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54話

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 大切な人が増えると、守りたいものも増えていく。

 ミランダ以外の女性陣と初めて出会ったのは、4月中旬。あの時は彼女達から敵と認識され、戦闘になった。
 6月頭には野宿しているところにお邪魔させてもらい、8月はビーチで5日間同じ空間で過ごし、朝昼晩の食事も共にした。
 9月下旬には、危険なのにもかかわらず対ドラゴン戦に助太刀してくれて、10月からは共に生活している。

 今ではリュカやノエルだけでなく、友人達も悲しませたくないと思うようになっていた。その為には、彼女達にとっての大切な存在も、守らなければならない。

 だがどれだけ強くなろうと、1人で守れる範囲はたかが知れている。自分の手が届く範囲だけ。現在どこにいるかわからない人間、しかも俺を敵視している者達の命を救うというのは、至難の業だ。

 ゲームでは必ず死んでしまう、闇組織の者達。彼らは復活した女神リュヌを制御しようとして、逆に魔力を奪われて全滅するのではないかと、以前予測した。なので魔力の繋がりを無理矢理でも遮断すれば、死なずに済むかもしれないと。

 当然、そのことを本人達に助言するのが最良である。しかしどうにか接触し、邪神を復活させたらお前達は全滅すると告げたとして、いったい誰が信じる? 邪神復活を止める為に、おかしなことを言っていると思われるだけだ。
 それにこちらとしても、邪神は復活してもらわなければ困るという結論に達している。

 ではどうすれば良いのか。
 邪神が復活する瞬間、俺達が近くにいれば、守ることは可能だろう。だがそんな都合良くは行かない。ゲームでも主人公達は、復活した邪神を遠目に見てから、そこに向かうのだ。辿り着いた時には、すでに死屍累々。
 シナリオの強制力を考えると、やはりどうにかして、彼ら自身に防いでもらうしかない。

 ――『私はどこまでも2人に付いていくわ。リュカ君とザガン君なら、きっと素敵な未来にしてくれると、信じてるもの』。

 本来、未来とは予測出来無いものである。だからもし眼鏡が死んだとしても、シンディは俺を責めないだろう。
 しかし友として、彼女からの信頼を裏切るわけにはいかない。このままでは絶対に死ぬと知っているのに、見殺しになど出来無い。

 どうにかして、彼らが生きられる方法を、見つけなければ。







「お兄さん、リュカ。昨日は酷いこと言っちゃって、ごめんなさい!」

 翌朝。リュカとリビングに入ると、真剣な表情でニナが近付いてきて、勢いよく頭を下げた。驚きつつも、震えているニナの頭部を見つめたあと、固唾を飲んで見守っている友人達に視線を向ける。それからリュカを見やると、彼は微笑みながら、頷いた。

「もちろん許すよ。俺も傷付けること言っちゃって、ごめんね。許してくれる?」

 ニナの肩に手を置いて、謝罪するリュカ。柔らかな声だったからか、ニナは恐る恐る顔を上げた。そうしていつものように微笑んでいるリュカを見て、ホッと息をつく。

「うん。私も本当にごめん。……ええと」

 次に俺を見てくるものの、そもそも直接言われたわけではないので、許すも何も無いんだが。

「昨日も言ったが、俺は他者からどんな感情を持たれようと、気にならない。直接何かを言ってくるなら相応の対応はさせてもらうが、思うだけなら自由にすれば良い。よって俺に対する暴言への謝罪はいらない。ただし、リュカを傷付けたことへの謝罪であれば、受け入れるが」

 リュカの心を傷付け、あんなに悲しませたのは、正直腹立たしい。

 怒りを露わにしたからか、ニナはビクリと身体を硬直させた。すぐにリュカが俺の腰を抱いて、頬にキスして宥めてきたので、外に出てしまっていた威圧は抑えたが。

「えっと……うん。リュカを傷付けてしまって、ごめんなさい」
「承諾した。それと1つだけ忠告しておく。お前が今までどんな人生を歩んできたにしろ――ノエルを裏切ったら、絶対に許さない」

 ニナはリュカに付いてくるまで盗賊だった。裏切り裏切られてきたと、本人も言っていた。だから釘を刺させてもらう。まぁ以前ノエルが傷だらけにされた時に、相手の腕を斬り落とすほど激怒していたので、さほど心配はしていない。

 彼女の双眸をじっと見つめると、僅かに狼狽えたものの、きちんと俺の目を見返してきた。そして力強く頷く。

「裏切らない、絶対に」
「ならば良い。ニナ、これからもノエルを頼む」
「……うんっ! ありがとうお兄さん!」

 いつものニナらしい、明るく元気な笑顔。そのままノエルのところに駆け寄っていくと、ホッとした様子のノエルを抱き締めた。ノエルもしっかり抱き締め返すと、2人は顔を見合わせて嬉しそうに笑う。

 その様子を眺めていたら、俺もリュカに抱き締められた。

「……? リュカ、どうした?」
「どうしたんだろうね? ふふ、本当にザガンは可愛いなぁ。大好きだよ。愛してる」

 可愛いと言われる要素、あったか? わからなくて首を傾げたが、リュカが嬉しそうなので、大人しく腕の中に納まっておく。

 リュカに包まれるのは心地良い。ちゅっ、ちゅっと頭や額にキスされるのも気持ち良い。

「よーし。それじゃあ景気付けに飲もうじゃないか! 今日は1日宴会だよ!」
「あれっ。ミランダこの前、朝から飲むのはどうかって言ってなかったっけ?」
「この前はこの前、今は今さ。細かいことは気にしない!」
「ええー……まぁ良いけどね。宴会楽しいし!」
「はい! 今日は兄様やリュカとも一緒に、いっぱい遊びましょう!」

 ノエルの言葉を聞くに、昨夜は女性陣で遊んだのだろう。仲良くて何よりだ。

「あ……え、えっと。リュカさんと話し合ってませんけど、良いんでしょうか?」
「うむ、あの2人は放っておいて構わん。しばらくすればこっちに来るじゃろう」
「ベネットちゃん、さっそく準備しましょう。お姉さんも手伝うわぁ」

 そんなわけでベネットやシンディによってすぐに料理が作られていき、美味そうな匂いにぐうぅと腹が鳴った。リュカを見上げると、苦笑しながらも手を離してくれる。
 酒を準備しているミランダに言われるままソファを隅に退かしたあとは、ノエルやニナ、カミラと一緒に料理や食器を並べた。

 全員が床に座れば、乾杯だ。そうして皆で朝からゆっくり食事をしつつ、いろんなゲームをして遊ぶ。

 一段落着いた時、ノエルから一緒に写真を撮ろうと誘われた。父上の手紙に入れるからと。すぐさまリュカからも一緒に撮りたいと言われたので、まずはリュカと数枚撮る。それからノエルと。あとは俺の要望で、3人一緒の写真も撮ってもらった。

 写真の焼き増しはカミラに頼み、錬金してもらう。元の写真、必要枚数の専用魔法紙、マジックインクを順々に入れていき、魔力を込めながら混ぜるという過程だ。それだけで焼き増しが可能だし、魔力量や混ぜる回数によって色彩も変化させられるというのだから、やはり錬金術はよくわからない。

 リュカに背中から抱き締められるまま寄りかかり、ワイワイ楽しそうに写真撮影しているノエル達を横目に、撮った写真を確認する。

 これが自分というのは、ハッキリ認識している。幼少期は歯磨き洗顔のたびに鏡を見ていたし、成長してからも稀にだが宿に泊まっていた。それにリュカと一緒に過ごしている現在は、洗面所だけでなくトイレにも鏡があるので、すっかり見慣れた顔である。むしろ前世の顔が思い出せない。

 自分だと認識はしている。だがそれでも、この顔が写真に写っているのは、なんだか不思議だ。

「ザガン、どうしたの?」

 リュカが後ろから顔を覗き込んできたので、目を合わせた。心配そうだ。だから考えを巡らせ、理由を探す。

 差別の対象である黒髪が、記録に残されているからか? いや違う。すでに新聞に掲載され記録されているのは確認済みだし、それについてはどうとも思わなかった。そうではなくて。

「……独りの時は、自分の写真を撮ろうという考えが、まったく浮かばなかった。だからか自分の意思で写真を撮り、その証拠が手元にあるというのは、なんだか不思議な気がする」
「そっか。俺達と一緒に写真が撮れて、嬉しいね」

 コクリと頷く。独りでは絶対しないこと。ノエルに誘われたから。リュカがいるから、こうして記録に残そうと思えた。そしてリュカやノエルと共に写っているのが、とても嬉しい。

 ただ、リュカから頬にキスされている写真は、さすがに恥ずかしいけれど。リュカはいつもこんな幸せそうな表情で、俺にキスしているらしい。…………きちんと保存しておこう。

 はしゃいでいた友人達がダンスの練習をし始めたので、俺達も混ざって練習した。夕方過ぎに解散となり、夜はいつものようにリュカに抱かれる。







 翌日、芸術祭。ゲームではヒロイン1人を選択するイベントだが、今回も特に誘われず、屋敷を出た時からリュカと手を繋いでいた。

 あちこちで様々な催しがあり、皆それぞれ行きたい場所が異なっていたので、リュカと2人だけで街を歩く。

 友人達に囲まれていなくても、すっかり悪意を感じなくなっていた。リュカが傍にいることと新聞効果、何より芸術祭の明るく楽しい空気が、民衆から負の感情を消し去っているのだろう。

 もちろん俺達を見てくる視線もあるにはあるが、ほとんどが興味や羨望、興奮だ。第2王子が近くにいて自分達と同じように芸術祭を楽しんでいるのだから、当然の反応である。

 時折聞こえてくる音楽とか、大道芸人達のパフォーマンスとか。自作芸術品の露店がずらりと並んでいる、露店通りとか。芸術のことはよくわからないものの、歩いているだけで楽しかった。いろんな屋台料理や、無料ワインも美味かった。

 目的地のある友人達とは違い、俺は特に行先を決めていない。だからこのまま、フラフラ歩くだけ。しかしあちこち寄っていると、リュカの足が次第に祭りから離れていった。

 そうして昼過ぎに辿り着いたのは、豪華で立派な建物である。どうやら博物館らしい。しかも門付近の掲示板に貼られている大きなポスターに見覚えがあり、思わずリュカを見つめてしまう。するとリュカは、ふふっと嬉しそうに微笑み、ちゅっと頬にキスしてきた。

「この前ザガンが興味あるって、このカラクリ時計展のポスターを指差したでしょ? でも期間が11月20日までだから、今日のうちにザガンと一緒に行こうと思って」
「そうだったのか。その、感謝する。興味があったから嬉しい。だがせっかくの芸術祭なのに、関係無い場所に来て良かったのか?」
「もう充分楽しんだし、人の視線が多すぎるのもね。俺としても、ザガンとゆっくり出来る場所に避難したいんだけど、駄目かな?」

 駄目ではないので首を横に振り、すぐにリュカの手を引いて門を潜った。

 100点以上展示されていたカラクリ時計には、魅了されるばかりだった。しかも大きく複雑な構造のカラクリばかり集められていたので、厚い資料パンフレットを先に購入して、写真と照らし合わせながら観覧する。パンフレットにはどのようなカラクリが施されているのかとか、魔石や魔導回路の説明まで載っていたので、それだけで大満足だ。

 リュカは俺の腰を抱いて、ずっと傍にいた。
 俺ばかり楽しんでいる気がしたので、館内には通常展示もいろいろあると告げてみるものの、俺のことは気にしないで? と言われてしまう。せっかくなので構造の説明をしてみると、笑顔でうんうん頷きながら聞いてくれたが、たぶん難しかったよな? 魔導回路は結構複雑だし。

 でも嬉しいという気持ちはずっと伝わってきていたし、ちょくちょく頭にキスして頬を擦り寄せてきていたので、リュカはリュカなりに楽しい時間を過ごせたのだろう。





 夜、風呂上がり。明日からのダンジョン攻略に向けて荷物の確認をしている時、ふと思い出して、リュカに声をかける。

「言い忘れていたんだが。ダンジョン攻略中は、別行動だからな」
「……えっ? 一緒に攻略しないの?」
「ああ。女神を救う為の試練としてオロバスが立ちはだかるなら、必ず勝たなければならない。だからさらに強くなれるよう、現れた敵は片っ端から倒していく。悪いがリュカ達とペースを合わせるつもりも、連携するつもりも無い」
「確かにザガンが本気を出せば、ザガン1人で全部倒しちゃいそうだけど」

 頷く。そうなるとリュカがまったく強くなれなくて、非常に困るはずだ。

「リュカも、オロバスに勝つつもりなんだろう?」
「もちろんだよ。そうでなきゃ先生に認められず、ザガンと結婚出来無いもの」

 いつの間にか、結婚の前提が変わっているぞ。闇属性への差別が無くなったらではなかったか? それさえも、俺から言ったわけではないが。

 どうして結婚したがるのか、俺にはいまいちわからない。男同士であり子供が出来るわけではないので、必要性を感じない。まぁそれはともかく。

「ならばやはり、別々に攻略した方が良い。そうすれば俺もリュカも、今よりもっと強くなれるはずだ。それに夜は魔導バリアの改造をするから、もし同行していたとしても、どのみちテントは別々だ」
「ああそっか。俺が傍にいたら、エッチしたくなっちゃって集中出来無いものね。気付かなくてごめんね」

 いや、気付いているではないか。しかもわざわざ言葉にして、羞恥を煽ってくるし。わかっていても顔が火照ってしまい、ふふっと微笑まれる。

「ザガン可愛い。愛してる」

 ちゅっと唇にキスされたかと思えば、ベッドに押し倒された。額や眦にもキスされたあと、ぎゅうと抱き締められ、尻を撫でられる。

「またザガンと2週間も離れるなんて、寂しくてつらいなぁ。でも将来の為には、我慢しないといけないよね。その代わり、今夜はたくさん可愛がらせて?」
「ん。……その。何か願いがあれば、聞いてやらなくも、ない」

 そう言ってみたものの、どうにも恥ずかしかったので、リュカの首筋に顔を埋めようとした。だがリュカが上体を浮かせてしまったので出来ず、しかもまじまじと顔を覗き込んでくる。

「ザガン、今なんでもって」
「そこまでは言っていない」

 間髪入れず否定すれば、リュカは楽しげに喉を鳴らした。

「そっか、言ってないかぁ。でもありがとう。さっそくだけど、お願い、聞いてくれる?」

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