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麒麟
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「ぐぅっ...なにが...」
もう遅かった。
スエの後は連鎖のように最悪な音が響き、人が次々倒れていく。
「早くッ!! 全員こっちへ来るんだッ!! 透明なのが何人もいるッ!!!」
「何が起こって...?」
後ろにいたユキもヒナもシンヤも、そこから動かないよう指示する。
俺はズノウによって、〈サーモグラフィックアイ〉を随時使う事が出来るが、アスタも同じなのを使っているんだろう。
そこには、15人くらいだろうか?
透明人間が"謎のフード"を被って剣を構えており、ソイツらが襲っていた。
体温でどこにいるのか、すぐに分かる。
さらには〈インビジブルリフト〉で、一定距離にいたアイツらの透明を全て解除やった。
その瞬間、コイツらが誰なのかがすぐに分かった。
― 黄色いパーカーを羽織った集団
「うぜぇな誰だよ、勝手に戻しやがったのは」
一番奥にいた図体の大きい男が喋り始めた。
「キモいの飛ばしやがって、邪魔すんなよ、死ぬだけの雑魚が」
「...」
俺は"白いフード"を被り、顔を隠して前に出る。
「あ、おい!?」
「ルイ!?」
身体は勝手に走り出していた。
「お? なんかバカが一人来てるぞ、お前らやれッ!!!」
近付くヤツらを順に吹き飛ばしていく。
コイツらの攻撃は、俺のどこにも届かない。
「死ねッ!!!」
何人来ようが、どんなズノウを使われようが、関係無い。
俺は決めたんだ。
大事な人の、敵を討つって。
「(三船君...あなたならいけるわ...だって人類最後の...救世主なんだから...)」
走る中、もう聞けなくなった声が、少し響いた気がした。
溜まっていた怒りで、身体の制御が効かないほど、俺にはアイツしか見えなかった。
他はどうでもいい。
「支配人! 剣が...剣が消えてッ!!」
「はぁ? うるせぇ!! いいから一気にやれッ!!!」
何回されようと、結果は同じだ。
俺へと向けられたコイツらの攻撃に、何も意味は無い。
「おい! だらしねぇ事してんじゃねぇぞ!! 殺されてぇのか!! あんなヤツは囲めばいいだろうが!!」
残った8人ほどが一気に俺を囲む。
それぞれ銃を隠し持っていた。
「...」
「いらねぇ事しなきゃ良かったのになぁ!? 七色蝶さんよぉ!? そこでさっさと死んどけッ!!!」
向けられた銃は、突如全て消えた。
常時付与ズノウ〈虹女神の一喝〉によって、俺に向けられた"EL基準以下の装備"は全て、L.S.内へ戻され、1時間使えない。
「な、銃が!? どこいった!?」
俺は身体を捻ってジャンプした後、回転中に一人ずつ脳を貫いた。
撃つ度、七色の粒子が一気に散らばる。
「なんなんだこのクソキモい野郎は!? おいタク!? 後はお前しかいねぇぞ!!」
「...任せてください」
一人の男が、支配人と呼ばれる男の後ろから現れた。
ソイツがフードを取り、マスクを取る。
「よぉ、久しぶり」
「...」
目の前にいる。
あの時、ユキやヒナを襲って逃げた"黄色いパーカーの男"。
目の前にいる。
ユエさんや裏部さんを殺して逃げた"黄色いパーカーの男"。
目の前にいる。
メ ノ マ エ ニ イ ル
「【人殺しへの仕返し】は、どうだった?」
「...」
「喋れよ、人殺しのゴミ。あ、ゴミだから喋れないのか、すまんすまん」
ヤツが笑いを浮かべる。
...死ね
俺が人殺し?
...死ね
本当の人殺しは誰だ?
...死ね
死 ね
俺が走って攻撃しようとした刹那、誰かが先に攻撃した。
「アンタが...アンタがッ!!!」
「ちっ、あの時の女か」
「...っ!?」
なんと、ヤツはユキの攻撃を跳ね返した。
"右手に持つ白黒のカプセル?"を使って。
"アレ"はなんだ?
「終わったらまた触ってやるよ。ほんとはまた、して欲しいんだろ?」
なんだろうが関係無い。
コイツは粉々になるまで、死ね。
俺が〈インフィニット・ネオシンギュラリティ・ドライブ〉を選ぼうとした時、
「なぁ、俺には"未来"があるんだ。お前らが勝てるわけないだろ?」
アイツはさっきから持っている"白黒のカプセル?"を強調してきた。
さっきから"アレ"はなんだ?
...
......
!?
突然フラッシュバックが起きた。
アレを俺は...見た事がある。
夢で見た。
何回もアレを見たはずだ。
"ヤバそうな機械"と俺は呼んでいた。
夢に出てきた5年後の俺は、"トゥルースライフ"と言っていた。
それが"片手に収まるほど小型化された物"を、なぜかヤツが持っていた。
なんで、それをヤツが?
理解出来なかった。
だけど、今の俺には何もかも関係無かった。
コイツを殺す事しか、頭に無かった。
疑念を振り払うように発動した〈インフィニット・ネオシンギュラリティ・ドライブ〉は、止める事は出来なかった。
ヤツか俺が倒れるまで、無限に光刃で攻撃を放ち続ける。
"階段のような不思議な点滅光"を左右から噴射させ、全体をグリッチ状にしながら、銃剣は振り回されていく。
振り回すたび、"七色の粒子"が飛散する。
「俺には...未来が...未来がぁぁぁぁぁ―!!!!」
叫んで数撃対抗してきたかと思えば、呆気なくヤツは全身が切り刻まれていった。
さっきまでの威勢はどこにいったのか、最初以外、結局はどうでも無かった。
ヤツが握っていた右手から、"小型化されたアレ"が落ちる。
「お...おれ...の...み...らい...」
そう言うと、ヤツは静かになった。
「...人間じゃねぇ、化物がぁ!?!?」
「どこ見てんの?」
「なッ!?」
急襲したアスタたちによって、支配人とかいう男もあっさりと倒れた。
だが最後に、「教...祖...」と奇妙な言葉が聞こえた。
「コイツらって、"例の殺人集団"だよね?」
「あぁ。コイツがユキとヒナを襲って、その上二人も殺した」
「そうだったんだね。まぁこの反撃は、ニイナ許されるよね?」
「はい、正当防衛です。と言っても、もう警察に何の権限も無い気がしますが」
「一応ね。全てが終わってはい捕まえますなんて、ごめんだよ」
「しませんよ、そんな事。すれば、カイに凄腕弁護士を連れてこられますし」
「まぁな。それより手伝えニイナ、倒れた人を救護するぞ」
「はい」
そういえば、〈インフィニット・ネオシンギュラリティ・ドライブ〉発動時に、警告が出てこなかった。
〈これは身体が耐え切れず焼身する可能性があります。それでも使いますか?〉と出ていたのに。
疲れも特に無い。
10撃で終わったからというのもあるんだろうが。
使えば使うほど、慣れていってるんだろうか?
それなら、今後は連発できるかもしれないな。
少し安堵した時、"下にあった何か"が動くのが見えた。
よく見ると、タクという男が落とした"アレ"が奇妙に動いていた。
?
"アレ"は宙に浮くと、突然肥大化し、俺が見た事ある大きさへとなった。
さらには、【到着まで後48時間20分16秒】と、謎な数字が浮かび、意味不明なカウントダウンが始まった。
「んだよ、コレ...?」
隣のシンヤが言う。
「あれって、何のカウントですか...?」
「...結局なんだったんの? "未来"とか言ってたけど」
!?
ユキが喋った直後、カウントダウンがありえない早さで進み始めた。
【到着まで後0時間0分0秒】
もう遅かった。
スエの後は連鎖のように最悪な音が響き、人が次々倒れていく。
「早くッ!! 全員こっちへ来るんだッ!! 透明なのが何人もいるッ!!!」
「何が起こって...?」
後ろにいたユキもヒナもシンヤも、そこから動かないよう指示する。
俺はズノウによって、〈サーモグラフィックアイ〉を随時使う事が出来るが、アスタも同じなのを使っているんだろう。
そこには、15人くらいだろうか?
透明人間が"謎のフード"を被って剣を構えており、ソイツらが襲っていた。
体温でどこにいるのか、すぐに分かる。
さらには〈インビジブルリフト〉で、一定距離にいたアイツらの透明を全て解除やった。
その瞬間、コイツらが誰なのかがすぐに分かった。
― 黄色いパーカーを羽織った集団
「うぜぇな誰だよ、勝手に戻しやがったのは」
一番奥にいた図体の大きい男が喋り始めた。
「キモいの飛ばしやがって、邪魔すんなよ、死ぬだけの雑魚が」
「...」
俺は"白いフード"を被り、顔を隠して前に出る。
「あ、おい!?」
「ルイ!?」
身体は勝手に走り出していた。
「お? なんかバカが一人来てるぞ、お前らやれッ!!!」
近付くヤツらを順に吹き飛ばしていく。
コイツらの攻撃は、俺のどこにも届かない。
「死ねッ!!!」
何人来ようが、どんなズノウを使われようが、関係無い。
俺は決めたんだ。
大事な人の、敵を討つって。
「(三船君...あなたならいけるわ...だって人類最後の...救世主なんだから...)」
走る中、もう聞けなくなった声が、少し響いた気がした。
溜まっていた怒りで、身体の制御が効かないほど、俺にはアイツしか見えなかった。
他はどうでもいい。
「支配人! 剣が...剣が消えてッ!!」
「はぁ? うるせぇ!! いいから一気にやれッ!!!」
何回されようと、結果は同じだ。
俺へと向けられたコイツらの攻撃に、何も意味は無い。
「おい! だらしねぇ事してんじゃねぇぞ!! 殺されてぇのか!! あんなヤツは囲めばいいだろうが!!」
残った8人ほどが一気に俺を囲む。
それぞれ銃を隠し持っていた。
「...」
「いらねぇ事しなきゃ良かったのになぁ!? 七色蝶さんよぉ!? そこでさっさと死んどけッ!!!」
向けられた銃は、突如全て消えた。
常時付与ズノウ〈虹女神の一喝〉によって、俺に向けられた"EL基準以下の装備"は全て、L.S.内へ戻され、1時間使えない。
「な、銃が!? どこいった!?」
俺は身体を捻ってジャンプした後、回転中に一人ずつ脳を貫いた。
撃つ度、七色の粒子が一気に散らばる。
「なんなんだこのクソキモい野郎は!? おいタク!? 後はお前しかいねぇぞ!!」
「...任せてください」
一人の男が、支配人と呼ばれる男の後ろから現れた。
ソイツがフードを取り、マスクを取る。
「よぉ、久しぶり」
「...」
目の前にいる。
あの時、ユキやヒナを襲って逃げた"黄色いパーカーの男"。
目の前にいる。
ユエさんや裏部さんを殺して逃げた"黄色いパーカーの男"。
目の前にいる。
メ ノ マ エ ニ イ ル
「【人殺しへの仕返し】は、どうだった?」
「...」
「喋れよ、人殺しのゴミ。あ、ゴミだから喋れないのか、すまんすまん」
ヤツが笑いを浮かべる。
...死ね
俺が人殺し?
...死ね
本当の人殺しは誰だ?
...死ね
死 ね
俺が走って攻撃しようとした刹那、誰かが先に攻撃した。
「アンタが...アンタがッ!!!」
「ちっ、あの時の女か」
「...っ!?」
なんと、ヤツはユキの攻撃を跳ね返した。
"右手に持つ白黒のカプセル?"を使って。
"アレ"はなんだ?
「終わったらまた触ってやるよ。ほんとはまた、して欲しいんだろ?」
なんだろうが関係無い。
コイツは粉々になるまで、死ね。
俺が〈インフィニット・ネオシンギュラリティ・ドライブ〉を選ぼうとした時、
「なぁ、俺には"未来"があるんだ。お前らが勝てるわけないだろ?」
アイツはさっきから持っている"白黒のカプセル?"を強調してきた。
さっきから"アレ"はなんだ?
...
......
!?
突然フラッシュバックが起きた。
アレを俺は...見た事がある。
夢で見た。
何回もアレを見たはずだ。
"ヤバそうな機械"と俺は呼んでいた。
夢に出てきた5年後の俺は、"トゥルースライフ"と言っていた。
それが"片手に収まるほど小型化された物"を、なぜかヤツが持っていた。
なんで、それをヤツが?
理解出来なかった。
だけど、今の俺には何もかも関係無かった。
コイツを殺す事しか、頭に無かった。
疑念を振り払うように発動した〈インフィニット・ネオシンギュラリティ・ドライブ〉は、止める事は出来なかった。
ヤツか俺が倒れるまで、無限に光刃で攻撃を放ち続ける。
"階段のような不思議な点滅光"を左右から噴射させ、全体をグリッチ状にしながら、銃剣は振り回されていく。
振り回すたび、"七色の粒子"が飛散する。
「俺には...未来が...未来がぁぁぁぁぁ―!!!!」
叫んで数撃対抗してきたかと思えば、呆気なくヤツは全身が切り刻まれていった。
さっきまでの威勢はどこにいったのか、最初以外、結局はどうでも無かった。
ヤツが握っていた右手から、"小型化されたアレ"が落ちる。
「お...おれ...の...み...らい...」
そう言うと、ヤツは静かになった。
「...人間じゃねぇ、化物がぁ!?!?」
「どこ見てんの?」
「なッ!?」
急襲したアスタたちによって、支配人とかいう男もあっさりと倒れた。
だが最後に、「教...祖...」と奇妙な言葉が聞こえた。
「コイツらって、"例の殺人集団"だよね?」
「あぁ。コイツがユキとヒナを襲って、その上二人も殺した」
「そうだったんだね。まぁこの反撃は、ニイナ許されるよね?」
「はい、正当防衛です。と言っても、もう警察に何の権限も無い気がしますが」
「一応ね。全てが終わってはい捕まえますなんて、ごめんだよ」
「しませんよ、そんな事。すれば、カイに凄腕弁護士を連れてこられますし」
「まぁな。それより手伝えニイナ、倒れた人を救護するぞ」
「はい」
そういえば、〈インフィニット・ネオシンギュラリティ・ドライブ〉発動時に、警告が出てこなかった。
〈これは身体が耐え切れず焼身する可能性があります。それでも使いますか?〉と出ていたのに。
疲れも特に無い。
10撃で終わったからというのもあるんだろうが。
使えば使うほど、慣れていってるんだろうか?
それなら、今後は連発できるかもしれないな。
少し安堵した時、"下にあった何か"が動くのが見えた。
よく見ると、タクという男が落とした"アレ"が奇妙に動いていた。
?
"アレ"は宙に浮くと、突然肥大化し、俺が見た事ある大きさへとなった。
さらには、【到着まで後48時間20分16秒】と、謎な数字が浮かび、意味不明なカウントダウンが始まった。
「んだよ、コレ...?」
隣のシンヤが言う。
「あれって、何のカウントですか...?」
「...結局なんだったんの? "未来"とか言ってたけど」
!?
ユキが喋った直後、カウントダウンがありえない早さで進み始めた。
【到着まで後0時間0分0秒】
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