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76話 決戦前夜*
しおりを挟む身体を起こしつつ、頷く。
「証明することが不可能、あるいはとても難しいことを、比喩した言葉だ。実際にあるものを、あると証明することは出来る。だがまだ誰も見たことがないものを、無いとは言い切れない。もしかしたら、どこかに存在しているかもしれないから」
「ああ、それなら聞いたことあるよ。消極的事実の証明だったかな」
また頷く。もしかしたら前世と違い、悪魔は実在しているので比喩に使われていないかもしれないが、それはさて置き。
「だから俺は、この瞬間が絶対に夢ではないと……現実だと、完璧に証明することは出来無い。もちろんリュカに触れれば、今のように温もりを感じられる。俺の心臓は常に動いていて、24年間絶えることなく時を刻んできている。それでももしかしたら、とてもリアルな夢を見続けているだけかもしれない」
俺は知っている、ここがエロゲーに酷似していることを。そして何度も確認した。この世界がデータなのか、それともデータでは表現しきれないほど膨大な情報がある、現実なのかと。
視界に映るもの全てが細部まで表現されていて、きちんと触れられる。料理を出されれば美味そうな匂いがするし、外に出れば、頬を撫でていく風の冷たさを感じる。怪我をすれば痛みに襲われ、赤い血が流れていく。書物の1冊1冊すみずみまで文字が書かれ、様々な内容が記載されている。街行く人々全員に意思があり、おのおの違う行動を取っている。
しかしそれらが、膨大な情報データによるものだとしたら? いつの間にか人工知能がとんでもない進化を遂げ、電脳世界がリアル以上に発展していたとしたら? 俺はまだ地球でギリギリ生きていて、電脳世界に繋がれて夢を見続けているかもしれない。そんな想像も、絶対にありえないとは言えないのだ。
まぁ逆に、地球で生きていた記憶が、偽りの可能性もあるけれども。前世ではなく、世界に創られたイメージを植え付けられている可能性。地球という名の惑星は、本当に存在していたのか否か。現在この世界で生きている俺に、それを証明することは不可能である。
ちなみに地球が存在していなかったとしたら、俺は世界に創られた魂かもしれない。『リュミエール』をかなり覚えているのも、大好きなエロゲーだったからではなく、世界の破滅を防ぐのに必要なものとして刻まれているから。そうして元の俺を守るように、俺で覆っているのかもしれない。
さて、どれが真実なのか。可能性はいくつもあり、こうして仮説を立ててみるのは面白い。ただどれだけ思考を巡らせようと、立証されることは無いし、正直瑣末なことである。
たとえ俺というものが世界によって創られていたとしても、俺の魂も意思も確かにここに存在し、俺を囲っているのだから。そして、この心が訴えている。
何が真実であろうと、ここは夢幻ではなく――現実だと。
「夢か現実か、真実を知る術は無い。答えは見つからない。なればこそ、自分自身を信じれば良い。俺は言い切るぞ? ここは現実だと。リュカが愛しいという感情は、絶対に夢ではないと」
「ザガン……」
泣きそうに顔を歪めているリュカの手を、ぎゅっと握る。この温もりが……リュカから伝わってくる愛が、夢なんてありえない。俺を映している碧眼の美しさが、偽物なんて絶対にありえない。
「それでも不安なら、俺を信じろ。何度繰り返していようとも、俺が必ず連れていく。その先の、未来へと」
女神リュヌを救い、神ソレイユを説得した暁には、悪夢も見なくなるはずだ。
俺の言葉に、リュカは涙を滲ませながらも頷いた。それから腕を引かれ、きつく抱き締められる。肩口に、顔を埋められる。
