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おまけ

ハッピー♡ウェディング 後*

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 ザガンの言葉に促されるまま、ショーツを見てみる。揉んでいるうちに勃起したペニスが、ショーツを押し上げている現在。下とわざわざ言うくらいだから、何かあるんだよね?

「ザガン。この可愛いショーツ、脱がしても良い?」

 聞いてみると、恥ずかしそうに目線を逸らしながらも頷いてくれたので、さっそく左右の紐を解いてみる。すると、現れたのは。

「えっと……もしかしてこれ、ザガンが自分で……?」

 首に巻かれているのと似たリボンが、ペニスの根元にもあった。でも首のと違うのは、縫目とか刺繍が、あまり上手じゃないこと。明らかに手作りだし、こんなところに巻くリボンを、ザガンが誰かに頼むはずがない。つまり作ったのは、本人だと考えられる。

 は? 可愛すぎるんだけど? 俺のザガンがひたすら可愛いんだけど?

 あまりにも驚いてしまい言葉が続かず、ただただリボンを巻いているペニスを見つめてしまう。すると羞恥に耐えかねたのか、ザガンはポツポツ弁明し始めた。

「……せっかくの結婚初夜だから、少しくらい俺も何かしたかったんだ。これくらいのサイズなら、頑張れば作れそうだったし……その、リュカが喜んでくれるんじゃないかと。だからノエルに教わった。もちろん、どこに付けるかまでは言っていない」

 ううっ、本当にザガンが可愛い。俺が喜ぶかもしれないからって、自分からエッチな格好しちゃうザガンが、可愛すぎて尊い。あまりにも可愛くて、心臓が壊れちゃいそう。……って、悶えている場合ではない。早くザガンを安心させてあげないと。

 いつの間にか顔を覆っていた、その両手を下ろしたら、悶え終えるのを待ってくれていたザガンにニコリと微笑む。

「こんなエッチで可愛いお嫁さんを迎えられて、最高に嬉しいよ。この可愛いおちんちん、舐めても良いかな?」
「……、…………ん」

 恥ずかしいのかちょっと逡巡したけど、結局頷いてくれるザガンがホント可愛い。ちゅっと額にキスすれば、頬を赤らめながらも視線を合わせてくれるのも可愛い。閉じていた唇をちょっぴり開いて、キスを期待するように見つめてくる艶やかな眼差しが、愛しくて堪らない。

 愛する伴侶の望むまま唇を塞いで、舌先を触れ合わせた。そのまま根元まで舐めるように動かせば、ふるりと小さく震えるのが伝わってきた。甘くしっとりした感覚が気持ち良いし、ザガンも頑張って応えようとしてくれるから、何度も舌を絡めてしまう。

「ふ……、んふ……ふぁ? ん……あ、リュカ、そこは、まだ早い」
「あ、ごめんね。いつものくせで、つい触っちゃってた」

 口付けに夢中になりながらも、無意識のうちにお尻を撫でていただけでなく、アナルに指を入れようとしていた。いつもだったら止められないんだけど、今夜は先におちんちんを舐めてほしいみたいだ。

 そうだよね、頑張って用意したんだし今夜限りの花嫁衣裳なんだから、もっとゆっくり時間をかけて堪能してほしいよね。

 謝罪を込めて頬にキスしたら、身体を起こしてザガンをお姫様抱っこした。ベッド端にいて足が床に付いていたので、中央へ移動させる。クッションに頭が乗るよう下ろすと、ザガンは俺が舐めやすいように股を開いた。
 きっとザガンも無意識なんだろうな。いつもそうしてるから、行動が染み付いてるんだ。

 舐めてほしいと、目で、全身で、訴えてくる。そんな可愛いザガンの股の間に身体を置いて、太腿を抱えたら、ちゅっと先端にキスをした。それからゆっくり、口に含んでいく。

「ん……ぁ、リュカ……は、……ん」

 咥内に包まれるだけでも気持ち良いみたいで、足がもぞもぞ動いた。おちんちんもプルプル震えて可愛いし、溢れてくる蜜がとても美味しい。咥えただけでイきそうになっているのは、エッチな姿をしていることに興奮しているからだろう。そんなところも可愛い。

 竿を舐め上げて、先端の穴を舌先で抉るように弄る。するとザガンの腰が何度か跳ねた。

「ふぁっ、……ぁ、も……っ、あ、あ」
「ん……我慢せずに、出して?」

 そう促したのだけど、気持ち良さそうに悶えているにもかかわらず、首を横に振ってくる。さすがに早いと思っているのかもしれない。でも我慢は良くないよね。ということで根元に巻かれているリボンのところまで含んで、ちゅううぅと強く吸うと、ザガンは大きく腰を震わせながら呆気無く射精した。

「――……ッ、は……ぁ、……あう、う……」

 ビクビクと腰を揺らし、気持ち良さそうに余韻に浸っている姿を見つめながら、出された精液を飲む。ゴクリと喉が鳴るのが聞こえたのか、俺を見てくるザガン。じっと見つめてくる赤い双眸から、拗ねているのが伝わってくる。

「ふふ、もうイっちゃったね。ザガン可愛い。おちんちんも、リボンが濡れちゃうくらいトロトロ零してて、すごく可愛いよ」

 あえて早かったことを指摘して、でもザガンが求めていただろうペニスへの感想も告げると、無言で視線を反らした。文句を言いたいけれど嬉しさもある、そんなふうに葛藤している様子も、とても可愛い。

 ちゅ、ちゅっと、おちんちんにキスしながら自分の勃起しているペニスに触れて、先走りを掬う。それをザガンのアナルにその指を持っていったら、今度は止められることなく、指を中に入れられた。解しながら前立腺を押せば、そのたび気持ち良さそうに腰をくねらせる。

「ぁ、あ……ん、ふぁ、……リュカ……ぁ、ん」

 おちんちんは咥えられなくなっちゃったけど、リボンを巻いたそれが揺れるだけでも目の保養になるし、興奮する。ああ、股間が痛くなってきた。早く愛しいザガンの、この柔らかな胎内に包まれたい。

「はぁ、ザガン。そろそろ君の中に入りたい。……良いよね?」
「ん……リュカ、少し、待て……」

 バスローブを脱いだあと、彼の足を抱えようとしたところで、また制止されてしまった。でも素直に待っていると、ザガンは上体を起こして、クッションをポンポン叩いてくる。やっぱり最初は、上に乗りたいらしい。あとからだと、感じすぎて動けなくなっちゃうから。

 俺を気持ち良くしようとしてくれる心意気に愛しさが募り、でも指摘せずクッションに寄りかかれば、ザガンはすぐに跨ってきた。そして右手で俺の肩を掴むと、左手でペニスに触れてくる。指で触れられただけでも気持ち良くて、ほぅと吐息が漏れていく。

 ペニスを支えられた状態で腰を落とされたことで、先端がきちんとアナルの縁に嵌まったし、そのまま胎内に飲み込まれていった。ヌルヌルした柔らかな感触や温もりが気持ち良く、根本まで包まれてきゅっと締められるのも、とても気持ち良い。

 何より繋がったことで、ザガンからたくさんの愛が伝わってくる。幸せや、喜びが伝わってくる。

「あ、ん……リュカ、リュカ……俺のものだ。俺のリュカ」

 全部胎内に受け入れ終わると、熱い吐息を零しながらも俺の頭を抱えて、頬を摺り寄せてきた。書類上ではとっくに夫夫だけど、大勢の人達に結婚したことを祝福されたのが、すごく嬉しかったみたいだ。感情が溢れるまま額や頬にたくさんキスしてくるザガンが、ホント可愛い。

「ふふ、ザガンも、俺だけのものだよ。俺だけのザガン」
「ん……ふぁ、あ……リュカ、ん、ん……リュカ、好きだ、大好き」

 ゆるゆる腰を揺らして、自分から胎内を刺激し始めた。括約筋がひくひく収縮してるし、腸壁も蠢いてペニスをしゃぶってくる。きゅ、きゅ、と断絶的に締め付けてくるのが、たまらなく気持ち良い。それに花嫁姿で腰を振ってくれる姿や、動きに合わせて揺れるおちんちんが本当に可愛くて、見ているだけでも興奮してイきそうだ。

