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第六章
サインを貰おう 装備部
しおりを挟む凄く疲労が増している中……
俺はようやく装備部に到着した
三度もあぁいう場面に出くわしたから正直、ノックしたくねぇ……
「シモン様 大丈夫ですか?」
「あぁ…… マジでフォルティアが居なかったら精神疲労でぶっ倒れてたけどな……」
フォルティアに心配されて、そう答えながらチラッとスグ委員長達を見るとスグ委員長はテヘペロと舌を出し、マリア先輩は小さく胸を張り、「どや」としている
もうツッコミ疲れがヤバいんだが……
そんな事はさておき、扉をノックした
「はーい って、あら?
スグにマリア って事は実行委員のサインね
それでソッチの人は「よかったぁぁぁ……!!」ふにゃあぁぁぁぁ!?」
扉が開いて、猫耳の生徒が出てくると状況を把握してくれた事より何もなかった事に感謝して膝から崩れ落ち、神に感謝した
その際にめちゃくちゃ驚かれた
「あー…… それはあんな風になるわね……
一年なのにごめんね シモン君」
「いいえ 大丈夫です
えっと……」
「あぁ 私はオヒュリスト・レハールン
見ての通り黒豹の獣人よ
学年はそこの馬鹿二人と一緒の四年 よろしくね」
【オヒュリスト】先輩は何処となく、スグ委員長達をギラッと睨んだがスグ委員長は頭後ろを掻きながら笑っていて、マリア先輩はプイッとそっぽを向いた
「オヒュリスト様 少しお聞きしたいのですが……」
「様はよして 私は貴族でも無いんだから
普通に先輩でいいわ」
「では、オヒュリスト先輩
あの…… そこで倒れられてる方々は?」
フォルティアが部屋の隅を指差すと俺もソッチを見た
部屋の隅には装備部の部員の男女が真っ白に燃え切っていた
「あぁ 装備部は生徒の皆が安全に身を守れるような装備を作るのは当たり前だけど、デザインにも拘りたいからね
昨日も大会に向けて、色んなデザインを出し合い、話し合っていたらヒートアップしちゃってね
気が付いたら朝になってたのよ」
オヒュリスト先輩はそう言い、パラパラと手に取った資料を見せてきた
中を拝見するとそこには色んな防具のデザインやアクセサリー品などが描かれていた
「へぇ~ 装備部もとうとうこの路線に入ったんだ
前までは『シンプルなのがいいんだ!!』とか言ってたじゃん」
スグ委員長は資料を見ながらそう言うとオヒュリスト先輩は少し寂しそうに微笑んだ
「仕方ないわよ…… 最近、防具を作ってもデザインがイマイチとか言われるようになってきて…… 私は…… 皆の安全の為に…… 思ってたのに……」
オヒュリスト先輩はボソボソと呟くと泣きそうになり、慌てたスグ委員長がハンカチで涙を拭い出した
「そ、そうよね オヒュリストが皆の事を考えてるのは私が一番、知っているよ!!
だって私の装備は貴女が作ってくれたモノだもの!!」
スグ委員長はオヒュリスト先輩の頭を撫でるとオヒュリスト先輩はスグ先輩の胸に顔を埋めるとグスッと泣いていた
「確かに…… そこの装備品も作ったモノですよね?
この品質はとても良いと思います」
俺は棚に置いてあるグローブを見て、そう言うとフォルティアが俺を見てきた
「シモン様はシンプルなのがお好きなのですか?」
「シンプルが好き…… というより性能で選んでいるからな……
デザインがどんだけカッコ良くてもソレで身を守れるかは別の問題だからな……」
腕を組み、そう言っていくとガバッとオヒュリスト先輩が俺達を見てきた
「分かる!?」
「え、えぇ…… まぁ、俺とフォルティアは冒険者をやってまして……」
そう言うとオヒュリスト先輩が俺とフォルティアの手を取った
「ありがとう……!! 私と同じ事を思ってる人に出会えた!!」
オヒュリスト先輩に泣きながら手を握られていて、正直、困惑するが本人が救われてるならいいか……
オヒュリスト先輩が泣き止むのを待ち、協力書にサインを貰うとフォルティアがキョロキョロしだした
「どうした? フォルティア」
「シモン様 あの、何か声が聞こえたような……」
「声?」
フォルティアは首を傾げながら耳を傾けている
俺もフォルティアと同じように耳を傾けると確かにボソボソと何か聞こえてきた
「オヒュリスト先輩 少し部室を見て回っても?」
「構わないよ」
一応、許可を取ってからフォルティアと二人で声のする方へ、向かうとそこには大量に積み重ねられたモノが置いてあった
そしてその中の一つが点滅しているのに気付くと俺はゴソゴソと手を突っ込み、取り出した
取り出してみるとソレは指輪だった
「もしかして……」
俺はある結論を出すとフォルティアを見るとフォルティアは俺の考えを察し、左手を差し出してきた
俺は左手を取ると指輪を近付けると中指に反応して、光が強くなったので嵌めてあげると指輪は強く光り、形が変わるとソレはハートに翼の生えたモニュメントが付いてる指輪になった
「やっぱり精霊礼装だ」
【精霊礼装】
アルタナシア・ドリームでたまにドロップ品として出てくる装備品
強力な装備であるが条件をクリアしなければ装備すら敵わない一品だ
ちなみにアルタナシア・ドリームでは高額で売買されていた
「精霊礼装?」 「そうだよ フォルティア」
フォルティアの言葉に幼い声が答えるとフォルティアの前に小さな精霊が現れた
「私は愛情の精霊 名前は…… そうね……
ラブハートと名乗りましょうか」
「ら、ラブハート…… さん……?」
「えぇ、私の声に答えてくれた貴女の力になるわ」
そう言い、ラブハートは指輪に戻っていった
「シモン様 先程の方は?」
「精霊だよ 精霊礼装は精霊が宿った装備だ
詳しくは後で説明する」
フォルティアにはそう伝えると顎に手をやり、考えた
(何で精霊礼装がこんなところに?
それにフォルティアを主と認めただと……?
これもフォルティアが俺と関わったからか?)
フォルティアと精霊礼装を交互に見ながら考えているとフォルティアは俺を見ると頬を赤らめた
「愛情の精霊さん……
私達にぴったりですね」
そう言われるとこっちも恥ずかしくなるが今はソレは置いておいて、他の人たちに気付かれないようにしながら部屋を出た
そしてすぐに実行委員室に戻れば、スグ委員長教えの元、書類を片付けていく
だが……
「す、スグ委員長…… 離れ「やだ!?」
ゴキ○○のトラウマからか…… スグ委員長に抱きつかれている……
フォルティアはムゥ~と嫉妬しているが手は止まってない辺り、優秀すぎる
「に、臭いが……」 「好きなだけ吸えばいい 私のようにな」
前より濃い臭いをさせてるスグ委員長に離れてもらおうとしたがスグ委員長は逆に俺に強く抱き付くと俺の臭いを嗅ぎ出した
「アルバート…… スメラギ……
カムバッァァァァク……」
結果、スメラギとアルバートは戻って来ず……
俺はしばらくこの状態が続いたというのは言うまでもない……
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