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君がいる今 3話
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―南―
私はアキラくんの話が本当だと思えずほっぺたを強く叩いた。
「いたっ!やっぱり夢じゃないのか~」
ガチャ
とりあえず家に入ることにした。
玄関には、さっきまであった美稀の靴がない。
帰ったのかな?
「お兄ちゃん、ただいま。美稀は?」
「帰ったよ。ずいぶん遅かったな。何かあったのか...」
「おっ!今日はトマトカレー?」
「聞けよ!」
遅かった理由をお兄ちゃんに言えるわけがない。
ヴァンパイアのお兄ちゃんに...
私は夕飯の支度をしてトマトカレーを食べ始めた。
「お母さんは?」
「今日も遅くなるらしい」
「そっかーいつになったら、夜ご飯みんなで食べられるのかな~」
「わからないけど、早いうちに食べれるといいな」
お兄ちゃんは、私の表情を見て、頭を撫でてくれた。
「うん」
「じゃあ、俺はみかんと散歩に行ってくる。食器洗っとけよ」
「はーい」
お兄ちゃんとおみかんが、家を出ていく。
家ではいつもこうだ。
お兄ちゃんが夜ご飯を作ってくれて、私が食器を洗ったり、お風呂に入っている間にお兄ちゃんはペットのおみかんことみかんと散歩に行く。
実はお兄ちゃんは日に弱いヴァンパイアだから、夜しか外に出ることができない。
お母さんは夜遅い。
お父さんは、記憶にはないけど、お兄ちゃんが来てから家を出て行ったってお母さんが言ってた。
夜の間は私1人でさみしい...
もう、美稀がもう1人の姉妹だったらよかったのに...
ピピピピ...ピピピピ
「南さすがに起きろー」
お兄ちゃんの声...
7時のアラーム?
「やばっ!!いつのまにか寝てた!!」
あの後やる事やって、お風呂上がった後、一気にベットに...ってしてしまったことだよね。
昨日のことを思い出していると、お兄ちゃんが部屋に来た。
「入るぞー」
「お兄ちゃん、なんで起こしてくれなかったのー!!」
「何度も起こしたけど、俺の声よりも南の眠りの深さのほうが勝ってしまったから...」
自信なさげに言う。
「めっちゃ諦めてんじゃん!」
「着替えたら、すぐにご飯食べろよ」
「分かったから、出てって」
ドン
お兄ちゃんを部屋から追い出した私はすぐに着替えていつもの2倍の速さで支度をした。
どうやら、寝落ちをしてしまっていたみたいだ。
お母さんは、昨日徹夜で帰れなかったという。
「ごちそうさまでした!いってきまーす」
「いってらっしゃい」
「いってら~」
今日は、おみかんも見送ってくれた。
ホント変な猫だな。
猛ダッシュで走り、学校まで行った。
なんとかギリギリで、学校に着いた。
「セーーフ!!」
「ほんとギリギリだね!またゲームやってたの?」
美稀は、ちょっと呆れながら、いつものように聞いてきた。
「やってないよ~今日はほんとに単純に寝てた」
「寝てたじゃないよ!で、どうすんの?サッカー部」
今、美稀に言われるまでサッカー部のことすっかり忘れていた。
昨日、アキラくんからあんなこと聞いたばかりだからな~
「入らないで、中学からの片思いを終わらせるっていうのもありだと思うけどな~まぁ私が言える立場じゃないけど。」
「じゃあ、入る!」
「はぁ~?」
「だって中学の時、諦めようとして結局無理だったから!ここまで来たら、付き合うまであきらめない!!」
それに、昨日言ってた事が本当なら、私の恋が実らないと、アキラくんは死んじゃうわけだし。
「へ~そんなに好きなんだ~新太くんのこと!」
タイミングよくアキラくんが会話に入ってきた。
「アキラくん!!なんで相手が誰か知ってるの?」
「いや~それは~」
なにか隠している?
そういえば、アキラくんに似た人って言ってた。
だから、アキラくんは元から知ってて当然?
「何言ってんの、南!あんなにわかりやすい行動してたら誰でもわかるよ」
「ま、そういうこと!南ちゃん、喜怒哀楽分かりやすいからね~」
「美稀にならともかく、なんで1日しか話したことのないアキラくんに言われなきゃならないのよ!」
「ごめんごめん、っていうか兄妹やっぱり似てるね~」
私とお兄ちゃんが似てる?
