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13.1週間が経過
しおりを挟む手錠で繋がれて全裸で生活するようになってから、1週間が経過した。昼夜逆転していた生活は少しずつズレて、今日は深夜0時頃に起床している。寝たのは夕方4時過ぎだったから、8時間は睡眠を取っている状態だ。
神崎は俺に生活を合わせているのか、頻繁に部屋を訪れていた。どこかに監視カメラがあるのか、起床するとすぐに洗面器を持ってきて、おはようございますと挨拶してくる。……起きてすぐに挨拶を交わすなんて、いつ振りだろう?
ただし寝起きは尿がしたくなるので、必ず神崎の前でしなければならない。おまるの蓋を開けてから、見られないように壁に向かって膝立ちし、チンコを支えて周囲に零さないようにする。背中を向けていても文句は言われないけど、終わったあとに「たくさん出ましたね」と揶揄してくるのは止めてほしい。
ウェットティッシュで綺麗に拭いたあとは、水の入っている洗面器を床に置かれるので、軽く洗顔してタオルで拭く。そのあとの歯磨きは、神崎の太腿に頭を乗せて、5分ほど口を開けているだけだ。幼児じゃないのに人から歯を磨かれるなんて居た堪れないし、じっと顔を見られるのもあまり良くはない。
コップ1杯で口を濯いで、洗面器に水を出したら、トイレや洗面器その他の片付けをするために神崎が部屋から出ていく。
それから1時間ほどは1人の時間だ。掃除をしたり、ストレッチしたり、マンガを読んだり。スマホはバッグごと没収されているので、オンラインゲームは出来無くなっている。でも時間潰しの惰性でやっていたものなので、出来無くても困らない。
1時間後に飯となる。今日は1口サイズに切られたフレンチトーストだった。それと大きめな苺を5粒。いつものように床に置かれたので座り、苺に手を伸ばそうとしたら、途中で腕を掴まれてしまった。
「手を使ったら、駄目ですよ?」
「あ……う、すまない」
美味そうだと思ったら、無意識で伸ばしてしまっていた。手で掴めてしまうものを出されたせいでもある。謝ったあと、いつものように顔を近づけて食べたところ、やっぱりいつものように頭を撫でられた。
食べ終えて器を廊下に出されたあとは、アナルにオモチャを入れられる。アナルビーズだったり、バイブだったり、ローターだったり。
アナルビーズを入れられた時は、たいていそのまま抜かれたり入れられたりして遊ばれる。バイブ付き貞操帯だと、神崎自身はソファに腰掛けて読書したりタブレットを触る。ローターの場合は、入れたあとに部屋を出ていき、次の飯になるまで部屋に現れない。センサーが内蔵されているから、出したらわかると釘は刺されている。
そんなふうに気まぐれであるものの、飯は寝るまでに必ず3食出してくれるから、空腹でつらくなることは無かった。
ただし食べると、おまるに出さなきゃならなくなるけれど。神崎がいない時に便意が来てくれればマシなんだが、いる時に来てしまうことも当然ある。部屋からいなくなるまで我慢したくても、胎内にオモチャを埋められているから大変だし、どうしても気付かれてしまう。
「んんっ、う……、うう……く、あぅぅ……」
「弘樹さん、もしかして出したいの? 良いですよ、見ていてあげるから出して」
「や、ちが……っ」
否定しても聞き入れてもらえず、埋められていたオモチャを抜かれて、抱き上げられて強制的におまるのところまで移動させられる。するともう、我慢出来無くなる。
床に手を付いて尻はなるべくおまるに近づけるし、神崎はそういう部分を見たがるほど変態ではないので、尻を向ける必要は無かった。でも真正面からは見られているので、どうしたって踏ん張る姿を晒してしまう。
「んっ……、……、っ、……ん」
「良い顔ですね。気持ち良さそうで、……恥ずかしそうで」
「っ、……うう……」
恥ずかしい、本当に。神崎は犬猫相手と同じ感覚で眺めているだけかもしれないが、どうしたって羞恥を感じてしまうし、屈辱である。
ちなみに風呂は、毎日に1回必ず入れてもらえた。いつも3食目の飯が終わったあと、その時だけは部屋から出られる。神崎と生活している時間の中で、唯一安らげる時間だ。だって入浴している間だけは、全裸が当然だから。それにジェットバスの気泡は心地良いし、頭を洗ってくれる手は優しくて丁寧だし。身体もブラシで洗われるので、意図的に恥部を弄られることが無い。
風呂から部屋に戻り、また少し悪戯されたあと、おやすみなさいと告げて神崎は部屋から出ていく。それで1日が終わるのだが、長時間オモチャを入れられているせいか、部屋に篭っているにもかかわらず疲れて眠る。
たださすがに1週間経てば、オモチャを入れられることにもだいぶ慣れた。だからか今日はベッドに横になって布団にくるまってもすぐには眠れないので、目を瞑った状態でつらつら思考を巡らせる。
どうしたらここから逃げられるのだろうか、と。
1週間ずっと全裸で、起きている時間はほとんどオモチャを入れていなければならないのだ。それに日常的行動に対しては、まるでペットのような扱いを受けている。さらには一度も外に出てないし、煙草も禁止されている状態だ。こんな生活、いつまで続けなければならないのか。
そもそも神崎は、どういうつもりでこんな生活を続けているのだろう?
死を望む瞬間が来るのであれば、見てみたい……そう言っていたのに。1週間前、飯を食えずにいた俺を放置していたら、あのまま惨めに死んでいくのを見れたはずだ。それに最初以外ずっと優しいのは、どういう目論見なのか。天才と言われている神崎慧だ、たぶん何かしらの意図はあるのだと思う。
わからないが、とにかくは逃げることを考えよう。それが出来るのは、今のところ風呂のタイミングだけだ。ベッドから手錠を外される瞬間とか、彼の手首から風呂の手すりに掛けられる瞬間とか。しかしただ逃げるだけだと、すぐに捕まってしまう。もっと隙が大きくなければ、神崎の目を欺くことも、この建物から出ることも不可能である。
それに撮られてしまった映像もある。だが、もしここから逃げたとしても、ネットに流出されることはないだろう。あくまでも、ここから逃亡しようとする意識を牽制するためのものである。
そう断言出来るのは、神崎が俺以上のギャンブラーだからだ。対面にいる相手を追い詰めてこその、ギャンブル。焼き焦がれるようなギリギリの勝負をすることが面白いのだ。だから勝敗が決したあとに手出しするような、クソみたいな行為をする男じゃない。
それに思い返してみれば、ここに連れてこられる時、神崎は『長いギャンブルの始まり』だと言っていた気がする。もしこれが彼なりのギャンブルだとしたら、ここから逃げられたら俺の勝ちになる。そして勝敗が決したあとに、相手を貶めるようなことはしない。
……ああ、そうか。つまりそういうことなのか。
神崎は、俺がどうするかを見たいんだ。屈辱とか快楽とか羞恥を与え続けながら、ここから逃げようとするのか、ペットじみた生活に甘んじるのか、それとも精神を壊してしまうのかを観察している。
これはギャンブル。なら、やってやる。
今度こそ俺が勝つ。必ずここから、逃げてやる。
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