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第4章 国主編
第139話 奴隷女 ~リーゼロッテの出自~
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私はリーゼロッテ・フォン・ザクセン。
神聖帝国のローリンゲン公フリードリヒの側室である。
私は元々奴隷だった。それを今のフリードリヒ様に買われ、結果として側室になるに至った。
今からその経緯を話そう。
◆
私が物心ついた3歳の時。
私は母とともにバーデン=バーデンの町で乞食をやっていた。
この世界では、教会や金持ちが乞食に施しをする行為が徳を積む行為として教会に奨励されていた。中にはプロの乞食もいると聞く。
なぜそのような境遇となったかは聞かされていない。
小さかった私は、その生活を当たり前のものと思っていた。
しかし、突然、私たち親子を悲劇が襲った。
奴隷商人の奴隷狩りにあったのである。
乞食たちが逃げ惑う中、私も母に手を引かれて必死に逃げた。
しかし、混乱する乞食たちにもみくちゃにされるうちに手を離してしまったのだ。
「お母ちゃん。怖いよー」
と泣きじゃくりながら母を探すが、見つからない。
その時、恐ろしい顔をした奴隷商人が私の腕をつかんだ。
恐怖した私は更に火がついたように泣いた。
「うるせえ! このガキ。静かにしろ!」といって奴隷商人は私を殴った。だが恐怖はさらに募るばかりで、泣き止むことなど不可能だった。
結局、奴隷商人は私が気を失うまで殴り続け、私の顔は腫れ上がっていた。
◆
私が奴隷商人に売り飛ばされた先は、糸を紡ぐ工場だった。
薄暗い半地下の部屋で、来る日も来る日も糸を紡がされた。
工場を監督する男はいつもイライラしていて、怖かった。
できが悪かったり、紡ぐ量が足りなかったりするとすぐに奴隷たちを殴りつける。それは私も例外ではなかった。
殴られるのが嫌で、私は必死に糸を紡ぎ続けた。
工場での生活は酷いものだった。
食べる物も粗末だったし、着るものや寝具も最低限のものだった。そのせいでいつもひもじい思いもしたし、夜も眠れない日も多かった。
そのうちに私の体に異変が起こった。
私の背中や手足の骨格が歪み始めたのだ。
あとでフリードリヒ様に聞いた話だと、くる病という病気で、成長期の子供が低栄養状態で日光に満足に当たらないような生活を続けると、ビタミンDという成長に必要な栄養が不足してなるものなのだそうだ。
この時は小さかったからわからなかったが、今考えてみると、フリードリヒ様はどうしてこんな医学知識を持っていたのか不思議だ。この時代なら、真っ先に悪霊や悪魔の仕業を疑われて当然なのに…
フリードリヒ様はこのように時代を超越したような高度な知識をたくさん持っている不思議な方だった。
同じくフリードリヒ様の愛妾をやっているフィリーネさんは「きっと未来人か何かに違いない」と言っているが、さもありなんである。
結局、私の姿を奴隷たちや監督の男も気味悪がり、私は再び奴隷商に売り飛ばされた。
◆
売られた先の奴隷商では、こんな気味の悪い姿の私に買い手がつくはずもなく、そのうちに奴隷商は他の奴隷とセットで販売することを思いついた。それでもなかなか買い手は付かずに時は過ぎた。
そして運命の日はやってきた。
奴隷商が外で声をかけ、冒険者らしいき人を店に案内してきた。
白銀のマスクを着けてなぜか顔を隠している。他にパーティーメンバーがいるようだが皆が女性だ。
奴隷商は、ミーシャさんという猫耳族の女性を勧めている。
「こいつは猫耳族でやんして、素早さがとりえなんでさ。斥候役に最適ですぜ」
「確かにうちのパーティーに斥候役はいないが…」
「今ならサービスでこっちのちっこいのもお付けしやすぜ。おめえも立てっ」
どうやら奴隷商は今回も私をセット販売するつもりのようだ。
満足な食事も与えられず、私はふらつきながらも必死に立った。
不思議なことに、白銀のマスクの冒険者はミーシャさんよりも私の方をじっと見つめている。
そして言った。
「わかった。買おう」
パーティーメンバーの女性がそれを諫める。
「あなた。亜人奴隷なんかに同情していたらきりがないわよ」
「旦那もとことん人がいいねぇ」
「主様…」
が、仮面の冒険者は言った。
「理屈ではなく、私の気がすまないのだ」
