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高校生編

32 春の海で(10)※

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沖縄旅行編ラストです。
後半にR18展開がありますのでご注意下さい。
次話は小話になります。

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一昨日大翔と初めて…シテしまった…。
夜は体が痛過ぎて全然動けなかったんだけど、翌日になればなんとか起きれるようになっていた。朝食堂に行くとみんなに生暖かい目で見られてしまった。

あれ絶対バレてたよね…。

ご家族にその…ぇ、エッチなことしてるのバレるのってすごく恥ずかしい…礼央くんも胡乱な目で僕のことを見ていたし、何か言ってた気がしたけど聞こえないふりをした。

まだちょっと筋肉痛気味だったから午前中は浜辺でゆったり二人で話したり本を読んだりしていた。
午後になってだいぶ動けるようになったので少しだけ海に入った。
その日は結構暑くって、27℃ぐらいあったからお手伝いさんたちに頼んでシュノーケリングをさせてもらった。
未亜さんとお友達も別のところでシュノーケリングしてたみたい。
お友達はオメガの女性で、可愛らしい人だった。
二人は楽しそうにその日に見た綺麗な魚の話をしていた、なんかいい感じっぽく見えるんだけど。

泳ぎ疲れてその日は早めに就寝…いやちょっとそのエッチなことはされたけど。
二人でプールに入って、ちょっと抱きついてたらそんな感じになっちゃったんだよね。
初めてした翌日だからって大翔はちょっとだけって言ったのに、またしても僕からねだってしまった。

思い返すだけでかなり恥ずかしい…。

今日はもう帰るだけ、島を出るときに与那覇さんが作ってくれたレシピノートをくれた。

「いいんですか?」
「大翔さんに食べさせてあげてください。」
「ありがとうございます。」

僕が深々とお辞儀をすると与那覇さんはにやっと片方の口角だけを上げて笑った。

「成功したみたいで良かったですね。」

そう言って与那覇さんは自分の首に所をトントンと指さした。

ん?首…?
あっ!!!!!キスマーク!?!?

僕は真っ赤になって自分の首筋を手で押さえて口をパクパクと動かしていた。
すると後ろから大翔がお腹に手を回し引き寄せて抱きこんできた。

「与那覇さんにはお世話になったようで。」
「ハハッ、まぁ上手く行ったようで良かったですよ。俺に牽制しなくて取りませんよ、うちに可愛いのがいますからね。」

そう言って与那覇さんはパチンと音がしそうなほどに綺麗なウィンクをして見せた。
僕が上を向いて大翔の顔を覗くと、なんだか剣呑な顔つきで与那覇さんのことを見ていたけど僕の視線に気づいたのかすぐに優しい目つきになって僕の額に口付けてきた。

「仲が良さそうで何よりですね。」

与那覇さんてちょっと食えなさそうな大人って感じだなぁ…。
でも楽しそうに笑ってる。

僕たちはお世話になったお手伝いさんたちに手を振って、きた時と同じ船に乗って島を後にした。


空港に行く前に琉球ガラスのお店に寄ってもらって綺麗なグラスを明くんの分を買って。そこでブルーがグラデーションになっていて気泡が綺麗に入っている丸っとしたグラスを2つ見つけた。
綺麗…それは、上の方は二人で潜った海のようで下の方は二人で見た夜の空みたいに紺色に近い青だった。
おんなじ感じで色が出ているのが二つ。これペアで大翔と使いたいなぁ…。

僕がそれをまじまじと見ていたら大翔が二つとも手に取ってレジに持って行ってしまった。

「えっ、大翔…?」
「ん?寮で使うやつ、ペアグラス…嫌だった?」
「全然嫌じゃないよ!」
「二人で見た海みたいで綺麗だね。」

そう言って大翔は綺麗な笑顔で僕を見ていた。
思っていたことが伝わったのかな、それとも大翔も偶然おんなじことを思っていたのかな。

嬉しくなって僕は大翔の腕にぎゅっと抱きついた。
大翔も嬉しそうな顔で空いている方の手で僕の頭を撫でてくれた。

この旅行の思い出としてこのグラスを買えて良かった。


他にも周りのお店をちょっとうろうろしながら、気づけばそろそろ空港に戻る時間だった。
空港に戻ってからお土産のお菓子を探す。
マンゴー味の生チョコやさんぴん茶のプリンなんかもあって何を買うか悩んでしまった。
生物は今日大翔の家で食べる分、後は学校に持っていってみんなで食べるように小分けの有名な塩を使ったちんすこうと黒糖を使ったブラウンケーキを買った。

