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第一学年 第一学期
07 せっかく友達を作ろうと思ったのに、相部屋の相手が意外すぎる。
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デュナミス、桜の三人で何気ない会話を進めていると、ふと今まで散々うるさかったレックスとリリスの取り巻き達の声が止んでいることに気づいた。
どうやらこの進学パーティーはもうお開きのようだ。妖精達が自分の主の元へ帰っていく。
ずっと三人で話していたな。つか、デュナミスも俺達と一緒にいるだけでよかったんだか。
この後は一体どうするんだろう。授業は明日かららしいし、寮に帰るのか?
「お開きか。君は男子寮に、私とサクラは女子寮に帰らねばな。一年ごとに部屋割りは変わる。先生達がパーティの間に私達の荷物を決まった部屋に運んでくれているはずだから、寮につけば誰と相部屋か分かるぞ」
「相部屋なんだ! じゃあ私、デュナミスとがいいな! この学校で初めての友達だもん!」
「と……っ!?」
デュナミスの頬が真っ赤に染まる。一瞬、こいつの背景に百合の花が咲いたような気がするんだが……気のせいか、うん。そういうことにしよう。
デュナミスは桜の言葉にもじもじしながら両手の人差し指をツンツン突き合っている。
「わ、私も……私でよければ、ぜひ、サクラと、一緒だといいな……」
「部屋が違っても遊びに行くよ。じゃあ蓮、女子寮は反対方向みたいだから。バイバーイ」
「だ、大丈夫なのか桜。くれぐれも相手に迷惑かけるんじゃないぞ。寝ぼけて全裸になったりパンツを頭にかぶったり、相手のベッドに潜って抱き付くんじゃないぞ! あと、それと……」
「もう! 蓮の馬鹿! 私だってもう十五歳だよ! それくらい分かってるって!」
いやいやいや、どの口が言うんだお前!? あー、いざ離れる事になったら分かるけど、俺はこいつを少々甘やかしすぎたかもしれん。相部屋の相手が分かったら菓子折りでも用意するか……。
とりあえず桜をデュナミスに任せて、俺は自分が過ごす男子寮へと向かう。男子寮でも俺は随分と浮いていた。うう、これじゃしばらくは友達が出来そうにないな。「田舎者」とか「小汚いやつ」とか悪口聞こえてるっつーの。
……せめて、相部屋のやつだけでも仲良くなっとかないと桜に馬鹿にされそうだ。
現代社会にいたら絶対「ゴリラ」とあだ名をつけてられそうなほどの筋肉質な男の先生に部屋の番号を教えてもらい、恐る恐るその部屋に向かう。男子寮は流石貴族様のお子さんを預かっているだけあり、高級ホテル並みの清潔感と特別感がプンプン漂っている。
と、俺は思わず足を止めてしまう。正面からメイドさんが歩いてきたのだ。初めて見るメイド服を凝視していると、メイドさんは俺を見るなりにっこり微笑んで「御用があればなんなりと」と言い残し俺を通り過ぎていった。……なんか、くすぐったいな。こんなのが続くなんて、気が重い。
ようやくこれから俺が過ごす部屋にたどり着いた。そんなに距離はないはずなのに、凄く遠かった気がする。
ノックをすれば、「入れ」という声が聞こえた。う、この偉そうな感じからして、きっと相部屋の相手は貴族だよな。同じ庶民生まれのやつがよかったんだが……いや、仕方ないことか。
俺は勢いよくドアを開ける。そして──
「──貴様が、余の相部屋の者か」
「……。……はぁっ????」
俺の部屋にいたのはなんと──桜の想い人であり、メイン攻略対象キャラ──レックス・ブルー・アドラシオンだった。
──えっ? そういうのありなんです??
***
次は桜視点のお話です(多分)。
桜視点のエピソード、蓮視点のエピソードが交互に繰り返される形になります。
どうやらこの進学パーティーはもうお開きのようだ。妖精達が自分の主の元へ帰っていく。
ずっと三人で話していたな。つか、デュナミスも俺達と一緒にいるだけでよかったんだか。
この後は一体どうするんだろう。授業は明日かららしいし、寮に帰るのか?
「お開きか。君は男子寮に、私とサクラは女子寮に帰らねばな。一年ごとに部屋割りは変わる。先生達がパーティの間に私達の荷物を決まった部屋に運んでくれているはずだから、寮につけば誰と相部屋か分かるぞ」
「相部屋なんだ! じゃあ私、デュナミスとがいいな! この学校で初めての友達だもん!」
「と……っ!?」
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デュナミスは桜の言葉にもじもじしながら両手の人差し指をツンツン突き合っている。
「わ、私も……私でよければ、ぜひ、サクラと、一緒だといいな……」
「部屋が違っても遊びに行くよ。じゃあ蓮、女子寮は反対方向みたいだから。バイバーイ」
「だ、大丈夫なのか桜。くれぐれも相手に迷惑かけるんじゃないぞ。寝ぼけて全裸になったりパンツを頭にかぶったり、相手のベッドに潜って抱き付くんじゃないぞ! あと、それと……」
「もう! 蓮の馬鹿! 私だってもう十五歳だよ! それくらい分かってるって!」
いやいやいや、どの口が言うんだお前!? あー、いざ離れる事になったら分かるけど、俺はこいつを少々甘やかしすぎたかもしれん。相部屋の相手が分かったら菓子折りでも用意するか……。
とりあえず桜をデュナミスに任せて、俺は自分が過ごす男子寮へと向かう。男子寮でも俺は随分と浮いていた。うう、これじゃしばらくは友達が出来そうにないな。「田舎者」とか「小汚いやつ」とか悪口聞こえてるっつーの。
……せめて、相部屋のやつだけでも仲良くなっとかないと桜に馬鹿にされそうだ。
現代社会にいたら絶対「ゴリラ」とあだ名をつけてられそうなほどの筋肉質な男の先生に部屋の番号を教えてもらい、恐る恐るその部屋に向かう。男子寮は流石貴族様のお子さんを預かっているだけあり、高級ホテル並みの清潔感と特別感がプンプン漂っている。
と、俺は思わず足を止めてしまう。正面からメイドさんが歩いてきたのだ。初めて見るメイド服を凝視していると、メイドさんは俺を見るなりにっこり微笑んで「御用があればなんなりと」と言い残し俺を通り過ぎていった。……なんか、くすぐったいな。こんなのが続くなんて、気が重い。
ようやくこれから俺が過ごす部屋にたどり着いた。そんなに距離はないはずなのに、凄く遠かった気がする。
ノックをすれば、「入れ」という声が聞こえた。う、この偉そうな感じからして、きっと相部屋の相手は貴族だよな。同じ庶民生まれのやつがよかったんだが……いや、仕方ないことか。
俺は勢いよくドアを開ける。そして──
「──貴様が、余の相部屋の者か」
「……。……はぁっ????」
俺の部屋にいたのはなんと──桜の想い人であり、メイン攻略対象キャラ──レックス・ブルー・アドラシオンだった。
──えっ? そういうのありなんです??
***
次は桜視点のお話です(多分)。
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