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マソラへの異変
しおりを挟むあれから二ヶ月は過ぎた
気温は暑くなり、そろそろ夏になる頃か、既に入っている頃だろう
こっちでの季節の変わり目はまだ俺は分からないが、気温の体感ではそうだろうな
空は快晴、雲一つもない日本晴れと言える空だ
「パパ~!! ルフスお兄ちゃ~ん!!
早くぅぅ!!」
「待たれよ!!マソラ殿!!
あんまり慌てて走るとコケるでございまする!!」
そんな中、マソラの呼び掛けに我に返り、前を向けば、楽しそうに駆けるマソラと、そんなマソラを心配しながら追いかけるルフスが居た
そしてその光景を見ながら俺は笑いながらゆったりと追いかける
実はそろそろルフスの学校が始まる時期が近づいてきている為、ルフスは帝都に帰るカウントダウンが始まった
そんな中、マソラが三人でピクニックしたいと言ってきた事から今に至る
なんだかんだ…………、マソラもルフスに懐いて、遊んでもらっているしな
同年代との子達と遊ぶのもいいが、こうやって年上の兄のような存在に遊んでもらうってのはいい経験だからな
その点で言ったら、ルフスは近所の顔馴染みのお兄ちゃんってポジかな?
と、まぁ、そんなこんながあり、ようやく目的地の場所に着いた
「わぁ~!!」
マソラはキラキラとした目で目の前の光景に心が踊ってるようだ
って、言ってもここはマソラが見つけたんだけどな
俺たちが着いた場所は様々な綺麗な色の花が咲き誇る花畑だ
たまたまマソラと共に森を探索してる中、マソラが見つけた
まぁ、本人としては蝶々を追いかけてたら着いたって、言ってたけど………………
俺はめっちゃ焦ったからな…………
まぁ、そんなことはええか
マソラとルフスに追いついた俺はある程度、開けた場所にシートを敷いて、弁当箱を置けばマソラとルフスに消毒させ、お昼にすることにした
ちなみに弁当箱の中は俺とマソラが作ったおにぎりとサンドイッチ、それと程よい感じに唐揚げなどのおかずを数品だな
おにぎりは俺とマソラが作ったのが半々だな
まぁ、マソラのは絶対、美味いがな[親バカ]
そんなこんなでマソラ達とお昼を済ませ、のんびりしたり、遊んだりして、今は2時近くになるかな
「ルフスお兄ちゃん、遅いねぇ~」
「そうだな」
俺とマソラはシートに座り、寛ぎながらルフスの帰りを待っていた
ルフス曰く『果物などを探してくるので、しばしお待ちを!!』、と言って森に入っていったが………………
既に三十分が過ぎている…………
実力は付いたから心配はいらねえし、もしもの場合に備えて、こっそり俺のところに転移するようにしてるし
だけど、どうしたんだ?
魔力で探知してるが一箇所に随分と長くいるな?
一体、どうしたんだ?
おっ、動き出した
方角的に俺たちのほうに戻ってきてるな
「親方様!! 某に着いてきてくだされ!!
親方様に確認してもらいたい物がございまする!!」
森から出てきたルフスは大声で言いながら森の方を指差しているのを見ながら俺とマソラは思わず、見合い、マソラが背に乗れば俺はルフスの方へ向かった
確認してもらいたいヤツってなんだ?
ルフスに連れられ、森の中を歩くこと、数分…………
それはすぐに現れた
「これは………………」
そこにあったのは奇妙な石の鳥居のだった
いや、遺跡とかで見られる入り口みたいなもんだから、鳥居とは違うな
「ルフス、我に確認を、とは、これのことか?」
「はっ!!
仰るとおりでございまする
この遺跡、些か奇妙な点がございました故、親方様に確認をしていただいとう、お呼びさせていただきました」
「奇妙な点………か…………
言ってみろ」
「はっ!!
まず、この崖、まるで地中からずれて出てきたみたいに綺麗な斜面になっております
それにしてはこの入り口は傷は無く、そもそも地面がズレるなら、それこそ地鳴りが無ければ起きないはず
それがここ最近でもそういった大きな地鳴りがなかった故、おかしいと思った所存」
確かに………………
ルフスの言い分は的を得ている
この崖斜面も亀裂は無く、見るからに新しいものだ
それに地中から出てきたとしたら、少なくとも岩が転がっててもおかしいはずなのに、入り口から覗いても中の通路に岩が落ちてる形跡は無い
確かに奇妙だ
「ぅぅ………………」
「マソラ?」
俺が考えていればマソラが小さく呻いたのを聞き、見ればマソラが頭を押さえていた
「マソラ、どうした?」
「パパ……………、頭、痛い……………」
ブゥゥゥン
「なっ!?」「これは!?」
マソラの体が光ったと思えば光の球体がマソラを包んだ!?
「きゃっ!?パパ!?」
「マソラ!?」
そして突然、マソラが浮けば遺跡に入っていった!?
マソラには離れないよう魔法をかけていたのに、効いてないだと!?
いや!! そんなことは今はどうでもいい!!
「追うぞ!!」
「承知!!」
俺が叫べば、ルフスは俺の背に飛び乗った
それを確認すればすぐさまマソラの後を追いかけた
追いかければ、すぐにマソラには追いついた
だが、あと少しだというのに距離が詰められない!!
くそったれ!!
こっちはバフの【スピード】の魔法をかけて、速さは倍になってんだぞ!?
それなのに追いつけないってどういう事だ!?
ガコン!!
「っ!?」
マソラを追いかけていれば通り過ぎた際に音がして、脇目で後ろを見れば通路の壁が開いて、モンスターが大量に俺達を追いかけて、迫ってきていた
「ちぃ!!
構ってる暇がねぇのに!!」
「【プロミネンスランス】!!」
俺が舌打ちをし、後ろに魔法を放とうとすれば、既にルフスが唱えていて、魔法陣が十個、展開されれば焔の槍がモンスターを貫き続ける
「親方様!!
後ろは某に任されよ!!
親方様はマソラ殿を!!」
「っ、任せた!!」
ルフスに言われ、後ろを任せれば俺は更にスピードを上げ、マソラを追いかけた
ルフスは何度も唱え続け、プロミネンスランスを放ち続けているが、モンスターは減るどころか、少しずつ増えてるようだ
「っ、数が多い!!」
ルフスも歯を食いしばるように全力を込めて、プロミネンスランスを放ち続けている
そんな攻防を繰り広げていると、突然、広い部屋に出た
「なっ、ピラミッド!?」
部屋はかなり広く、何故か明るくて、そして部屋の奥では、大きな三角の建造物があった
それは俺も教科書とかで、見慣れてるからすぐに気付いた
何でピラミッドがここに!?
それに頂点にある、あの光の球体は一体!?
「っ、まさかマソラに共鳴してるのか!?」
あの光の球体、マソラを包んだのと同じだと思ったら、そういうことか!!
と、なればこの遺跡は神が関係しているのか!!
「パパぁぁぁぁ!!」
「マソラぁぁぁぁ!!」
マソラを包んだ光の球体がピラミッドの頂点にある球体に向かって、飛び始めれば、俺は無我夢中で跳び上がり、光の球体を掴んだ
だけど、この光の球体は壊れず、俺ごと、浮かんで行き、球体に迫っていく
「っ、ルフス!!
掴まれぇ!!」
「承知!!」
手を離すわけにはいかないと思い、俺はマソラを包んだ光の球体を抱え込み、庇うようにすればルフスに言い、目を閉じた
そのすぐに俺たちは球体に突入すれば、光が瞬き、部屋を越え、遺跡中に広がり、光が収まる頃にはモンスターは消滅し、部屋に俺たちの姿は無かった
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