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契約
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俺は食いながら"さっきの事"が気になっていた。
あの"小柴"という男の発言だ。
「どうせ君も、"すぐ僕のところ"に来るようになる」って、どういう意味だ?
それともう一つ。
"契約が取れた"とか言ってたよな?
あれも何のことだ?
分からないままに、ユエさんと話を続けた。
今後の事や、裏部さんとどうやって会うか、など。
まず分かっているのは、国会議事堂に未だ近付けない事に変わりない事。
あの"遠距離の輝星竜"に近付く方法は今は模索中で、ズノウを幾ら使おうと届かない距離らしい。
これは今はどうしようも無いため、一旦置いておくとする。
次に、この"UnRuleモンスター"に詳しい裏部さんについてだ。
この人なら、"輝星竜の対処法"を何か知っているはずだ、とユエさんは言う。
間違いなく"総理に近付くためのカギ"を握る人物。
だが、前からずっと音信不通らしい。
そのために、昨日は"裏部さんと関係が深かった国家研究員たち"とユエさんは会おうとしてたってわけだ。
まぁ、その肝心な人たちは"もう人では無かった"んだけど...
「どんな事をしてでも探し出してやるわ」と、ユエさんはさっき車の方へと行ってしまい、一旦情報が集まるまで待機となった。
どれだけAIが発達しても、こればかりはすぐには分からないだろうな。
ツイッターなどのSNSで色々見ているが、これといって良い情報は見当たらない。
あるのは"ヤツらの簡易的な情報"や"UnRuleについて"がほとんどだ。
"ヤツらの位置情報"をちょくちょく報告してくれてる人なんかもいて、"赤い発令がされているスカイツリーや都庁"を見に行ってる人もいる。
今や東京のほとんどの人が"UnRule"を入れているようで、それについて深くやり取りされているが、"ズノウ"についての情報は少ししかない。
たぶん後で広がっていくとは思うが、分かっている事については俺も情報発信していく事にした。
中でも、"〔EL〕に選ばれた100人"は、今や"神のような凄まじいVIP待遇"を受けているようで、とんでもない事になってる。
それだけ総理を止めて欲しいと期待されているんだろう。
そりゃそうだよな。
いつ殺されるかなんて分からない今、俺だってその立場なら、そうなるかもしれない。
だが逆を言えば、この立場を悪用するヤツだってもしかしたら今後出てくるかもしれない。
今後も、SNSの情報やリアルの情報には常にアンテナを張っておかないと。
ちなみに、ここで俺も「〔EL〕の一人です」と言ったらどうなるんだろうか?
...なんて考えは無い。
生死のかかった期待なんて、"もしもの事"があった時に取り返しのつかない批判が待ってるだけだ。
さて、見るのはこの辺にして、今日はどうすべきか。
...やっぱり"さっきの事"を調べるべきか?
だとしたら、一人の方が都合がいいか。
「わりぃ、ちょっとトイレ行ってくるわ」
「あ、うん」
ごめん、二人とも。
これがもし"危険な事"だったとしたら、今は巻き込まない方がいい。
色々と分かってからの方がいいはず。
トイレに行くフリをして、ロビーの40Fへと降りると、1組の男女が奥のソファに座っていた。
アイドルっぽい格好をしたツインテールの女子と、あれは..."小柴と一緒にいた男"か?
あの気だるそうな感じと黄色いパーカーは間違いない。
何やらこそこそと話をしており、近付けそうな雰囲気じゃ無い。
一旦隠れ、様子を見ていると、男はすぐさま立ち上がってエレベーターへと乗って行った。
アイツは何を話していたんだ?
俯いて考え込んでいるあの子。
俺は勇気を振り絞って、話しかけてみる事にした。
「あのー、急にすみません。さっきの人とは知り合いですか?」
「え? はい。知り合いというほどでは無いですけど、数日前からちょっと...」
「もし良かったら"さっき話してたこと"について、少し教えてくれませんか? "小柴とあの男たち"が怪しいので、ちょっと調べてまして」
「いいですけど、もしかしてここには来たばかりですか?」
「え、はい」
「...それならこれを見てください」
ツインテールの女子は、ロビーの受付まで俺を案内すると、"謎の書類"へと指差した。
なんだ"これ"?
一番上に"保護管理契約書(女性限定)"と書いてある。
「ここには女子だけ"保護管理契約書"というものがあるんです。サインすると、"朝の8時から夜の23時まで"守ってくれるっていう...それを勧誘している人もいて、"その管理人が小柴さん"で、さっきの人は部下の一人って感じなんですけど、そのー...この部分を見てください」
彼女が次に指差したのは、【※ただし、こちらが要求する見返りには必ず従う事】とあった。
「ん? "見返り"?」
「私もさっき初めて知ったんです。急に"ここに書いてあるだろ"って言われて...勧誘された時に読んだ時には、そんなもの無かったはずなんです!」
その話をさっきあの男にされていたって事か。
怪しい臭いがプンプンするな。
「その"見返り"について、今何か言われていたんですか?」
「"今日の夜11時に部屋に来い"って...あのー、そのL.S.って事は〔EL〕の一人って事ですよね!?」
「え、あぁ、分かりましたか」
「分かりますよ! 私も"UnRule"事前予約していたんですけど、当選しなかったんです! それで凄いの知ってるから、ついすぐに契約しちゃって...まさかこんな事になるなんて...」
事前予約していたから、余計に"あんなヤツ"でも良く見えてしまった訳か。
"当選者の立場を悪用するヤツが出るかも"って思ってたら、もうここにいんじゃねえか...
彼女は泣きそうになっている。
現状助けられそうなのは、たぶん俺だけ。
もちろん俺は、
「任せてください。今日で壊します、そのふざけた契約」
そう言った瞬間、彼女の顔はぱぁっと明るくなった。
言い方は悪いが、これは都合が良い。
契約だの小柴の発言だの、全ての意味が繋がったんだからな。
だが、これは"飯原さんもグル"って事になる。
あんなにクソ真面目そうな人が?
ウソだよな...?
あの"小柴"という男の発言だ。
「どうせ君も、"すぐ僕のところ"に来るようになる」って、どういう意味だ?
それともう一つ。
"契約が取れた"とか言ってたよな?
あれも何のことだ?
分からないままに、ユエさんと話を続けた。
今後の事や、裏部さんとどうやって会うか、など。
まず分かっているのは、国会議事堂に未だ近付けない事に変わりない事。
あの"遠距離の輝星竜"に近付く方法は今は模索中で、ズノウを幾ら使おうと届かない距離らしい。
これは今はどうしようも無いため、一旦置いておくとする。
次に、この"UnRuleモンスター"に詳しい裏部さんについてだ。
この人なら、"輝星竜の対処法"を何か知っているはずだ、とユエさんは言う。
間違いなく"総理に近付くためのカギ"を握る人物。
だが、前からずっと音信不通らしい。
そのために、昨日は"裏部さんと関係が深かった国家研究員たち"とユエさんは会おうとしてたってわけだ。
まぁ、その肝心な人たちは"もう人では無かった"んだけど...
「どんな事をしてでも探し出してやるわ」と、ユエさんはさっき車の方へと行ってしまい、一旦情報が集まるまで待機となった。
どれだけAIが発達しても、こればかりはすぐには分からないだろうな。
ツイッターなどのSNSで色々見ているが、これといって良い情報は見当たらない。
あるのは"ヤツらの簡易的な情報"や"UnRuleについて"がほとんどだ。
"ヤツらの位置情報"をちょくちょく報告してくれてる人なんかもいて、"赤い発令がされているスカイツリーや都庁"を見に行ってる人もいる。
今や東京のほとんどの人が"UnRule"を入れているようで、それについて深くやり取りされているが、"ズノウ"についての情報は少ししかない。
たぶん後で広がっていくとは思うが、分かっている事については俺も情報発信していく事にした。
中でも、"〔EL〕に選ばれた100人"は、今や"神のような凄まじいVIP待遇"を受けているようで、とんでもない事になってる。
それだけ総理を止めて欲しいと期待されているんだろう。
そりゃそうだよな。
いつ殺されるかなんて分からない今、俺だってその立場なら、そうなるかもしれない。
だが逆を言えば、この立場を悪用するヤツだってもしかしたら今後出てくるかもしれない。
今後も、SNSの情報やリアルの情報には常にアンテナを張っておかないと。
ちなみに、ここで俺も「〔EL〕の一人です」と言ったらどうなるんだろうか?
...なんて考えは無い。
生死のかかった期待なんて、"もしもの事"があった時に取り返しのつかない批判が待ってるだけだ。
さて、見るのはこの辺にして、今日はどうすべきか。
...やっぱり"さっきの事"を調べるべきか?
だとしたら、一人の方が都合がいいか。
「わりぃ、ちょっとトイレ行ってくるわ」
「あ、うん」
ごめん、二人とも。
これがもし"危険な事"だったとしたら、今は巻き込まない方がいい。
色々と分かってからの方がいいはず。
トイレに行くフリをして、ロビーの40Fへと降りると、1組の男女が奥のソファに座っていた。
アイドルっぽい格好をしたツインテールの女子と、あれは..."小柴と一緒にいた男"か?
あの気だるそうな感じと黄色いパーカーは間違いない。
何やらこそこそと話をしており、近付けそうな雰囲気じゃ無い。
一旦隠れ、様子を見ていると、男はすぐさま立ち上がってエレベーターへと乗って行った。
アイツは何を話していたんだ?
俯いて考え込んでいるあの子。
俺は勇気を振り絞って、話しかけてみる事にした。
「あのー、急にすみません。さっきの人とは知り合いですか?」
「え? はい。知り合いというほどでは無いですけど、数日前からちょっと...」
「もし良かったら"さっき話してたこと"について、少し教えてくれませんか? "小柴とあの男たち"が怪しいので、ちょっと調べてまして」
「いいですけど、もしかしてここには来たばかりですか?」
「え、はい」
「...それならこれを見てください」
ツインテールの女子は、ロビーの受付まで俺を案内すると、"謎の書類"へと指差した。
なんだ"これ"?
一番上に"保護管理契約書(女性限定)"と書いてある。
「ここには女子だけ"保護管理契約書"というものがあるんです。サインすると、"朝の8時から夜の23時まで"守ってくれるっていう...それを勧誘している人もいて、"その管理人が小柴さん"で、さっきの人は部下の一人って感じなんですけど、そのー...この部分を見てください」
彼女が次に指差したのは、【※ただし、こちらが要求する見返りには必ず従う事】とあった。
「ん? "見返り"?」
「私もさっき初めて知ったんです。急に"ここに書いてあるだろ"って言われて...勧誘された時に読んだ時には、そんなもの無かったはずなんです!」
その話をさっきあの男にされていたって事か。
怪しい臭いがプンプンするな。
「その"見返り"について、今何か言われていたんですか?」
「"今日の夜11時に部屋に来い"って...あのー、そのL.S.って事は〔EL〕の一人って事ですよね!?」
「え、あぁ、分かりましたか」
「分かりますよ! 私も"UnRule"事前予約していたんですけど、当選しなかったんです! それで凄いの知ってるから、ついすぐに契約しちゃって...まさかこんな事になるなんて...」
事前予約していたから、余計に"あんなヤツ"でも良く見えてしまった訳か。
"当選者の立場を悪用するヤツが出るかも"って思ってたら、もうここにいんじゃねえか...
彼女は泣きそうになっている。
現状助けられそうなのは、たぶん俺だけ。
もちろん俺は、
「任せてください。今日で壊します、そのふざけた契約」
そう言った瞬間、彼女の顔はぱぁっと明るくなった。
言い方は悪いが、これは都合が良い。
契約だの小柴の発言だの、全ての意味が繋がったんだからな。
だが、これは"飯原さんもグル"って事になる。
あんなにクソ真面目そうな人が?
ウソだよな...?
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