53 / 73
遺言
しおりを挟む
ニイナは涙を拭きつつ、周囲に励まされていた。
今後は高圧的とか言わないよう、気を付けないと。
見た目、きりっとした感じだったから、てっきり...
案外警察ってとこ意外は、普通の女の子なのか。
ヒナにも、今一度謝った。
俺が怒鳴った時、少し涙目になっていたから。
...
今までなら、もっと冷静でいられたのに。
新宿駅までの短い間、俺たちが持っている"イーリス・マザー構想の情報"を全てアスタたちへと渡した。
行動を共にするタイミングで渡そうと思ってたから、どっちみちこうする予定だった。
俺のL.S.には、ユエさんと裏部さんから託された"最期の遺言データ"がある。
殺されてしまった次の日の朝、自動的に俺へと送られていた。
こうなった時の事を考えて、今まで忙しくしていたんだ。
死んでもまだ、助けてくれるなんて...
会いたいよ...
入っていたのは、裏部さんが持っていた"UnRuleモンスターの詳細データ"と、ユエさんによる"生前考察データ"。
他にも幾つかあるが、その中に、"今の俺の疑問を解消してくれるモノ"もあった。
それは、ユエさんが"イーリス・マザー構想の失敗作と一団"についても、遺してくれていた事。
何回読んだか分からない。
読めば読むほど、また会いたくなった、けどもう叶わない。
------------------------------------------
【三船ルイ君へ】
これを読んでいるという事は、もう会えないのね。
天国に行けるか分からないけど、きっとどこかでアオ君と一緒に、空からあなたたちを見守っています。
もし、私の赤ちゃんが残ってたら、ちょっと面倒見てくれるとありがたいかな~なんてね。
...嘘です、そんな事してたらいつまでも足枷になっちゃうからね、ちゃんと裏部に頼んでるわ。
無駄書きごめんなさい、ここから本題です。
ここには、"今の私が捻り出した2つの考察"を残しておこうと思います。
今後の皆の未来のため、必ず役に立つはずです。
1つ目は、"総理のもとへと辿り着く最適方法"です。
簡潔に話すと、裏部の"UnRuleモンスターの詳細データ"を参考に、"???を呼ぶ破片"を完成させなさい。
そうすれば、あの"邪魔な輝星竜"を倒せて、国会議事堂に入れるはず。
"???"には、使用者によって竜が出たり、鬼が出たり、分からないわ。
でも、"絶対に使用者の言う事を聞くよう設定されている"から、入手したら安心して使って。
後は、臨機応変にあなたたちが対応していくしかない。
ここにある攻略データは、"私たちがUnRuleを作った時の事だけ"になるから、大臣の時のように、"異常事態"が起こらないとも限らない。
でも、"虚無限蝶"の状態にまで到達したあなたなら、心配無いわ。
私の予想通り、"その武器の100%"をあなたは超えたんだから。
そこからは使用者に応じて、"不規則なクラウドアップデート"がされていく。
開発者にも誰にも知る事の出来ない、"真の未知の領域"。
だからこそ、"人間にもAIにも予測出来ない力"が加わっていく。
どんな武器にも、その可能性は秘められてる。
けど、その銃剣は他と訳が違う。
"元々の強さが最終ボス仕様"だから。
ここからさらに上に行けるのは、他の誰でもない"三船君だけ"。
突然だけど、国家研究員を代表して言わせてください。
ロアの最終未来予測にあった"人類最後の救世主"は"この銃剣を持った三船ルイ、あなたよ"。
あなたなら、それで何もかも切り開いて、このふざけた"フォールン・イノベーション"を壊していける。
次は2つ目、"具現化したUnRuleの謎"。
あなたたちもこれを知りたいと思ってるはず。
何より、私が一番知りたかった事だからね。
これには、"イーリス・マザー構想"が大きく関係している事が分かったわ。
つまりは三船君、あなたに"とても大きく関係する話"になるの。
"成功作の対になる失敗作の話"になるから。
ここまでは、私は親から教わって無かったの。
私が教わったのは"成功者の凄さだけ"だった。
親もこの事実を知らないままだったんでしょうね。
だから、この"具現化"にはずっと謎で分からないままだった。
でも、ようやく最近分かってきたので、これもここに残します。
どんな研究にも光があれば影もある、その影が"この失敗作"。
三船君同様、"持ち出して逃げた一団"がいたみたいなの。
ここから推測するに、その子は今、"あなたに近い年になって生きてる"と思う。
"失敗時の副作用"を抱えながら。
副作用には色々あるけど、特筆すべきは、"AI絶対依存症と質量付与症候群"の2つ。
AI絶対依存症は、"AIが身体に付いてないと死ぬ"とされる病気。
その子には、"身体のどこかにAIが組み込まれていて、さらにはAIを自在に操れる"そうなの。
AIに依存しながら、依存させる影響があるみたい。
続いて質量付与症候群は、細胞の異常から、"質量無い現象に意図なく質量を加えてしまう特殊性"、とされているけど、これは以上は調べきれなかったわ。
