6 / 13
6
しおりを挟む生まれて初めての異性との交感。
大好きなあの子を深く正しく理解して分かりあえたような心地よさと満足感に包まれたまま、しばらくの時間が経ちました。
至福としか言いようがない、恍惚の余韻に酔いしれながらも少しづつ冷静になっていきます
すべすべしたパンツの感触も、複雑な魅力に満ちた匂いも、ずっと堪能し続けていくうちに、だんだん慣れていくようでした。
どろどろに溶けて不可逆的に混沌としたはずの自我が徐々に再構築されていくに従い、そんな自分を自覚していきます。
そうして落ち着いてくるとなんだか今度は物足りないような気持ちになってきました。
我ながら信じられないことに、あれだけ感動して夢中になったはずのパンツとの邂逅もすでに色あせて過去のものになりつつあったのです。
いやあれほどの衝撃を受けたからこその渇望だったのでしょうか。
一度知ってしまった甘美な感覚をもう一度さらに強く深く求めたいという本能のなさせるものだったのでしょうか。
僕はもっと彼女と一つになりたいと強く思いました。
パンツを嗅いだあの瞬間に至ってしまった強烈な一体感をもう一度味わいたい、今ではもう失われつつあるあの感覚を再び感じたいと。
次の瞬間、天啓のような閃きが宇宙の開闢のように突然訪れました。
このパンツを使って、匂いを嗅いだり感触を楽しんだりする以上に彼女を感じることができるかもしれないその方法。
僕はぴったりと顔に押し付けていたパンツを名残惜しく想いながら引き離し。
座っていたベッドの上に丁寧に置くと、おもむろに自分が纏っていた衣服を脱ぎだしました。
早瀬さんのパンツが見ているすぐ前で、ストリップを続けます。
やがて一糸まとわぬ完全な全裸になってから恭しく捧げ持つように、また彼女のパンツを掲げ。
両サイドをつまむようにして、全貌を改めて確認した後。
膝を曲げて一気にパンツの穴に足を通しました。
ちっちゃなパンツが限界まで延ばされて、裂けないかという不安に襲われました。
でも想像以上にしなやかな伸縮性を発揮してくれた彼女のパンツは、徐々に引き上げるほどに僕の下半身を万遍なく包んでいき。
ところどころはみ出したり不格好になりつつも、とうとう完全に合体することができたのでした。
そして訪れる、さらなる神秘現象。
匂いを嗅いで感触を堪能したときとはまるで別次元の法悦。
彼女と本当の意味で一つになってつながることができた実感でいっぱいになりました。
僕は今、早瀬さんが纏っていたパンツに下半身を完全に包まれました。
性器やお尻も含めて、彼女と全く同じ感覚と状況と物質を共有したのです。
僕が早瀬さんで、早瀬さんが僕で。
脳裏に鮮やかに描かれる遥かな幻想、無限に続くだまし絵のような円環。
これほどの一体感は実際のセックスですら味わえないのではないかと思いました。
あっくんに対する優越感のようなものすら、湧き出してくる気がします。
僕はその日、ずっと彼女のパンツを履いて過ごしました。
傍目にはしっかりズボンをはいて上着を着て、素知らぬ顔で普段と同じ格好をしていましたが。
両親を始め、家族全員は僕の様子になんらの異常も感じ取ることはなかったはずですが。
でも彼ら彼女らが見慣れた衣服の下では、早瀬さんそのものと言って過言ではないピンクの小さなパンツを纏って過ごしていました。
みんなで居間でTVを見て。
ご飯を食べて、少しだけ片付けを手伝って。
お風呂に入るときだけ、一瞬だけ脱ぎましたけど。
湯船から上がって身体を拭いたらすぐにまた身にまとい、その上にパジャマを着ます。
とろけるような幸福感に包まれたまま布団に入ると、あたかも彼女と同衾しているような感覚でずっとドキドキが続きました。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる