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第六章 布教に行きたい
#112 水晶の防衛戦
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水晶の魔法使いは杖をクルクルと振り回し、勢いよく地面に突き刺す。
同時に彼女の足元に黄金に輝く魔法陣が広がった。
「脚部特性、再生の魔法陣! パワーゲージを三十パーセント払い、破壊されたパーツを復活するわ」
水零の言葉とともに、水晶の魔法使いの左腕に淡い光が集まり、壊れていた左腕パーツが機能を取り戻す。
よし、再生の魔法陣を使えるだけのパワーゲージが溜まっていたか。
これで水晶の反射鏡が再び使用可能になる。
万全の防衛体制が整ったと言える。
それを見て、ランスは感心したように呟く。
『ほう、コスモの攻撃を跳ね返した水晶の反射鏡か。
手負いの相手を仕留めても面白くないというもの。完全体へと復活したこと感謝する』
全身を銀色のプレートアーマーで包み、顔さえも覆い隠したランスの表情はわからない。
だがその言葉から静かな闘志を感じた。
水晶の反射鏡の効果は奴も既に知っている。
敵がどんな攻撃を仕掛けてこようとも、その全ては反射され、グランドランス・ユニコーンを襲うだろう。
果たして、相手はどう動くか?
水零の水晶の魔法使いは、グランドランス・ユニコーンとゴールデンクイーンマドールの間に立ち、敵と対峙する。
そこでランスが言葉を放った。
『右腕特性、音速螺旋波動!』
一角獣に跨った鎧騎士が右手に持った槍を突き出す。
すると槍の先端が光り、そこから青い光線が放たれた。
光線はまっすぐにこちらのクイーンマドールへと向かう。
無論、クイーンへの攻撃を見過ごすわけにはいかない。すぐに水零も防御スキルで対抗する。
「水晶の魔法使いの左腕特性発動! 水晶の反射鏡!」
水晶の魔法使いとクイーンマドールを中心に半透明な水晶玉のバリアが発生する。
バリアは光線を受け止め、反射させる。
そしてそれは槍騎兵へと跳ね返っていく。
相手の攻撃スキルを攻撃したパーツに跳ね返す。これが水晶の反射鏡の効果。
跳ね返った青い光線は槍騎兵が右手に持った槍を射抜かんと襲いかかる。
しかしそこで一角獣が前足を上げ、地面を強く叩いた。
『大地の精霊たる一角獣よ。土を導きて、その身を守護せよ! 脚部特性! 大地の加護!』
地響きとともにグランドランス・ユニコーンの正面の地面が隆起し、巨大な土の壁が立ちはだかる。
跳ね返った光線は土の壁に衝突! 壁はバラバラに砕け散るも、同時に光線も相殺され霧散してしまう。
グランドランス・ユニコーンへの攻撃は届かず、奴は無傷のまま。
なるほど。この防御スキルがあったからこそ、反射されるとわかっていながらも攻撃を仕掛けてきたわけか。
そこでランスは自信に満ちた声で言い放つ。
『水晶の魔法使いは能動的な攻撃手段を持たない防御専門のマドール。
できることといえば敵の攻撃を反射するくらいだが、それは攻撃する側に主導権があるということに他ならない。
来るとわかっている反撃を防ぐことなど造作もない!』
くっ、やはり一筋縄でいく相手じゃないか。
グランドランス・ユニコーンの攻撃に水晶の魔法使いの左腕パーツが耐えられるのは、あと四、五回といったところか。
だが反射した攻撃は奴の防御スキルで防がれ、敵にダメージを与えるには至らない。
このまま勝負を続ければ、いずれ水零は押し負けるだろう。
それでも、ゴールデンキーパーの役割は敵を倒すことじゃない。あくまでゴールデンマドールを守ること。つまり足止めだ。
その点で言えば水零ならある程度の時間稼ぎは期待できる。
だが、ある程度で足りるのか? その間に夜宵が敵のキングを攻め落とせるかと言えば、それは難しいだろう。
俺の操るプロミネンス・ドラコは今、フィールドの中央付近にいる。
敵陣に攻め込み、夜宵の攻撃に加勢するか。それとも自陣に戻り水零とともに敵を迎撃するか。
攻撃か、守備か。
どうする。どちらに戦力を割く?