「うん、連れていって。……俺を、君と一緒にいる、未来へ」
涙声だったし、鼻も啜っている。泣いてしまうほど不安だったのか。しかも何度も夢に見ているとなると、かなり前から抱えていたのだろう。なのに最近まで気付かなかったなんて、不甲斐なさで胸が張り裂けそうになる。リュカを守りたいのに、全然守れていないではないか。
「大丈夫だリュカ、俺が傍にいる。ずっとお前の傍にいる。だから大丈夫だ」
せめて泣き止んでくれるようにと、頭を撫でながら、てっぺんにキスをする。ちゅ、ちゅっと、不安が消えてくれるよう祈りながら、何度もキスをする。
しばらくそうしていると、リュカからふふっと笑みが聞こえてきた。顔を覗き込めば、しっかり見返してくる。
「君のあまりの強さに心が震えて、涙が出ちゃった。心配かけてごめんね。慰めてくれて、ありがとう」
眦や頬をほんのり赤く染めながら、照れくさそうに微笑むリュカがとても可愛い。胸がきゅんとときめいて、コクコク頷くしか出来無かった。そんな俺に、愛おしそうに頬を擦り寄せてくるリュカ。
「ああ本当、ザガンは強くて格好良いなぁ。そのうえあんまりにも綺麗だから、何度でも惚れ直しちゃう。大好きだよザガン。心から愛してる」
「……ん。俺も、リュカを愛している」
返答すれば、嬉しそうに頬にキスされた。いつものリュカに戻ってくれて、ホッとする。
額や眦にも触れてくる唇を受け止めていると、唇にもキスされた。すぐに離れてしまったけれど、じっと見つめると視線を合わせてきたので、すぐに目を瞑る。
「ザガン可愛い」
息が掛かるほど近くで囁かれ、くすぐったさに震えた直後、再びキスされた。ゆっくり啄ばまれ、また離れていく。可愛いと言われ、またキスされて、また可愛いと囁かれてから、ちゅっと唇を吸われる。
柔らかなキスと包まれるような愛に、心は蕩けるけれど、少々刺激が足りない。だから離れないよう頭部を手で抑えてから、ぺろりとリュカの唇を舐めた。するとふふっと嬉しそうに笑われたあと、舌先を舐め返され、深く口付けられた。
キスを堪能したあとは、乳首を舐められながら、アナルに指を入れられ弄られる。乳首を舌で転がされ吸われるのも、前立腺をクンクン押されるのも、とても気持ち良い。
「あ……ぁん……リュカ、……あ」
指2本で掻き混ぜるように動かされると、括約筋まで刺激されるから、どうしても感じてきゅっと指を締め付けてしまう。そのたび微笑んでいるリュカから、愛しさが溢れてくる。
「ザガン、気持ち良いね」
「ん、気持ち良い……ふぁ、あ」
素直に頷くと、前立腺を強く押された。ぶわぶわっと快感が腰全体に広がり、背筋が反れるほど戦慄く。
俺もリュカに触れて気持ち良くしたいが、位置的に、震える手で彼の頭を撫でるだけ。されるだけなのは情けないが、以前そう告げたところ、愛撫を素直に受け入れて感じてくれるだけで心が満たされるし、すごく興奮すると返された。
リュカが喜んでくれると俺も嬉しいので、それからはなるべく気にしないよう努めている。髪を梳くだけでも、気持ち良さそうに目を細めるし。
その表情がとても幸せそうで、愛しさで胸がいっぱいになり、頭に何度もキスした。するとリュカは、ふふっと笑みを零したあと、胎内からゆっくり指を抜く。
「ん、リュカ、リュカ」
「うんうん、すぐに俺をあげるからね」
「あ…………その」
「うん?」
リュカの言葉に難色を示すと、優しく微笑んだまま首を傾げてきた。以前よりセックスに対する羞恥は薄れてきているものの、それでもこれを告げようと思うと恥ずかしい。だがどうしても心が望んでいるので、恐る恐る伝えてみる。
「先に、後ろを舐めてほしい。……駄目か?」
リュカにアナルを舐められると、羞恥は感じるものの、それ以上に心が満たされるのだ。排泄する場所さえも舌で触れてくれるなんて、愛していないと難しいと思うから。まぁ生活魔法で清潔にしているので、もしかしたら俺が考えているより簡単かもしれないが、それでも俺はリュカのものだと主張してもらえているようで、幸せになる。
じっとリュカを見つめていると、照れてしまい熱くなっている頬に、ちゅっとキスされた。そして囁いてくる。
「もちろん良いよ。むしろザガンのエッチで可愛いお尻、俺にたくさん舐めさせて?」
コクコク頷いた。変態ぽいことを頼んだのに揶揄せず受け入れてくれ、しかも上乗せして願いを返してくるのだから、リュカは本当に優しい。
きっと俺は、この優しくあたたかく包み込んでくる愛に、惚れたのだろう。大好きだと、愛していると言葉を惜しみなく注いでくれ、あちこちキスして抱き締めてくれる。独りで生きていた俺にとって、その愛がどれほど沁みたか。
リュカが身体を起こしたので、うつ伏せになって腹の下にクッションを入れてから、アナルが見えるよう片手で尻を広げる。するとリュカはその手を取り、甲にキスしてきた。
「ありがとうザガン。いっぱい可愛がるからね」
優しく微笑まれたあと、尻に顔を埋められ、アナルにちゅっとキスされる。それだけで気持ち良くてヒクリと収縮し、ほぅと吐息が漏れた。膨れている縁を舐められると、リュカの唾液から魔力を感じて、さらに感じる。
「ん。ザガンのお尻、最初は慎ましく閉ざされていたのに、今ではぷっくり膨らんでパクパク甘噛みするようになったね。ふふ、もっと欲しいって催促してくれるの、すごく嬉しいなぁ」
「…………ん」
リュカと毎晩セックスしていても、アナルをじっくり観察されるのはいまだに恥ずかしいし、簡単に慣れるものでもないだろう。でもリュカが喜んでくれると、俺も嬉しい。
だからもう少しだけ腰を上げると、ザガン可愛い、と聞こえてきた。それからすぐに舌が入ってくる。くにくに動かされて括約筋を刺激され、甘く痺れるような快感に身体が震える。気持ち良い。リュカに舐められるの、すごく気持ち良い。リュカ、リュカ好きだ、大好き。
「ふぁ、ん……リュカ……好き。好き」
想いを言葉にすると、入れられている舌から、喉の震えが感じられた。それから歓喜も。リュカから伝わってくる感情に、胸があたたかくなる。
ゆっくり胎内を舐められ、舌を抜かれてちゅうと吸われて、また入れられて柔らかく刺激される。
そんな緩やかな快感を堪能していると、だんだん奥が切なくなってきた。リュカの熱くて大きいペニスが、欲しくなってくる。
「ん……リュカ、もっと奥に……その、ほしい」
自分から舐めてほしいと願いながら、ペニスまで俺のタイミングで強請るのは我儘かと思ったが、リュカはすぐに舌を抜いてくれた。
その感覚に震えている間にも尻を掴まれ、左右に開かれて、収縮しているアナルにペニスを宛がわれる。胎内を割りながらズプズプズプゥと奥まで埋められ、一気に駆け上がっていく快感に、背中が大きく撓った。
「ああぁっ♡、……あ、あん……んんぅ」
「はっ、ザガン、すごく、締め付けられて……んん、んッ」
「あ、あ……? ふぁ……ん、ん――……♡」
奥で熱が弾けている。いきなり射精されている。リュカの魔力が全身へと巡っていき、光に侵食されていく。
呼応するように、俺もイっていた。射精しないまま、腰から脳天へと駆け抜けていく快楽に、ビクビク震えが止まらない。とてつもなく気持ち良い。
「あぁ、あ…………ん。……ふぁ、リュカ……♡」
少しして大きな波が落ち着いてくると、リュカが背中に覆い被さってきた。その重みや温もりに、愛しさが募る。
