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試練
刃の部屋
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「さて、今日も引き続き試練を行うんだけど、どうする?」
「どうするとは?」
「今の能力で止めておくかと言う事だねぇ」
「いえ、暗闇にするだけじゃ、駄目なんです、もっと、ダメージを与えられるものでないと…」
「しかしシバルバへ行き続けると魂を持っていかれないかい?」
「大丈夫です、私は死にません!」
「昔ドラマで聞いたことがあるセリフだねぇ」
「??」
「いや、なんでもないさ。さあ、ここで警護してるからいってらっしゃい」
再び意識をナイフに集中してシバルバの門を探す
「ここだわ」
今回はすぐに見つかった、が、以前と門の装飾が違う
「ま、何にせよ試練を受けないとね」
もはや前に進むことしか考えていない
門をくぐるとそとこに見えるのは無数の刃だった
「なにかしら、これ」
と、考えようとしたがその瞬間体が強張った
「ぐっ!!」
気がつくと右腕に剣が貫通している
一瞬の事で声も出ない
「はあっはあっ!!」
いつ刺されたのだろう?
痛みが強すぎて思考は止まらずにいる
周りを見渡すが誰も居ない
あるのは無数の刃だけだ
大丈夫、私は実態がない、この痛みは錯覚だ
自分に言い聞かせ歩を進める
すると、転んだ
足を見ると腕と同じように剣が貫通している
大丈夫、大丈夫
痛みをこらえ更に進む
「よく来たな死んでいない者よ」
どこからか声が響く
「あ…あなたは…フンカメさん?」
声を絞り出す
「私は二柱の一人、ヴクブカメだ」
「ヴクブカメさん…ここの守り人?」
「そうではない、まだ試練の部屋はいくつもある、フンカメに面白い女が居ると聞いてきたのだ」
「なるほど…で、この部屋は…?」
「ここは刃の部屋といってな、もう既に刺されているが、まぁそういう部屋だ」
「そう…これぐらい大したことは…ないわ…」
意識が朦朧としてくる
錯覚と分かっているのに痛みが引かない
「ほう、強いな…しかし、これからの試練は辛いぞ、悪い事は言わん、諦めたらどうだ?」
「駄目なんです…私はもっと…強くならないと…」
「そんなに強くなってどうする?人間がここまで出来れば十分だろう」
「人間の…強さじゃないん…です…悪魔とも戦える力を…」
「そんな事は他の奴に頼めばいい、ここで諦めて平穏な日常を送ればよいではないか」
「さっきから…なんなんです?やたらと…諦めさせようとしてますね…諦めさせて…ここで殺して…魂を…奪うつもりでしょう?」
「ん?はーっはっはっは!これぐらいじゃ効かぬか、面白い女だ」
「早く…試練を終わらせて…くれませんか?」
「そう急くなよ、ほれ、これでどうだ?」
指を指すともう片方の腕に剣が刺さる
「ぐあっ!」
「ほれ、もう一本」
もう片方の足に刺さる
「ぐぅっ!!!」
もはや立っていられないが、なんとから持ちこたえる
「試練はこれだけ…ですか…?」
「強情な…ではこれで終わらせよう」
広げた指を一度に全部閉じる
その瞬間無数の剣が体中に刺さる
指が千切れ、腕も千切れ、足も千切れ、内臓が飛び出す
首から上だけ残っている
あぁ…体がぐちゃぐちゃだ…死ぬのかな…
もう痛みも感じない、朦朧とした意識で自分の体を見つめる
こんなにバラバラになって、血だらけで…これ治るのかな…
そう思ったとき、気がついた、意識がハッキリした
「普通、ここまでされたらとっくに死んでるわよね」
無い体で立ち上がる
「ほう?まだ死んでないのか?」
「そうね、まだ死んでないわ。死なないわ」
「さっきので終わらせるって言ったから、私の勝ちね」
「はーっはっはっは!そうだな!お前の勝ちだ!この刃の部屋の力を使うと良い!」
「どうもありがとう」
「しかし覚えておくんだな、深淵をのぞくとき、深淵もまたこちらをのぞいているのだという事を」
「ニーチェの言葉ね、よく覚えておくわ」
目を開けるとそこには薫が待っていた
「おかえり」
「ただいまです」
「今回は早かったねぇ、まだ一日しか経ってないよ」
「最初はキツかったけど、なんとか乗り越えられました、今回はヴクブカメさんが来ました」
「二柱の一人か、最終的にその二人を倒すのかい?」
「それは分かりません、死と破壊を司るといっても、神ですから…」
「そうかい、ま、次も頑張りなさい」
「ただ覚えておきなさい、深淵をのぞくとき、深淵もこちらをのぞいているって事を」
爽はキョトンとした顔をする
「ん?どうしたんだい?」
「いえ、ヴクブカメさんも同じ事を言ってたから…」
「あら~先を越されたか」
ベッドで横になり父のことを考える…
父は発掘調査を仕事にしている
主に歴史に出ない、公表されない物の発掘だ
このナイフも公表されなかった物の一つだ
何故御札が貼られ大事にしまってあったのか
精神体等は微かにしか感じ取れなかった父が大事にしていたのだ
私はこのナイフから恐ろしい力を感じる
父は私にこのナイフを残したかったのだろうか…
考えながらいつの間にか寝てしまっていた…
「どうするとは?」
「今の能力で止めておくかと言う事だねぇ」
「いえ、暗闇にするだけじゃ、駄目なんです、もっと、ダメージを与えられるものでないと…」
「しかしシバルバへ行き続けると魂を持っていかれないかい?」
「大丈夫です、私は死にません!」
「昔ドラマで聞いたことがあるセリフだねぇ」
「??」
「いや、なんでもないさ。さあ、ここで警護してるからいってらっしゃい」
再び意識をナイフに集中してシバルバの門を探す
「ここだわ」
今回はすぐに見つかった、が、以前と門の装飾が違う
「ま、何にせよ試練を受けないとね」
もはや前に進むことしか考えていない
門をくぐるとそとこに見えるのは無数の刃だった
「なにかしら、これ」
と、考えようとしたがその瞬間体が強張った
「ぐっ!!」
気がつくと右腕に剣が貫通している
一瞬の事で声も出ない
「はあっはあっ!!」
いつ刺されたのだろう?
痛みが強すぎて思考は止まらずにいる
周りを見渡すが誰も居ない
あるのは無数の刃だけだ
大丈夫、私は実態がない、この痛みは錯覚だ
自分に言い聞かせ歩を進める
すると、転んだ
足を見ると腕と同じように剣が貫通している
大丈夫、大丈夫
痛みをこらえ更に進む
「よく来たな死んでいない者よ」
どこからか声が響く
「あ…あなたは…フンカメさん?」
声を絞り出す
「私は二柱の一人、ヴクブカメだ」
「ヴクブカメさん…ここの守り人?」
「そうではない、まだ試練の部屋はいくつもある、フンカメに面白い女が居ると聞いてきたのだ」
「なるほど…で、この部屋は…?」
「ここは刃の部屋といってな、もう既に刺されているが、まぁそういう部屋だ」
「そう…これぐらい大したことは…ないわ…」
意識が朦朧としてくる
錯覚と分かっているのに痛みが引かない
「ほう、強いな…しかし、これからの試練は辛いぞ、悪い事は言わん、諦めたらどうだ?」
「駄目なんです…私はもっと…強くならないと…」
「そんなに強くなってどうする?人間がここまで出来れば十分だろう」
「人間の…強さじゃないん…です…悪魔とも戦える力を…」
「そんな事は他の奴に頼めばいい、ここで諦めて平穏な日常を送ればよいではないか」
「さっきから…なんなんです?やたらと…諦めさせようとしてますね…諦めさせて…ここで殺して…魂を…奪うつもりでしょう?」
「ん?はーっはっはっは!これぐらいじゃ効かぬか、面白い女だ」
「早く…試練を終わらせて…くれませんか?」
「そう急くなよ、ほれ、これでどうだ?」
指を指すともう片方の腕に剣が刺さる
「ぐあっ!」
「ほれ、もう一本」
もう片方の足に刺さる
「ぐぅっ!!!」
もはや立っていられないが、なんとから持ちこたえる
「試練はこれだけ…ですか…?」
「強情な…ではこれで終わらせよう」
広げた指を一度に全部閉じる
その瞬間無数の剣が体中に刺さる
指が千切れ、腕も千切れ、足も千切れ、内臓が飛び出す
首から上だけ残っている
あぁ…体がぐちゃぐちゃだ…死ぬのかな…
もう痛みも感じない、朦朧とした意識で自分の体を見つめる
こんなにバラバラになって、血だらけで…これ治るのかな…
そう思ったとき、気がついた、意識がハッキリした
「普通、ここまでされたらとっくに死んでるわよね」
無い体で立ち上がる
「ほう?まだ死んでないのか?」
「そうね、まだ死んでないわ。死なないわ」
「さっきので終わらせるって言ったから、私の勝ちね」
「はーっはっはっは!そうだな!お前の勝ちだ!この刃の部屋の力を使うと良い!」
「どうもありがとう」
「しかし覚えておくんだな、深淵をのぞくとき、深淵もまたこちらをのぞいているのだという事を」
「ニーチェの言葉ね、よく覚えておくわ」
目を開けるとそこには薫が待っていた
「おかえり」
「ただいまです」
「今回は早かったねぇ、まだ一日しか経ってないよ」
「最初はキツかったけど、なんとか乗り越えられました、今回はヴクブカメさんが来ました」
「二柱の一人か、最終的にその二人を倒すのかい?」
「それは分かりません、死と破壊を司るといっても、神ですから…」
「そうかい、ま、次も頑張りなさい」
「ただ覚えておきなさい、深淵をのぞくとき、深淵もこちらをのぞいているって事を」
爽はキョトンとした顔をする
「ん?どうしたんだい?」
「いえ、ヴクブカメさんも同じ事を言ってたから…」
「あら~先を越されたか」
ベッドで横になり父のことを考える…
父は発掘調査を仕事にしている
主に歴史に出ない、公表されない物の発掘だ
このナイフも公表されなかった物の一つだ
何故御札が貼られ大事にしまってあったのか
精神体等は微かにしか感じ取れなかった父が大事にしていたのだ
私はこのナイフから恐ろしい力を感じる
父は私にこのナイフを残したかったのだろうか…
考えながらいつの間にか寝てしまっていた…
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