チームのリーダーである俺の判断が試合の明暗を分けるだろう。
迷っている暇はない。
その時だった。
『アッハハハハハハハハ! どうしましたヴァンピィさん! もっと私を楽しませてくださいよ!』
クロリスの耳障りな哄笑が響いた。
咄嗟に夜宵の方を見ると、彼女は苦々しい顔でフィールドを見下ろしていた。
俺もバトルフィールドを見てその理由を察する。
夜宵の操るジャック・ザ・ヴァンパイアの足に矢が刺さっていたのだ。
ハープアロー。ブラック・アリスの放つその矢を受けたことで、ジャックの脚部パーツが灰色に変わり硬化し始める。
今まではなんとか躱してきたが、とうとう命中してしまったか。
夜宵がいくら攻撃しても敵には殆どダメージが通らず、逆にこちらは一発でもハープアローを喰らえば石化の呪いを受けることになる。
最初から理不尽なくらい不利な戦いなのだ。
どうする? 石化の呪いでジャックのスピードが鈍ればますます勝ち目は薄くなる。
ランスの戦い方は王道そのもの、正面から攻撃して水零を倒し、ゴールデンマドールを仕留めるという目的が明確だ。
対照的にクロリスの戦い方は真綿で首を絞めるようにジャックの動きを奪っていくもの。彼女の狙いは夜宵を倒すことでなく、無力化することだろう。
トレージャーハントバトルでは敵のマドールを倒しても控えのマドールが参戦するだけ。即座に盤面が有利になるわけではない。
だから敵を生かさず殺さずの状態まで無力化して、役割を遂行させない。それこそがゴールデンキーパーの賢い戦い方なのだ
今、俺達は完全に敵の術中にハマっている。
その時、ガラスが割れるような音が響いた。
「ご、ごめんヒナくん。そろそろ限界かも」
水零が苦しそうに謝る。
見れば彼女の水晶の魔法使いの左肩が、グランドランス・ユニコーンの槍から放たれた光線に貫かれていた。
これまで水晶の反射鏡で持ちこたえてきたが、とうとう突破されてしまったか。
これで左腕パーツは破壊され、もう水晶の反射鏡は使えない。
そこで俺は苦肉の策を絞り出す。
「水姫、切り札解禁だ。永久なる聖域を使え」
俺の言葉に、水零は表情を固くする。
しかしすぐに覚悟を決め、こくりと頷いた。
そしてコントローラーを操作し、スキルを使用する。
「頭部特性、永久なる聖域! 発動!」
同時に彼女の足元に黄金に輝く魔法陣が広がった。
「脚部特性、再生の魔法陣! パワーゲージを三十パーセント払い、破壊されたパーツを復活するわ」
水零の言葉とともに、水晶の魔法使いの左腕に淡い光が集まり、壊れていた左腕パーツが機能を取り戻す。
よし、再生の魔法陣を使えるだけのパワーゲージが溜まっていたか。
これで水晶の反射鏡が再び使用可能になる。
万全の防衛体制が整ったと言える。
それを見て、ランスは感心したように呟く。
『ほう、コスモの攻撃を跳ね返した水晶の反射鏡か。
手負いの相手を仕留めても面白くないというもの。完全体へと復活したこと感謝する』
全身を銀色のプレートアーマーで包み、顔さえも覆い隠したランスの表情はわからない。
だがその言葉から静かな闘志を感じた。
水晶の反射鏡の効果は奴も既に知っている。
敵がどんな攻撃を仕掛けてこようとも、その全ては反射され、グランドランス・ユニコーンを襲うだろう。
果たして、相手はどう動くか?
水零の水晶の魔法使いは、グランドランス・ユニコーンとゴールデンクイーンマドールの間に立ち、敵と対峙する。
そこでランスが言葉を放った。
『右腕特性、音速螺旋波動!』
一角獣に跨った鎧騎士が右手に持った槍を突き出す。
すると槍の先端が光り、そこから青い光線が放たれた。
光線はまっすぐにこちらのクイーンマドールへと向かう。
無論、クイーンへの攻撃を見過ごすわけにはいかない。すぐに水零も防御スキルで対抗する。
「水晶の魔法使いの左腕特性発動! 水晶の反射鏡!」
水晶の魔法使いとクイーンマドールを中心に半透明な水晶玉のバリアが発生する。
バリアは光線を受け止め、反射させる。
そしてそれは槍騎兵へと跳ね返っていく。
相手の攻撃スキルを攻撃したパーツに跳ね返す。これが水晶の反射鏡の効果。
跳ね返った青い光線は槍騎兵が右手に持った槍を射抜かんと襲いかかる。
しかしそこで一角獣が前足を上げ、地面を強く叩いた。
『大地の精霊たる一角獣よ。土を導きて、その身を守護せよ! 脚部特性! 大地の加護!』
地響きとともにグランドランス・ユニコーンの正面の地面が隆起し、巨大な土の壁が立ちはだかる。
跳ね返った光線は土の壁に衝突! 壁はバラバラに砕け散るも、同時に光線も相殺され霧散してしまう。
グランドランス・ユニコーンへの攻撃は届かず、奴は無傷のまま。
なるほど。この防御スキルがあったからこそ、反射されるとわかっていながらも攻撃を仕掛けてきたわけか。
そこでランスは自信に満ちた声で言い放つ。
『水晶の魔法使いは能動的な攻撃手段を持たない防御専門のマドール。
できることといえば敵の攻撃を反射するくらいだが、それは攻撃する側に主導権があるということに他ならない。
来るとわかっている反撃を防ぐことなど造作もない!』
くっ、やはり一筋縄でいく相手じゃないか。
グランドランス・ユニコーンの攻撃に水晶の魔法使いの左腕パーツが耐えられるのは、あと四、五回といったところか。
だが反射した攻撃は奴の防御スキルで防がれ、敵にダメージを与えるには至らない。
このまま勝負を続ければ、いずれ水零は押し負けるだろう。
それでも、ゴールデンキーパーの役割は敵を倒すことじゃない。あくまでゴールデンマドールを守ること。つまり足止めだ。
その点で言えば水零ならある程度の時間稼ぎは期待できる。
だが、ある程度で足りるのか? その間に夜宵が敵のキングを攻め落とせるかと言えば、それは難しいだろう。
俺の操るプロミネンス・ドラコは今、フィールドの中央付近にいる。
敵陣に攻め込み、夜宵の攻撃に加勢するか。それとも自陣に戻り水零とともに敵を迎撃するか。
攻撃か、守備か。
どうする。どちらに戦力を割く?
チームのリーダーである俺の判断が試合の明暗を分けるだろう。
迷っている暇はない。
その時だった。
『アッハハハハハハハハ! どうしましたヴァンピィさん! もっと私を楽しませてくださいよ!』
クロリスの耳障りな哄笑が響いた。
咄嗟に夜宵の方を見ると、彼女は苦々しい顔でフィールドを見下ろしていた。
俺もバトルフィールドを見てその理由を察する。
夜宵の操るジャック・ザ・ヴァンパイアの足に矢が刺さっていたのだ。
ハープアロー。ブラック・アリスの放つその矢を受けたことで、ジャックの脚部パーツが灰色に変わり硬化し始める。
今まではなんとか躱してきたが、とうとう命中してしまったか。
夜宵がいくら攻撃しても敵には殆どダメージが通らず、逆にこちらは一発でもハープアローを喰らえば石化の呪いを受けることになる。
最初から理不尽なくらい不利な戦いなのだ。
どうする? 石化の呪いでジャックのスピードが鈍ればますます勝ち目は薄くなる。
ランスの戦い方は王道そのもの、正面から攻撃して水零を倒し、ゴールデンマドールを仕留めるという目的が明確だ。
対照的にクロリスの戦い方は真綿で首を絞めるようにジャックの動きを奪っていくもの。彼女の狙いは夜宵を倒すことでなく、無力化することだろう。
トレージャーハントバトルでは敵のマドールを倒しても控えのマドールが参戦するだけ。即座に盤面が有利になるわけではない。
だから敵を生かさず殺さずの状態まで無力化して、役割を遂行させない。それこそがゴールデンキーパーの賢い戦い方なのだ
今、俺達は完全に敵の術中にハマっている。
その時、ガラスが割れるような音が響いた。
「ご、ごめんヒナくん。そろそろ限界かも」
水零が苦しそうに謝る。
見れば彼女の水晶の魔法使いの左肩が、グランドランス・ユニコーンの槍から放たれた光線に貫かれていた。
これまで水晶の反射鏡で持ちこたえてきたが、とうとう突破されてしまったか。
これで左腕パーツは破壊され、もう水晶の反射鏡は使えない。
そこで俺は苦肉の策を絞り出す。
「水姫、切り札解禁だ。永久なる聖域を使え」
俺の言葉に、水零は表情を固くする。
しかしすぐに覚悟を決め、こくりと頷いた。
そしてコントローラーを操作し、スキルを使用する。
「頭部特性、永久なる聖域! 発動!」
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