「あんた人をイラつかせるのが得意だわ」
美稀がアキラくんに対して何故そう言うのかは、分からないけど、アキラくんがイラつくっていう気持ちは、分かる。
「へ?なんのこと?」
キーンコーンカーンコーン
ホームルームはあっという間に終わり、授業が始まった。
なんかアキラくん苦手。
その気持ちが、授業中離れなかった。
放課後になり、部活見学に行くことにした。
「じゃあね。みなみ~」
「美稀部活見学行かないの?」
「だって私、帰宅部だもん!テヘッ!じゃ~ね~」
「聞いてないよそんなの~」
そっか、美稀は、帰宅部か。
私はしょうがなく、1人で見学に行った。
サッカー部が練習しているグラウンドに行くとつとむくんがいた。
「つとむくんだよね?」
「あ、はい。南さん?」
「そうだよ~つとむくんって、新太くんと同じ塾の友達?」
「塾も一緒なんですけど、僕元々、小学校は、新太と同じだったんです。」
「そうなんだ~あっ!!新太くん、もういる!!」
グラウンドの方を見ると、新太が2年生と3年生と一緒に練習をしている。
かっこいい。
「ほんとだ!やっぱり、新太はすごいな~」
「つとむくん!!ねぇあれって、もしかして!!」
私たちが新太くんのほうを見ていると、部室らしきところからアキラくんが出てきた。
あらたくんもアキラくんも2人とも2年生や3年生と同じくらいうまい。
いや、それ以上かもしれない...
なんか2人が話していたような気がする。
アキラくんが変なこと言ってなければいいけど...
私はあらたくんと目が合ってしまった。
ドキッ!
やばい、やっぱり...
「あ、南さん顔赤いですよ?もしかして、熱があるんじゃ...」
「そう?全然元気なんだけどな~それより、私...」
「はい?」
「私、サッカー部のマネージャーになる!!!」
「あ、そう、ですか...なんとなく顔が赤いわけが分かりました」
「え?」
「いえ、なんでもないです」
私は、やっぱり、あらたくんが好き...
だから、そばにいて少しでも支えたい。
楽しい時も悲しいことがあった時もいつもそばにいたい。
でも...
なんか、アキラくんの存在が気になるかも?
ま、いっか!
私はアキラくんの話が本当だと思えずほっぺたを強く叩いた。
「いたっ!やっぱり夢じゃないのか~」
ガチャ
とりあえず家に入ることにした。
玄関には、さっきまであった美稀の靴がない。
帰ったのかな?
「お兄ちゃん、ただいま。美稀は?」
「帰ったよ。ずいぶん遅かったな。何かあったのか...」
「おっ!今日はトマトカレー?」
「聞けよ!」
遅かった理由をお兄ちゃんに言えるわけがない。
ヴァンパイアのお兄ちゃんに...
私は夕飯の支度をしてトマトカレーを食べ始めた。
「お母さんは?」
「今日も遅くなるらしい」
「そっかーいつになったら、夜ご飯みんなで食べられるのかな~」
「わからないけど、早いうちに食べれるといいな」
お兄ちゃんは、私の表情を見て、頭を撫でてくれた。
「うん」
「じゃあ、俺はみかんと散歩に行ってくる。食器洗っとけよ」
「はーい」
お兄ちゃんとおみかんが、家を出ていく。
家ではいつもこうだ。
お兄ちゃんが夜ご飯を作ってくれて、私が食器を洗ったり、お風呂に入っている間にお兄ちゃんはペットのおみかんことみかんと散歩に行く。
実はお兄ちゃんは日に弱いヴァンパイアだから、夜しか外に出ることができない。
お母さんは夜遅い。
お父さんは、記憶にはないけど、お兄ちゃんが来てから家を出て行ったってお母さんが言ってた。
夜の間は私1人でさみしい...
もう、美稀がもう1人の姉妹だったらよかったのに...
ピピピピ...ピピピピ
「南さすがに起きろー」
お兄ちゃんの声...
7時のアラーム?
「やばっ!!いつのまにか寝てた!!」
あの後やる事やって、お風呂上がった後、一気にベットに...ってしてしまったことだよね。
昨日のことを思い出していると、お兄ちゃんが部屋に来た。
「入るぞー」
「お兄ちゃん、なんで起こしてくれなかったのー!!」
「何度も起こしたけど、俺の声よりも南の眠りの深さのほうが勝ってしまったから...」
自信なさげに言う。
「めっちゃ諦めてんじゃん!」
「着替えたら、すぐにご飯食べろよ」
「分かったから、出てって」
ドン
お兄ちゃんを部屋から追い出した私はすぐに着替えていつもの2倍の速さで支度をした。
どうやら、寝落ちをしてしまっていたみたいだ。
お母さんは、昨日徹夜で帰れなかったという。
「ごちそうさまでした!いってきまーす」
「いってらっしゃい」
「いってら~」
今日は、おみかんも見送ってくれた。
ホント変な猫だな。
猛ダッシュで走り、学校まで行った。
なんとかギリギリで、学校に着いた。
「セーーフ!!」
「ほんとギリギリだね!またゲームやってたの?」
美稀は、ちょっと呆れながら、いつものように聞いてきた。
「やってないよ~今日はほんとに単純に寝てた」
「寝てたじゃないよ!で、どうすんの?サッカー部」
今、美稀に言われるまでサッカー部のことすっかり忘れていた。
昨日、アキラくんからあんなこと聞いたばかりだからな~
「入らないで、中学からの片思いを終わらせるっていうのもありだと思うけどな~まぁ私が言える立場じゃないけど。」
「じゃあ、入る!」
「はぁ~?」
「だって中学の時、諦めようとして結局無理だったから!ここまで来たら、付き合うまであきらめない!!」
それに、昨日言ってた事が本当なら、私の恋が実らないと、アキラくんは死んじゃうわけだし。
「へ~そんなに好きなんだ~新太くんのこと!」
タイミングよくアキラくんが会話に入ってきた。
「アキラくん!!なんで相手が誰か知ってるの?」
「いや~それは~」
なにか隠している?
そういえば、アキラくんに似た人って言ってた。
だから、アキラくんは元から知ってて当然?
「何言ってんの、南!あんなにわかりやすい行動してたら誰でもわかるよ」
「ま、そういうこと!南ちゃん、喜怒哀楽分かりやすいからね~」
「美稀にならともかく、なんで1日しか話したことのないアキラくんに言われなきゃならないのよ!」
「ごめんごめん、っていうか兄妹やっぱり似てるね~」
私とお兄ちゃんが似てる?
「あんた人をイラつかせるのが得意だわ」
美稀がアキラくんに対して何故そう言うのかは、分からないけど、アキラくんがイラつくっていう気持ちは、分かる。
「へ?なんのこと?」
キーンコーンカーンコーン
ホームルームはあっという間に終わり、授業が始まった。
なんかアキラくん苦手。
その気持ちが、授業中離れなかった。
放課後になり、部活見学に行くことにした。
「じゃあね。みなみ~」
「美稀部活見学行かないの?」
「だって私、帰宅部だもん!テヘッ!じゃ~ね~」
「聞いてないよそんなの~」
そっか、美稀は、帰宅部か。
私はしょうがなく、1人で見学に行った。
サッカー部が練習しているグラウンドに行くとつとむくんがいた。
「つとむくんだよね?」
「あ、はい。南さん?」
「そうだよ~つとむくんって、新太くんと同じ塾の友達?」
「塾も一緒なんですけど、僕元々、小学校は、新太と同じだったんです。」
「そうなんだ~あっ!!新太くん、もういる!!」
グラウンドの方を見ると、新太が2年生と3年生と一緒に練習をしている。
かっこいい。
「ほんとだ!やっぱり、新太はすごいな~」
「つとむくん!!ねぇあれって、もしかして!!」
私たちが新太くんのほうを見ていると、部室らしきところからアキラくんが出てきた。
あらたくんもアキラくんも2人とも2年生や3年生と同じくらいうまい。
いや、それ以上かもしれない...
なんか2人が話していたような気がする。
アキラくんが変なこと言ってなければいいけど...
私はあらたくんと目が合ってしまった。
ドキッ!
やばい、やっぱり...
「あ、南さん顔赤いですよ?もしかして、熱があるんじゃ...」
「そう?全然元気なんだけどな~それより、私...」
「はい?」
「私、サッカー部のマネージャーになる!!!」
「あ、そう、ですか...なんとなく顔が赤いわけが分かりました」
「え?」
「いえ、なんでもないです」
私は、やっぱり、あらたくんが好き...
だから、そばにいて少しでも支えたい。
楽しい時も悲しいことがあった時もいつもそばにいたい。
でも...
なんか、アキラくんの存在が気になるかも?
ま、いっか!
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