41 / 64
第41話 夜
しおりを挟む
『勝負あり! 勝者! クロト・ムラマサ選手!』
『これで本戦トーナメントに進出じゃな』
『精神干渉系魔法を使ってくる相手でしたが、問題なかったみたいですね』
『彼は魔法が使えんから、精神力のみで対応したことになるが……苦しい様子も見せず欠伸しておったわい』
3回戦目が終わり、とりあえず本戦までは進むことが出来た。
本戦は明日になるので後はフリーだ。
といっても、学院生の試合が始まるのでシロナを見てやることにする。観客達からしてみれば、これからが本番と言ったところだろう。騎士たちは前座みたいなものだ。
俺はゆっくりと観客席に戻ると笑顔でシロナに出迎えられる。
「本戦進出おめでとう!」
「ああ、次はシロナの番だな」
「ええ、しっかりと私の戦いをその目に焼き付けておきなさい」
「はいはい」
まぁシロナの実力なら優勝候補で間違いないだろう。魔力もそこそこある上に度胸もある。実戦経験があるのも大きいだろう。
そしてその予想通り、シロナは難なく予選を突破し、本戦へと進出したのであった。
二人の本戦進出が決まり、少し豪華な夕食を摂った後、お互い明日もあるので早めに別れ寮へと戻る。
俺もそこまで疲労はないものの、特にやることもないので早めにベッドへと入ることにした。
そして夜も深まり、月の光のみ照らす頃、扉に気配を感じ俺は目を覚ます。
「(刺客か? いや、それにしては大雑把すぎる上に、気配の消し方が雑だ。……いや、この微妙に薄い気配はどこかで……)」
部屋に入るもとくに襲い掛かる様子もない来訪者に、そのまま俺は様子を見る事にした。
……が、そいつはいつまでも行動を起こすことなく、俺のベッドの前に立っている様で、流石に埒が明かないと思った俺は上半身だけ起き上がり声をかける。
「さっきからそこでつっ立って何をやって……ってお前は……」
月明かりが少しずつ来訪者を照らし、その姿を現す。
黒曜石の様に黒く煌めく長い髪に、透き通った紫の瞳に特徴的な泣きぼくろ……ユキナだ。
何時もの学院服でなく、髪の色と対照的な白のネグリジェ姿で佇んでいた。
「いくらお嬢様は許可なしに騎士の所へ来れるからって、そんな姿俺以外の奴が見たら襲われるぞ?」
そう、騎士が学院生のいる寮への通行は許可がなければ通ることはできないが、その逆は許可などは不要である。
俺のその質問にじっと立っていたユキナは少し首をかしげて俺に問いかける。
「……襲わないの?」
「いや襲うかよ」
別に女性に興味がないわけではない。寧ろユキナは美少女と言っても過言ではないだろう。
そんな子に襲わないの? なんて言われてみろ、並みの奴ならその場で押し倒している事だろうが……。
あまりにも不可解すぎる状況な上、ふとシロナの事を思うと、何故かそういう気にもなれないというのが本音だった。
俺はベッドから足を出し、ユキナの方を向いて問いかける。
「んで、そんな格好で何しに来た」
「……夜這い?」
「何でお前が疑問形なんだよ……」
「……いや?」
「そういう事じゃ無くてな……」
一体何を考えているんだこいつは……。
そして暫く沈黙が訪れる。
流石に話が進まないので俺から口を開いた。
「とりあえず立ってないで座れ」
「……うん」
とてとてと歩き、椅子に座るかと思いきや何故か俺の隣に座るユキナ。
「……座った」
「確かに座れとは言ったが……まぁいい。俺に何か用か」
「……襲う?」
「それはもういい。無理しているのバレバレだからな」
「……魔法?」
「いや誰でもわかると思うぞ」
「……困った」
「俺のセリフなんだがな……、とりあえず何か用があるんだろ? 抱く抱かないにしろ、何か俺にやってもらいたいことでもあるのか?」
少なくとも俺に好意を持っているからという理由ではない事はわかる。今までもそういう素振りは見せたことなかったからな。
後は何か俺に頼み事か何かってところだろう。タイミング的に魔法大会関連の事だろうとは思うが……。
「……魔法大会、明日負けてほしい」
「やはりソレ関連か」
「……多分クロトが明日勝つ」
「やってみないとわからないだろ? お前の騎士だって相当やれると思うぜ?」
以前、ウインドから聞いた話だが、魔法付与状態で戦えばいい所行くとは思う。まぁそれでも厳しいだろうが、勝負にならないというレベルではない。
「……信じてる、でも保険」
「んー何だ、優勝の願いが目的か」
「……」
沈黙するユキナ。肯定ということか。恐らくウインドが勝てば願いを譲ってもらえる算段なのだろう。
ユキナは俺が知る限り、こういった行為は絶対しないような人物なのだが、それだけ重要な事なのだろう……だが……。
「悪いが、俺も今回負けるわけにはいかないんでな。それに、願いならお前が勝てばいい話だろう」
俺の耳に入るほど魔法で有名なキーライト家、その娘とあらば、優勝も目じゃないだろう。
しかし返答する声は暗くユキナの表情は下を向いていた。
「……今の私じゃ難しいの」
「攻撃魔法が使えないからか?」
「……そう」
今日のユキナの予選もシロナと一緒に見ていたが、攻撃魔法を使用する事はなかった。いや、使えないのか? 確かに今までの学院生活でユキナが攻撃魔法を使用した所を俺は見たことがない。
予選を反射魔法や干渉魔法といった、別の方法で勝ち進んで行ったのは称賛に価するが、本戦となると難しいだろう。
「それほどまでに願いたい事ってなんなんだ?」
「それは……ごめんなさい」
「そうか、無理して聞こうとは思わんが……」
目的は勝つ事なので、願い事にそこまでこだわりがある訳ではない。どこまで叶うかもわからないし、それを当てにするわけにもいかん。
権利を譲ってもよかったんだが、それは主かその騎士でないとできないらしい。悪用防止処置だろう。
「ともかく負けることはできない。何ならシロナに相談した方が……」
そう言いかけると、首をゆっくりと左右に振るユキナ。
「……いい、シロナには心配かけたくないから」
「俺にはいいのか!?」
「……そうね」
やり取りに少しほほ笑んだかと思うと、ベッドから立ちあがるユキナ。
その足はゆっくりと部屋の扉へと歩みを進める。
「……急にごめんなさい」
「いいや、俺こそ力になれなくてすまんな、あと、そう言った真似は他の奴にはするなよ」
「……ええ、ありがとう、それはないから安心して」
「ならいいが……」
「……おやすみなさい」
そう言ってユキナは出て行った。
それほどまでに願いたい事とは何だろうか? 攻撃魔法が打てないことに関連しているのか?
「……ま、俺が考えても仕方ない事か」
だからと言って、わざと負ける様な事はしない。今回は勝たねばならんのだ。
「願い事ね~」
仮に勝てたとして何を願うか。
第3区画出身を変えてくれ? なかったことにしてくれ? 仮に願ったとして俺を知っている奴らの記憶まで消去できるほどの願いなど叶えられるのか?
それは難しいだろう。仮に出来たとしても、人の記憶操作まで行うことを、あの学院長がよしとしない。
ならばどうする、貴族にしてくれー? とかか? いや、俺には向いてなさすぎる。 パーティーでボンボンどもの表情窺いながらご挨拶なんて、我慢はできるが進んでやろうとは思わん。
としたら……。
「勝ったときにでもシロナに相談するか」
まずは明日の本戦に勝ってからだ。
『これで本戦トーナメントに進出じゃな』
『精神干渉系魔法を使ってくる相手でしたが、問題なかったみたいですね』
『彼は魔法が使えんから、精神力のみで対応したことになるが……苦しい様子も見せず欠伸しておったわい』
3回戦目が終わり、とりあえず本戦までは進むことが出来た。
本戦は明日になるので後はフリーだ。
といっても、学院生の試合が始まるのでシロナを見てやることにする。観客達からしてみれば、これからが本番と言ったところだろう。騎士たちは前座みたいなものだ。
俺はゆっくりと観客席に戻ると笑顔でシロナに出迎えられる。
「本戦進出おめでとう!」
「ああ、次はシロナの番だな」
「ええ、しっかりと私の戦いをその目に焼き付けておきなさい」
「はいはい」
まぁシロナの実力なら優勝候補で間違いないだろう。魔力もそこそこある上に度胸もある。実戦経験があるのも大きいだろう。
そしてその予想通り、シロナは難なく予選を突破し、本戦へと進出したのであった。
二人の本戦進出が決まり、少し豪華な夕食を摂った後、お互い明日もあるので早めに別れ寮へと戻る。
俺もそこまで疲労はないものの、特にやることもないので早めにベッドへと入ることにした。
そして夜も深まり、月の光のみ照らす頃、扉に気配を感じ俺は目を覚ます。
「(刺客か? いや、それにしては大雑把すぎる上に、気配の消し方が雑だ。……いや、この微妙に薄い気配はどこかで……)」
部屋に入るもとくに襲い掛かる様子もない来訪者に、そのまま俺は様子を見る事にした。
……が、そいつはいつまでも行動を起こすことなく、俺のベッドの前に立っている様で、流石に埒が明かないと思った俺は上半身だけ起き上がり声をかける。
「さっきからそこでつっ立って何をやって……ってお前は……」
月明かりが少しずつ来訪者を照らし、その姿を現す。
黒曜石の様に黒く煌めく長い髪に、透き通った紫の瞳に特徴的な泣きぼくろ……ユキナだ。
何時もの学院服でなく、髪の色と対照的な白のネグリジェ姿で佇んでいた。
「いくらお嬢様は許可なしに騎士の所へ来れるからって、そんな姿俺以外の奴が見たら襲われるぞ?」
そう、騎士が学院生のいる寮への通行は許可がなければ通ることはできないが、その逆は許可などは不要である。
俺のその質問にじっと立っていたユキナは少し首をかしげて俺に問いかける。
「……襲わないの?」
「いや襲うかよ」
別に女性に興味がないわけではない。寧ろユキナは美少女と言っても過言ではないだろう。
そんな子に襲わないの? なんて言われてみろ、並みの奴ならその場で押し倒している事だろうが……。
あまりにも不可解すぎる状況な上、ふとシロナの事を思うと、何故かそういう気にもなれないというのが本音だった。
俺はベッドから足を出し、ユキナの方を向いて問いかける。
「んで、そんな格好で何しに来た」
「……夜這い?」
「何でお前が疑問形なんだよ……」
「……いや?」
「そういう事じゃ無くてな……」
一体何を考えているんだこいつは……。
そして暫く沈黙が訪れる。
流石に話が進まないので俺から口を開いた。
「とりあえず立ってないで座れ」
「……うん」
とてとてと歩き、椅子に座るかと思いきや何故か俺の隣に座るユキナ。
「……座った」
「確かに座れとは言ったが……まぁいい。俺に何か用か」
「……襲う?」
「それはもういい。無理しているのバレバレだからな」
「……魔法?」
「いや誰でもわかると思うぞ」
「……困った」
「俺のセリフなんだがな……、とりあえず何か用があるんだろ? 抱く抱かないにしろ、何か俺にやってもらいたいことでもあるのか?」
少なくとも俺に好意を持っているからという理由ではない事はわかる。今までもそういう素振りは見せたことなかったからな。
後は何か俺に頼み事か何かってところだろう。タイミング的に魔法大会関連の事だろうとは思うが……。
「……魔法大会、明日負けてほしい」
「やはりソレ関連か」
「……多分クロトが明日勝つ」
「やってみないとわからないだろ? お前の騎士だって相当やれると思うぜ?」
以前、ウインドから聞いた話だが、魔法付与状態で戦えばいい所行くとは思う。まぁそれでも厳しいだろうが、勝負にならないというレベルではない。
「……信じてる、でも保険」
「んー何だ、優勝の願いが目的か」
「……」
沈黙するユキナ。肯定ということか。恐らくウインドが勝てば願いを譲ってもらえる算段なのだろう。
ユキナは俺が知る限り、こういった行為は絶対しないような人物なのだが、それだけ重要な事なのだろう……だが……。
「悪いが、俺も今回負けるわけにはいかないんでな。それに、願いならお前が勝てばいい話だろう」
俺の耳に入るほど魔法で有名なキーライト家、その娘とあらば、優勝も目じゃないだろう。
しかし返答する声は暗くユキナの表情は下を向いていた。
「……今の私じゃ難しいの」
「攻撃魔法が使えないからか?」
「……そう」
今日のユキナの予選もシロナと一緒に見ていたが、攻撃魔法を使用する事はなかった。いや、使えないのか? 確かに今までの学院生活でユキナが攻撃魔法を使用した所を俺は見たことがない。
予選を反射魔法や干渉魔法といった、別の方法で勝ち進んで行ったのは称賛に価するが、本戦となると難しいだろう。
「それほどまでに願いたい事ってなんなんだ?」
「それは……ごめんなさい」
「そうか、無理して聞こうとは思わんが……」
目的は勝つ事なので、願い事にそこまでこだわりがある訳ではない。どこまで叶うかもわからないし、それを当てにするわけにもいかん。
権利を譲ってもよかったんだが、それは主かその騎士でないとできないらしい。悪用防止処置だろう。
「ともかく負けることはできない。何ならシロナに相談した方が……」
そう言いかけると、首をゆっくりと左右に振るユキナ。
「……いい、シロナには心配かけたくないから」
「俺にはいいのか!?」
「……そうね」
やり取りに少しほほ笑んだかと思うと、ベッドから立ちあがるユキナ。
その足はゆっくりと部屋の扉へと歩みを進める。
「……急にごめんなさい」
「いいや、俺こそ力になれなくてすまんな、あと、そう言った真似は他の奴にはするなよ」
「……ええ、ありがとう、それはないから安心して」
「ならいいが……」
「……おやすみなさい」
そう言ってユキナは出て行った。
それほどまでに願いたい事とは何だろうか? 攻撃魔法が打てないことに関連しているのか?