だがどうしたのだろう、リュカは俺のうなじに額を押し付けると、ううぅと呻いた。
「ごめんねザガン。耐えられなくて、入れた途端に出しちゃった。あぁ格好悪い……」
情けない声だし、だいぶ落ち込んでいるようだ。別にすぐ射精するくらい、問題無いと思うが。胎内に埋まったまま、萎えてもいないし。
むしろだいぶ我慢させていたのではないか? そういえば指を抜かれた直後、すぐにあげるからと言われた。つまりその時点で勃起していたわけで。なのに俺は舐めてほしいからと、自分の願望を優先してしまった。
「ん、ぁ……リュカ。我慢させて、すまない」
「……もうホント、格好悪い……」
謝罪したら、さらに落ち込まれた。どうやらリュカとしては、我慢していたことに気付かれないまま、悠然とした態度で抱きたかったようだ。それが格好良いかどうかはいまいちわからないし、俺としてはすぐにイくほど感じてくれて、とても嬉しいのだが。
胎内に埋まっているペニスからなるべく快感を拾わないよう、尻の力を緩める。そして脇下から肩に回っているリュカの手を取り、指を絡めた。
「リュカはいつでも格好良い。俺を慈しみ大切にしてくれる、俺を必死に守ろうとしてくれる。そんなお前の心は、いつでも優しくて格好良い」
「……うん、ありがとうザガン。……俺を好きになってくれて、本当にありがとう」
きゅっと手を握り返されて、うなじや耳裏にキスされた。物足りなくて身体を捻れば、すぐに唇にも。柔らかな感触が嬉しくて、笑みが零れる。
「ん……リュカ、大好きだ。愛している」
「うん、うん。ザガン。大好きだよザガン。俺だけのザガン」
頬に頬をくっ付けられ、くすぐったさに喉を震わせると、リュカも笑みを零した。胎内に出された彼の魔力により、先程よりもさらに強く伝わってくる愛に、心があたたかくなる。
胎内を満たされている感覚に我慢出来無くなり、きゅうんと蠢いてしまった。感じて震えると、リュカがゆっくり動いてきて、奥まで優しく嬲られる。ぬち、ぬちゅと、出された精液を腸壁に塗り込まれるのが、とても気持ち良い。
「ぁ、ん……、リュカ、ん……ん♡」
「ザガン可愛い……、ザガン、ザガン……」
リュカから与えられる、ゆったりした快楽。もっと堪能したくて目を瞑れば、包んでくれているリュカの温もりをより鮮明に感じて、愛しさが募る。
しばらくそうしていると、動きがだんだん大きくなってきた。ずりずり腸壁を擦られ、前立腺や括約筋もたくさん刺激されて、胎内から湧いてくる快感に身悶えてしまう。しかも結腸奥まで入ってくるものだからすごく感じて、奥を突かれるたびリュカのペニスをきゅっと締め付けた。
「ひあ、あ……ふぁ、あん……ぁん、ん♡」
「っ……はぁ、ザガン、大好きだよ……ふ、」
何度も奥まで穿たれ、駆け巡っていく快楽の波に、頭がふわふわしてくる。ただひたすら気持ち良い。リュカ、好きだリュカ、リュカ。
「ぁん、あ……あ、ぁ、リュカ、もう、ぁ……あんんっ♡」
「ん、ザガン、そろそろ俺も、はっ……」
背中の重みが無くなったかと思えば、腰を掴まれ、激しく胎内を突かれた。結腸奥まで押し込まれ、ずるっと引き抜かれて、また奥まで埋め込まれる。あ、あ、もう、もう駄目だ。
「ひぁ、あ、……あんっ、……ふぁ、あ、あ」
「っ……ザガン、も……イく……っ」
「あ、ああっ……あう、ん、ん、んん――……ッ♡!」
我慢出来無くてぎゅっと胎内を締め付けた直後、狭くなった腸壁を抉りながら結腸まで穿たれ、とんでもない快感に見舞われ絶頂していた。気持ち良い、気持ち良い。
ドプドプ奥で射精されている感覚も、たまらなく気持ち良い。腹の中までリュカの精液が侵入してきて、光が弾けている。ふあぁ、リュカ、リュカ。
「ぁ……んん……ん、りゅか……ん……♡」
「はぁ、は……ぁ、ザガン……は、」
甘い余韻に震えていると、ゆっくりペニスが抜かれた。愛するリュカでいっぱいに満たされていたので、いなくなり胎内がぽっかり空くと、どうにも切なくなる。
だがすぐに背中から包んでくれるから、ほぅと吐息が漏れた。そのまま一緒に横向きになり、力を抜いてリラックスする。汗ばんでいる熱い肌や、うなじに掛かる荒い呼吸が、とても愛しい。
しばらくして落ち着いてくると、ちゅっと頭部にキスされた。
「ザガン、気持ち良かったね」
「ん、気持ち良かった。……リュカ、リュカ」
身体を反転させ、愛が溢れるままリュカの首筋にすりすり頬を寄せる。するとふふっと柔らかく微笑まれながら、優しくあたたかな腕の中に閉じ込められた。
12月31日。いつものように自然と目が覚めたあと、リュカを起こしつつ着替えて、テントを出たら朝食を取る。ベネットと手伝っていた友人達に、感想を伝えることも忘れずに。
和やかな食事を終えたあとはテント諸々を片付け、準備が完了すればすぐに出発である。昨日に引き続き、雪道を歩いていく。
いつもと変わらない友人達。しかし変わらないよう努めているだけで、不安や緊張が滲み出ていた。これから待ち受けているのが邪神復活であり、2神を救えるかどうかが自分達に委ねられているのだから、当然である。
それとリュカも。昨夜いろいろ話したものの、やはり実際に神々を救い、その先の未来へと進まなければ、不安は消えないのだろう。
もちろん俺も不安を感じているし、緊張もしている。邪神復活の際、クラージュ達が無事でいられるかどうか。そして女神を正気に戻すことが、俺に本当に出来るのかと。
わからない、わからなくて不安になる。だがそれでも、前に進まねばならない。
だから雪道をひたすら歩く。最愛のリュカと、手を繋ぎながら。温もりを感じられるのは嬉しいし、不安が伝わってくると、守りたくて心が奮い立つ。逆に俺が不安になると、大丈夫だよと優しく微笑んでくれる。
それに俺のすぐ後ろを、ノエルが歩いていた。時折背中に触れながら話しかけてくる妹。彼女の表情や声から、兄様がいれば大丈夫という絶対的な信頼と、兄様を少しでも支えたいという想いが感じられる。
友人達にも、支えられている。
雪を溶かしながら先頭を歩くカミラ。完璧な魔力操作による炎と、確かな足取りは、とても頼もしい。
ノエルの後ろにはミランダとシンディが続き、周囲に気を配りつつ全員を励ますように声をかけてくれる。
それから馬を引いているニナとベネット。時折彼女達の明るい声が聞こえてくるのは、少しでも皆の不安を吹き飛ばそうとしているからだろう。
最後尾にオロバス。強いという安心感もさることながら、俺を育ててくれた彼の静かな気配は、心を落ち着かせてくれる。
独りでないことが……信頼している仲間達と共に、支え合いながら歩めることが、どれほど心強いか。
「みんな、王都が見えてきたよ」
昼前。冬の白さに周囲が覆われている中、それでも目を凝らせば、薄っすらと王都が見えた。人口100万の巨大都市。そんな広大な都の中央に聳える王城が、遠くからでも確認出来る。
まだ邪神が復活している様子はなく、危険な気配も感じられない。闇属性であるクラージュ達が行動するとなれば、陽が沈んでからだろう。午後4時過ぎには暗くなるとはいえ、このまま歩いていけば、事が起こる前には王都に到着出来そうだ。
だがそう安堵したのも束の間、突然ブワッと。広大な王都の上空に、とんでもない量の魔瘴が、広がった。
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