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(15)素直になれないクセに深読みしてしまう
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翔璃と付き合うことになって一カ月が経ち、このところずっと忙しそうにしてた菜智から食事の誘いが来たのが昨日の話。
有休の申請が通ったし、週末に掛けて連休が控えた水曜日の今日ばかりは、翔璃からのデートの誘いを断って菜智を優先させ、実家近くのダイニングバーにやって来た。
「おつかれ」
「ハイおつかれさん」
高らかに掲げたグラスを合わせて乾杯すると、会話もそこそこに、まずは一杯目のビールで喉を潤す。
「あぁああ、沁みる」
「ははは、菜智は変わらないね」
豪快な呑みっぷりの菜智に笑い掛けると、ここは安くて量が多いからと楽しそうにメニューを眺めてる。
「なんか話あったんじゃないの。連絡突然だったし」
最初に頼んだサラダを頬張りながら菜智を見ると、少しだけ悲しそうな顔をしてやっぱり分かるよねと、しょげた様子でグラスを置く。
「彼氏と別れちゃった」
「え、そうだったの」
「仕事忙しくてさ。全然会う時間作れなくて。そしたら仕事と結婚しろとか言われちゃってさ」
「うわ、それは無い」
「でしょ。なんか一気に冷めちゃって。先のことを考えてなかったワケじゃないし、だとしたら私が昇進する度に不機嫌になるのがなんとなく想像出来て、続かないなって」
「男女平等とか言いながら、結局は下に位置付けしてる男の人って多いよね。働くことは許してもキャリアまでは受け止められないんだろうね」
「やっぱりそういうケースあるんだ」
「うちの会社にも居るもん。総合職だったのに、結婚してから事務に移った人」
「うげぇ」
物凄いブサイクな顔をして舌を出すと、菜智は店員さんを呼んで適当に見繕ったメニューを注文してから、まだあるのと姿勢を正した。
「それともう一つ、美都真に相談に乗って欲しいことがある」
「なに、改まって」
「優吾にずっと告られてる」
「は?」
「何回も断ってるけどめげない。しかも参ったことに、それを可愛く感じ始めてる私が居る」
「え、じゃあ付き合う気が全くないワケじゃないの」
「だから相談したい」
私たちは二十八。優吾は五つ下だから、まだ二十三。
「そもそもいつからそんなことに」
「結構前から。優吾が高校生くらい? ほら、勉強見てやってたから、その時色んな話することが多くて」
「そっか、兄弟揃って植垣家のDNAに弱いのか、うちは」
翔璃と付き合ってる私には優吾を止めるだけの説得力がない。
確かに優吾は社会に出たばかりだし、まだまだ学生みたいな軽いノリも残ってて、側から見てて危なっかしい面が目につく。
可愛い弟だし、姉としては多分初恋なんだろう純粋な気持ちが実るのを祈りたいけど、同じような立場で弟みたいに接して来た菜智の複雑な気持ちも分からなくもない。
「私が優吾と付き合ったらどうする」
「菜智が良いなら全然構わないけど、上手くいかなくなった時のことを考えると、二人とも実家暮らしだし、親同士も仲良いからね」
「それは美都真も同じでしょ」
「そう、だから翔璃が私に飽きる未来を想像してよく震える」
「それはないでしょ、物凄い執着心だもん。その指輪もそうだし、今日なんか恨みのメッセージが山ほど来たんだよ。バカじゃない? 妹相手に張り合って」
「そうだったんだ、なんかごめんね」
「兄貴のことで美都真が謝るの慣れないわ」
運ばれて来た料理が冷めないうちに皿に取り分けると、相変わらず物凄いスピードで料理が減っていく。
「それより菜智はどうしたいの。優吾のこと本気で考えるの」
「いや、正直言って可愛いよ。昔から懐いて後ろついて来たし、今も同じであんまり変わってないけど」
「そっか。男として見るには弟が長過ぎたのかな」
「そこなんだよね。絶対嫌いにはなれないけど、恋人まで昇華出来るのかって、そこでぐるぐる考えちゃって」
菜智は二人前のニョッキをぺろりと平らげてテーブルの端にお皿を重ねると、またメニューを見て追加で頼むものを探しながら、私の場合はどうなのかと珍しく聞いてくる。
「相手が兄貴だと思うと、正直萎えるしあんまり聞きたくないけど、今回に限ってはやっぱり美都真に相談するのが一番だからさ」
「確かに。別の関係性が長いと、恋人の距離感になれるのか不安はあるよね」
「美都真は留学前に兄貴と色々あったんでしょ。その時は付き合うって意識はなかったの」
追加で注文したモーリョがたっぷり掛かったシュラスコを頬張ると、めちゃくちゃ美味しいと小皿に取り分けながら、話したくなかったら別に良いけどと菜智が口元をへの字にする。
「話したくないワケじゃないけど、あの時は本当にタイミングが悪くて、付き合おうって話が出来なかったし、時期的に受験も重なってたから」