「……ま、俺が考えても仕方ない事か」
だからと言って、わざと負ける様な事はしない。今回は勝たねばならんのだ。
「願い事ね~」
仮に勝てたとして何を願うか。
第3区画出身を変えてくれ? なかったことにしてくれ? 仮に願ったとして俺を知っている奴らの記憶まで消去できるほどの願いなど叶えられるのか?
それは難しいだろう。仮に出来たとしても、人の記憶操作まで行うことを、あの学院長がよしとしない。
ならばどうする、貴族にしてくれー? とかか? いや、俺には向いてなさすぎる。 パーティーでボンボンどもの表情窺いながらご挨拶なんて、我慢はできるが進んでやろうとは思わん。
としたら……。
「勝ったときにでもシロナに相談するか」
まずは明日の本戦に勝ってからだ。
0
お気に入りに追加
31
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【完結】皆様、答え合わせをいたしましょう
楽歩
恋愛
白磁のような肌にきらめく金髪、宝石のようなディープグリーンの瞳のシルヴィ・ウィレムス公爵令嬢。
きらびやかに彩られた学院の大広間で、別の女性をエスコートして現れたセドリック王太子殿下に婚約破棄を宣言された。
傍若無人なふるまい、大聖女だというのに仕事のほとんどを他の聖女に押し付け、王太子が心惹かれる男爵令嬢には嫌がらせをする。令嬢の有責で婚約破棄、国外追放、除籍…まさにその宣告が下されようとした瞬間。
「心当たりはありますが、本当にご理解いただけているか…答え合わせいたしません?」
令嬢との答え合わせに、青ざめ愕然としていく王太子、男爵令嬢、側近達など…
周りに搾取され続け、大事にされなかった令嬢の答え合わせにより、皆の終わりが始まる。
旦那様に離縁をつきつけたら
cyaru
恋愛
駆け落ち同然で結婚したシャロンとシリウス。
仲の良い夫婦でずっと一緒だと思っていた。
突然現れた子連れの女性、そして腕を組んで歩く2人。
我慢の限界を迎えたシャロンは神殿に離縁の申し込みをした。
※色々と異世界の他に現実に近いモノや妄想の世界をぶっこんでいます。
※設定はかなり他の方の作品とは異なる部分があります。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
平民の方が好きと言われた私は、あなたを愛することをやめました
天宮有
恋愛
公爵令嬢の私ルーナは、婚約者ラドン王子に「お前より平民の方が好きだ」と言われてしまう。
平民を新しい婚約者にするため、ラドン王子は私から婚約破棄を言い渡して欲しいようだ。
家族もラドン王子の酷さから納得して、言うとおり私の方から婚約を破棄した。
愛することをやめた結果、ラドン王子は後悔することとなる。
【完結】記憶を失くした貴方には、わたし達家族は要らないようです
たろ
恋愛
騎士であった夫が突然川に落ちて死んだと聞かされたラフェ。
お腹には赤ちゃんがいることが分かったばかりなのに。
これからどうやって暮らしていけばいいのか……
子供と二人で何とか頑張って暮らし始めたのに……
そして………
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる