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中学生編
12 甘えて、甘えられて
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あれから3ヶ月以上が経った。
残暑はとうの昔に過ぎてもう12月。
受験生にとっては本番の季節になった。
夢の事は起きてもなんとなく覚えていた。
何度か同じような夢は見たのに、彼のことは思い出せずにいた。
あの夢は夢じゃなく僕の大事な思い出なんだと思う。
あのお疲れ様会の時に言われた通り、僕は日中を家で過ごし大翔が学校が終わり次第僕に連絡をくれる。
家の仕事に関してはセーブしているようで、たまにどうしても行かなきゃならないものだけ参加しているみたいだった。
今日は高校の事前説明会。
大翔と一緒に高校までやってきた。
大翔は推薦枠。僕は帰国枠での入試になるので個別説明会だけは分かれてしまうがそれ以外は一緒に行動できそう。
私立帝明高校は僕が住む街から電車で5駅ほど行った所にある。
広大な土地の中心に本校舎、第二校舎、部活棟、講堂を含む特別棟、南側には大きなグラウンドとその脇には体育館。
東側にはアルファ専用の男女別の寮があり、西側にはオメガ専用の男女別の寮がある。
少し校舎と離れた北側に番となった生徒専用の番棟がある。
番棟にはヒートになった単身のオメガ専用の隔離室が併設されているらしい。
この学校は校内や寮で働く人たちは大半が番持ちである。一部番持ちじゃない人もいるけど、そういう人は強めの抑制剤の服用が義務付けられているらしい。
学校の敷地内に入るための手続きもかなり厳重で、番を持たないものはベータであっても必ず抑制剤を飲んだ上に身分証と個人情報の登録を行わなければならない。
この学校に通えるアルファやオメガは優秀な者しかおらず、それは家柄だけでも勉学だけでもいけない。内申点とは別に個別の調査が入るらしい。
ただしこれは噂程度なので本当か嘘かはわからない。
そうやって篩(ふるい)にかけらた一握りのアルファとオメガを育てる学校だから、大学への進学率も非常に良いし高卒であってもかなりいい就職先が見つかる。
オメガであっても貶される事のない、産む機械だけではない将来が約束されている。
まぁ、それだけ超トップレベルの学校だから偏差値も年々高くなるし、応募の倍率は凄いことになっている。
ただし、応募しただけでは受験できないのがこの学校ならではなのかもしれない。
応募して内申点と成績表鑑みて受験へと進む、そこで一気に受験倍率は下がる。
他の高校よりも1ヶ月ほど応募開始が早いのは個別調査が入るせいではないかと言われている。但し、学校側は個別調査の実態を公表していないので推測の域を出ないのだけれど。
僕も大翔も11月の初めに郵送で志願書を提出した。
今この学校に説明会に来れている人たちは第一関門を突破した『受験者』だ。
「凄いね…。」
「凛は初めて?」
「うん。大翔はきたことあるの?」
「ああ、小さい時だけどな。颯斗も未亜も通ってたから。」
未亜さんは大翔のすぐ上のお姉さんでもちろんアルファ。
すぐ上と言っても7つぐらい違うんだっけ。
花火大会の後、礼央くんのお店に行った時に2回ほど会ったことがある。
礼央くんの高校時代の後輩なんだって。
「去年の夏のオープンキャンパスにも来たしな。」
「そうだったんだ。」
「凛は?去年はどうしてた?」
「去年かぁ…まだカナダだったけど、夏には中学生のグレード修了してたし。だから勉強したりサマーキャンプいってたかも。説明会自体はオンラインで受けたよ。」
去年の今頃はもう日本に帰る気だったから、日本のカリキュラムに合わせて自宅ではずっと勉強。
それとは別に向こうの学校ではボランティア活動もしてたし、夏はサマーキャンプもあったから結構忙しかったんだよね。
「…仲良いやつとかいたのか?」
「うーん、友達?はそれなりにいたと思うけど。僕の学校にも日本人の子何人かいたし。でも特別仲良い子って…いたかなぁ?」
仲良い子かぁ、ただの同級生ぐらいにしか付き合いがなかったから…。
「あぁ、隣に住んでたブライアンって男の子は良く遊んだかも。仲…よかったのかなぁ。僕がどっか行くたびに付いてきたけど。あとは…。」
あとはあの男の子…名前も顔も思い出せないし、少しの間しか一緒に居なかったけど…。
「他にもいるのか?」
「うーん、実は僕小さい頃の記憶があんまりないんだ。だから、ちゃんとは覚えてないんだけどね。すごく仲の良い男の子がいたんだ、少しの間しか遊べなかったんだけど。」
「…そうか。」
「どうしたの?」
「いや…ところでそのブライアンとは今も連絡取ってるのか?」
「え?ブライアンと?取ってないよ。何も言わずにこっちにきたし!」
「仲が良いのに?」
「うーん、厳密に言うと仲が良いのかはちょっと分からない…凄い口うるさくて、なんか苦手だったんだよね。」
バース性の判別が終わったあとブライアンはベータで僕はオメガだとわかった。
その辺りからやたらと何をするにも口を挟んできたり、僕の後追っかけてきたりで大変だったんだよな。
なんかすぐ肩を組んできたりして、僕が嫌がって逃げても追いかけられて大変だった。
側から見れば仲が良しに見えたかもしれないけど、僕は正直苦手だったから早く日本にきたかったんだよね…。
そんな事を話していると大翔は考え込むように黙ってしまった。
「大翔?」
「ベータか…まぁ、いや…でも向こうは…。」
「どうしたの?」
「いや、なんでもない。連絡先は?向こうは知ってるのか?」
「んーん、僕からは教えてない。家族も苦手だったの知ってるから教えないと思うけど。」
「そうか。」
どうしたんだろ?
二人で説明会場に向かって歩いていると、前から背の高い男性が近づいてきた。
「よう、六浦の坊ちゃん!」
「げっ、豊杜(とよもり)…。」
「なんだよ。ん?そっちのちっこいのは?」
ちっこいのって…もしかして、いやもしかしなくても僕のことだよね…。
「お前は知らなくていい。」
「はぁ?別に良いだろ挨拶するぐらい。」
大翔は僕の事を背後に隠したんだけど、それを無視して覗き込んでくる。
「俺は神宮寺(じんぐうじ)豊杜(とよもり)、大翔とは親の仕事の関係で小さい頃からの知り合いなんだ。まぁ幼馴染ってやつだな。」
大翔よりも大きくて分厚い手を差し出して握手を求めてきたので、返そうとすると神宮寺の手を大翔が叩いた。
「凛、挨拶しなくていい。」
「えっ、でも…。」
「へぇ~凛ちゃんって言うのか、可愛いな。」
「お前は凛のことを見るな、凛が減るだろ。」
「なんだよそれ、へらねぇだろ別に。」
大翔は僕のことを胸の中に隠すように抱きしめるから、僕は顔を上げることもできずにバタバタと手をばたつかせる。
ちょっと、頭を押さえられてて息苦しい…。
大翔の二の腕をタップして離すように促すとごめんと言って少し腕の力を緩めてくれた。
「ぷはぁ、もう大翔苦しいよ。」
「ごめん、ちょっと力入っちゃった。」
僕が拗ねたように言うと大翔は笑顔で僕の少し乱れた前髪を直してくれる。
「へぇ、大翔ってそんな顔もするんだな。」
「は?」
「いやぁいつもパーティーなんかで会ってもつまんなそうな顔してさ、笑顔作ってるから大翔が本気で笑うことなんてないって思ってたよ。」
「俺だって笑うことぐらいある。」
「夏以降パーティーにもほとんど参加しないし、会わないと思ったらそう言うことね~、なるほどな。」
何か納得したのか、神宮寺は顎に指を拳を当てながらうんうんと頷いている。
「まぁ、ここで会ったって事は受かったら数ヶ月後から一緒になるだろうから凛ちゃんよろしくね。」
神宮寺は僕の頭を撫でようと手を伸ばしてくるが、再び大翔に手を叩かれていた。
「凛に触るな。」
「お~怖っ、凛ちゃんこの男が嫌になったらいつでも俺のところにおいで。」
言いたいことだけ言うとじ「じゃあな」と言って神宮寺は歩いて行ってしまった。
なんか凄い人だった。
神宮寺ってことは…あの神宮寺グループの人なのかな…。
神宮寺グループは六浦ホールディングスと並ぶ大企業で、不動産やショッピングモールなどを手がける日本でも有数の企業だ。
僕の家の近くにあるショッピングモールも神宮寺グループのものだ。
神宮寺グループの人ってことであれば、大翔と幼馴染なのもわかる気がする。
「凛、アイツのことは忘れていい。今後も話さなくていいから。」
「え、でも大翔の幼馴染なんでしょ?」
「…幼馴染というか腐れ縁というか…。」
このままこの学校に入った場合は同級生ということになるし、話さないも難しいけど…忘れるのはちょっと無理がある気がする。
「アイツ…俺と好みが似てるんだよな…。」
なにか大翔が小声で言っていたけど、何を言っているのか聞き取れなかった。
「ん?何か言った?」
「いや、なんでもない。」
****
合同の説明会は恙く終了した。
あとは個別の説明会だ、僕はすでに説明会を終えて大翔が終わるのを本校舎のエントランス内で待っていた。
校内で変なことをしてくるやつはいないだろうけど、人がいるところで待つようにとのことだったのでここで座って待っている。
本校舎のエントランスはまるでどこかのテーマパークみたいで広い吹き抜けの大通りのような構造で、天井はガラス張り。中央には室内なのに大きな木が植っていてその周りを囲うようにベンチが置かれている。
この説明会が終わった後、1週間後には入試がありさらに1週間後には合否判定が出る。
もうやれるだけのことはやったし、颯斗さんにも勉強を見てもらったけど特に問題なさそうだった。
あとはやれるだけのことやるだけだなぁ…。
僕はふぅと息を吐くと天井のガラスを見上げた。
今日は冬晴れで空がとても高い。
天井から見える青空に雲はなくてすっきりとした色合いだ。
日が差してきてとても気持ちがいい。
ここでご飯食べたら気持ち良さそうだなぁ。
そんなことを思っていると僕の視界に影が差した。
「凛ちゃんじゃん、大翔は?」
「あっ!」
「そんな驚くことないだろ、大翔待ってるの?」
「ぅ、あ、はい。」
うーん、さっき忘れろって言われたばかりだけど…この状態、話さないわけにはいかないよね。
動くなって言われてるし。
「同い年なんだからそんな緊張しないでよ。凛ちゃんは?もう個別の説明会終わったの?」
「あ、はい。僕、帰国枠なんで。」
「へぇ、凛ちゃんって帰国子女なんだ。大翔とはどこで出会ったの?」
「く、空港ですか…ね。」
「空港?そうなんだそれだけであんな仲良くなったの?」
「あ、いや…僕の従兄弟の番が…大翔のお兄さんなんです。」
「お兄さん…ってことは颯斗さんか、あぁ!あの美人さん凛ちゃんの従兄弟なんだ。なるほどね。」
なんかものすごい質問攻めにされている。
隣に座ってきたけど、ちょっと距離が近いような…。
身長は大翔とあまり変わらなさそうだけど、がたいがめちゃくちゃいいがっしりとした人だから隣に座ると圧迫感がすごい…。
「凛ちゃんって可愛いよね…。」
「えっ…」
神宮寺の手が伸びてくるのが見えた、どうしよう嫌だ…触れられたくなくて、でも身を硬くすることしかできない。
うっどうしよう…。
「おい!」
ぎゅっと目を閉じていると大翔の声がした。
恐る恐る目を開くと伸びてきてた神宮寺の手首を掴んだ大翔が僕の前に立っていた。
大翔の目は鋭く射る様な目つきで神宮寺のことを見ている。
「凛に触るなって言ったよな?」
「なんだ、王子様の登場か。惜しかったなぁ。」
神宮寺はそう言うと肩をすくめて大袈裟なぐらいのため息をついた。
大翔の肩が上下しているのがわかる。
もしかして走ってきてくれたのかな…。
「凛、行こう。外に柴田を待たせてる。」
神宮寺の手を投げ捨てる様に離すと反対の手で僕の手をぎゅっと握る。
神宮寺の手を掴んでいたような力任せな掴み方じゃなくてすごく優しく握ってくれるのがわかって、僕はふわふわと笑顔になってしまった。
「凛ちゃんのその顔めっちゃ可愛いな、やっぱ俺も狙いに行くかなぁ~。」
「おい、ふざけるな。」
「ふざけてなかったらいいわけ?」
「そんなわけ無いだろう。」
「凛、行こう。もうコイツと話さなくていい。」
大翔に引っ張られる様にして僕はエントランスを後にする。
すこしだけ後ろを見ると神宮寺はにっこりと笑いながら手を振っていた。
僕はなんだか居心地が悪くて手を振り返すこともなく、前を歩く大翔に視線を戻した。
校舎から出て一般送迎車が待機できる場所まで歩いていく。
「大翔…。」
「…。」
「ねぇ…大翔ってば…。」
大翔が返事をしてくれない。
手を繋いでるのになんだか寂しくなって僕は立ち止まる。
僕が突然止まったことに驚いた大翔がこちらを向く。
「凛…。」
「…怒ってるの…ぼくが…あの人と話したから…。」
「違う…怒ってはない…。」
「じゃあ、じゃあなんで…返事してくれないの…。」
怒ってないなら返事してよ。
急に僕は悲しくなって、目の前が涙で滲みそうになる。でも、泣きたくなんてないから目一杯我慢する。
「凛、ごめん。」
大翔は僕をぎゅっと前から抱きしめて頭の上にキスを落とす。
頭を優しく撫でて、ずっとごめんねって言ってくれる。その声がすごく優しくて、少しだけささくれ立った気持ちが落ち着いてきた。
大翔の胸の中で顔を上げて大翔の顔を下から見上げる。
大翔と目線が合うと少し申し訳なさそうに眉毛を下げて僕を見ていた。
「ヤキモチやいた…。」
「…大翔…?」
「凛と…アイツが話してるところ見て、それにさっきのブライアンとか言うのも…俺が見てない凛を見てるのも気に食わない。」
思わず吹き出しちゃって、大翔に少し睨まれてしまったけどコレは仕方なくない?
「へへへ。」
「何笑ってんだよ…。」
なんだろう、照れる。あとすごく嬉しい。
ヤキモチを焼く大翔が可愛くてつい大翔の髪の毛をぐしゃぐしゃにかき混ぜる。
後ろに流すようにセットしてあったけど。
今は見るも無惨な姿になっている。
頭をぐしゃぐしゃにしていたら両手首を大翔に掴まれてしまった。これじゃあ大翔の頭が撫でられないじゃないか…。
ちょっとだけ頬を膨らましてむすっとした顔をしてみるけど、今度は大翔に笑われてしまった。
手首を掴まれたまま軽く触れるようなキスをされた。
「ちょっ!ここ外…。」
「可愛いことする凛が悪い。」
そういって大翔は僕のことを抱え上げると早足で柴田さんの待つ車まで急いだ。
僕が抱えられているのを見て一瞬だけ眉が動いた気がするけど、いつもの外にいる時の柴田さんの顔だった。
すごい、この状態見てもほぼ表情を変えないなんて。
車の手前で下ろされたのでそのまま車に乗り込むと、後ろから乗ってきた大翔は柴田さんに礼央くんのお店に向かうように伝えた。
「あれ?礼央くんのお店に行くの?」
「あぁ、凛のマンションに俺は入れないからな。」
「うん?」
「まだ帰したく無いから。」
そう言われて僕の顔はみるみるうちに真っ赤になってしまった。
到着した礼央くんのお店で2階を借りると大翔が言うと礼央くんが嘆息しながら「この店逢引きの場所じゃないんですけど…。」と言っていた…。
なんだか申し訳ない。
2階に上がった大翔と僕はソファに座り頭を撫でて、撫でられて。
キスをして、キスをされて。
ずっと手を繋いで、離すことが出来なくて。
もっと僕と大翔の間にできる物理的な隙間が無くなればいいのに。
僕はぎゅっと大翔に前から抱きついて、肩に耳をつける。
大翔は僕の髪の毛や耳や頬を優しく撫でる。
たまに瞼にキスを落として。
大翔も僕の手のひらにキスをして、頭を撫でる様に促してくる。
僕は髪の毛を撫でつける様に撫でて、大翔の両頬を掌で包む。
大翔の焦げ茶の瞳。
すらっと伸びた鼻梁に唇で触れる。
最後に唇に軽く触れて、二人で微笑み合う。
僕らは甘えて、甘えられて。
入試前の充電を終えたのだった。
残暑はとうの昔に過ぎてもう12月。
受験生にとっては本番の季節になった。
夢の事は起きてもなんとなく覚えていた。
何度か同じような夢は見たのに、彼のことは思い出せずにいた。
あの夢は夢じゃなく僕の大事な思い出なんだと思う。
あのお疲れ様会の時に言われた通り、僕は日中を家で過ごし大翔が学校が終わり次第僕に連絡をくれる。
家の仕事に関してはセーブしているようで、たまにどうしても行かなきゃならないものだけ参加しているみたいだった。
今日は高校の事前説明会。
大翔と一緒に高校までやってきた。
大翔は推薦枠。僕は帰国枠での入試になるので個別説明会だけは分かれてしまうがそれ以外は一緒に行動できそう。
私立帝明高校は僕が住む街から電車で5駅ほど行った所にある。
広大な土地の中心に本校舎、第二校舎、部活棟、講堂を含む特別棟、南側には大きなグラウンドとその脇には体育館。
東側にはアルファ専用の男女別の寮があり、西側にはオメガ専用の男女別の寮がある。
少し校舎と離れた北側に番となった生徒専用の番棟がある。
番棟にはヒートになった単身のオメガ専用の隔離室が併設されているらしい。
この学校は校内や寮で働く人たちは大半が番持ちである。一部番持ちじゃない人もいるけど、そういう人は強めの抑制剤の服用が義務付けられているらしい。
学校の敷地内に入るための手続きもかなり厳重で、番を持たないものはベータであっても必ず抑制剤を飲んだ上に身分証と個人情報の登録を行わなければならない。
この学校に通えるアルファやオメガは優秀な者しかおらず、それは家柄だけでも勉学だけでもいけない。内申点とは別に個別の調査が入るらしい。
ただしこれは噂程度なので本当か嘘かはわからない。
そうやって篩(ふるい)にかけらた一握りのアルファとオメガを育てる学校だから、大学への進学率も非常に良いし高卒であってもかなりいい就職先が見つかる。
オメガであっても貶される事のない、産む機械だけではない将来が約束されている。
まぁ、それだけ超トップレベルの学校だから偏差値も年々高くなるし、応募の倍率は凄いことになっている。
ただし、応募しただけでは受験できないのがこの学校ならではなのかもしれない。
応募して内申点と成績表鑑みて受験へと進む、そこで一気に受験倍率は下がる。
他の高校よりも1ヶ月ほど応募開始が早いのは個別調査が入るせいではないかと言われている。但し、学校側は個別調査の実態を公表していないので推測の域を出ないのだけれど。
僕も大翔も11月の初めに郵送で志願書を提出した。
今この学校に説明会に来れている人たちは第一関門を突破した『受験者』だ。
「凄いね…。」
「凛は初めて?」
「うん。大翔はきたことあるの?」
「ああ、小さい時だけどな。颯斗も未亜も通ってたから。」
未亜さんは大翔のすぐ上のお姉さんでもちろんアルファ。
すぐ上と言っても7つぐらい違うんだっけ。
花火大会の後、礼央くんのお店に行った時に2回ほど会ったことがある。
礼央くんの高校時代の後輩なんだって。
「去年の夏のオープンキャンパスにも来たしな。」
「そうだったんだ。」
「凛は?去年はどうしてた?」
「去年かぁ…まだカナダだったけど、夏には中学生のグレード修了してたし。だから勉強したりサマーキャンプいってたかも。説明会自体はオンラインで受けたよ。」
去年の今頃はもう日本に帰る気だったから、日本のカリキュラムに合わせて自宅ではずっと勉強。
それとは別に向こうの学校ではボランティア活動もしてたし、夏はサマーキャンプもあったから結構忙しかったんだよね。
「…仲良いやつとかいたのか?」
「うーん、友達?はそれなりにいたと思うけど。僕の学校にも日本人の子何人かいたし。でも特別仲良い子って…いたかなぁ?」
仲良い子かぁ、ただの同級生ぐらいにしか付き合いがなかったから…。
「あぁ、隣に住んでたブライアンって男の子は良く遊んだかも。仲…よかったのかなぁ。僕がどっか行くたびに付いてきたけど。あとは…。」
あとはあの男の子…名前も顔も思い出せないし、少しの間しか一緒に居なかったけど…。
「他にもいるのか?」
「うーん、実は僕小さい頃の記憶があんまりないんだ。だから、ちゃんとは覚えてないんだけどね。すごく仲の良い男の子がいたんだ、少しの間しか遊べなかったんだけど。」
「…そうか。」
「どうしたの?」
「いや…ところでそのブライアンとは今も連絡取ってるのか?」
「え?ブライアンと?取ってないよ。何も言わずにこっちにきたし!」
「仲が良いのに?」
「うーん、厳密に言うと仲が良いのかはちょっと分からない…凄い口うるさくて、なんか苦手だったんだよね。」
バース性の判別が終わったあとブライアンはベータで僕はオメガだとわかった。
その辺りからやたらと何をするにも口を挟んできたり、僕の後追っかけてきたりで大変だったんだよな。
なんかすぐ肩を組んできたりして、僕が嫌がって逃げても追いかけられて大変だった。
側から見れば仲が良しに見えたかもしれないけど、僕は正直苦手だったから早く日本にきたかったんだよね…。
そんな事を話していると大翔は考え込むように黙ってしまった。
「大翔?」
「ベータか…まぁ、いや…でも向こうは…。」
「どうしたの?」
「いや、なんでもない。連絡先は?向こうは知ってるのか?」
「んーん、僕からは教えてない。家族も苦手だったの知ってるから教えないと思うけど。」
「そうか。」
どうしたんだろ?
二人で説明会場に向かって歩いていると、前から背の高い男性が近づいてきた。
「よう、六浦の坊ちゃん!」
「げっ、豊杜(とよもり)…。」
「なんだよ。ん?そっちのちっこいのは?」
ちっこいのって…もしかして、いやもしかしなくても僕のことだよね…。
「お前は知らなくていい。」
「はぁ?別に良いだろ挨拶するぐらい。」
大翔は僕の事を背後に隠したんだけど、それを無視して覗き込んでくる。
「俺は神宮寺(じんぐうじ)豊杜(とよもり)、大翔とは親の仕事の関係で小さい頃からの知り合いなんだ。まぁ幼馴染ってやつだな。」
大翔よりも大きくて分厚い手を差し出して握手を求めてきたので、返そうとすると神宮寺の手を大翔が叩いた。
「凛、挨拶しなくていい。」
「えっ、でも…。」
「へぇ~凛ちゃんって言うのか、可愛いな。」
「お前は凛のことを見るな、凛が減るだろ。」
「なんだよそれ、へらねぇだろ別に。」
大翔は僕のことを胸の中に隠すように抱きしめるから、僕は顔を上げることもできずにバタバタと手をばたつかせる。
ちょっと、頭を押さえられてて息苦しい…。
大翔の二の腕をタップして離すように促すとごめんと言って少し腕の力を緩めてくれた。
「ぷはぁ、もう大翔苦しいよ。」
「ごめん、ちょっと力入っちゃった。」
僕が拗ねたように言うと大翔は笑顔で僕の少し乱れた前髪を直してくれる。
「へぇ、大翔ってそんな顔もするんだな。」
「は?」
「いやぁいつもパーティーなんかで会ってもつまんなそうな顔してさ、笑顔作ってるから大翔が本気で笑うことなんてないって思ってたよ。」
「俺だって笑うことぐらいある。」
「夏以降パーティーにもほとんど参加しないし、会わないと思ったらそう言うことね~、なるほどな。」
何か納得したのか、神宮寺は顎に指を拳を当てながらうんうんと頷いている。
「まぁ、ここで会ったって事は受かったら数ヶ月後から一緒になるだろうから凛ちゃんよろしくね。」
神宮寺は僕の頭を撫でようと手を伸ばしてくるが、再び大翔に手を叩かれていた。
「凛に触るな。」
「お~怖っ、凛ちゃんこの男が嫌になったらいつでも俺のところにおいで。」
言いたいことだけ言うとじ「じゃあな」と言って神宮寺は歩いて行ってしまった。
なんか凄い人だった。
神宮寺ってことは…あの神宮寺グループの人なのかな…。
神宮寺グループは六浦ホールディングスと並ぶ大企業で、不動産やショッピングモールなどを手がける日本でも有数の企業だ。
僕の家の近くにあるショッピングモールも神宮寺グループのものだ。
神宮寺グループの人ってことであれば、大翔と幼馴染なのもわかる気がする。
「凛、アイツのことは忘れていい。今後も話さなくていいから。」
「え、でも大翔の幼馴染なんでしょ?」
「…幼馴染というか腐れ縁というか…。」
このままこの学校に入った場合は同級生ということになるし、話さないも難しいけど…忘れるのはちょっと無理がある気がする。
「アイツ…俺と好みが似てるんだよな…。」
なにか大翔が小声で言っていたけど、何を言っているのか聞き取れなかった。
「ん?何か言った?」
「いや、なんでもない。」
****
合同の説明会は恙く終了した。
あとは個別の説明会だ、僕はすでに説明会を終えて大翔が終わるのを本校舎のエントランス内で待っていた。
校内で変なことをしてくるやつはいないだろうけど、人がいるところで待つようにとのことだったのでここで座って待っている。
本校舎のエントランスはまるでどこかのテーマパークみたいで広い吹き抜けの大通りのような構造で、天井はガラス張り。中央には室内なのに大きな木が植っていてその周りを囲うようにベンチが置かれている。
この説明会が終わった後、1週間後には入試がありさらに1週間後には合否判定が出る。
もうやれるだけのことはやったし、颯斗さんにも勉強を見てもらったけど特に問題なさそうだった。
あとはやれるだけのことやるだけだなぁ…。
僕はふぅと息を吐くと天井のガラスを見上げた。
今日は冬晴れで空がとても高い。
天井から見える青空に雲はなくてすっきりとした色合いだ。
日が差してきてとても気持ちがいい。
ここでご飯食べたら気持ち良さそうだなぁ。
そんなことを思っていると僕の視界に影が差した。
「凛ちゃんじゃん、大翔は?」
「あっ!」
「そんな驚くことないだろ、大翔待ってるの?」
「ぅ、あ、はい。」
うーん、さっき忘れろって言われたばかりだけど…この状態、話さないわけにはいかないよね。
動くなって言われてるし。
「同い年なんだからそんな緊張しないでよ。凛ちゃんは?もう個別の説明会終わったの?」
「あ、はい。僕、帰国枠なんで。」
「へぇ、凛ちゃんって帰国子女なんだ。大翔とはどこで出会ったの?」
「く、空港ですか…ね。」
「空港?そうなんだそれだけであんな仲良くなったの?」
「あ、いや…僕の従兄弟の番が…大翔のお兄さんなんです。」
「お兄さん…ってことは颯斗さんか、あぁ!あの美人さん凛ちゃんの従兄弟なんだ。なるほどね。」
なんかものすごい質問攻めにされている。
隣に座ってきたけど、ちょっと距離が近いような…。
身長は大翔とあまり変わらなさそうだけど、がたいがめちゃくちゃいいがっしりとした人だから隣に座ると圧迫感がすごい…。
「凛ちゃんって可愛いよね…。」
「えっ…」
神宮寺の手が伸びてくるのが見えた、どうしよう嫌だ…触れられたくなくて、でも身を硬くすることしかできない。
うっどうしよう…。
「おい!」
ぎゅっと目を閉じていると大翔の声がした。
恐る恐る目を開くと伸びてきてた神宮寺の手首を掴んだ大翔が僕の前に立っていた。
大翔の目は鋭く射る様な目つきで神宮寺のことを見ている。
「凛に触るなって言ったよな?」
「なんだ、王子様の登場か。惜しかったなぁ。」
神宮寺はそう言うと肩をすくめて大袈裟なぐらいのため息をついた。
大翔の肩が上下しているのがわかる。
もしかして走ってきてくれたのかな…。
「凛、行こう。外に柴田を待たせてる。」
神宮寺の手を投げ捨てる様に離すと反対の手で僕の手をぎゅっと握る。
神宮寺の手を掴んでいたような力任せな掴み方じゃなくてすごく優しく握ってくれるのがわかって、僕はふわふわと笑顔になってしまった。
「凛ちゃんのその顔めっちゃ可愛いな、やっぱ俺も狙いに行くかなぁ~。」
「おい、ふざけるな。」
「ふざけてなかったらいいわけ?」
「そんなわけ無いだろう。」
「凛、行こう。もうコイツと話さなくていい。」
大翔に引っ張られる様にして僕はエントランスを後にする。
すこしだけ後ろを見ると神宮寺はにっこりと笑いながら手を振っていた。
僕はなんだか居心地が悪くて手を振り返すこともなく、前を歩く大翔に視線を戻した。
校舎から出て一般送迎車が待機できる場所まで歩いていく。
「大翔…。」
「…。」
「ねぇ…大翔ってば…。」
大翔が返事をしてくれない。
手を繋いでるのになんだか寂しくなって僕は立ち止まる。
僕が突然止まったことに驚いた大翔がこちらを向く。
「凛…。」
「…怒ってるの…ぼくが…あの人と話したから…。」
「違う…怒ってはない…。」
「じゃあ、じゃあなんで…返事してくれないの…。」
怒ってないなら返事してよ。
急に僕は悲しくなって、目の前が涙で滲みそうになる。でも、泣きたくなんてないから目一杯我慢する。
「凛、ごめん。」
大翔は僕をぎゅっと前から抱きしめて頭の上にキスを落とす。
頭を優しく撫でて、ずっとごめんねって言ってくれる。その声がすごく優しくて、少しだけささくれ立った気持ちが落ち着いてきた。
大翔の胸の中で顔を上げて大翔の顔を下から見上げる。
大翔と目線が合うと少し申し訳なさそうに眉毛を下げて僕を見ていた。
「ヤキモチやいた…。」
「…大翔…?」
「凛と…アイツが話してるところ見て、それにさっきのブライアンとか言うのも…俺が見てない凛を見てるのも気に食わない。」
思わず吹き出しちゃって、大翔に少し睨まれてしまったけどコレは仕方なくない?
「へへへ。」
「何笑ってんだよ…。」
なんだろう、照れる。あとすごく嬉しい。
ヤキモチを焼く大翔が可愛くてつい大翔の髪の毛をぐしゃぐしゃにかき混ぜる。
後ろに流すようにセットしてあったけど。
今は見るも無惨な姿になっている。
頭をぐしゃぐしゃにしていたら両手首を大翔に掴まれてしまった。これじゃあ大翔の頭が撫でられないじゃないか…。
ちょっとだけ頬を膨らましてむすっとした顔をしてみるけど、今度は大翔に笑われてしまった。
手首を掴まれたまま軽く触れるようなキスをされた。
「ちょっ!ここ外…。」
「可愛いことする凛が悪い。」
そういって大翔は僕のことを抱え上げると早足で柴田さんの待つ車まで急いだ。
僕が抱えられているのを見て一瞬だけ眉が動いた気がするけど、いつもの外にいる時の柴田さんの顔だった。
すごい、この状態見てもほぼ表情を変えないなんて。
車の手前で下ろされたのでそのまま車に乗り込むと、後ろから乗ってきた大翔は柴田さんに礼央くんのお店に向かうように伝えた。
「あれ?礼央くんのお店に行くの?」
「あぁ、凛のマンションに俺は入れないからな。」
「うん?」
「まだ帰したく無いから。」
そう言われて僕の顔はみるみるうちに真っ赤になってしまった。
到着した礼央くんのお店で2階を借りると大翔が言うと礼央くんが嘆息しながら「この店逢引きの場所じゃないんですけど…。」と言っていた…。
なんだか申し訳ない。
2階に上がった大翔と僕はソファに座り頭を撫でて、撫でられて。
キスをして、キスをされて。
ずっと手を繋いで、離すことが出来なくて。
もっと僕と大翔の間にできる物理的な隙間が無くなればいいのに。
僕はぎゅっと大翔に前から抱きついて、肩に耳をつける。
大翔は僕の髪の毛や耳や頬を優しく撫でる。
たまに瞼にキスを落として。
大翔も僕の手のひらにキスをして、頭を撫でる様に促してくる。
僕は髪の毛を撫でつける様に撫でて、大翔の両頬を掌で包む。
大翔の焦げ茶の瞳。
すらっと伸びた鼻梁に唇で触れる。
最後に唇に軽く触れて、二人で微笑み合う。
僕らは甘えて、甘えられて。
入試前の充電を終えたのだった。
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