上 下
33 / 47

出発と依頼?

しおりを挟む

それから三日が経った
旅への準備は滞りなく整った
テントに食料………、後はマソラ達の鞄…………
鞄って言ってもポシェットのようなモノだが、それに一応、必要な道具を買い揃えた
マソラは初めてのポシェットに目をキラキラさせながら嬉しそうに肩に下げていて、ずっとテンションが高い
対するアイシャは、嬉しそうにニヤニヤしながら何度もポシェットを眺めていた
本当に嬉しいんだな
これだったら、もう少し早めに買ってあげてもよかったかもな

ミラも着替えとかを買い揃えて、何処となく、キャンプに行くようにワクワクしている
いや…………、確かにお前もキャンプ前はそうだったけどよ……………
徹夜は直せ…………

そして今、荷物をまとめ終え、宿を出た俺達は、帝国広場でスミャルを待っていた
実はスミャルは、今朝方、帝国の王に呼び出しを受け、今、城に出向いているそうだ
まぁ、俺の予想だと……………
ろくでもねぇ事が起こりそうな予感だ……………

「遅いな」

「だが、時間的には、そろそろだ」

ミラがボソッと呟いたのを聞き、俺が答えながらチラッと広場の時計を見た
エルフの村には、時計は無かったから、そういうのは無いと判断してたが、広場で時計を発見した時の喜びは覚えてる
マジで嬉しかった
まぁ、帝国に来ても見回ってなかったからな
仕方ない……………

「ゴーラ!!」

そうしてボー、と、していれば、スミャルの声が聞こえ、見れば、スミャルが笑顔で手を振りながらこちらにかけてくるのが見えた

「お待たせしました」

「いや、気にするな」

俺がそう言えば、スミャルはふぅ、と息を吐いた
ここまで急いで来たのだろうか、少し汗をかいてるように見えた
さて、スミャルの様子は大丈夫と見て…………

「スミャルよ
後ろの二人は何ぞ?」

「あぁ、紹介します
これから旅に同行する騎士達です」

「【ロイス・アスファルト】と言います」

「妹の【キャリス・アスファルト】です
ゴーラ様のお話は騎士長からお伺っております」

二人が自己紹介を終えれば、俺は二人を観察した
パッと見た感想だが…………
二人とも、美男美女じゃねぇか!?
マジでこれで騎士やってんの!?
モデルとか、何かあるじゃねぇのか!?

ロイスの方は短髪だが、綺麗な青色の髪に赤い瞳
そしてキャリスの方は長い髪を後ろで縛って、ポニーテールにし、ロイスと同じ目

「挨拶が遅れた
我はゴーラ・リ・ペンドラゴン
そして肩にいるのが我が義娘のマソラとアイシャ
そして」

「友人のミラ・ルーツ・ヌメロン
これからよろしく頼む」

「はい、これから騎士長共々、よろしくお願いします」

「私たちはまだ未熟ですが、迷惑をかけぬように頑張ります」

そう言ってロイスとキャリスは、腕を胸辺りに持っていき、敬礼した
堅苦しいのは、相変わらずなのだな…………

「それと…………、ゴーラ
すまないが、真っ直ぐ向かう前に近くの森に寄っても良いか?」

「何用だ?」

「今朝方、ギルドからの報告で、スライムが大量発生しているとのことで…………
向かう前に国王様に頼まれたのです」

スライムの大量発生か………
まぁ、いても数十くらいだろうし、それくらいなら大丈夫だろう

「分かった
では、スライムをどうにかしてから向かおう」

「あ、ありがとう」

そう言って笑うスミャルを背に、俺はミラと共に歩き出した
森にスライムか…………
初めて見るから楽しみだなwww

ん? あれ?
これって、フラグじゃね?
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【12/29にて公開終了】愛するつもりなぞないんでしょうから

真朱
恋愛
この国の姫は公爵令息と婚約していたが、隣国との和睦のため、一転して隣国の王子の許へ嫁ぐことになった。余計ないざこざを防ぐべく、姫の元婚約者の公爵令息は王命でさくっと婚姻させられることになり、その相手として白羽の矢が立ったのは辺境伯家の二女・ディアナだった。「可憐な姫の後が、脳筋な辺境伯んとこの娘って、公爵令息かわいそうに…。これはあれでしょ?『お前を愛するつもりはない!』ってやつでしょ?」  期待も遠慮も捨ててる新妻ディアナと、好青年の仮面をひっ剥がされていく旦那様ラキルスの、『明日はどっちだ』な夫婦のお話。    ※なんちゃって異世界です。なんでもあり、ご都合主義をご容赦ください。  ※新婚夫婦のお話ですが色っぽさゼロです。Rは物騒な方です。  ※ざまあのお話ではありません。軽い読み物とご理解いただけると幸いです。 ※コミカライズにより12/29にて公開を終了させていただきます。

貧乏男爵家の末っ子が眠り姫になるまでとその後

空月
恋愛
貧乏男爵家の末っ子・アルティアの婚約者は、何故か公爵家嫡男で非の打ち所のない男・キースである。 魔術学院の二年生に進学して少し経った頃、「君と俺とでは釣り合わないと思わないか」と言われる。 そのときは曖昧な笑みで流したアルティアだったが、その数日後、倒れて眠ったままの状態になってしまう。 すると、キースの態度が豹変して……?

30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。

ひさまま
ファンタジー
 前世で搾取されまくりだった私。  魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。  とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。  これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。  取り敢えず、明日は退職届けを出そう。  目指せ、快適異世界生活。  ぽちぽち更新します。  作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。  脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。

生活魔法は万能です

浜柔
ファンタジー
 生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。  それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。  ――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

愛されない皇妃~最強の母になります!~

椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』 やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。 夫も子どもも――そして、皇妃の地位。 最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。 けれど、そこからが問題だ。 皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。 そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど…… 皇帝一家を倒した大魔女。 大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!? ※表紙は作成者様からお借りしてます。 ※他サイト様に掲載しております。

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します

有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。 妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。 さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。 そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。 そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。 現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

転生したので好きに生きよう!

ゆっけ
ファンタジー
前世では妹によって全てを奪われ続けていた少女。そんな少女はある日、事故にあい亡くなってしまう。 不思議な場所で目覚める少女は女神と出会う。その女神は全く人の話を聞かないで少女を地上へと送る。 奪われ続けた少女が異世界で周囲から愛される話。…にしようと思います。 ※見切り発車感が凄い。 ※マイペースに更新する予定なのでいつ次話が更新するか作者も不明。

処理中です...