 ところで背徳感まで湧いてくるのは、美しいヴェールのせいだろうか。神聖さを感じるものを被っているのに、ザガンの表情が蕩けているから。すでに眼球にハートが浮かんでいて、快楽に酔いしれているのがわかる。

「ぁん、ん……リュカ、きもち、いいか……? ん、ん」
「ん、最高に良いよ……はぁ、早くザガンのエッチなお尻に、種付けしたい」
「あ……♡、あ……ふぁ、あ……ん――……ッ」

 種付けという言葉に感じたみたいで、きゅううっと強く胎内を締め付けてくるし、身体を大きく震わせた。もしかしたら軽くイったのかもしれない。ビクビク震えるのが、止まらないから。

「可愛い、ザガン。もう我慢出来無い。は……つらかったら、言ってね」

 そう断りを入れて、ザガンの腰を掴んだ。汗でズレないよう触手も絡ませつつ、ペニスが半分ほど出るくらい持ち上げたら、落として奥まで一気に抉る。

「ひあっ、あ……あんっ、ん、……あっ♡」
「は……、っ……イイ、……ッ」

 落とすたびにペニスを搾られるし、結腸にクポッと先端が嵌まるのも気持ち良い。しかも絡み付いてくる闇の魔力に早く出せと言わんばかりに嬲られるから、根元まで包まれた直後、たまらず股間が震える。

「ッ……あ、出る、ん、――……ッ!」
「ふぁ、リュカの……あ、あ……ッ♡、……♡」

 溜まっていた熱が盛大に弾けて、ザガンの奥に勢いよく射精した。その感覚でザガンもイったみたいで、ガクガクと身体を震わせる。

「……ぁ、あん……、リュカの魔力が、あ……ふぁ、あ……♡」
「っ……は、はぁ……、ん……ザガン」

 彼が後ろに倒れてしまわないよう支えながらも、射精の解放感に浸った。ドプドプ出ていくたび燻っていた熱が落ち着いていき、汗ばんでいるのすら心地良く感じられる。

 はぁ、とても気持ち良かった。ザガンの胎内は今日も最高だったし、俺の精液がお腹に溜まっていると思うだけでも、心が幸福で満たされる。ザガンはどうかな。気持ち良かったかな? 今もきゅうきゅう蠢いて、刺激してくるけれど。おかげで萎えかけていたペニスが、すぐに勃起した。

「ふぁ、あ……リュカの、もっと、もっとくれ……ぁん、ん」

 はあああぁ可愛い。まだまだ足りないと、腰を揺らしながら幸せそうに自分の下腹部を撫でるザガンが、すごくエッチで可愛い! 涙の滲んだ双眸も相変わらずトロンと蕩けているし、涎まで垂れちゃってるし。あまりの可愛さに抱き寄せて頬にキスすれば、緩く首に腕を回してきたので、繋がったままザガンの身体をそっと後ろに倒した。

 騎乗位から正常位になると、じっと俺を見つめてくるザガンの汗ばんだ頭をすいて、額にもちゅっとキスをする。それからゆっくり腰を引いた。そして先程中出しした精液を腸壁に塗り込めるようにゆっくり結腸まで侵入したら、小刻みに動いてカリで結腸弁を刺激する。

「ぁ、ん……ん、はぁ……ん、あん……♡」

 気持ち良さそうな声を聞いているだけで快感が高まっていくし、自分の快楽を追いながらも俺を確認してくるザガンが愛しくて、胸も高まる。

「気持ち良いよ。ザガンに包まれるのホント気持ち良いし、すっごく幸せ。ふふ、ザガン大好き、愛してる」

 いくらでも言葉にして伝えよう。俺がどれだけ君を愛しているか、君がいないと生きていけないかを。

 君が俺を、螺旋の絶望から救ってくれた。俺を未来へと進ませてくれた。これからは何事もなく時を刻んでいけるのだろうけど、それでも君が傍にいてくれないと、俺の心はきっと壊れてしまう。君を抱き締めていないと、苦しくて死にそうになる。

 でも逆に、こうして君と繋がっていると、涙が溢れそうになるくらい幸せになるんだ。君が愛しくて堪らない。

「ん……俺も、幸せだ。リュカ、愛している」

 ザガンがフッと笑顔を見せてくれた。すごく綺麗で、つい見惚れてしまう。しかも首に回している腕に力を入れられ、引き寄せられた。そのまま身を任せれば、ザガンに引き寄せられる形でキスをする。柔らかな唇が気持ち良く、けれど触れているだけなのが勿体無くて。ザガンもそう思っていたのか唇を開くから、深く合わせて舌を絡めた。

「ん、ん……んむ……、ふ……ぁふ」
「ふ……ザガン、……ん、ん……」

 キスしながらも、再び腰を動かして胎内を刺激していく。ザガンから舌を動かしてくれるし、腰まで揺らしてくる。今夜はすごく積極的で、与えられる快感に翻弄されちゃいそうだ。そうされるのも嬉しいし、ザガンからも喜びが伝わってくるから、望むままにその身体を貪っていく。

 ゆったり動かしていた腰を引いて、ズプッと勢いよく抉り、結腸奥まで埋め込んで。突然激しく動かしたからか、下にあるザガンの身体がビクビクと大きく震える。

 より感じてくれるように、カリで前立腺を掻きながら何度も奥を穿った。そのたび断絶的に胎内が狭まり、ペニス全体を刺激されて、快感が全身へと駆け巡っていく。

「あ、あっ……んんっ、リュカ、ふぁ、……あ、あうっ、……ッ」
「はっ……、あ、ん……ザガン、は、あ」

 果てそうになりながらも腸壁を擦り、根元まで埋め込んだ。激しく蠢いて絡み付いてくる胎内の気持ち良さに持っていかれそうになり、でも出そうになるのを我慢するのもとても気持ち良くて、迷ってしまう。そろそろイきたい、だけど、ザガンは?

 額から流れる汗を拭い、瞑っていた目を開けると、ザガンも目を閉じて気持ち良さそうに喘いでいた。俺の動きが緩やかになったのに気付いたのか、薄っすら瞼を開いてくる。そして視線が合うと、ギュッと抱き締めて、胎内もきゅうううと搾ってきた。反射的に結腸奥まで抉ってから、ぐるりと腰を回す。

「ふぁ、ん、んん――……ッ♡!」
「はっ……ッ、うっ……ん、――……!」

 ビクビク腰が震える。ドクドクと精液が溢れ出ていく。気持ち良い、気持ち良い。我慢していた快感が弾ける瞬間も、溜まっていたものが出て軽くなっていく感覚も、本当に気持ち良い。あぁ、まだ締め付けてきてる。全部絞られそうな勢いにふるりと震えるし、ちょっと残っていたのも完全に出てカラッポになった。

 少しして呼吸が落ち着いてきたら、萎えたペニスをゆっくり抜いて、涙の零れている眦に唇を寄せる。濡れている頬や、汗ばんでいる額にも。ザガンはふぅふぅ呼吸を繰り返して、どうにか余韻を逃がそうとしているみたいだ。でも快感に浸りすぎていたせいなのか、まだ小刻みに身体が震えているし、頬も紅潮している。

「ザガン、最高に気持ち良かったよ。俺だけのザガン」

 頭を撫でると、掌に頭を押し付けてくるのが可愛い。ぽわぽわと、魔力の小さなハートが周囲に飛んでいるのも、とても可愛い。

 ザガンの黒髪をすきながら待っていると、ようやく落ち着いたらしく、俺を見上げてくる。

「ん……リュカの精液で、中いっぱいに、なった……」
「ふふ、そうだね。赤ちゃん出来ちゃうかもしれないね」

 俺の精液でいっぱいになり、ぽっこりしている下腹部を掌で覆えば、ザガンはその上に手を置いてきて、うっとりと目を細めた。俺の魔力に浸ってぽわぽわしてるのが可愛いし、とても幸せそうだ。

 そんなザガンを抱き締めると、ちょっと間を置いてから、腕の中でもぞもぞ動いた。胸元に頬を押し付けてきて、でも抱かれ心地に違和感があるのか、また動く。様子を見守っていると、困ったように俺を見上げてきた。

「……リュカ。そろそろこれ、脱いで良いか? 少々汚れてしまったし」

 なるほど、素肌で触れ合えていないのが違和感の原因だったんだね。今夜限りのウェディングドレスだから、脱がれるのは勿体無いと感じる。けれど素肌で抱き合う気持ち良さは格別なものだし、愛しのザガンが俺を望んでくれているのに、断るはずがない。

「もちろん良いよ。脱いで、身体も綺麗にしようか」
「ん」

 クッションの角度を整えたら、ザガンの上体をそっと起こして抱き上げて、クッションに寄りかからせた。頭に付いているヴェールを外すのを手伝い、首のリボンを解いて、整えつつすぐ傍にあるソファに置く。ベッド上に放置していたままだったショーツも。その間にザガンがドレスを脱いだので、それもソファの背凭れに掛けた。

 最後に、おちんちんのリボンを外す。可愛いから出来れば付けていてほしいけど、ザガン自身の精液でビショビショになっていて不快感があるだろうから、俺の願望は押し込めておく。ただこういうところを俺に任せてくれるあたり、ザガンは俺のことをよくわかってくれてるし、愛されてると感じるんだ。

 装飾が無くなっても可愛いおちんちんに軽くキスして、リボンをサイドテーブルに置いたら、ベッドから立ち上がった。

「濡れタオル持ってくるから、待っててね」

 頷くザガンに微笑んで、脱衣所に入る。生活魔法だとお腹に飛んでいる精液までは綺麗に出来無いし、ベタベタ感も残っちゃうから、スッキリするにはきちんと拭いた方が良い。

 お湯で搾ったタオルを持って部屋に戻り、眠たそうに目を瞬かせているザガンの腹や股を拭いていく。彼が動くとせっかく奥まで中出しした精液が出てしまうので、動かないよう頼んだのはいつだったか。こうして後始末のお世話する時間も幸せだ。

「ザガン、終わったよ。まだ拭いてほしいところ、ある?」
「ん……大丈夫だ。感謝する、リュカ」

 お礼を言ってくれるザガンが可愛くて、つい頬にキスしちゃう。自分の身体もサッと拭いたら、タオルもサイドテーブルに避難させておいた。明日から数日間は休みなので、片付けるのは起きてからで良いだろう。

 照明を消したらベッドに戻り、いくつか光を灯して、ザガンと一緒に布団に入った。全裸になった身体を抱き締めると、ザガンからも擦り寄ってくれる。密着した素肌の心地良さにほぅと吐息が漏れるし、愛しい人の温もりを閉じ込めている多幸感で、心がいっぱいに満たされる。

「リュカ、リュカ……」
「ふふ、ザガン、大好きだよザガン」

 すりすりと懐に頬を押し付けてくる、その頭にキスをして、くっ付けたまま鼻で大きく息を吸う。はぁ、ザガンの匂いだ。ザガン、ザガン。

 愛しさに任せてザガンの匂いを嗅いでいると、いつの間にかザガンが動かなくなっていたし、すぅすぅと微かな寝息が聞こえてきた。

 いつもより寝るのが早いけど、それだけ疲れていたのかな。結婚式の準備も大変だったし、この2日間でたくさんの人と接したから。
 日常から人と接する立場にいる俺でも疲れたので、ザガンはもっと大変だっただろう。でも疲れたと弱音を吐かないのが、ザガンらしい。

 明日どう過ごすか決めてなかったから、相談したかったんだけど。でもきっと、屋敷でのんびり過ごすことになるんだろうな。

 朝起きたらここで朝食を取り、ザガンに見守られながら汚れちゃったドレスやリボンを洗濯して。中庭に干したら、そのまま屋敷回りを散歩して、お昼は中庭のガゼボで取ろうか。綺麗に整えられている花に囲まれながらの食事は、いつもと違った美味しさがあるだろうな。

 午後になったら、ベッドでたくさんイチャイチャしたい。エッチまでしなくても、ザガンと素肌でくっ付いているだけで幸せだもの。

 ふふ、明日もとても楽しみだなぁ。ザガンが傍にいてくれるだけで、毎日が幸せでいっぱいだ。


 ...end.

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