「へへ。ありがとうごぜえやす」
この瞬間、私はミーシャさんとともに、この仮面の冒険者に買われることに決まった。
◆
仮面の冒険者に連れて行かれた先は、なんとホーエンバーデン城だった。
仮面の冒険者はフリードリヒ様といい、城主の孫だったのだ。
城に着くと早速ミーシャさんと私を風呂に入れてくれた。2人は不潔な環境でずっと生活していたので酷く臭っていたのだ。
そして食事を用意する間にフリードリヒ様は言った。
「なぜ奴隷なんかに?」
「あのね。小さい頃はお母さんと一緒に教会やお金持ちの人から食べ物をもらっていたの。
でも怖いおじさんたちが追いかけてきて捕まっちゃって、その後はずっと糸を紡ぐ仕事をやらされて…そのうち背中が曲がってきて気持ち悪いっていわれて奴隷に売られちゃったの」
フリードリヒ様は意外なことを口にした。
「背中を治してやれるかもしれない。痛いと思うが我慢できるか?」
(そんなことができるのか)とも思ったが、可能ならば是非もない。私は言った。
「うん。我慢する」
フリードリヒ様は私をベッドのある部屋へ導く。
部屋へ着くと、間もなく漆黒のゴシック調のドレスを来た美少女がやってきた。
「オスクリタ。この者の背中を治してやりたい。できるか」
「可能。でも…主様の方が上手だと…思う」
フリードリヒ様は少し逡巡した後、言った。
「わかった。私がやろう」
私をベッドに寝かせる。
「リーゼロッテ。目を閉じて、心を落ち着かせるんだ」
なにか魔法のようなものをかけるようだ。
が、次の瞬間。私はあまりの痛みに悲鳴を上げ、エビぞりになって苦しんだ。
「きゃーーーーっ」
だが、すぐに魔法を調整してくれたらしく、痛みは納まった。今度は成功のようだ。
いつの間にかパーティーメンバーの女性たちが部屋に来ている。悲鳴を聞いて駆け付けたらしい。
「もう。いきなり奴隷を虐待しているのかと心配したわよ。あなたどSだから」
「ちょうどいい。ローザ。リーゼロッテの汗がひどいから拭いてやってくれ。リーゼロッテは栄養が足りていないから私は食料を調達してくる」
「旦那。あたいも手伝うぜ」
くる病にはカルシウムとビタミンDの大量摂取が必要だ。無理やり背骨は伸ばしたが、栄養が足りていないと元に戻る恐れがあるということで、フリードリヒ様は近くの川から小魚を大量に調達してきてくれた。
◆
1週間ほど経った。
私は復調し、普通の食事が取れるようになっている。引き続き小魚を大量に食べ、日光浴もしている。
フリードリヒ様は言った。
「リーゼロッテ」
「『リーゼ』でいいよ。お兄ちゃん」
「ではリーゼ。これからどうしたい。」
「うーん。このお城で働きたいかな。みんな親切でいい人だし…」
「リーゼは何歳になった?」
「7歳」
「そうか。見習いを始めるにはちょうどいい年頃だな。わかった。考えてみよう。」
「ありがとう。お兄ちゃん」
そして私はホーエンバーデン城でメイド見習いをすることになった。
◆
メイド見習いの仕事は、最初は上手くできなかった。
なにしろ7歳の子供で今まで何の教育も受けていなかったのだから当然だ。
そのせいで、侍女長のヴェローザさんや侍女のコンスタンツェさんには年中叱られ、気落ちしていた。
フリードリヒ様の妹たちは、時折私の面倒をときどき見てくれている。
アイリーン様は一緒に料理の勉強をしている。1歳しか違わないのにテキパキと料理をするアイリーンを私は尊敬した。
ルイーゼ様はマルティナに本を読み聞かせているが、私も時折混ぜてもらっている。
マルティナ様は歌が好きなので時折一緒に歌を歌っている。
が、そこは貴族とメイド見習い。対等の立場という訳にはいかない。侍女長のヴェローザさんの目もある。
自然と私はフリードリヒ様を頼るようになり、隙をみてはフリードリヒ様のところに通って甘えるようになっていた。
「お兄ちゃん。来ちゃった」
「どうした、リーゼ?」
「ちょっと疲れちゃったから、休憩」
「なんだ、私の部屋は休憩所か?」
「そうじゃなくて。お兄ちゃんに会いたい気分だったの」
「コンスタンツェにでもしかられたのか?」
「あれはリーゼのために……コンスタンツェさんはやさしいよ」
「仕事はたいへんか?」
「まだ失敗することも多いけど頑張るよ。私の居場所はここだから」
フリードリヒ様は私を優しくハグする。
私はフリードリヒの胸に顔を埋めて甘えた。
◆
私はフリードリヒ様に人気のないところに呼びだされた。
そこには大きな茶虎の猫がいた。
「リーゼ。今度、こいつを城で飼おうと思う。お前が面倒を見てくれ。名前はティーガーだ」
「うわぁ。カッコいい。名前どおりだね」
私はティーガーに駆け寄り、頭を撫でた。ティーガーは警戒していたが、フリードリヒ様がチラッと睨むとおとなしくなった。諦めの境地なのだろう。
「ふわふわして気持ちいい」
「顎の下も自分では舐められないから、気持ちいいみたいだぞ。猫にも触られて気持ちいい場所と嫌な場所があるからいろいろ試してみるといい。可愛がってやれよ」
「うん。お兄ちゃん、ありがとう」
私は小さいながらにフリードリヒ様の心使いが心に染みた。
ティーガーが潤滑油の役割を果たしたのか、フリードリヒ様の兄弟姉妹とも、より仲良くなった。
おかげで私は少し明るくなった。
まだ小さかった私は、どこかの魔法使いのお婆さんが私をお姫様にしてくれ、フリードリヒ様のお嫁さんになることを夢想した。
◆
フリードリヒ様は12歳になり、シュヴァーベン公国の首都アウクスブルグにあるホーエンシュタウフェン学園に通うことになった。
私は当然にフリードリヒ様に付いていくことを希望した。その希望はなんとか通り、一緒にアウクスブルグにいくことになった。
アウクスブルグの屋敷では、コンスタンツェさんが侍女長となった。
そうするとフリードリヒ様の専属侍女をどうするか問題になった訳だが、コンスタンツェさんのこだわりから、侍女長と兼務することになった。
ただ、それだと雑務などが行き届かないおそれがあるので、専属のメイドを付けることになった。
私も手を上げたかったが、まだ9歳で成人しておらず見習いのままだったので断念した。
◆
フリードリヒ様は学園を卒業すると、軍事学校に入り、これを首席で卒業し、近衛騎士団に入団した。
いきなり中隊長という破格の待遇だったが、あの優秀なフリードリヒ様なら足りないくらいだと思った。
その後、フリードリヒ様は破竹の勢いで昇進し、近衛第6騎士団、暗黒騎士団の団長となった。
その間に私は成人を迎え、見習いから正式なメイドになることになった。
私にとってラッキーだったのは、ちょうどその少し前にフリードリヒ様の専属メイドが家庭の事情で辞職することとなり、空席となっていた。
私は一も二もなく専属メイドに立候補した。
侍女長のコンスタンツェさんは私をフリードリヒ様のところへ連れていくと言った。
「フリードリヒ様。次の専属メイドにリーゼロッテが立候補しているのですが、いかがいたしましょうか?」
「ああ。もう正式なメイドになって時間もたっているし、リーゼロッテでいいんじゃないか」
その言い方に私は少し凹んだ。
「いや。これは本人に失礼だったな。リーゼロッテがいい。付き合いも長いし、心して身の回りの世話を任せられる」
──顔に出したつもりはないけど、フリードリヒ様って人の心が読めるの…?
「承知いたしました」
「フリードリヒ様。ありがとうございます」
私はこのころまでにフリードリヒ様のことを「お兄ちゃん」と呼べなくなっていた。
今から考えると、フリードリヒ様のことを女として意識し始めていたのだと思う。
しばらくして、フリードリヒ様は対デンマーク戦争の軍功が評価され、ホルシュタイン伯に叙せられることになった。
と同時に少しショックなことがあった。
皇帝陛下の命令で、全ホルシュタイン伯のバードヴィーデン卿の娘であるロスヴィータ様と結婚することが決まったのだ。
私のような奴隷上がりの平民がフリードリヒ様と結婚などあり得ないことなのに、私の心は沈んだ。
しかし、フリードリヒ様はホルシュタイン伯国の内政に力を入れ、結婚話はしばし棚上げとなっていた。
だが、フリードリヒ様が16歳を迎えようという時、結婚の準備が動き出した。
それに当たり、屋敷の女子たちが集められた。
──なんだろう? もしかして…
私の女の勘が囁いていた。
「皆に集まってもらったのは他でもない。私が正妻を迎えるに当たり、正式な愛妾…」
──やっぱり。
私は瞬時に手を挙げた。が、同時に…
「「「「「はいっ!」」」」」
主旨を言うまでもなく一斉いっせいに手が上がる。皆、必死の形相である。
なんとデュラハンのカタリーナさんや侍女長のコンスタンツェさんとシルキーのオキヌまで手を上げている。
「君たちまで…」
フリードリヒ様は絶句している。
だが、少しの間のあと言った。
「わかった。全員まとめて愛妾にしよう」
その瞬間、女子たちから歓声が上がった。
私も感激して涙が流れた。
夢にまで見たフリードリヒ様の愛妾にしていただいたのだ。女としてこれ以上の喜びがあろうか。
◆
フリードリヒ様はその後も昇進を続け、混乱が続いていたロートリンゲン公国を統一すると、自らロートリンゲン公の地位についた。
私はフリードリヒ様の愛妾となってから、すぐに懐妊し子供も生まれた。
子供は女児だった。
フリードリヒ様は「リーゼロッテの子供だから名前はシャルロッテが良いね」と迷わずに名前を付けてくれた。
そして愛妾としてこの上ない幸せな日々が続き…
ある日。フリードリヒ様に呼ばれた。
フリードリヒ様は静かな口調で言った。
「実はバーデン=バーデンの町で女の乞食が死亡しているのが発見された。それを偶然にみた城の従卒が言うにはその姿がリーゼにそっくりだというのだ」
「ええっ。それって…」
「ああ。リーゼの母上かもしれない」
「で、母は…」
「そのまま置いておくことはできないから、既に共同墓地に埋葬されたそうだ」
「そうですか」
フリードリヒ様は口調を変えた。
「問題はこれからだ。その女がこのようなブローチを大事そうに持っていたのだそうだ」
というと私に見せてくれた。
ブローチには紋章が入っていた。
紋章には書き方のルールがあり、それからどこの家に仕えるどういう家柄なのかということが分かるようになっている。
「この紋章は…」
「調べたところ、灯台下暗しでな。代々モゼル公爵に仕えているオイラー男爵家のものだった」
「では、私の家族かもしれない人たちがそこに?」
「ああ。しかも、使いをやって調べたところ、リーゼが生まれる少し前くらいの時期に失踪した娘がいるということだ。どうやらある冒険者と恋をして駆け落ちしたようだ」
「では、その方が私のお母さまなのでしょうか?」
「その可能性は大きいな。おそらく2人は稼ぎ場である黒の森へ向かい、バーデン=バーデンでしばらく生活していたが、夫が亡くなり、結局は母子ともども路頭に迷ったといったところか…」
私の頭の中をお母さまが苦労している姿が思い浮かぶ…
「実はオイラー家から申し出があって、リーゼに会いたいそうだ」
「私も家族がいるのなら会ってみたいです」
「わかった。では、日程をセットしてみよう」
◆
オイラー家を訪問する日程はすぐに決まった。
お忙しいのにフリードリヒ様が自らついて来てくれることになった。
聞いたところによると、母には兄がいたが未婚のまま戦死し、今は後継ぎがいない状態だということだ。祖父母は健在ということだった。
オイラー家に到着すると家宰が客間に案内してくれた。
オイラー卿が挨拶をする。
「お忙しいところ、大公閣下自おいでとは恐縮です」
「可愛い愛妾のためだからな。当然のことだ」
「早速なのですが、我が家には代々このようなアーティファクトが伝わっておりまして…」
というと指輪を示した。豪華な宝石のようなものが付けられており、家紋が透けて見える。
「実は我がこれをはめて我が家の血筋の者が念じると宝石が光るのです。
リーゼロッテ様。ぜひはめてみてもらえませぬか」
「わかりました」
私は緊張した。
これで私がオイラー家の者かどうかわかるのだ。
指輪をはめて念じると見事に指輪の宝石は光を発した。
疑念が確信に変わった瞬間だった。
「おおっ」とオイラー卿は感激の声をあげる。
「お祖父様、お祖母様」
私はオイラー卿夫妻のもとに駆け寄る。
3人で抱き合って喜んだ。
ひとしきり喜んだ後、フリードリヒ様は言った。
「よかったな。リーゼロッテ。では、おまえも私の側室になってくれ」
オイラー卿が戸惑いの声を上げた。
「我が家は家格がはるかに格下ですが、よろしいのですか?」
「これまでも貴族の娘はすべて側室にしてきた。リーゼロッテだけ例外ということはあり得ない」
私は力強く答えた。
「はい。喜んで」
◆
そして私はフリードリヒ様の側室となった。
お祖父様とお祖母様のところには度々訪れ、シャルロッテの顔を見せている。
可愛いひ孫の顔を見て2人は破顔して喜んでくれる。
2人は私が男児を産み、その男児にオイラー家を継いで欲しいようだ。
そのことをフリードリヒ様に伝えると
「子供は何人もできるだろうから、そのうち男児も生まれるさ」
と呑気に言った。
うれしかったが、恥ずかしくもあり、顔を赤くしてその言葉を聞いた。
神聖帝国のローリンゲン公フリードリヒの側室である。
私は元々奴隷だった。それを今のフリードリヒ様に買われ、結果として側室になるに至った。
今からその経緯を話そう。
◆
私が物心ついた3歳の時。
私は母とともにバーデン=バーデンの町で乞食をやっていた。
この世界では、教会や金持ちが乞食に施しをする行為が徳を積む行為として教会に奨励されていた。中にはプロの乞食もいると聞く。
なぜそのような境遇となったかは聞かされていない。
小さかった私は、その生活を当たり前のものと思っていた。
しかし、突然、私たち親子を悲劇が襲った。
奴隷商人の奴隷狩りにあったのである。
乞食たちが逃げ惑う中、私も母に手を引かれて必死に逃げた。
しかし、混乱する乞食たちにもみくちゃにされるうちに手を離してしまったのだ。
「お母ちゃん。怖いよー」
と泣きじゃくりながら母を探すが、見つからない。
その時、恐ろしい顔をした奴隷商人が私の腕をつかんだ。
恐怖した私は更に火がついたように泣いた。
「うるせえ! このガキ。静かにしろ!」といって奴隷商人は私を殴った。だが恐怖はさらに募るばかりで、泣き止むことなど不可能だった。
結局、奴隷商人は私が気を失うまで殴り続け、私の顔は腫れ上がっていた。
◆
私が奴隷商人に売り飛ばされた先は、糸を紡ぐ工場だった。
薄暗い半地下の部屋で、来る日も来る日も糸を紡がされた。
工場を監督する男はいつもイライラしていて、怖かった。
できが悪かったり、紡ぐ量が足りなかったりするとすぐに奴隷たちを殴りつける。それは私も例外ではなかった。
殴られるのが嫌で、私は必死に糸を紡ぎ続けた。
工場での生活は酷いものだった。
食べる物も粗末だったし、着るものや寝具も最低限のものだった。そのせいでいつもひもじい思いもしたし、夜も眠れない日も多かった。
そのうちに私の体に異変が起こった。
私の背中や手足の骨格が歪み始めたのだ。
あとでフリードリヒ様に聞いた話だと、くる病という病気で、成長期の子供が低栄養状態で日光に満足に当たらないような生活を続けると、ビタミンDという成長に必要な栄養が不足してなるものなのだそうだ。
この時は小さかったからわからなかったが、今考えてみると、フリードリヒ様はどうしてこんな医学知識を持っていたのか不思議だ。この時代なら、真っ先に悪霊や悪魔の仕業を疑われて当然なのに…
フリードリヒ様はこのように時代を超越したような高度な知識をたくさん持っている不思議な方だった。
同じくフリードリヒ様の愛妾をやっているフィリーネさんは「きっと未来人か何かに違いない」と言っているが、さもありなんである。
結局、私の姿を奴隷たちや監督の男も気味悪がり、私は再び奴隷商に売り飛ばされた。
◆
売られた先の奴隷商では、こんな気味の悪い姿の私に買い手がつくはずもなく、そのうちに奴隷商は他の奴隷とセットで販売することを思いついた。それでもなかなか買い手は付かずに時は過ぎた。
そして運命の日はやってきた。
奴隷商が外で声をかけ、冒険者らしいき人を店に案内してきた。
白銀のマスクを着けてなぜか顔を隠している。他にパーティーメンバーがいるようだが皆が女性だ。
奴隷商は、ミーシャさんという猫耳族の女性を勧めている。
「こいつは猫耳族でやんして、素早さがとりえなんでさ。斥候役に最適ですぜ」
「確かにうちのパーティーに斥候役はいないが…」
「今ならサービスでこっちのちっこいのもお付けしやすぜ。おめえも立てっ」
どうやら奴隷商は今回も私をセット販売するつもりのようだ。
満足な食事も与えられず、私はふらつきながらも必死に立った。
不思議なことに、白銀のマスクの冒険者はミーシャさんよりも私の方をじっと見つめている。
そして言った。
「わかった。買おう」
パーティーメンバーの女性がそれを諫める。
「あなた。亜人奴隷なんかに同情していたらきりがないわよ」
「旦那もとことん人がいいねぇ」
「主様…」
が、仮面の冒険者は言った。
「理屈ではなく、私の気がすまないのだ」
「へへ。ありがとうごぜえやす」
この瞬間、私はミーシャさんとともに、この仮面の冒険者に買われることに決まった。
◆
仮面の冒険者に連れて行かれた先は、なんとホーエンバーデン城だった。
仮面の冒険者はフリードリヒ様といい、城主の孫だったのだ。
城に着くと早速ミーシャさんと私を風呂に入れてくれた。2人は不潔な環境でずっと生活していたので酷く臭っていたのだ。
そして食事を用意する間にフリードリヒ様は言った。
「なぜ奴隷なんかに?」
「あのね。小さい頃はお母さんと一緒に教会やお金持ちの人から食べ物をもらっていたの。
でも怖いおじさんたちが追いかけてきて捕まっちゃって、その後はずっと糸を紡ぐ仕事をやらされて…そのうち背中が曲がってきて気持ち悪いっていわれて奴隷に売られちゃったの」
フリードリヒ様は意外なことを口にした。
「背中を治してやれるかもしれない。痛いと思うが我慢できるか?」
(そんなことができるのか)とも思ったが、可能ならば是非もない。私は言った。
「うん。我慢する」
フリードリヒ様は私をベッドのある部屋へ導く。
部屋へ着くと、間もなく漆黒のゴシック調のドレスを来た美少女がやってきた。
「オスクリタ。この者の背中を治してやりたい。できるか」
「可能。でも…主様の方が上手だと…思う」
フリードリヒ様は少し逡巡した後、言った。
「わかった。私がやろう」
私をベッドに寝かせる。
「リーゼロッテ。目を閉じて、心を落ち着かせるんだ」
なにか魔法のようなものをかけるようだ。
が、次の瞬間。私はあまりの痛みに悲鳴を上げ、エビぞりになって苦しんだ。
「きゃーーーーっ」
だが、すぐに魔法を調整してくれたらしく、痛みは納まった。今度は成功のようだ。
いつの間にかパーティーメンバーの女性たちが部屋に来ている。悲鳴を聞いて駆け付けたらしい。
「もう。いきなり奴隷を虐待しているのかと心配したわよ。あなたどSだから」
「ちょうどいい。ローザ。リーゼロッテの汗がひどいから拭いてやってくれ。リーゼロッテは栄養が足りていないから私は食料を調達してくる」
「旦那。あたいも手伝うぜ」
くる病にはカルシウムとビタミンDの大量摂取が必要だ。無理やり背骨は伸ばしたが、栄養が足りていないと元に戻る恐れがあるということで、フリードリヒ様は近くの川から小魚を大量に調達してきてくれた。
◆
1週間ほど経った。
私は復調し、普通の食事が取れるようになっている。引き続き小魚を大量に食べ、日光浴もしている。
フリードリヒ様は言った。
「リーゼロッテ」
「『リーゼ』でいいよ。お兄ちゃん」
「ではリーゼ。これからどうしたい。」
「うーん。このお城で働きたいかな。みんな親切でいい人だし…」
「リーゼは何歳になった?」
「7歳」
「そうか。見習いを始めるにはちょうどいい年頃だな。わかった。考えてみよう。」
「ありがとう。お兄ちゃん」
そして私はホーエンバーデン城でメイド見習いをすることになった。
◆
メイド見習いの仕事は、最初は上手くできなかった。
なにしろ7歳の子供で今まで何の教育も受けていなかったのだから当然だ。
そのせいで、侍女長のヴェローザさんや侍女のコンスタンツェさんには年中叱られ、気落ちしていた。
フリードリヒ様の妹たちは、時折私の面倒をときどき見てくれている。
アイリーン様は一緒に料理の勉強をしている。1歳しか違わないのにテキパキと料理をするアイリーンを私は尊敬した。
ルイーゼ様はマルティナに本を読み聞かせているが、私も時折混ぜてもらっている。
マルティナ様は歌が好きなので時折一緒に歌を歌っている。
が、そこは貴族とメイド見習い。対等の立場という訳にはいかない。侍女長のヴェローザさんの目もある。
自然と私はフリードリヒ様を頼るようになり、隙をみてはフリードリヒ様のところに通って甘えるようになっていた。
「お兄ちゃん。来ちゃった」
「どうした、リーゼ?」
「ちょっと疲れちゃったから、休憩」
「なんだ、私の部屋は休憩所か?」
「そうじゃなくて。お兄ちゃんに会いたい気分だったの」
「コンスタンツェにでもしかられたのか?」
「あれはリーゼのために……コンスタンツェさんはやさしいよ」
「仕事はたいへんか?」
「まだ失敗することも多いけど頑張るよ。私の居場所はここだから」
フリードリヒ様は私を優しくハグする。
私はフリードリヒの胸に顔を埋めて甘えた。
◆
私はフリードリヒ様に人気のないところに呼びだされた。
そこには大きな茶虎の猫がいた。
「リーゼ。今度、こいつを城で飼おうと思う。お前が面倒を見てくれ。名前はティーガーだ」
「うわぁ。カッコいい。名前どおりだね」
私はティーガーに駆け寄り、頭を撫でた。ティーガーは警戒していたが、フリードリヒ様がチラッと睨むとおとなしくなった。諦めの境地なのだろう。
「ふわふわして気持ちいい」
「顎の下も自分では舐められないから、気持ちいいみたいだぞ。猫にも触られて気持ちいい場所と嫌な場所があるからいろいろ試してみるといい。可愛がってやれよ」
「うん。お兄ちゃん、ありがとう」
私は小さいながらにフリードリヒ様の心使いが心に染みた。
ティーガーが潤滑油の役割を果たしたのか、フリードリヒ様の兄弟姉妹とも、より仲良くなった。
おかげで私は少し明るくなった。
まだ小さかった私は、どこかの魔法使いのお婆さんが私をお姫様にしてくれ、フリードリヒ様のお嫁さんになることを夢想した。
◆
フリードリヒ様は12歳になり、シュヴァーベン公国の首都アウクスブルグにあるホーエンシュタウフェン学園に通うことになった。
私は当然にフリードリヒ様に付いていくことを希望した。その希望はなんとか通り、一緒にアウクスブルグにいくことになった。
アウクスブルグの屋敷では、コンスタンツェさんが侍女長となった。
そうするとフリードリヒ様の専属侍女をどうするか問題になった訳だが、コンスタンツェさんのこだわりから、侍女長と兼務することになった。
ただ、それだと雑務などが行き届かないおそれがあるので、専属のメイドを付けることになった。
私も手を上げたかったが、まだ9歳で成人しておらず見習いのままだったので断念した。
◆
フリードリヒ様は学園を卒業すると、軍事学校に入り、これを首席で卒業し、近衛騎士団に入団した。
いきなり中隊長という破格の待遇だったが、あの優秀なフリードリヒ様なら足りないくらいだと思った。
その後、フリードリヒ様は破竹の勢いで昇進し、近衛第6騎士団、暗黒騎士団の団長となった。
その間に私は成人を迎え、見習いから正式なメイドになることになった。
私にとってラッキーだったのは、ちょうどその少し前にフリードリヒ様の専属メイドが家庭の事情で辞職することとなり、空席となっていた。
私は一も二もなく専属メイドに立候補した。
侍女長のコンスタンツェさんは私をフリードリヒ様のところへ連れていくと言った。
「フリードリヒ様。次の専属メイドにリーゼロッテが立候補しているのですが、いかがいたしましょうか?」
「ああ。もう正式なメイドになって時間もたっているし、リーゼロッテでいいんじゃないか」
その言い方に私は少し凹んだ。
「いや。これは本人に失礼だったな。リーゼロッテがいい。付き合いも長いし、心して身の回りの世話を任せられる」
──顔に出したつもりはないけど、フリードリヒ様って人の心が読めるの…?
「承知いたしました」
「フリードリヒ様。ありがとうございます」
私はこのころまでにフリードリヒ様のことを「お兄ちゃん」と呼べなくなっていた。
今から考えると、フリードリヒ様のことを女として意識し始めていたのだと思う。
しばらくして、フリードリヒ様は対デンマーク戦争の軍功が評価され、ホルシュタイン伯に叙せられることになった。
と同時に少しショックなことがあった。
皇帝陛下の命令で、全ホルシュタイン伯のバードヴィーデン卿の娘であるロスヴィータ様と結婚することが決まったのだ。
私のような奴隷上がりの平民がフリードリヒ様と結婚などあり得ないことなのに、私の心は沈んだ。
しかし、フリードリヒ様はホルシュタイン伯国の内政に力を入れ、結婚話はしばし棚上げとなっていた。
だが、フリードリヒ様が16歳を迎えようという時、結婚の準備が動き出した。
それに当たり、屋敷の女子たちが集められた。
──なんだろう? もしかして…
私の女の勘が囁いていた。
「皆に集まってもらったのは他でもない。私が正妻を迎えるに当たり、正式な愛妾…」
──やっぱり。
私は瞬時に手を挙げた。が、同時に…
「「「「「はいっ!」」」」」
主旨を言うまでもなく一斉いっせいに手が上がる。皆、必死の形相である。
なんとデュラハンのカタリーナさんや侍女長のコンスタンツェさんとシルキーのオキヌまで手を上げている。
「君たちまで…」
フリードリヒ様は絶句している。
だが、少しの間のあと言った。
「わかった。全員まとめて愛妾にしよう」
その瞬間、女子たちから歓声が上がった。
私も感激して涙が流れた。
