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グルドフ旅行記・7 かわいい同行者
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その日の午後、ドーアンに帰ってきたグルドフは、マーレイのいる兵舎に行った。
マーレイはすぐに部下を村長のところに向かわせた。
「子供をさらった魔物の棲家を見つけました。これはその近くに落ちていたものです。さらわれた子の物か調べていただきたい」
急いで駆けつけてきた村長に、グルドフは毛糸の帽子を渡した。
「すぐに確認してきます」
若い村長は再び急いで外へと出ていった。
「私は明日、ポポン殿と出かけ、昨日見つけた魔物の棲家の周りを調べてみます」
グルドフはマーレイに言った。
「では我々も捜索に協力します」
「そうですな。では、一日置いてから来てください」
「しかし一日でも早く」
「少々考えがあります。大勢で行って魔物を刺激したくないもので」
「わかりました。あなた様の言う通りにしましょう」
マーレイが言った。
さらにグルドフとマーレイが話をしていると、村長のシロタが帰ってきた。
「帽子は二人目にさらわれた女の子が身に着けていたものでした。母親に確認しました」
シロタが報告をした。
「ふむ。子供たちは一度、魔物の棲家まで運ばれ、さらにそこからどこかに連れ去られたらしいですな。まず私たちが明日、捜索に出かけます。次の日に・・・・」
グルドフはマーレイと打ち合わせたことを村長に伝えた。
辺りが暗くなったころ、グルドフはポポンたちのいる宿へ行った。
「おや、立派な赤ん坊ができましたな」
グルドフはポポンの泊まる部屋で、ポポンとセーラの共同作品を見て言った。
「だけど魔物はもう、この村には現れないよ」
ポポンが言った。部屋にはポポンとグルドフのほかにセーラもいる。
「いいのです。赤ちゃんをさらった魔物の棲家を見つけました。この人形をそこまで運び、そこで例の作戦を行いましょう」
「そうかい、なら一生懸命作った甲斐があったね」
ポポンは嬉しそうにセーラの顔を見た。
セーラもにっこりと笑顔を作って応えた。
「セーラ殿はここで留守番をお願いしたい。これは遊びではないので」
「嫌です。これからが冒険の肝心なところでしょ? 一緒に連れていってくれなければ私・・・・」
「待った、そこから先は言わないでください。明日からは山に入らなければなりません。ろくに道もない険しい行程になります」
「できるだけご迷惑はおかけしないようにします」
セーラは訴えるような目でグルドフを見た。
「ここまで来て留守番じゃ、可哀相だよ」
ポポンがセーラを援護するように言った。
「わかりました」
グルドフは観念して言った。
マーレイはすぐに部下を村長のところに向かわせた。
「子供をさらった魔物の棲家を見つけました。これはその近くに落ちていたものです。さらわれた子の物か調べていただきたい」
急いで駆けつけてきた村長に、グルドフは毛糸の帽子を渡した。
「すぐに確認してきます」
若い村長は再び急いで外へと出ていった。
「私は明日、ポポン殿と出かけ、昨日見つけた魔物の棲家の周りを調べてみます」
グルドフはマーレイに言った。
「では我々も捜索に協力します」
「そうですな。では、一日置いてから来てください」
「しかし一日でも早く」
「少々考えがあります。大勢で行って魔物を刺激したくないもので」
「わかりました。あなた様の言う通りにしましょう」
マーレイが言った。
さらにグルドフとマーレイが話をしていると、村長のシロタが帰ってきた。
「帽子は二人目にさらわれた女の子が身に着けていたものでした。母親に確認しました」
シロタが報告をした。
「ふむ。子供たちは一度、魔物の棲家まで運ばれ、さらにそこからどこかに連れ去られたらしいですな。まず私たちが明日、捜索に出かけます。次の日に・・・・」
グルドフはマーレイと打ち合わせたことを村長に伝えた。
辺りが暗くなったころ、グルドフはポポンたちのいる宿へ行った。
「おや、立派な赤ん坊ができましたな」
グルドフはポポンの泊まる部屋で、ポポンとセーラの共同作品を見て言った。
「だけど魔物はもう、この村には現れないよ」
ポポンが言った。部屋にはポポンとグルドフのほかにセーラもいる。
「いいのです。赤ちゃんをさらった魔物の棲家を見つけました。この人形をそこまで運び、そこで例の作戦を行いましょう」
「そうかい、なら一生懸命作った甲斐があったね」
ポポンは嬉しそうにセーラの顔を見た。
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「セーラ殿はここで留守番をお願いしたい。これは遊びではないので」
「嫌です。これからが冒険の肝心なところでしょ? 一緒に連れていってくれなければ私・・・・」
「待った、そこから先は言わないでください。明日からは山に入らなければなりません。ろくに道もない険しい行程になります」
「できるだけご迷惑はおかけしないようにします」
セーラは訴えるような目でグルドフを見た。
「ここまで来て留守番じゃ、可哀相だよ」
ポポンがセーラを援護するように言った。
「わかりました」
グルドフは観念して言った。
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