帰りの空港にラウンジはないので特別待合室を借りているらしい。
座って待つのもなんだったので、僕は大翔と展望デッキに向かった。

展望デッキに上がると真っ青な海と椰子の木、滑走路も一望できる。
展望台になっているので360℃見渡せるようになっているみたいだ。
5月の少し涼しい風が吹き抜けていてすごく気持ちがいい。

「気持ち良いね!」
「あぁ、いい風だな。」

僕は縮こまった体を伸ばすようにグーっと大きく伸びをしながら空気を吸い込んだ。
都会とは違う潮の香りと青い草の匂いが混じる。

「大翔、連れてきてくれてありがとう。」
「あぁ、今度は2人で来たいな。」
「2人で旅行か、してみたいな。」
「あぁ、もう少し大人になったらな。免許取ってドライブもしたいし。」

楽しそうだな、2人っきりでいろんな所に行きたい。
でも大翔と2人だったらどこでも楽しいと思うんだ、寮の部屋だって浜辺でただ寝転んでるだけでも楽しい。
近くのスーパーだって、駅前のショッピングモールだって。

大翔が僕の腰をぎゅっと抱き寄せる。
僕は大翔の肩にそっと頭を預けるとぽんぽんって撫でてくれる。
髪の毛を撫でる大翔の手がすごく好きなんだ、ただこうやって2人で景色を眺めてるのが好きなんだ。

僕は少しだけ背伸びをして大翔の頬にキスをした。
へへへって笑ったら大翔は少しだけ驚いた顔をしていたけど、ふわって優しい目をして笑ってくれる。
この目も好き、優しくて。胸の奥がキュンキュン音を立てる。

大翔が僕を抱き上げるから僕の方が見下ろす形になってキスをした。
大翔の頬に手を当てて、ちゅって軽く音がするようなキス。

2人で笑って待合室に戻ろうとすると案内板のところにジェラートの文字を発見したので2人で買いに行った。
大翔は全部はいらないって言うから2人で食べる用にマンゴーと塩黒糖のジェラートを買って食べた。
甘く溶けるジェラートを2人で笑って食べて、ここに来れて本当によかったって思ってる。
カップを持ってて冷えた指先を温めるように大翔と手を繋いで待合室に戻ったら、ママさんと未亜さんと礼央くんに2人だけでジェラート食べてずるいって言われてしまった。

飛行機に搭乗した後も、ずっと大翔と手を繋いだままで2人で撮った写真を見ながら笑っていた。
スマホの中で笑う僕たちはとても楽しそう。
1番良く撮れている写真を唯に送っておいた。
相談に乗ってくれてありがとうってメッセージをつけて。

今向こうは深夜だから返事が来るのは夜かな…。
全部が役に立ったかと言われたら微妙な所だけど…でも、夏休みに向こうに戻った時に味方になってくれるって言ってたし。久しぶりに元気な声が聞けて嬉しかった。

「楽しそうだな。」
「うん、唯…あ、すぐ上の姉ね、相談乗ってもらったからありがとうって連絡しといたんだ。」
「そうか。」

大翔にぎゅっと肩を寄せられて頭にキスをされると、そこから熱がどんどん体に広がって体の中を温くて穏やかな水が満たしていくみたいになるんだ。
僕も大翔の肩に頭を預けて夏休みの話をしていた。
パパさんもママさんも行くの楽しみにしてるみたいだし、僕も楽しみだなぁ。

その前に今月は僕の誕生日があるのか、もう16かぁ。
夏休みの前には大翔の誕生日もあるんだ。

学校行事はあんまりないけど来月は前期中間考査で夏休み明け早々に前期期末考査だ。
2学期制なので夏休みもあまり長くない、うちの学校は所謂進学校なので前期後期であまりにもテストの点数と内申点が悪い場合クラス替えをされることがある。
宿題は無いけどその分日頃の授業と各自の予習復習がかなり大切になってくる。