だけど、この事だけでも、十中八九これによって"UnRuleの様々な現象に質量"が与えられていると考えていい。
モンスターにも武器にも、ね。
武器だって、私たちが盗まなかったら、強い物ばかりが総理側に使われていた。
"事前予約当選者専用の武器"は、ロアの未来予測に従って、敵プログラムを弄って取り上げたんだから。
...これをしてなかったら、人間はすぐ殺されてたと思う、ロアに感謝ね
一連の流れから、"この人物"が総理を操っていると仮定したの。
なぜなら、総理に人間は悪いものだと深層学習させ、そんな総理を裏で操作し、AIに対抗するための"UnRule"さえも質量付与して、利用しようとした。
...この最悪な事件の真犯人は、"イーリス・マザー構想の失敗作"で間違いない
人間をどこまでも恨んでいて、手のひらで私たちを遊んでいるんだわ
だとすると、総理を止めても根本的な解決にならないかもしれない。
いつかまた、繰り返す時がくるのかもしれない。
ここから先は、私含めた研究員、さらには構想一団のエゴでしかないわ。
こんなに引っ掻き回してしまって、代わりに謝罪します、本当にごめんなさい。
いつか成功者の三船君が、"真犯人の失敗作"と対峙した時、どうするか。
どんな結果になろうと、責任は私たちが負います
― 全てをあなたに委ねます
今後は高圧的とか言わないよう、気を付けないと。
見た目、きりっとした感じだったから、てっきり...
案外警察ってとこ意外は、普通の女の子なのか。
ヒナにも、今一度謝った。
俺が怒鳴った時、少し涙目になっていたから。
...
今までなら、もっと冷静でいられたのに。
新宿駅までの短い間、俺たちが持っている"イーリス・マザー構想の情報"を全てアスタたちへと渡した。
行動を共にするタイミングで渡そうと思ってたから、どっちみちこうする予定だった。
俺のL.S.には、ユエさんと裏部さんから託された"最期の遺言データ"がある。
殺されてしまった次の日の朝、自動的に俺へと送られていた。
こうなった時の事を考えて、今まで忙しくしていたんだ。
死んでもまだ、助けてくれるなんて...
会いたいよ...
入っていたのは、裏部さんが持っていた"UnRuleモンスターの詳細データ"と、ユエさんによる"生前考察データ"。
他にも幾つかあるが、その中に、"今の俺の疑問を解消してくれるモノ"もあった。
それは、ユエさんが"イーリス・マザー構想の失敗作と一団"についても、遺してくれていた事。
何回読んだか分からない。
読めば読むほど、また会いたくなった、けどもう叶わない。
------------------------------------------
【三船ルイ君へ】
これを読んでいるという事は、もう会えないのね。
天国に行けるか分からないけど、きっとどこかでアオ君と一緒に、空からあなたたちを見守っています。
もし、私の赤ちゃんが残ってたら、ちょっと面倒見てくれるとありがたいかな~なんてね。
...嘘です、そんな事してたらいつまでも足枷になっちゃうからね、ちゃんと裏部に頼んでるわ。
無駄書きごめんなさい、ここから本題です。
ここには、"今の私が捻り出した2つの考察"を残しておこうと思います。
今後の皆の未来のため、必ず役に立つはずです。
1つ目は、"総理のもとへと辿り着く最適方法"です。
簡潔に話すと、裏部の"UnRuleモンスターの詳細データ"を参考に、"???を呼ぶ破片"を完成させなさい。
そうすれば、あの"邪魔な輝星竜"を倒せて、国会議事堂に入れるはず。
"???"には、使用者によって竜が出たり、鬼が出たり、分からないわ。
でも、"絶対に使用者の言う事を聞くよう設定されている"から、入手したら安心して使って。
後は、臨機応変にあなたたちが対応していくしかない。
ここにある攻略データは、"私たちがUnRuleを作った時の事だけ"になるから、大臣の時のように、"異常事態"が起こらないとも限らない。
でも、"虚無限蝶"の状態にまで到達したあなたなら、心配無いわ。
私の予想通り、"その武器の100%"をあなたは超えたんだから。
そこからは使用者に応じて、"不規則なクラウドアップデート"がされていく。
開発者にも誰にも知る事の出来ない、"真の未知の領域"。
だからこそ、"人間にもAIにも予測出来ない力"が加わっていく。
どんな武器にも、その可能性は秘められてる。
けど、その銃剣は他と訳が違う。
"元々の強さが最終ボス仕様"だから。
ここからさらに上に行けるのは、他の誰でもない"三船君だけ"。
突然だけど、国家研究員を代表して言わせてください。
ロアの最終未来予測にあった"人類最後の救世主"は"この銃剣を持った三船ルイ、あなたよ"。
あなたなら、それで何もかも切り開いて、このふざけた"フォールン・イノベーション"を壊していける。
次は2つ目、"具現化したUnRuleの謎"。
あなたたちもこれを知りたいと思ってるはず。
何より、私が一番知りたかった事だからね。
これには、"イーリス・マザー構想"が大きく関係している事が分かったわ。
つまりは三船君、あなたに"とても大きく関係する話"になるの。
"成功作の対になる失敗作の話"になるから。
ここまでは、私は親から教わって無かったの。
私が教わったのは"成功者の凄さだけ"だった。
親もこの事実を知らないままだったんでしょうね。
だから、この"具現化"にはずっと謎で分からないままだった。
でも、ようやく最近分かってきたので、これもここに残します。
どんな研究にも光があれば影もある、その影が"この失敗作"。
三船君同様、"持ち出して逃げた一団"がいたみたいなの。
ここから推測するに、その子は今、"あなたに近い年になって生きてる"と思う。
"失敗時の副作用"を抱えながら。
副作用には色々あるけど、特筆すべきは、"AI絶対依存症と質量付与症候群"の2つ。
AI絶対依存症は、"AIが身体に付いてないと死ぬ"とされる病気。
その子には、"身体のどこかにAIが組み込まれていて、さらにはAIを自在に操れる"そうなの。
AIに依存しながら、依存させる影響があるみたい。
続いて質量付与症候群は、細胞の異常から、"質量無い現象に意図なく質量を加えてしまう特殊性"、とされているけど、これは以上は調べきれなかったわ。
だけど、この事だけでも、十中八九これによって"UnRuleの様々な現象に質量"が与えられていると考えていい。
モンスターにも武器にも、ね。
武器だって、私たちが盗まなかったら、強い物ばかりが総理側に使われていた。
"事前予約当選者専用の武器"は、ロアの未来予測に従って、敵プログラムを弄って取り上げたんだから。
...これをしてなかったら、人間はすぐ殺されてたと思う、ロアに感謝ね
一連の流れから、"この人物"が総理を操っていると仮定したの。
なぜなら、総理に人間は悪いものだと深層学習させ、そんな総理を裏で操作し、AIに対抗するための"UnRule"さえも質量付与して、利用しようとした。
...この最悪な事件の真犯人は、"イーリス・マザー構想の失敗作"で間違いない
人間をどこまでも恨んでいて、手のひらで私たちを遊んでいるんだわ
だとすると、総理を止めても根本的な解決にならないかもしれない。
いつかまた、繰り返す時がくるのかもしれない。
ここから先は、私含めた研究員、さらには構想一団のエゴでしかないわ。
こんなに引っ掻き回してしまって、代わりに謝罪します、本当にごめんなさい。
いつか成功者の三船君が、"真犯人の失敗作"と対峙した時、どうするか。
どんな結果になろうと、責任は私たちが負います
― 全てをあなたに委ねます
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
妻がエロくて死にそうです
菅野鵜野
大衆娯楽
うだつの上がらないサラリーマンの士郎。だが、一つだけ自慢がある。
美しい妻、美佐子だ。同じ会社の上司にして、できる女で、日本人離れしたプロポーションを持つ。
こんな素敵な人が自分のようなフツーの男を選んだのには訳がある。
それは……
限度を知らない性欲モンスターを妻に持つ男の日常
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
烈火の大東亜
シャルリアちゃんねる
SF
現代に生きる男女2人の学生が、大東亜戦争[太平洋戦争]の開戦直後の日本にタイムスリップする。
2人はその世界で出会い、そして共に、日本の未来を変えようと決意し、
各海戦に参加し、活躍していく物語。その時代の日本そして世界はどうなるのかを描いた話。
史実を背景にした物語です。
本作はチャットノベル形式で書かせて頂きましたので、凝った小説らしさというより
漫画の様な読みやすさがあると思いますので是非楽しんでください。
それと、YOUTUBE動画作製を始めたことをお知らせします。
名前は シャリアちゃんねる です。
シャリアちゃんねる でぐぐってもらうと出てくると思います。
URLは https://www.youtube.com/channel/UC95-W7FV1iEDGNZsltw-hHQ/videos?view=0&sort=dd&shelf_id=0 です。
皆さん、結構ご存じかと思っていましたが、意外と知られていなかった、第一話の真珠湾攻撃の真実等がお勧めです。
良かったらこちらもご覧ください。
主に政治系歴史系の動画を、アップしています。
小説とYOUTUBEの両方を、ごひいきにして頂いたら嬉しく思います。
【全話挿絵】発情✕転生 〜何あれ……誘ってるのかしら?〜【毎日更新】
墨笑
ファンタジー
『エロ×ギャグ×バトル+雑学』をテーマにした異世界ファンタジー小説です。
主人公はごく普通(?)の『むっつりすけべ』な女の子。
異世界転生に伴って召喚士としての才能を強化されたまでは良かったのですが、なぜか発情体質まで付与されていて……?
召喚士として様々な依頼をこなしながら、無駄にドキドキムラムラハァハァしてしまう日々を描きます。
明るく、楽しく読んでいただけることを目指して書きました。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる