薬の影響もあるだろうし。」
「その事件の時、アシェを襲おうとした男達は薬で撃退されてるが、俺ではなくアシェの身体を大事にしてほしいと言ったんだ。もしかしたらアシェは男どもに襲われてたかもしれない。……そしたら同じ状況になったら同じことをすると言われた上に、アシェの中で俺はアシェを襲ってないことになってた。押し倒して首筋や胸元に所有印までつけたのに。」
「それは……。」
「それで治療なら襲ったことにならないのかと。昨日もデュークに口移しでマナポーションを飲ませてただろう?」
「すまない。」
「いや、意識が朦朧としていただろうし、自分で飲んでこぼしたりするよりましだ。だが、少し……いや、かなり、嫉妬した。それもあって、押し倒して水分を口移しで与えた上でキスしたんだ。」
「待て、なんで急にそうなる。」
「治療だから大丈夫だろって聞いたんだ。普通嫌がるし、事件のときみたいに薬を使われてたわけでもない。なのにアシェは頷いたんだ。その口移しのキスも治療だと。」
視界の端でデュークが頭を抱えたのが見える。
「それでカッとなって襲った。別に身体強化も使ってないし、アシェが嫌がればすぐにでも止めるつもりだったのに、拒絶しないんだ。いつだって。」
そう。今まで腰を引き寄せたり抱き締めたりと色々してきたが、一切アシェルからは抵抗がない。
それはアークエイドにとって嬉しいことのはずなのに、あまりにも受け入れられすぎて、アシェルは誰が相手でもいいのだと思ってしまう。
「流石に最後までは駄目だと思ったんだが、アシェの顔を見たら……。そんな表情されると、これ以上は止まれなくなるって言ったんだ。最後の警告のつもりで。」
「流石に止められただろ?」
そういうデュークの声は、あまり自分の言葉に自信があるようには聞こえない。
「そんな表情してないって言われた。」
「……。」
「行為を止めるわけではないのかと、襲おうとしたら『下は駄目。』って言われたんだ。あぁ、ようやく止める気になったのかと思った。そしたら『僕からするのはいいけど、されるのは駄目。』って。流石に耳を疑った。」
「……で、そこで止めたのか?」
「アシェが『男同士で襲われる趣味はない。』『僕がシてあげる。』と。その上で他の女と遊ばないようにと。」
「他の女と……絶対に嫉妬とかじゃないよな、それ。」
呆れたようなデュークの声に頷く。
「どうも、リリィとデュークのキスをみてあてられた俺が、性欲の捌け口にアシェを選んだと思われたらしい。」
「それはまた……。」
「そんな話をした後に、口移しで水を求められたからしてやれば。……妙に慣れた手つきで下を触られた。」
「そ、それは……ほら、前世の記憶が少しあるとか言ってたし、そのせいじゃないか?流石に、今のアシェが男と遊んでるようには思えない。」
フォローにならないフォローをデュークからもらう。
「あぁ。それはそうだろうな。でもな、あれは……。」
アシェルの声を思い出し耳が赤くなるのを感じる。
「どう考えても俺の反応を見て楽しんでた。しかもその状況を口にするんだ、笑いながら。その上で焦らしもおねだりもしてくる。完全にアシェのペースで俺だけされた。……なんなんだ、あれは。小悪魔にもほどがある。またムラムラしたら抜いてやるって言われたんだぞ?男同士ならリスクないだろう、みたいなこと言われて。好きだって言っても伝わらないのに、一方的な身体の関係だけは持ってやると言われた俺はどうしたらいいんだ?いつでも触れることができるのに心が手に入らないんだぞ。普通、そこまでされたら例え同性でも気があるとは思わないのか?他の男が相手でも同じことをするのか??それとも試されてるのか?」
いつになく饒舌に早口で言葉を吐き出し続けるアークエイドに、デュークは今回の話の主旨はこれだったのだと思った。
付き合ってもいない上に、好きだという言葉も伝わらない。
それなのに一度きりではなく、これからも身体の快楽だけは与えるという、普通の貴族令嬢では決して辿り着かない発想。
先に手を出したアークエイドが悪いのだが、それでもそんなアークエイドが不憫に思えてくる。
「とりあえず、アシェが理解するまで好きだって言い続けるしかないんじゃないのか?」
「そう……だよな。参考までに聞きたいんだが、リリィとは加護の影響が先で婚約者になったんだろ。二人はどうしてる?」
ピキリとデュークの表情が固まる。
「そうだよ。小さい時から、なんなら今も加護のせいで一緒の寝台で寝るハメになってるし、ずっと一緒に居るけど。リリィとキスするのは潜在消費した時だけだし、それ以外で婚約者らしいことはしたことないよ。衝動の影響で押し倒されてキスするだけ。」
「……デュークはリリィのこと好きなんだよな?恋愛対象として。」
「好きじゃなかったら、加護の相手だからって婚約者にまでならないよ。兄妹だからっていう人もいるけど、物心ついた時から“授け子”は兄妹であってそうじゃないから、婚姻相手になる可能性もあるって言われてたんだ。でも……リリィにとっては、僕はただの弟で加護の相手ってだけで、恋愛対象とかそういうのじゃないのかも。」
二人して前途多難な相手に恋をしていることに、ずーんと空気が重くなる。
アークエイドがどう声をかけたものかと考えている間に、デュークが口を開く。
「これでも僕も、好きだとか大切だとか。割と言ってるからね?それでもちゃんと伝わってる気はしない。その上、どう考えてもアシェはリリィと同じか近い感覚を持ってるみたいだから、本当に気を付けたほうがいいと思う。」
「気を付ける?」
「二人とも、この国で同性婚ができることを知らないんだ。そのせいかアシェは男に対するガードが甘いだろ?まぁリリィも微妙なんだが、それでも貴族令嬢として振舞ってる分アシェよりマシだ。貴族には見た目が綺麗ならそれでいいってやつも多いから、気を付けないと他の奴に喰われるぞ。」
それは常々アークエイドも思っていたことだった。
女性に対しては口先巧みに喜ばせながらも、一定以上は踏み込まないようにしているように感じる。
誰にでも平等に優しい言葉をかけ、誰にでも口説いているのかと思うような甘いセリフを吐くことが当たり前で、女性達も下心の全くないそれを、ただ楽しんでいるだけのように見える。
それはアシェルが女性であり、女性との恋愛・結婚はないと思っているからというのもあるのだろう。
だが男性相手だと、少し距離が近くてもボディタッチがあっても全く気にした様子はない。
相手に下心があろうとなかろうとだ。
アシェルに前提として男同士の恋愛という知識がないせいなのか、いつでも襲ってくれと言わんばかりに無防備なのだ。
今年の授業は必ず幼馴染の誰かと一緒だからまだ安心できるし、あまり皆の傍を離れようとはしないが、移動の時に女子生徒だけでなく男子生徒も声をかける機会を伺っているのを感じている。
「なるべくアシェを一人にしないようにはしてるんだが。」
「それがいいと思う。生物の授業は、アシェがとらなければ僕もとるところだった。」
「それには俺も同感だ。」
生物は人体の構造から治癒魔法、魔法に頼らない治療まで、どちらかというと医療系の分野になる。
医師を目指すアシェルも、元看護師で魔法をメインに使うリリアーデも即決で受講を決めたが、医療系を目指すか、領地で回復魔法が必要で、という生徒以外には縁のない授業だとも言える。
「まぁ、嫌がられてないんなら、とりあえずは良いんじゃないか?少なくとも僕の生殺しより、遥かにマシなようで羨ましいよ。」
デュークはアシェルが前世で、恋人がいなかったはずなのにテクニックについては経験豊富だ、という悲しい情報は個人情報になるので言えないまま、自虐を含んだ慰めになるのかわからない慰めを口にした。
「……お互い苦労するな。」
「本当にね。」
こうして、なかなか報われない恋をする幼馴染二人の密談は終了した。
——月曜日の夜。
アシェルにつけられた所有印の経緯を知ったイザベルの突撃にあい、洗いざらい心の内を吐き出すよう脅迫されたのはココだけの話だ。
普段の侍女として振舞っているイザベルとは全く違う印象で押しかけてきた彼女は、アークエイドの気持ちを聞いて、落ち着いた後は報われない片思いにエールを送って帰っていった。婚約するまでは一線を越えるなという忠告も残して。
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