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妹は明るく前向きになった。

私が不安になることなんて、何一つないはずだった。

しかし違和感は、しこりのようにずっと残っていた。

何かがおかしい。

何か、嫌な感じがする。

私は、早い段階で不安の正体に気が付いていたのかもしれない。

しかし心がそれを拒絶していたのだろうか。

完全に否定できない出来事が起こるまで、私はその可能性に目を向けられなかった。





たまたま友人と、放課後に街をぶらぶら歩いていたときのことだ。

遠くに妹の姿が見えた。

建物の間に入っていくところだったた。

私は「あっ」と思い、彼女の後を追いかけた。声をかけようと思ったのだ。そして屋敷に戻るなら、一緒に戻ろうと誘うつもりだった。

角を曲がった先で私が見たのは、暗がりの路地で、彼女が男といるところだった。

知らない男ではない。私もよく知っている男だった。

診察医ウァート。彼は妹と、建物の影で抱き合い、お互いの口を貪るように吸いあっていた。
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