君がいる今

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君がいる今 番外編~小さい二人を守るため~

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―みきー

私は好きな人がいる。
幼馴染の南の義理のお兄ちゃん、みなとさんだ。
実は、みなとさんはヴァンパイアだ。
南が生まれてすぐのころ、南の母親が捨てられていたみなとさんを見つけて、養子として育て始めたらしい。
そんなみなとさんは私たちを守るために怪我をしてしまった。
あれは確か私と南が小学校3年生の秋…

「みきー!!今日は遠くまで行くから、お兄ちゃんもついてくるってー」
「わかったー」
家の近い私たちは、いつも家や近くの公園で二人で遊んでいた。
でもその日は、少し遠い公園に行くことになり、南のお兄ちゃんも一緒に行くことになった。
「こんにちは!みきちゃん!」
「こんにちはー」
「今日は西公園に行くって聞いて、遠いし最近暗くなるの遅いから俺もついていくね!」
「はーい!!」
「みき早く行こっ!」
「うん!!」
「ちょっ!2人とも待って!!」

遊び疲れた南は、お兄ちゃんに飲み物をお願いしようと言った。
ベンチに座っているみなとさんのところへ行く南に私はついて行った。
「ねーお兄ちゃん!喉乾いたー!」
「えー?別にいいけど、何がほしい?」
「炭酸なら何でもいいー!!」
「なんでもって言ったな!!」
「うん!!ホントに何でもいいよー!!」
「わかったよ。みきちゃんは?」
「え?私もいいの?」
「いいよ!」
「じゃあ、リンゴジュース!!」
「了解!自動販売機少し遠いみたいだから、しっかり二人で待っててね!」
「は~い!!」

みなとさんが飲み物を買いに行った数分後、南は、恋バナをし始めた。
「みきー」
「んー?」
「みきって好きな人いるー?」
「いないよ~」
「ほんとかなー?」
「ほんとだって!!」
「ふ~ん」
その時私はまだみなとさんの事を好きではなかった。
このすぐあとに好きな人ができるなんて分かるわけもなく、返事をしていた。
「そういえば、お兄ちゃん遅いねー」
「確かにー」
「見にいこー!!」
「いいよ!!」

ドンッ!

私たちが走っていった先には、怖そうな男の人が二人もいた。
運悪く南が、男の一人にぶつかってしまった。
「君たちーこんなところで走っちゃだめだよー」
「ご、ごめんなさい」
「あー君たちがぶつかったところイッタイなー」
「ほんとにごめんなさい」
「ごめんで済んだら、警察いらないよ~」
今考えると、男の人たち馬鹿みたいだけど、小3の私たちには、とてもその人たちが怖く見えた。
「南!みきちゃん!!」
「お兄ちゃん!!」
怖くて二人体が震えているところに、みなとさんが助けにやってきてくれた。
「君はお兄ちゃんかな~?」
「そうですけど、何かあったんですか?」
「この子たちがぶつかってきたんだよ!」
「す、すみません!でも、ここは、公園ですし、そんな大きな怪我じゃないそうなので、そこまで言うなんて
大人げないですよ?」
「あ~??生意気なこと言ってんじゃねぇぞ!!うりゃぁぁぁぁ!!」
「南、みきちゃん危ない!!」
「お兄ちゃん!!」
「みなと兄ちゃん!!」

この後、人の少ないところへと連れていかれた。
怖い人たちから私たちを守るために、みなとさんは戦って、たくさん怪我をしてしまった。
みなとさんは、右目をやられた後、人が見てないタイミングを見計らって、ヴァンパイアの能力を使った。
その能力に恐れ、男たちは去っていった…が、みなとさんの右目は、失った。

私たちを守る姿を見て私は恋をした。
私の初恋は私を守ってくれたみなとさん…
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