この旅行の間も一応勉強していた…一応…途中から夜はイチャイチャしてばっかりだったけど。
気を引き締めて勉強しなければ…。いやでも息抜きとしてイチャイチャはしたい。
大翔といるとどうしても甘えたくなってしまうのはしょうがないと思う。

勉強する理由はもちろん大翔とクラスが離れないようにしたいのもある。
後は、目に見えたオメガに対する差別が無くなったとは言ってもやっぱりどうしてもオメガの地位は低い。
オメガが自分らしく生きられるような未来を作るため、夢のためにも僕は『オメガだから』と言われないよう勉強していかなければならない。

「凛どうしたの?」
「ん?」
「なんかやる気いっぱい見たいな顔してた。」
「うん、来月中間考査だし夏休み明けすぐに期末だから勉強頑張ろうって思って。」
「そうだね、じゃあ今日から毎日夜は1~2時間集中して勉強する時間にしようか。」
「うん!」


羽田に着いて荷物を受け取ると柴田さんとパパさんの秘書さんたちが既に揃っていた。

「お帰りなさいませ。」
「ただいま。」
「柴田さん。ただいま。あ、これお土産です。」
「ありがとうございます。」

「凛、それいつ買ったの?」
「ん?空港で学校のみんなに渡すお菓子買ってる時にね僕たちプリン買ったでしょ?おんなじの買ったの。」
「そうだったのか。」

僕の説明を聞いていた大翔が僕の腰を引き寄せてこめかみにキスをしてきた。

へぁ!え!2人の時はいいけど…みんな見てるし、っていうか目の前に柴田さんいるんですけど!!

僕は顔を真っ赤にしてワタワタしていると、到着ロビーにいた周りの人達が大翔を見て顔を赤らめている。
むむ、なんか面白くない。
胸の中がモヤモヤしてくる、それが嫉妬なのはわかってる。

僕の大翔なのに。

ちょっと周りの人たちがぽわっとした目で大翔のことを見ているのが気に食わなくて、僕も真っ赤な顔のまま大翔の腰にぎゅっと抱きついて大翔の顔を下から見上げた。
大翔は嬉しそうに笑って僕の額にもう一度キスをしてくれた。

周りからは「キャーッ」って悲鳴とは違う黄色い声に似た声が聞こえてさらに周りの人達の頬が赤く染まっていた。

ゴホンッ

「仲睦まじいのはよろしいですが、そろそろ戻りましょうか。」
「ああ、そうだな。」

軽い咳払いの後柴田さんが何か言いたげな目線を大翔に送っていたけど、大翔は素知らぬ顔して歩き出した。

今日は六浦家にお世話になることになった。
軽く夕食をいただいてから大翔の部屋へ戻るとお風呂に誘われたので大翔と一緒にお風呂に入ることにした。

湯船に大翔が先に入っているので、そこに僕もゆっくりと入る。
向かい合わせで入ったはずなのに引き寄せられて結局大翔の足の間に座ることになってしまった。

後ろから大翔が首筋にチュッと口付ける。

「ん、大翔…。」
「明日は朝から礼央さんのお店?」
「ううん、お昼からで良いって行ってた。」
「じゃ、しようか。」

パシャッと水音をさせながら大翔の方に向き直って僕から軽く口付ける。

クスクスと2人で笑い合って、湯船の中でぎゅっと抱きつくと大翔も僕をぎゅっと抱きしめてくれて背中をさすっていた手がゆっくりと腰の方へと降りていく。
それだけなのに僕の奥の方がじんわりと濡れていくのがわかる。
もう大翔に触られるだけで体はゾクゾクとその先の快感を欲しがっているみたいだ。

啄むようなバードキスから徐々に深くなるそれを受け入れる。
厚みのある舌を自分の舌で擦って合わせて吸い付いて、大翔が僕の舌を甘噛みして絡ませて2人の唾液が絡まって口の端から溶け合いながら落ちていく。

