130 / 221
2019年 02月02日
しおりを挟む二次元エロ表現の進化発展の著しさには日々目を見張るばかりですが、三次元エロもまた常に新たな地平を切り開いていることを痛感させられます。
まさか実写で「アヘ顔ダブルピース」や「”らめぇ~””んほぉぉぉ”に代表されるみさくら風淫語」が性的嗜好品として表現される日がくるとは予想だにもできませんでした。
ともすれば二次元分野ですら「ネタ」的な受け入れられ方であったのを、三次元で再現可能なのか。
なんとか形だけ再現できたとしても結局、奇抜で前衛的な面白みとか可笑しみ、興味本位で好奇な視線を向けるだけの”見世物”的なものにしかなりえず、決して「エロ」くはできないのではないか。
ただでさえデフォルメエロ表現の極北に位置し二次元の世界でもリアル系とは完全に相容れないようなものを生身の女性にさせて、「性的消費対象としての実用性」を持ちえることは果たしてできるのか。
ちょっとでもエロマンガやエロゲーなど二次元エロを知る者であれば抱いて当然の疑問と懸念であったはず。
絶対にオカズになんてできない、抜けるわけがない。
ほぼ確信と言っていい高精度の予測であり、もはや確定事項でしかない。
だからあまりにも自明すぎて表立って言いはやすまでもなく、「わざわざ三次元実写で表現し、ましてや商品として売り出すヤツなんていない」というのが誰もが心の奥底で思っていた共通認識だった筈。
それが今や普通に「アヘ顔」「みさくら風淫語」をテーマにした実写AV作品がリリースされているこの現状。
一部の素人系コスプレアイドル写真や動画で取り扱われ始めたかと思ったら、すぐに商業分野で展開し始めるまであっという間でした。
終いにはSNSで外国人女性が「AHEGAO」という言葉を使って自撮り写真を公開するのが流行するようにまでなる始末。
ジャパニーズエロカルチャリングを象徴する言語として世界に認知されつつある様子は、かの「HENTAI」と同じ道を辿っているかのようです。
もはや名実共に二次元から三次元の壁を乗り越えて、「アヘ顔」「みさくら淫語」という概念は宇宙に展開拡散し始めていることは間違いありません。
自分たちが抱いていたのがあまりにも偏狭で短慮な先入観であり固定観念であったのがまざまざと証明されたことは認めざるをえないでしょう。
……まぁ、「たぶん抜けない」という予想はまんまと当たっていたのではありますが。
でもオカズになりうるか否かとか実用性の有無なんて、もはや関係ない次元なんだと思います。
見るもの全てに強烈に訴えてくるその奇妙奇天烈不可思議でミステリアスな不気味さ憎たらしさ、思わず笑ってしまうような面白可笑しさ。
同時に確実に存在する愛らしさ美しさ、グロテスクやバロックキュピズムに通じるものを思わせるような造形美様式美。
単純な「エロ」という価値だけでは評価できない、様々な魅力を人々に訴える高度な表現物がそこには存在するような気がします。
そうして何処からとも無く生まれ出てやがて巨大な潮流へとなっていった一個の概念が、遂には物理世界をすら侵食していく。
ひたすら「表現」を追及していくことへの飽くなき欲求と挑戦、そして齎された世界の在り様に賛辞を送ること以外に出来ることがあるでしょうか。
「アヘ顔」「みさくら風淫語」が出てくる三次元作品を見るたびに、そこにはエロティシズムとは相容れないはずのものが矛盾することなく同居しているのを確信するのです。
それは「喜怒哀楽」に象徴される人間の情念の数々、幾多の感情が複雑に微妙に混じり絡み合って昇華されたときに齎される「感動」というものなのかもしれません。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
読まれるウェブ小説を書くためのヒント
金色のクレヨン@釣りするWeb作家
エッセイ・ノンフィクション
自身の経験を踏まえつつ、読まれるための工夫について綴るエッセイです。
アルファポリスで活動する際のヒントになれば幸いです。
過去にカクヨムで投稿したエッセイを加筆修正してお送りします。
作者はHOTランキング1位、ファンタジーカップで暫定1位を経験しています。
作品URL→https://www.alphapolis.co.jp/novel/503630148/484745251
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる