天の求婚

紅林

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本編

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──────三年前

帝国でもっとも長い歴史を持ち、国内最難関校とされる江流波帝国大学の南城キャンパスで当時第一天子だった蒼士は法学部の学生として授業を受けていた。付属の幼稚園からこの学校の生徒である蒼士は手慣れた動作でパソコンを操作し、教師の示す資料を閲覧していた。まだ即位していないとはいえ帝位継承者である蒼士の顔は国内に出回っているが、周りの者たちは蒼士の正体に気づいていない。帝室の家系図は宮内省の公式ホームページに記されており、顔写真も一緒に掲載されるが蒼士は高校生の頃に撮った写真を乗せたきり更新していない。それに加え、第一帝位継承者ということもあり外部の参加者が多くいる公式行事等の出席を控えているためメディア露出も少ない。蒼士は髪を明るめの金色に染めて伊達メガネをかけているので余計に気づく生徒はいないだろう。

「あ、そうくん!」

チャイムが鳴り響き、授業が終わると同じゼミの女子生徒が蒼士に話しかけた

「この後の観光産業論なんだけど教室変更なんだって。グループごとにフィールドワークするから大きなテーブルがある二号館の教室でするらしい」
「りょーかい。ありがと」

蒼士は幼稚園から身分を明かさずに過ごしてきたため、意外にも普通の生活に慣れていた。ちなみに大天族には苗字がないため中宮なかみやそうと名乗り生活している。

「私こんな暑い日にフィールドワークとか無理だから飛ぶわ。なんかテキトーに先生に言っといてー」
「えぇ、ちゃんと受けなよ」
「絶対やだ。てか蒼くんって見た目の割に真面目だよね」
「そう?」
「そうだよ。二年になった最初のゼミの時の自己紹介でウルフの金髪でしかもメイクしてる男の子がいてビックリしたもん。見た目めっちゃチャラそうなのに飲み会にも来ないしクラブも行かないクソ真面目だったからビックリ」
「えぇーそーかな?てかそれ褒めてる?」

蒼士が笑って言い返すと女子生徒はクスクスと笑った。すると彼女のスマートフォンの着信音が鳴った

「ゲッ、彼氏からだわ。昨日男子いる飲み会に参加したのバレたかなー。ごめん蒼くん!電話かかってきたから私行くね!先生によろしく言っといてー!」
「飲み会もほどほどにしなよ。欠席連絡ね、りょーかい!」

蒼士は女子生徒と別れてしばらくすると席をたって、食事を摂るために校内にあるコンビニへ向かった。まだ終わっていない課題があるため今回は食堂ではなくサンドウィッチとサラダを購入して軽く食事を済ませて図書館に行く予定だ。帝室の一員としては有り得ない食事内容だが、蒼士はこのような生活ができるのは学生の間だけだと考えて意外にも心から満喫していた。

「お、中宮じゃん!」

図書館に向かって歩いていると突如後ろから声をかけられる

京夫谷きょうふだに?すごく久々だね」
「苗字で呼ぶなってー!恐怖谷って思われるだろ」

ケラケラと笑いながら近づいてきたのは社会学部の京夫谷きょうふだに元親もとちか、蒼士とは何度か授業が同じになりたまに話す程度の仲だ。

「この珍しい苗字のせいで実は華族なんじゃないかって言われるし、もう散々なんだぜ。筋金入りのド平民なのにさ」
「たしかに京夫谷以外で同じ名前の人見たことないかも」
「だろ?てか大体中学の頃に華族名鑑で検索したけど出てこなかったからただの珍しい名前の平民だよ」
「まぁ珍しい名前って沢山あるしね。それに華族ってある程度歴史の長い一族だから意外とシンプルな苗字が多いらしいよ?」
「へぇー、流石法学部華族法務専攻!華族のことは何でも知ってるんだな」

元親はわざとらしい拍手を蒼士に送った。スマートフォンを操作しながら「アイツまだかな」と独り言をブツブツと呟いているようなので蒼士は別れの挨拶をしようと口を開きかけた

「あ!いたいた!」

元親が大きな声をあげた

「あ!ごめんごめん!ちょっと友達と話してて!」
「またセフできたん?お前マジで刺されるぞ」
「違うよ。元親ガチで言い方悪いよ。女友達だよ。社会福祉論の過去問聞いてただけ」
「うわー、ホントかよ。大貴ってマジでそっちに関しては信用出来ねぇ。あ、てか中宮ってコイツのこと知ってる?」

元親は大貴のことを指さしながら蒼士に尋ねた

「んー、初めましてかな?会ったことないかも」
「あ!ごめんね!話の途中に割り込んじゃって!僕は社会学部二年の新田大貴です。元親とはゼミが一緒で仲良くしてる!よろしくね!」
「法学部二年の中宮蒼です。よろしく」
「コイツの言うことなにも信用しなくていいからね。口から出る言葉ぜーんぶ嘘。特に僕のことに関しては!」

そう冗談ぽく言って笑う新田大貴と名乗る男は蒼士より身長は低いが非常に整った顔立ちをしていた。最近流行りのヘアセットは彼の整えられた綺麗な眉と美しい瞳を強調している。そして黒のボトムスと明るい青色のシャツを見事に着こなし、リングやネックレスでよりスマートにコーデがまとめられている。横にいる元親も十分に洒落た服装をしているが、大貴に比べれば霞んで見えるほどだ。

「はははっ、聞き流しておくよ。というか京夫谷と新田くんは待ち合わせしてたってことは今からどこか行くの?」
「そうそう。ちょっとパソコンがバグったからシステム課に行くんだ。んてその後暇だし飯でも行こうかなって」
「え!システム課行くの聞いてない!てか課題間に合うの?都市型住宅概論のレポート今日までだよ?絶対無理じゃん」
「だから急いでシステム課行くんだよ!」

煽るように顔を近づけてくる大貴の耳を元親はつねって引っ張った

「いたい!いてててて!待ってほんとに痛い!冗談抜きで!がちで!」
「んじゃ!中宮も頑張ってな!明日の日常生活の哲学は一緒だろ?また課題共有しよーぜ!」
「うん、また明日ね。おつかれー」

蒼士がその場を去ろうとすると右耳を解放された大貴が耳を押えながら涙目で声を発した

「中宮くん!哲学の授業僕も一緒だからよろしくね!」
「そうなんだ?りょーかい。よろしくね」
「うん!お疲れ様」
「おつかれ」

これが大貴と未来の天帝である蒼士の出会い。


◆◇◆


「天に導かれし帝国の第一天子殿下、本日もお疲れでございます。無事のお帰りを歓迎致します」
「公爵、来ていたのか」

その後、宮殿に帰った蒼士を出迎えたのは担当の侍従ではなく数年前に家庭教師として仕えてくれていた横田川真帆公爵だった。現在は内閣官房長官を務めている。

「はい、殿下の大学生活の様子が気になりましてね。ですが心配は必要ないようですね。長谷川侍従長から成績の方は大変優秀だと伺っております」
「今のところ問題は無いさ。学業よりも宮中きゅうちゅうのことの方が頭が痛い」

蒼士は天帝が病に倒れたことにより緊張感が高まりつつある現状を憂いていた。 現在、帝位継承権を持つ人物は蒼士を含め三人存在する。第一天子である蒼士、第二天子の桃子、第三天子の元輝だ。順当に行けば第一天子たる蒼士が帝位を継承するが、本来後ろ盾となるはずの母親が亡くなっており天帝が後妻を迎えたために事が厄介なことになっているのだ。

「桃子には日高家が着いている。このままでは負けてしまう」
「恐れながら桃子殿下は日高侯の言いなりと成り果てました。和解は難しいかと」
「いいや、桃子は引っ込み思案なところがあるだけだ。直接話をする機会さえあれば私を支持してくれるはずだ」

意外にも三兄弟の中は悪くはなかった。むしろ仲は良い方で、歳が近いこともあり昔はよく交流の場を設けていた。

「桃子のこともあるが今は味方を増やすことが先だ。日高家ほどの華族がバックに付いているならこちらもそれなりに支持者を集めねばならん」
「あら?我が公爵家の力では及びませんか?」

公爵はクスクスとわざとらしく笑いながら言った

「そう言うな。 横田川家ももちろんあてにしている。だか天帝になるためにはまだ足りない」
「まだ派閥に入っていない有力一族はいくつかピックアップしました。こちらをご覧くださいまし」

公爵はタブレット端末を操作して蒼士に渡した

「枢密院は沢中公爵、八乙女侯爵、神崎伯爵、冷泉伯爵がどの派閥にも属していないのに加え、立場表明もしていません。しかし、枢密院顧問官の信任を得るのは難しいでしょう。彼らは不動の権力を既に持っているのですから。もちろん味方になってくれるのであれば彼らほど強い支持勢力は他にありませんがね」

公爵は蒼士の持っているタブレット端末を横かタップして二枚目の資料を映し出した

「枢密院は一旦置いておくとして、これからの説得次第でこちらを支持する可能性がある主な有力者をまとめました。長年外交官を務め昨年帰国した外務副大臣の小野寺公爵、内閣府の重鎮である弥勒院侯爵、自立派を率いる純血華族の堀江侯爵、穏健派を率いる純血華族の園城公爵、財務省に太いパイプを持つ純血華族の鷹屋敷伯爵、国土交通省運輸安全委員長を務める純血華族の藤堂伯爵、会計監査院長の横畠公爵です。」
「となると国内の有力者はまだ立場表明をしていない者がほとんどだな」
「その通りです。桃子殿下の支持勢力で警戒すべき人物は日高侯爵と貝谷かいたに子爵、たちばな伯爵のみです。他に特筆すべき勢力はありません」

公爵はそう言って三枚目の資料に画面を切りかえた

「逆に言えば我々にも特筆すべき支持勢力はあまり多くありません。我が横田川家、橋口伯爵のみです。他にもいくつか支持を表明した一族はいますが今のところ大きな勢力ではありません」
「……今のところ五分五分だな。であれば一人でもこちらに取り込むことが叶えば流れを変えることが出来そうだな」
「その通りです。そのために私は横田川家の総力を上げてと連絡を取りました」
「とある方?」

公爵は四枚目の資料を開き、表示されたとある男性の情報を指さした

「在太平天帝国マニュレー共和国大使、ルキーノ・オルランティ……」

そこにはルキーノ・オルランティというマニュレー共和国大使の名が記されており、経歴等も記されていた

「マニュレー共和国、我ら第一天子派最大の支持勢力です」
「なっ!?どういうことだ!?マニュレー共和国が?私を!?」

マニュレー共和国とは太平天帝国からは遠く離れた西ユアロプの海洋国家だ。正式名称は最も偉大な共和国マニュレーであり、マニュレー共和国とは通称である。太平天帝国が「現存する最古の国家」と言われるが対する最も偉大な共和国マニュレーは「現存する最古の共和国」、もしくは「歴史上最も長く続く共和制国家」と表現されることが多く小国ながら今現在でも貿易大国として列強に名を連ねる貿易大国だ。

「はい!」
「全く理解が追いつかないぞ!どういうことだ!?」
「今の元首ドージェは長子継承を守るべきであるとお考えのようで連絡をすれば直ぐに返事をくれましたよ」
「そんな簡単な訳ないだろう!むしろあの国は千年以上に渡り大評議会によって元首ドージェを選出している共和制の国、一族による支配を容易く支持するような国では無いはずだ」
「……もちろん交換条件はありました。それが天童財閥への口利きだったのです」
「本当にそれだけか?」

蒼士はたったそれだけのことで共和国が自分たちを支持することが信じられず、疑うような視線を公爵に向けた。

「……我が横田川家が保有する『海の聖獣』を譲り渡すことが絶対条件です」
「確か公爵の父君が横田川家所有の作品の中で最も価値ある品だと自慢していた絵か?」

『海の聖獣』とは約八百年前に描かれたとされる絵画作品である。共和国沿岸のマニュレー海に生息するという伝説の聖獣を描いたマルティナ・オルフィーノによる作品で、当時には珍しい女性画家の作品であることから非常に価値が高いとされている。そしてその『海の聖獣』の現在の所有者は横田川家であり、帝都の屋敷の玄関ホールに飾られているのは有名な話である

「はい、『海の聖獣』は世界大戦の影響により閉館を余儀なくされた美術館のオークションにて購入したものです。そしてその美術館というのが当時のマニュレー国立美術館です。当時、貿易に重きを置いていた共和国は大戦により財政難に陥りました。共和国の大評議会は国家事業を縮小するとして美術館を含む娯楽施設を次々と閉鎖し、財政確保のためにそれらを外国に売り払ったのです」
「それで横田川家が『海の聖獣』を落札した訳だな」
「その通りです。第三次世界大戦が終了し国力を取り戻した共和国は美術品等の売り払った資産を順次回収しているそうです」
「それで私を支持することを条件に『海の聖獣』を買い戻そうとしている訳だな」
「その通りですわ。父は美術品を集めていましたが生憎私は全く興味がありませんので落札額以上の金額で共和国が買い取ってくれるのであればありがたいことです」

公爵は特に高価な美術品のことなど気にした様子もなく言い切った

「本当に良いのか?」
「横田川家と私自身が改めて殿下に忠義を示す善い機会だと考えております。殿下さえよろしければこのまま共和国との協議を勧めさせて頂きます」
「分かった。感謝する」

蒼士は立ち上がって頭を下げた

「おやめ下さい。私の忠義を忘れずにいてくださるだけで結構ですわ」
「もちろんだ。公爵の忠誠に感謝する」
「しかし、これで我々の勝ちが決まった訳ではありません。共和国が強力な支持勢力であることに変わりはありませんがあくまでも国外の支持勢力です。やはり国内の有力者を味方につける必要があります」
「そうだな」
「……園城おんじょう公と弥勒院みろくいん侯は私にお任せいただください。この一ヶ月で必ずこちらに引き入れてみせます」

公爵は蒼士の目を真っ直ぐ見つめ返してそう言った。まるで何か確実な方法があるかのように

「何か策があるのか?」

園城家は古くから続く純血一門であり穏健派の筆頭華族である。現当主は老齢ながらやり手と評判で三大財閥とも関係が深く、財界に太いパイプを持つ。弥勒院家は比較的新しい華族家であるが現当主の采配により純血にも劣らない地位を朝廷で確立した勢いのある一門だ。そんな二つの家門をたった一ヶ月で味方にするなど容易なことでは無い

「……命令とあらばご説明致します」
「いや、貴女のことは信じている。頼んだぞ公爵」

その言葉に対して深く頭を下げ、心の中で深く忠誠を誓ったのだった
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