裸のまま湯船で抱き合って、溶け合うようにキスをして、大翔の手がゆっくりと僕の割れ目の奥にある窄まりの周りを撫でる。
優しく指で縁を辿る大翔の肩に軽く噛み付くと、頭の上で笑う声が聞こえる。

お風呂場の中は僕と大翔の息遣いと揺れる水音とたまに天井から落ちる水滴の音だけ。

お風呂場に準備されていたローションを手に取って湯船の淵に手をついてお尻を大翔の方に向けて四つん這いの状態にされると、ローションを纏った指がゆっくりと窄まりの奥に埋め込まれていく。
隘路を広げながら入ってくる僕の指よりも長くて太い大翔の指が中でグニグニと動き回る。

気づけば3本まで増やされた指が僕のいいところを押しながら自由に動き回る。
僕は声を抑えつつもその指に翻弄されていく。

「はぁ、あ、んぁっ、はぁ、ああ、ひろ…やっ」
「すごいもうトロトロだね。」
「ん、やぁ、いわない、で…はぁ、ん…入れ、て、もう入れて。」
「欲しい?これ。」

指を抜かれてぱっくりとあいた孔を先っぽでグチュグチュと刺激されると、早く欲しくてパクパクと蠢く。

「ん、いじわる、しないで…ちょうだい?ここ、ひろと、の…ほし…」

大翔に見えるようにしながら勝手に腰が動いて大翔のものを入れようと揺れてしまう。
はしたないって分かっていても勝手に動いてしまう。
もっと大きいのを入れて欲しい、奥をいっぱい拓いて、思い切り突いて欲しい。

それを気持ちいと知っているから、じゅぷじゅぷと卑猥な水音をさせながら大翔のものが埋め込まれていく。
ぱんぱんに張り詰めたそれが内臓を押し上げるようにわけ入ってくると大翔の張り出した出っ張りが僕の壁を擦り上げる。
快感を拾うたびに口からは悲鳴のような嬌声が溢れてしまう。

「ひゃ、あぁっ、ん、ああぁ、はぁっ」
「…クッ…凛、キツい、…力抜いて」

力抜きたいのに擦り上げる快感に体が震えて、強張ってしまう。
大翔は僕の背中から覆い被さるようにして、侵入してきながら前を擦り上げるとそっちの快感を拾い上げる。

「あっ、前、ンンッ、いっしょ、やっ…はぁ、んっ」

ぐちぐちと大翔の大きな手で包まれて扱きあげると、先っぽから透明の液体がポタポタと床に溢れていく。
後ろの力が抜けたのか大翔は一気に最奥を穿つ。
息が止まるような快感で背中がビリビリと痺れていく。

腰を掴んで一気に駆け上がるように早い律動が始まると、お風呂場の中には水音と掠れた嬌声に混じって肌のぶつかる音が響く。

「あっ、ああ、ん、や、つよ、いの…ん…おく、だめあっ、すぐイっちゃ…。」

「凛、イッて、俺も出すよ…。」

パンパンと響き渡る律動が体を芯から溶かす、もう気持ち良いって事しか考えられない。
もっと奥に、大翔の精液が欲しくてしょうがない。

思い切り奥を突かれた瞬間目の前にチカチカと星が飛んだ気がした。
そのままゴム越しに熱いものが弾けたのがわかる。
倒れていた上半身を起こされて、後ろから大翔に羽交い締めのようにされて実際は出されていないけど、奥に擦り付けるようにゆっくりと動かれた後にずるりとその熱いものが抜かれる。

抜かないで、まだ中にいて、もっと奥に欲しい。

いつの間にか僕は前からとろりと白いものを溢していた。

後ろから抱きこまれながら、深いキスを落とされると僕はそのまま意識を飛ばしてしまった。



起きたら、僕はのぼせてしまっていたみたいで大翔は土下座で謝ってくるから笑ってしまった。
冷たい水を少しだけ飲んで2人でまた絡まりながら横になる。

幸せな気持ちで心も体も満たされている。

おっきなベッドの上で抱き合うと大翔が僕の頭を撫でて背中をさする。
好きだな、こうやってずっと大翔と抱き合って眠りたい。



僕は小さくおやすみと言って目を閉じた。
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