「ちょっと待って、受験っていつのことよ。まさか留学前って、そんな前に兄貴と……その」
「そう。高三の夏。私言わなかったっけ」
「勘弁してよ。聞いてないよ。本当そういうとこだからね、美都真」
「ごめんって。とにかく、あの時はなにかの間違いだったのかなって。色々重なったとはいえ翔璃もなにも言わないから、なに考えてんのか全然分かんないし。まあ今も分かんないけど」
まさかディルドを突っ込もうとしてたのを見られましたとは、たとえ親友だろうと、菜智が翔璃の妹である限り、兄の名誉を守るためにも絶対に口が裂けても言えない。
「今更だけど、本当に兄貴のこと好きなんだね」
「え、どの辺りが?」
「だって、そんなことがあったのに、再会した兄貴の言う好きだなんて言葉をまだ信じられるんだもん。そりゃ褒められた人じゃないけどアレでも実の兄だから」
だから傷付けられたら遠慮なく言って欲しいと菜智は笑う。
確かに翔璃の誓う愛なんて、足場がないか脆くて今にも崩れそうな、それくらい不安定で不確かなものかも知れない。
なのにどうしたって私は翔璃のことしか見ることが出来なくて、信じてるというより執着して縋ってるだけかも知れない。
「どうなのかな。誰かに好きってストレートに言われたの初めてだから、その気持ちを信じたいだけかも知れない」
「美都真……」
菜智に言われて変わろうと思った。だからカナダに留学した。嫌な思いもたくさんしたけど、友だちに恵まれて私は自分に自信が持てたはずだった。
なのにどうしてだろう。
翔璃のことになると、途端に自信がなくなって、その腕の中に抱き締められてるのに、不意に独りぼっちみたいな気分になることもある。
翔璃に対して一番猜疑心を募らせてるのは私。菜智が言うみたいに信じてるんじゃなくて、信じたいと思ってるとか、そんな風に考えてしまう自分が情けなくなる。
「ねえ美都真、兄貴とちゃんと話してるの」
「なにを」
「気持ちを疑うような関係なんて続かないと思う。もちろん兄貴は本気だろうし、美都真のことを傷付けるとは思えないけど、美都真がそれを受け入れられるようにもっと話したら?」
「それは私を本当に好きか、翔璃に確認しろってことかな」
「それって子供染みて見えるかも知れないけど、根本的な大事なことだよ」
菜智に言われて、やっぱり私と翔璃には圧倒的に会話が足りたいことを実感する。
友だちとなら上手くいくのに、どうして好きな人が相手だとこんなに上手くいかないんだろうと、思春期の子供のようなことを思った。
有休の申請が通ったし、週末に掛けて連休が控えた水曜日の今日ばかりは、翔璃からのデートの誘いを断って菜智を優先させ、実家近くのダイニングバーにやって来た。
「おつかれ」
「ハイおつかれさん」
高らかに掲げたグラスを合わせて乾杯すると、会話もそこそこに、まずは一杯目のビールで喉を潤す。
「あぁああ、沁みる」
「ははは、菜智は変わらないね」
豪快な呑みっぷりの菜智に笑い掛けると、ここは安くて量が多いからと楽しそうにメニューを眺めてる。
「なんか話あったんじゃないの。連絡突然だったし」
最初に頼んだサラダを頬張りながら菜智を見ると、少しだけ悲しそうな顔をしてやっぱり分かるよねと、しょげた様子でグラスを置く。
「彼氏と別れちゃった」
「え、そうだったの」
「仕事忙しくてさ。全然会う時間作れなくて。そしたら仕事と結婚しろとか言われちゃってさ」
「うわ、それは無い」
「でしょ。なんか一気に冷めちゃって。先のことを考えてなかったワケじゃないし、だとしたら私が昇進する度に不機嫌になるのがなんとなく想像出来て、続かないなって」
「男女平等とか言いながら、結局は下に位置付けしてる男の人って多いよね。働くことは許してもキャリアまでは受け止められないんだろうね」
「やっぱりそういうケースあるんだ」
「うちの会社にも居るもん。総合職だったのに、結婚してから事務に移った人」
「うげぇ」
物凄いブサイクな顔をして舌を出すと、菜智は店員さんを呼んで適当に見繕ったメニューを注文してから、まだあるのと姿勢を正した。
「それともう一つ、美都真に相談に乗って欲しいことがある」
「なに、改まって」
「優吾にずっと告られてる」
「は?」
「何回も断ってるけどめげない。しかも参ったことに、それを可愛く感じ始めてる私が居る」
「え、じゃあ付き合う気が全くないワケじゃないの」
「だから相談したい」
私たちは二十八。優吾は五つ下だから、まだ二十三。
「そもそもいつからそんなことに」
「結構前から。優吾が高校生くらい? ほら、勉強見てやってたから、その時色んな話することが多くて」
「そっか、兄弟揃って植垣家のDNAに弱いのか、うちは」
翔璃と付き合ってる私には優吾を止めるだけの説得力がない。
確かに優吾は社会に出たばかりだし、まだまだ学生みたいな軽いノリも残ってて、側から見てて危なっかしい面が目につく。
可愛い弟だし、姉としては多分初恋なんだろう純粋な気持ちが実るのを祈りたいけど、同じような立場で弟みたいに接して来た菜智の複雑な気持ちも分からなくもない。
「私が優吾と付き合ったらどうする」
「菜智が良いなら全然構わないけど、上手くいかなくなった時のことを考えると、二人とも実家暮らしだし、親同士も仲良いからね」
「それは美都真も同じでしょ」
「そう、だから翔璃が私に飽きる未来を想像してよく震える」
「それはないでしょ、物凄い執着心だもん。その指輪もそうだし、今日なんか恨みのメッセージが山ほど来たんだよ。バカじゃない? 妹相手に張り合って」
「そうだったんだ、なんかごめんね」
「兄貴のことで美都真が謝るの慣れないわ」
運ばれて来た料理が冷めないうちに皿に取り分けると、相変わらず物凄いスピードで料理が減っていく。
「それより菜智はどうしたいの。優吾のこと本気で考えるの」
「いや、正直言って可愛いよ。昔から懐いて後ろついて来たし、今も同じであんまり変わってないけど」
「そっか。男として見るには弟が長過ぎたのかな」
「そこなんだよね。絶対嫌いにはなれないけど、恋人まで昇華出来るのかって、そこでぐるぐる考えちゃって」
菜智は二人前のニョッキをぺろりと平らげてテーブルの端にお皿を重ねると、またメニューを見て追加で頼むものを探しながら、私の場合はどうなのかと珍しく聞いてくる。
「相手が兄貴だと思うと、正直萎えるしあんまり聞きたくないけど、今回に限ってはやっぱり美都真に相談するのが一番だからさ」
「確かに。別の関係性が長いと、恋人の距離感になれるのか不安はあるよね」
「美都真は留学前に兄貴と色々あったんでしょ。その時は付き合うって意識はなかったの」
追加で注文したモーリョがたっぷり掛かったシュラスコを頬張ると、めちゃくちゃ美味しいと小皿に取り分けながら、話したくなかったら別に良いけどと菜智が口元をへの字にする。
「話したくないワケじゃないけど、あの時は本当にタイミングが悪くて、付き合おうって話が出来なかったし、時期的に受験も重なってたから」
「ちょっと待って、受験っていつのことよ。まさか留学前って、そんな前に兄貴と……その」
「そう。高三の夏。私言わなかったっけ」
「勘弁してよ。聞いてないよ。本当そういうとこだからね、美都真」
「ごめんって。とにかく、あの時はなにかの間違いだったのかなって。色々重なったとはいえ翔璃もなにも言わないから、なに考えてんのか全然分かんないし。まあ今も分かんないけど」
まさかディルドを突っ込もうとしてたのを見られましたとは、たとえ親友だろうと、菜智が翔璃の妹である限り、兄の名誉を守るためにも絶対に口が裂けても言えない。
「今更だけど、本当に兄貴のこと好きなんだね」
「え、どの辺りが?」
「だって、そんなことがあったのに、再会した兄貴の言う好きだなんて言葉をまだ信じられるんだもん。そりゃ褒められた人じゃないけどアレでも実の兄だから」
だから傷付けられたら遠慮なく言って欲しいと菜智は笑う。
確かに翔璃の誓う愛なんて、足場がないか脆くて今にも崩れそうな、それくらい不安定で不確かなものかも知れない。
なのにどうしたって私は翔璃のことしか見ることが出来なくて、信じてるというより執着して縋ってるだけかも知れない。
「どうなのかな。誰かに好きってストレートに言われたの初めてだから、その気持ちを信じたいだけかも知れない」
「美都真……」
菜智に言われて変わろうと思った。だからカナダに留学した。嫌な思いもたくさんしたけど、友だちに恵まれて私は自分に自信が持てたはずだった。
なのにどうしてだろう。
翔璃のことになると、途端に自信がなくなって、その腕の中に抱き締められてるのに、不意に独りぼっちみたいな気分になることもある。
翔璃に対して一番猜疑心を募らせてるのは私。菜智が言うみたいに信じてるんじゃなくて、信じたいと思ってるとか、そんな風に考えてしまう自分が情けなくなる。
「ねえ美都真、兄貴とちゃんと話してるの」
「なにを」
「気持ちを疑うような関係なんて続かないと思う。もちろん兄貴は本気だろうし、美都真のことを傷付けるとは思えないけど、美都真がそれを受け入れられるようにもっと話したら?」
「それは私を本当に好きか、翔璃に確認しろってことかな」
「それって子供染みて見えるかも知れないけど、根本的な大事なことだよ」
菜智に言われて、やっぱり私と翔璃には圧倒的に会話が足りたいことを実感する。
友だちとなら上手くいくのに、どうして好きな人が相手だとこんなに上手くいかないんだろうと、思春期の子供のようなことを思った。
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