夢にまで見たフリードリヒ様の愛妾にしていただいたのだ。女としてこれ以上の喜びがあろうか。
◆
フリードリヒ様はその後も昇進を続け、混乱が続いていたロートリンゲン公国を統一すると、自らロートリンゲン公の地位についた。
私はフリードリヒ様の愛妾となってから、すぐに懐妊し子供も生まれた。
子供は女児だった。
フリードリヒ様は「リーゼロッテの子供だから名前はシャルロッテが良いね」と迷わずに名前を付けてくれた。
そして愛妾としてこの上ない幸せな日々が続き…
ある日。フリードリヒ様に呼ばれた。
フリードリヒ様は静かな口調で言った。
「実はバーデン=バーデンの町で女の乞食が死亡しているのが発見された。それを偶然にみた城の従卒が言うにはその姿がリーゼにそっくりだというのだ」
「ええっ。それって…」
「ああ。リーゼの母上かもしれない」
「で、母は…」
「そのまま置いておくことはできないから、既に共同墓地に埋葬されたそうだ」
「そうですか」
フリードリヒ様は口調を変えた。
「問題はこれからだ。その女がこのようなブローチを大事そうに持っていたのだそうだ」
というと私に見せてくれた。
ブローチには紋章が入っていた。
紋章には書き方のルールがあり、それからどこの家に仕えるどういう家柄なのかということが分かるようになっている。
「この紋章は…」
「調べたところ、灯台下暗しでな。代々モゼル公爵に仕えているオイラー男爵家のものだった」
「では、私の家族かもしれない人たちがそこに?」
「ああ。しかも、使いをやって調べたところ、リーゼが生まれる少し前くらいの時期に失踪した娘がいるということだ。どうやらある冒険者と恋をして駆け落ちしたようだ」
「では、その方が私のお母さまなのでしょうか?」
「その可能性は大きいな。おそらく2人は稼ぎ場である黒の森へ向かい、バーデン=バーデンでしばらく生活していたが、夫が亡くなり、結局は母子ともども路頭に迷ったといったところか…」
私の頭の中をお母さまが苦労している姿が思い浮かぶ…
「実はオイラー家から申し出があって、リーゼに会いたいそうだ」
「私も家族がいるのなら会ってみたいです」
「わかった。では、日程をセットしてみよう」
◆
オイラー家を訪問する日程はすぐに決まった。
お忙しいのにフリードリヒ様が自らついて来てくれることになった。
聞いたところによると、母には兄がいたが未婚のまま戦死し、今は後継ぎがいない状態だということだ。祖父母は健在ということだった。
オイラー家に到着すると家宰が客間に案内してくれた。
オイラー卿が挨拶をする。
「お忙しいところ、大公閣下自おいでとは恐縮です」
「可愛い愛妾のためだからな。当然のことだ」
「早速なのですが、我が家には代々このようなアーティファクトが伝わっておりまして…」
というと指輪を示した。豪華な宝石のようなものが付けられており、家紋が透けて見える。
「実は我がこれをはめて我が家の血筋の者が念じると宝石が光るのです。
リーゼロッテ様。ぜひはめてみてもらえませぬか」
「わかりました」
私は緊張した。
これで私がオイラー家の者かどうかわかるのだ。
指輪をはめて念じると見事に指輪の宝石は光を発した。
疑念が確信に変わった瞬間だった。
「おおっ」とオイラー卿は感激の声をあげる。
「お祖父様、お祖母様」
私はオイラー卿夫妻のもとに駆け寄る。
3人で抱き合って喜んだ。
ひとしきり喜んだ後、フリードリヒ様は言った。
「よかったな。リーゼロッテ。では、おまえも私の側室になってくれ」
オイラー卿が戸惑いの声を上げた。
「我が家は家格がはるかに格下ですが、よろしいのですか?」
「これまでも貴族の娘はすべて側室にしてきた。リーゼロッテだけ例外ということはあり得ない」
私は力強く答えた。
「はい。喜んで」
◆
そして私はフリードリヒ様の側室となった。
お祖父様とお祖母様のところには度々訪れ、シャルロッテの顔を見せている。
可愛いひ孫の顔を見て2人は破顔して喜んでくれる。
2人は私が男児を産み、その男児にオイラー家を継いで欲しいようだ。
そのことをフリードリヒ様に伝えると
「子供は何人もできるだろうから、そのうち男児も生まれるさ」
と呑気に言った。
うれしかったが、恥ずかしくもあり、顔を赤くしてその言葉を聞いた。
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