爺嬢

「妻だ」
5年振りに訪れた実家。父、洋平が何の前触れもなく口にした宣告により、初めて嬢の存在を認識する。
思い起こすと、嬢は今朝ここに来たときから父の近くに居た。けれど存在を認識していなかった。ヘルパーが付き添っていると思い込んでいたから、無意識に認識対象から排除していた。

父によると嬢の齢は19という。
父母の年齢差は70。しかも母と俺の孫が同い年。
もしも成人したばかりの孫が、後期高齢者と結婚したと告げてきたら――嬢の親類の心情を考えると、胃が痛む。

嬢を詐欺師と疑う第三者。嬢の正体は――。
24h.ポイント 0pt
0
小説 192,167 位 / 192,167件 ライト文芸 7,628 位 / 7,628件

あなたにおすすめの小説

物語が生まれる場所で

ノベルのベル
ライト文芸
これは、行き場をなくした”もの”たちの物語。 編みかけの手袋、届かなかった手紙、果たされなかった約束の物語。 僕たち高校生ができることなんて、どうしようもないくらいにちっぽけで限りがある。僕たちのしていることにほとんど意味なんてないのかもしれない。だけど、それでも、僕たちはやらずにはいられないみたいだ。 これは、同時に、僕たち”広報部”の物語なんだ。

雨音

宮ノ上りよ
ライト文芸
夫を亡くし息子とふたり肩を寄せ合って生きていた祐子を日々支え力づけてくれたのは、息子と同い年の隣家の一人娘とその父・宏の存在だった。子ども達の成長と共に親ふたりの関係も少しずつ変化して、そして…。 ※時代設定は1980年代後半~90年代後半(最終のエピソードのみ2010年代)です。現代と異なる点が多々あります。(学校週六日制等)

桟田譲児とその家族

ミダ ワタル
ライト文芸
「孤独を愛し淫することがないように」それが少年に母親が遺した言葉だった。 幸福の記憶に捉われ少年は少女への情念に迷いだす。 全7話完結。 ※性描写のある回は*がついています。

まぶたの裏の愛しい人よ

瀬野凜花
ライト文芸
公園で出会った、初恋の男の子の柊斗くん。 でも、2人とも引っ越しをして会えなくなってしまった。 会いたいよ。 エブリスタ様でも投稿しています。

ランデシア

野田C菜
ライト文芸
いっこうに世界征服しない敵女幹部。

J1チームを追放されたおっさん監督は、女子マネと一緒に3部リーグで無双することにしました

寝る犬
ライト文芸
 ある地方の解散された企業サッカー部。  その元選手たちと、熱狂的なファンたちが作る「俺達のサッカークラブ」  沢山の人の努力と、絆、そして少しの幸運で紡ぎだされる、夢の様な物語。 (※ベガルタ仙台のクラブの歴史にインスパイアされて書いています)

スカートとスラックスの境界線〜葉山瑞希がスカートを着る理由〜

さわな
ライト文芸
 高等部の始業式当日、透矢は小学校の同級生だった瑞希と小五以来の再会を果たす。何故か瑞希はスカートを着用し、女の身なりをしていた。昔、いじめっ子から守ってもらった過去をきっかけに瑞希は透矢を慕うようになるが、透矢はなかなか瑞希を受け入れられない。  瑞希は男? 女? スカートを履く理由は……?  性別不明の高校生・葉山瑞希と、ごく普通の男子高校生・新井透矢が自分らしい生き方を模索するボーイミーツボーイ青春物語。

1.5人目のアルナ

TEKKON
ライト文芸
「コピーを失敗したコピーロボットに、意味はあるのだろうか」 ――僕は、目の前に立つアンドロイドを見て   そう思わずにいられなかった―― 雨森聡一郎は、耐久年数間近になったAIアンドロイド 「アルナ」 と一緒にいたいために、 製造メーカーに依頼して、記憶や性格全てを別のアンドロイドに完全移植する事を決めた。 しかし、想定外の事態が発生して、望まぬ結果を招いてしまう。 「聡一郎さん、私はずっとそばにいます。ですから、聡一郎さんもずっと私のそばにいてくださいね」 移植前のアルナの言葉を胸に、変わってしまったアルナを見た聡一郎は…… ――これは、アンドロイドが日常生活に普及しはじめた世界の   とある男と有機型AIアンドロイドの、ささやかな話である――

処理中です...