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第六章 布教に行きたい

#96 前途多難なチーム始動

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「次は私の番っすね! 先輩の幼馴染にして永遠のライバル、白金琥珀っす!」

 元気よく自己紹介しながら琥珀も立ち上がる。
 いや待て、お前も立つ必要はないだろ!
 嫌な予感しかしないが。

「この中じゃ先輩とは一番付き合いの長い、大の仲良しなので、左腕はもらうっすよ!」

 言いながら琥珀は俺の左腕に抱きついてきた。
 や、柔らかい。琥珀もなんだかんだで発育いいんだよな。
 ってイカン。キミも離れなさい。
 俺が文句の一つでも言おうかと思ったところで、膝の上に座ったままの光流が口を開いた。

「私も自己紹介させていただきます。お兄様の従妹の火神光流といいます。
 その昔、両親が海外に転勤することになったのですが、私がいないと寂しくて泣いちゃうー、ってお兄様に引き留められたので、日本に残って今は日向家でお世話になってます」

 待ってー、子供の頃の恥ずかしいエピソード今引っ張り出してこないでー!

「お兄様はホント寂しがり屋さんなので、私がいないと駄目なんですよ」

 ニコーっと微笑みながら光流は俺の胸に体重を預けて密着してくる。
 右手に水零、左手に琥珀、正面からは光流に抱きつかれた状態。
 頼む。そろそろ勘弁してくれ、流石に夜宵の視線が痛いんだよ。
 ほら、目を白黒させながらこっちを見てるし、絶対引いているよ!
 違うんだ夜宵。俺は夜宵一筋だから。
 そんな俺を見て、夜宵は控え目に言葉を吐き出した。

「えっと、ヒナってモテモテなんだね」
「違う! こいつらは俺をからかってるだけで――」
「えー、何が違うの?」

 否定の言葉は水零によって遮られる。

「私は太陽くんのこと、だーい好きだもん」

 言って、より一層右腕を強く抱きしめる水零。

「私も、お兄様のこと、だーい好きです」

 俺の胸にぐりぐりと頭を押し付けて甘えてくる光流。

「私も先輩のこと、大好きっすから」

 前の二人ほど積極的になれず、少し照れた様子ながら、琥珀も俺の左腕を抱き寄せる。

 お、おかしいぞ。
 俺はこのメンバーなら仲良く楽しく魔法人形マドールで遊べると思っていたのに。
 ひょっとしてとんでもなく面倒なチームを組んでしまったのかもしれない。
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