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君がいる今 番外編〜いおの過去〜
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ーいおー
「やっぱり振られちゃうか…」
帰り道1人で、新太のことを好きになった時のことを思い出した。
中学二年生の冬ぐらいから、私は、小さなことをきっかけにクラスからいじめられるようになった。
友達もその時の恋人も私を助けるわけでもなく、よくドラマで見るシーンのように自分がいじめられないようにと私から、離れて行った。
あんな学校行く意味なんてない。
だって、誰もいないんだから。
行ったって無駄。
そう思っていた。
そして私は、不登校になった。
日が経って、中三になった頃、引きこもりにもなり始めた時、いとこの柊家が、遊びに来た。
お母さんが、部屋のドアをノックした。
「いおー!新太くんたちが来たわよ!気分転換にどう?」
「嫌だ。出たくない」
本当は、新太たちのところに行きたかった。
でも、どうしても出る勇気が出なかった。
ドアに背を向け、泣いているとまた、ノックする音が聞こえた。
「いお?どうしたの?なんかあった?」
今度は、新太だった。
「今さ、瑛太と一緒に遊んでるんだけど、2人だとつまらなくてさ、1回でいいから、参加してくれよ~」
「…」
「いお?」
「…」
「何があったかは知らないけど、俺は、遠くにいてもいおの味方だから。2個下だから頼りないと思うし、正直まだ中学になったばかりだから、中学のことなんてあんま分かんね。けど、いおは1人じゃないから!俺がいる。」
1人じゃない?私が?
さっきよりも大粒の涙が出てきた。
新太の優しさが、嬉しくて、泣いて泣いて泣きまくった。
その日を境に、私は、少しずつ外に出れるようになった。
学校は、行ってもクラスのことは受けずに他の教室で、各教科の先生に今までの補習をしてもらった。
わざわざ私のために、時間をとって授業をしてくれる先生たちに申し訳なさもあった。
だからこそ、家に帰ったら、すぐに勉強をした。
テストも前より良い点が取れるようになった。
たまに会うクラスの子に、今度は「引きこもりガリ勉」なんて言われたけど、何も気にならなかった。
強く堂々と入れる自分になれた。
これも全て、新太のおかげ。
新太が声をかけてくれたあの日、新太の存在が「ただのいとこ」から「好きな人」へと変わった。
でも、何となく気づいていた。
新太が、中二のバレンタインデーくらいから、誰か他の女の子に対して、特別な感情を持っていること。
あの子、柏木南ちゃんが部活の見学に来たときにすぐ気づいた。
あ、この子だって…
私は、南ちゃんももしかして?って思っていたけど、そんなこと気にせずに、自分の気持ちを優先して、新太の傍にいた。
告白した日、そのもしかしては、確信に変わった。
最初は、いとこっていう関係を無視してまで、人が告白してるって時に!!って苛立っていた。
だけど、南ちゃんが倒れたって聞いて、南ちゃんも新太のことが好きなんだって気づいた。
倒れたって聞いた時は、急にいつも私のしてきた行動が、申し訳なくなってしまった。
私だって、嫌だ。
新太が他の子と仲良くしてるとこをたくさん見るなんて。
でも、南ちゃんなら、許せそう。
「話途中になったけど、いとこって関係抜きにしても付き合えない。」
「どうして?」
「なんか気になっちゃうんだ。アイツを近寄らせたくないって思う子がいて。こんな気持ちでいおと付き合えない。」
気になっちゃうね…
アイツってきっとアキラくんのことだよね。
もう、完全に南ちゃんのこと好きだし、私の勝ち目なしって感じ…
あーあ。
「新太のバーカ…」
「やっぱり振られちゃうか…」
帰り道1人で、新太のことを好きになった時のことを思い出した。
中学二年生の冬ぐらいから、私は、小さなことをきっかけにクラスからいじめられるようになった。
友達もその時の恋人も私を助けるわけでもなく、よくドラマで見るシーンのように自分がいじめられないようにと私から、離れて行った。
あんな学校行く意味なんてない。
だって、誰もいないんだから。
行ったって無駄。
そう思っていた。
そして私は、不登校になった。
日が経って、中三になった頃、引きこもりにもなり始めた時、いとこの柊家が、遊びに来た。
お母さんが、部屋のドアをノックした。
「いおー!新太くんたちが来たわよ!気分転換にどう?」
「嫌だ。出たくない」
本当は、新太たちのところに行きたかった。
でも、どうしても出る勇気が出なかった。
ドアに背を向け、泣いているとまた、ノックする音が聞こえた。
「いお?どうしたの?なんかあった?」
今度は、新太だった。
「今さ、瑛太と一緒に遊んでるんだけど、2人だとつまらなくてさ、1回でいいから、参加してくれよ~」
「…」
「いお?」
「…」
「何があったかは知らないけど、俺は、遠くにいてもいおの味方だから。2個下だから頼りないと思うし、正直まだ中学になったばかりだから、中学のことなんてあんま分かんね。けど、いおは1人じゃないから!俺がいる。」
1人じゃない?私が?
さっきよりも大粒の涙が出てきた。
新太の優しさが、嬉しくて、泣いて泣いて泣きまくった。
その日を境に、私は、少しずつ外に出れるようになった。
学校は、行ってもクラスのことは受けずに他の教室で、各教科の先生に今までの補習をしてもらった。
わざわざ私のために、時間をとって授業をしてくれる先生たちに申し訳なさもあった。
だからこそ、家に帰ったら、すぐに勉強をした。
テストも前より良い点が取れるようになった。
たまに会うクラスの子に、今度は「引きこもりガリ勉」なんて言われたけど、何も気にならなかった。
強く堂々と入れる自分になれた。
これも全て、新太のおかげ。
新太が声をかけてくれたあの日、新太の存在が「ただのいとこ」から「好きな人」へと変わった。
でも、何となく気づいていた。
新太が、中二のバレンタインデーくらいから、誰か他の女の子に対して、特別な感情を持っていること。
あの子、柏木南ちゃんが部活の見学に来たときにすぐ気づいた。
あ、この子だって…
私は、南ちゃんももしかして?って思っていたけど、そんなこと気にせずに、自分の気持ちを優先して、新太の傍にいた。
告白した日、そのもしかしては、確信に変わった。
最初は、いとこっていう関係を無視してまで、人が告白してるって時に!!って苛立っていた。
だけど、南ちゃんが倒れたって聞いて、南ちゃんも新太のことが好きなんだって気づいた。
倒れたって聞いた時は、急にいつも私のしてきた行動が、申し訳なくなってしまった。
私だって、嫌だ。
新太が他の子と仲良くしてるとこをたくさん見るなんて。
でも、南ちゃんなら、許せそう。
「話途中になったけど、いとこって関係抜きにしても付き合えない。」
「どうして?」
「なんか気になっちゃうんだ。アイツを近寄らせたくないって思う子がいて。こんな気持ちでいおと付き合えない。」
気になっちゃうね…
アイツってきっとアキラくんのことだよね。
もう、完全に南ちゃんのこと好きだし、私の勝ち目なしって感じ…
あーあ。
「新太のバーカ…」
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